スペランカーな天才バッター   作:RUKA1235

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甲子園もベスト4まで来ました。

浅野君対山田君の対決は凄かったですねー

あのバックスクリーンのホームランは凄かった・・・

そして優勝候補筆頭の大阪桐蔭が負けるとは・・・


皆さんはどこが優勝すると思いますか?


希望と絶望

 第3試合

 

 青道対修北

 

 青道のメンバーは先程まで見ていた稲実戦を見て、気合が入っていた。

 

 5回までに9点を取っていて、エース最有力の丹波も5回終えて、43球で抑える効率の良いピッチングをしていた。

 

 丹波はここ最近、新しい変化球としてフォークを練習して、習得していた。

 

 しかし、キャッチャーの御幸はここまでフォークのサインを1つも出していない。

 

 それに対して、ベンチで見ていた宮内は、

 

(御幸は丹波のフォークを必要としていないのか?)

 

 そう思っていると、

 

「丹波さん」

 

 御幸が丹波に話しかけた。

 

 

「そろそろ相手が狙いを絞ってくる頃だと思います。次の回からフォークのサインを出しますよ!」

 

 それを丹波と隣で聞いていた宮内も驚いた。

 

「今日の試合、最後まで投げ抜くことが1つの課題です。ここまで球数を抑えられたし、一気にこっちのペースに引きずりこみましょう」

 

(こいつ。最初からここまで考えて……)

 

 御幸の考えを聞いた宮内はそう思っていた。

 

 それを近くで見ていた降谷と沢村は、昨日の試合でほとんどノーサインだったのに、丹波にはキャッチャーらしい事を言ってる事に驚いていた。

 

「……サインを出さないのは取れる自信が無いと思ったんだかな」

 

 丹波は御幸にそう言い、

 

「取れるものなら取ってみろ」

 

 そう言いきった。

 

 

 

 2試合終わった稲実ナインはこの試合を見ていた。

 

 

 カキーン!! 

 

「おー! またホームラン。さすがだね涼太は」

 

 成宮は2打席連続でホームランを打った涼太の凄さを再認識していた。

 

「鹿野は本来ならクリーンナップを打ってなきゃおかしい打力を持ってるからな。あいつと御幸が6番7番にいる事が青道打線の強力さをものがたってる」

 

 原田は青道打線について話していたが、成宮は不満そうに見ていた。

 

「けどつまんないなー。青道の打線が凄いのもう知ってるよ。降谷って奴の球見れないのかなー」

 

 そう言い、修北打線の応援を始めた。

 

 原田は不満を言う、成宮に青道の投手陣が良い投手と話し、しっかりと見ているように言うが、

 

「けどあの人、後半自滅するじゃん。せっかく良い球投げるのに、同じ投手として見てられないんっていうか……」

 

 そう丹波を見ていると目が合い、成宮は原田の後ろに隠れていた。

 

 そして6回裏、修北は丹波のストレートに山を張って、打席に入った。

 

 丹波は御幸のサインを見ると、

 

(!! いきなりかよ。コノヤロ!)

 

 そう思いながら投げたボールはストレートの軌道だったが、バッターの手元でシンカー気味に落ちて行く、フォークボールだった。

 

 これを見ていた稲実ナインも驚いていて、成宮も例外ではなかった。

 

 その成宮に原田は、

 

「本気で甲子園を狙うって奴らは、どいつこいつも死にものぐるいなんだ。甘く見てると、喰われるのは俺達の方だぜ」

 

 

 

 丹波はその回を0に抑えて、ベンチに帰ってきた。

 

 

 そして先頭打者の涼太が打席に向かおうとすると、

 

「鹿野、交代だ」

 

「え?」

 

 片岡に交代を告げられた。

 

「さっきホームラン打ったのに?」

 

「交代だ」

 

 そう言われた涼太は拗ねていて、代打に坂井が告げられた。

 

「そう拗ねるなよ。監督だってお前の事を考えてくれてるんだから」

 

 拗ねている涼太に倉持が声をかけていた。

 

 すると、

 

「……これ以上投げなくてもいいんじゃないですか?」

 

 御幸と丹波が何やら話していた。

 

 どうやら丹波が御幸に対して、フォークを中心にリードをするように頼んでいた。

 

 しかし御幸は、握力を使うフォークを球威が落ちる後半にあまり使いたく無いと思っていた。

 

「あくまでフォークを見せ球に、ストレートとカーブを中心に配球する事が理想だと思います」

 

「いや、フォークを中心に投げる。実戦で試せる機会はもう少ないからな」

 

 そう言って2人の意見は全く合っていなかった。

 

 

 

 

「……丹波」

 

 丹波に片岡が声をかけた。

 

「それはチームを代表する投手としての言葉か? それとも1選手としてのわがままか? どっちか言ってみろ」

 

(!!)

 

「もし自分の身勝手な意見だと言うなら、お前にはエースナンバーをやれん」

 

 片岡の言葉に丹波だけでは無く、ベンチにいた全員が驚いた。

 

「ちょ、監督 今は試合中ですよ」

 

 部長の太田も驚き、片岡を収めようとしていた。

 

「両方だと思います」

 

 丹波はそう言った。

 

「お、おい丹波。何言って……」

 

 丹波もこのような事を言い出したので、太田はまたもや驚いていた。

 

「自分が後半、自滅し崩れる事が多いのも…… その事を考えて御幸がリードしてくれているのも分かっています。けどこの弱点を自分の手で乗り越えない限り自信を持ってマウンドに立つ事は出来ません……」

 

 丹波はそう言い、続けて、

 

「本当のエースになるために、これが自分の正直な意見です」

 

 そう言いきった。

 

 力強い言葉を口にした丹波にベンチにいた選手達は、丹波の意志の強さを感じていた。

 

「そういうことなら俺も最後までとことん付き合いますよ。これほどの決意を持った投手の意見を無視することなんて出来ないっスからね」

 

 御幸がそう言う事に丹波は驚いていると、

 

「フン……珍しく大口を叩きやがって。これで打ち込まれたら責任とってもらうからな。その頭頂点まで刈り上げてスキンヘッドにしてやる」

 

 伊佐敷がそう言った。

 

 それに亮介や結城、倉持などが乗って、

 

「1点取られたらスキンヘッド、2点取られたら眉毛も剃るという事で決定だな。メモしておこう」

 

 クリスまでが乗ってきていた。

 

 

(入学当初から背が高く、投手としての期待値は高かったけど、極度のあがり症で、我々指導者と目すら合わせられなかったわね)

 

 副部長の高島は丹波が入学してきた頃の事を思い出し、今、チームメイトに囲まれている丹波を見て、

 

(けど夏直前ギリギリ間に合ってくれそうね)

 

 そう笑顔を浮かべた。

 

 

 そしてそれを見ていた降谷と沢村は、丹波を見て、チームメイトに認められるのがエースだと、思っていた。

 

 

 

 

「次のバッター 早く!」

 

 審判がベンチに向かってそう言い、

 

「次、丹波さんですよ」

 

 沢村は丹波にそう言うと、

 

「あー! いつの間にか白州先輩が一塁に、あれ? 涼太さんはベンチに」

 

「代打出されたんだよ。坂井先輩に」

 

「じゃあ坂井先輩は……ベンチに」

 

「うるせ! サードライナーで悪かったな!」

 

 そう言ってる間に丹波がバッターボックスに向かって行った。

 

 ベンチでは丹波に向かって声をかけていた。

 

(あいつら絶対打たねーと思ってやがる)

 

 丹波はこれから少しでも長く野球がしたい、必ず甲子園に行く、その気持ちを再認識して打席に入った。

 

「ヒャャハハ! めっちゃ打つ気満々じゃん 丹波さん 」

 

「案外打つんじゃない? ポテンヒットとか」

 

 そう言って倉持と涼太は笑っていた。

 

 そしてピッチャーは投球した。

 

 そのボールはピッチャーの汗で滑って、丹波の方に向かって行き、

 

 ドン!

 

 ボールは顎に直撃して、丹波はその場で倒れたのだった。

 

 

 

 

 

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