スペランカーな天才バッター   作:RUKA1235

11 / 25
夏の甲子園開幕!!


全国の壁

 土曜日

 

 青道グラウンドに昨年の甲子園 夏の準優勝校 大阪桐生が来ていた。

 

 青道のスタメンは、

 

 1番 ショート 倉持 洋一

 

 2番 セカンド 小湊 亮介

 

 3番 センター 伊佐敷 純

 

 4番 ファースト 結城 哲也

 

 5番 サード 増子 透

 

 6番 キャッチャー 御幸 一也

 

 7番 レフト 鹿野 涼太

 

 8番 ライト 白州 健二郎

 

 9番 ピッチャー 降谷 暁

 

 ピッチャーの降谷は試合前に片岡から思いっきり打たれて来い、と言われていた。

 

 

 だが降谷は

 

(誰にも打たれる気は無い)

 

 その気持ちで投げるつもりだった。

 

 

 

 しかし、

 

 

 カキーン! 

 

 

 ストレートしかないスタイルと合宿での疲れの蓄積もあり、降谷にとっては今までのようにはならなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「ボール!」

 

 

「押し出しだ! これで3点目だぞ!」

 

「 めちゃくちゃ調子悪いな。あのピッチャー」

 

「 あの高めのボール球に手を出さないからな……」

 

 

 

「 これは長くなるぞー」

 

 レフトで見ていた涼太もそう思っていると、

 

 カキーン! 

 

 

 マウンド横に痛烈な打球が飛び、センター前に抜けたと観客は思っていた。

 

 

 するとセカンドの亮介がダイビングキャッチをして補給して、そのままグラブトスをした。

 

 それをショートの倉持がキャッチして、セカンドベースを踏み、ジャンプしながらファーストに送球して、ダブルプレーを取った。

 

 

「 体ダリィー」

 

「 みんな一緒だから文句言わない」

 

 

 

 その後、青道は結城のタイムリーで1点を返すが、降谷が桐生打線に捕まって、点差は開いて行き、4回途中で11対3となっていた。

 

 この降谷のピッチングを見て、帰って行くギャラリーが増え始めた。

 

 

 

「さすが桐生打線ですね。コントロールが安定しない降谷に対し、2ストライクまでバットを振ってきません」

 

「……球数は?」

 

 ベンチで見ていたクリスに片岡が降谷の球数を聞いた。

 

「4回途中ですでに100球を超えています」

 

 この降谷の状況を見て、沢村が片岡に交代を直訴しに行くも、

 

「お前は6回からだ。黙って見ていろ」

 

 そう言って突き放した。

 

 

 

 大阪桐生の監督の松本は、

 

「えげつないなぁ片岡はん。何か狙いがあるんやろうけどこんなん選手が潰れてまうで。しかも野手が投手を放ったらかしすぎや…… 誰も声かけようとせん。 これやったらあの投手が可哀想やで」

 

 そう独り言を話していた。

 

 

 

 一方御幸は、

 

(全くたいしたヤツだぜ、こいつは。これだけフォアボール出しながら、1球足りともストライクを取りに来る甘いボールは無いんだからな)

 

 そう思って降谷を見ていた。

 

 すると、

 

「……すいませんタイム」

 

 降谷がタイムを取った。

 

(ヤバい。さすがに限界か……)

 

 それを見た御幸はそう思ってマウンドに向かうと、降谷がこう言った。

 

「どうすれば点を取られずに済みますか…… 御幸先輩」

 

「!!」

 

 それを聞いた御幸は驚いた。

 

「悔しいけど今日は自分の球が投げられません。けどこのままマウンドから降りたくないです。1つアドバイスを」

 

(こいつ限界どころか目が全然死んでねぇ……しかも自分の中にある悔しさを抑えながら俺にアドバイスを求めてきやがった)

 

 そう思って御幸は笑いながらある事を思った。

 

(間違えねぇ。こいつはエースの器を持っている)

 

 周りは御幸が笑っているのを見て驚いていた。

 

 そして御幸は降谷にここまでの失点の原因を自らの四球と言った。

 

 しかし結城や伊佐敷がなぜ何も言って来ないかを降谷に聞き、

 

「それだけお前は、あの人たちから信頼されてんだよ」

 

 御幸はそう言って、もう少しバックを信じて打たせてみろと言って帰って行った。

 

 

 

「純さんもうちょいで爆発しそうだったからな。まぁあいつらしいけど」

 

 涼太は昨日の打ち合わせで御幸に降谷に声を掛けないように言われていた事を思い出していた。

 

 その直後、降谷がバックに対しての信頼をして投げたボールは今までのボールと違って、凄い球威で思わずバッターは手を出してしまった。

 

 その打球はセンターに上がり、サードランナーはタッチアップを狙った。

 

 そしてセンターの伊佐敷が捕球した瞬間にランナーはスタートした。

 

 

「死ねオラァー!」

 

 伊佐敷が叫びながら投げたバックホームでサードランナーはホームでタッチアウトになった。

 

 

 ベンチに戻っている降谷に伊佐敷が声をかけた。

 

「てめえホームへのカバー忘れてやがったな!」

 

 そう言いながら降谷の元に行き、

 

「1人で野球してんじゃねーぞ。このバカタレ!」

 

 降谷の胸に拳を付けてそう言った。

 

 

 

 その直後のバッターは御幸だ。

 

 そして降谷に力みを取ることの重要さとこれからの降谷の課題、ベース配分とコントロールの大事なことを話した。

 

「さてと俺も点を取って来るかな。誰かさんのために……」

 

 

 

 カキーン! 

 

 パシィ

 

「たぁーピッチャーゴロ……」

 

「相変わらずムラがありすぎんだよ。まぁ元から期待はしてなかったんだけどな」

 

 そう言って涼太は打席に入ると、

 

 

 カキーン!! 

 

 快音が響いて涼太が打った打球はセンターへのホームランとなった。

 

 

「おー! 2打席連続!!」

 

「さすがだな鹿野は!!」

 

 

「……降谷。あいつのバッテングをよく見ておけ」

 涼太の打球を見て驚いていた降谷にクリスが声をかけた。

 

「……あれが全国でもトップクラスに入るバッターだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。