大会ナンバーワンスラッガーとプロ注目ピッチャーの対決は楽しみですね
お気に入り100人 ありがとうございます
翌日
青道は西東京地区のライバル、稲城実業と練習試合をしていた。
しかし、青道、先発の川上が8回に捕まり、稲実打線に連打をくらっていた。
スコアは8回途中で3対8となっていた。
「昨日も桐生にボロ負けしたし……」
「大丈夫かよ。もう夏は直前だってのに……」
ギャラリーは連日して大差を付けられている青道を心配していた。
青道は5年間、甲子園を市大三高と稲実の2校に独占されている。
しかもこの夏直前のこの時期に、同地区のライバルに大差を付けて負けているのだ。
このような試合をしていると、今年も甲子園を逃してしまう、そうギャラリー達は思っていた。
その後、キャッチャーの宮内が川上に声をかけ、バックの2年・3年が励まし、川上は力を振り絞って8回の守備は終わらせたが、9回に1点しかとれずに、青道は4対8で敗北した。
試合終了後
「おい沢村、ベンチ早く片付けろ! この後稲実と修北の試合を見るからな」
この日、試合に出ない沢村は倉持に言われてベンチの荷物を片付けていた。
「3チームでの総当たり戦…… 俺こうゆうの初めてなんだよなぁ。なんかすげぇワクワクしてきた。あーやっぱ俺も試合に出てー!」
そう沢村が叫んでいると、
「ねぇ、そこの元気そうな君」
そう言われた沢村が後ろを見ると、稲実のユニフォームを着た大柄の男と白髪で小柄な男がいた。
「今日降谷って奴って投げる? 1年なのにとんでもない球投げるんだろ? どんだけ早いか1度見ときたくてさ」
白髪の男がそう言うと、
「フン、自分より球が早いか、それだけが気になっただけだろ。相変わらず器の小せぇヤローだ」
それに対して大柄の男が白髪に対してそう言った。
「うるさいな! 純粋に興味があるの!」
その後も白髪の男が降谷について聞いてきて、ジェラシーを感じた沢村は、昨日の桐生戦での降谷の乱調について話した。
それに対して信じない白髪に沢村は、
「そして、そんな時、満を持して登場したのが、この俺……」
沢村は最後まで言うことは出来ずに、そのまま悶えだした。
それは倉持が沢村に対してタイキックをしたからだ。
「ベラベラとこっちの情報を話してんじゃねーぞ! このバカが!!」
そう言う倉持の後ろには御幸と涼太がいた。
「ま、本当の事だ。降谷の調子は決して良くねぇよ」
「……一也 なんかお前に言われると一気に嘘臭くなるんだけど。涼太、本当なの?」
「まぁその気持ちは分かるけど、本当だよ。それで鳴、今日投げんの?」
「投げるよ」
「じゃあしっかりデータを撮らせてもらーおっと」
涼太と御幸と白髪の男、成宮鳴は仲良く話していた。
大柄な男、原田が成宮を連れて行くと、御幸は沢村に話しかけた。
「沢村……同じサウスポーとして、あいつのピッチングよーく見とけよ」
(え!?)
驚いている沢村に倉持が、
「去年の夏の準決勝…… ウチの打線は2番手に出てきたあいつの球を最後まで捕えられなかったらな」
「俺達にとっては因縁の相手だ。あいつを打ち崩さない限り、甲子園の切符は手に入らねぇ」
稲代実業 2年生エース 成宮鳴
第2試合
修北対稲実
スバァン!!
この数年、東東京地区の新興勢力である修北を6回までヒットを5本許すものの、要所を締めるエースのピッチングを成宮は見せていた。
「ちっ…… 前半は力をセーブしてやがったな。ここに来てギアを1つ上げやがった」
成宮のピッチングを青道はグラウンドの外で見ていた。
「キレのあるスライダーに地面に突き刺さるようなフォーク。そしてその変化球を際立たせる、MAX148kmのストレート」
成宮の投げたストレートをバッターは反応すら出来ずに見逃していた。
「縦と横の変化に、力のあるストレート。まさに投手のお手本になるピッチングだな」
この成宮の完成度には降谷と沢村も驚いていた。
「どう見る? 去年フェンス直撃を打ってるけど」
御幸は涼太に聞いた。
涼太は昨年の稲実戦で、成宮からセンターのフェンスに、強烈のライナーを放つたが、そのセカンドに向かう最中に涼太は足を痛め、途中交代になった。
「打席に入らないとわかんないけど、打つのは難しそうだね」
成宮のピッチングについて涼太は話した。
「それに、あいつの性格からしたら、まだ何かあるっぽいんだよね……」
涼太は御幸にそう言って試合を見ると、成宮が投げる時だった。
そして成宮が投げたボールは、ストレート狙いだったバッターの体制が崩される、緩いボールだった。
そのボールを見た時に、青道のメンバーは驚いた。
涼太も苦笑いで見ていた。
(おいおい。何かあるとは思っていたけど…… まさかチェンジアップかよ……けど)
涼太は周りを見ると、確かに力強いストレートに縦と横の変化に加えて、緩急が加わる事に驚いていた。
しかしその事に怯む事は無く、気合が入っているメンバーばかりだった。
それを見て、涼太も成宮を打ち崩すピジョンを考え出していた。