スペランカーな天才バッター   作:RUKA1235

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鮮烈デビュー

 関東大会 1回戦

 

 青道高校対横浜港北学園

 

「7回終わって4点差か……」

 

「まぁ返せない点数では無いけどな」

 

 関東大会初戦、涼太は久しぶりにスタメン出場していた。

 

 試合は6回まで、神奈川の強豪の横浜港北学園に対して2対2の接戦だったが、7回に丹波が捕まり、4点差になっていた。

 

 涼太はこの試合、今の所、3打数3安打だ。

 

 

「問題はここからだ」

 

「怪物くんのデビュー戦だからな」

 

 涼太は守備に行く途中に倉持とこれから投げる怪物ルーキーについて話していた

 

「8回の表、青道高校 投手の交代をお知らせします。8番丹波君に変わりまして、ピッチャー降谷君」

 

 これを聞いた観客は驚いた。

 

 観客は横学打線を抑えるピッチャーが丹波しかいないと感じていたのだ

 

 その丹波を交代させてまで出てきたのは1年生のピッチャーだったのだ

 

 それを見た横学の選手達も自分達が舐められているとしか思えないこの采配に絶対打ち崩すと意気込んでおり監督は笑顔で降谷を見ていた

 

 

「そんな笑顔でいられるのはいつまでだろうな……可哀想に…」

 

 レフトで涼太は横学ベンチを見てそう被害者を見るような表情だ

 

 

 そしてその次の瞬間、

 

 ズドン!! 

 

 ここから降谷暁と言う男は関東で名を知られる存在になった。

 

 

 

「凄いの知ってたけど6者連続三振は凄いなぁ けど去年の俺の関東大会デビューのホームランのインパンクトを越していいとは言って無いけど」

 

「1年にこんなピッチングされたら俺らもこのまま終わる訳に行かねえなー」

 

 倉持は笑いながら 涼太は少し複雑な表情で降谷に絡む

 

 

 そして結城が降谷に対して、

 

「後は俺たちに任せろ。この試合ひっくり返すぞ!」

 

 そう言うと、青道ベンチは盛り上がって行った。

 

 

 

 

 

「あそこでスタンドにぶち込めたらなぁ…」

 

「無茶言うなって。アウトコースの変化球をフェンス上部まで持ってくだけで充分だろう」

 

「だってあそこで入ってたら勝ってたからさー」

 

 涼太は御幸が副部長の高島礼に前日の横学戦のスコアブックを借りに行くのに着いて行っていた。

 

 横学戦、9回の裏の青道の攻撃は、青道の反撃が凄まじい物で、涼太のフェンス上部へのツーベースをきっかけに4点差あったのが結果1点差まで追いついた。

 

 そんな風に話していて、ベンチ裏の小屋に入ると

 

 

 

 そこには正座をしている沢村と足を組んで沢村を見下ろしている高島の姿があった。

 

「見るなー! こんな俺を見るなー!」

 

 

 

「あーあかん……おもろすぎる……」

 

「珍しく関西弁も出てるじゃねえか」

 

 涼太は沢村の姿を見て、大爆笑をして珍しく関西弁も出ていた。

 

 

 そして沢村が怒られていた理由を聞いた。

 

 沢村とクリスはバッテリーを組んだが、2人が上手く行ってない事も聞いた。

 

 高島はクリスがこのチームで1番野球に詳しく、選手の能力を見抜く力を持っているため、沢村を任せたのだが……

 

「まぁあの人はなかなか他人に心開く人では無いからな」

 

「同室の1年とも中々話させないからなー」

 

「そっか。お前クリス先輩と同室か」

 

「けど俺が礼さんの立場でもクリス先輩と組ませるけどなー」

 

 涼太がそう言うと、沢村が反論を始めた。

 

「けど全然やる気ねぇじぇねえかあの人……今日だってさっさと帰りやがたし……」

 

 その沢村の言葉に御幸がその理由を述べようとしたが、沢村は言葉を続けた。

 

「俺はあんたに受けてもらいたい!」

 

 沢村は入学前に練習を見学した時に、御幸とバッテリーを組んだ事がある。

 

 その時のイメージに近付くために、この前の紅白戦も投げていた。

 

 そう言う、沢村の考えを理解した上で、御幸が話しかけた。

 

「まぁ……そんなに焦るなよ。あの人についていけば、お前間違えなく成長出来ると思うぜ」

 

「イヤだ! あんなやる気のねぇ奴と組みたくねぇ!」

 

 御幸の言葉にも耳を貸さない沢村は言葉を続けた。

 

「なんであの人がここにいるんスか? やる気がねぇならさっさと辞めれば良いのに」

 

 そう言った瞬間、3人の表情が変わった。

 

 特に御幸の表情が、

 

 そして、

 

 ドンッ! 

 

 御幸が沢村の胸倉を掴み、壁に押し当てた。

 

 それに対して、沢村は驚いた。

 

「お前が上を目指したい気持ちは充分二・三年にも伝わってる。この前の試合を見ればな…… 」

 

 御幸はいつもと真逆の表情をして、

 

「けど今の発言だけは許せねーわ」

 

 その御幸に高島が声をかけ、御幸は部屋を去っていった。

 

「今のは御幸だけじゃなくて、あの人の事を知ってる人に言ったら同じような対応をされてたよ。俺も御幸程では無いけど同じ気持ちを思ってる」

 

 そう言って、涼太は沢村の近くに寄って、

 

「あの人の事を1回ちゃんと見て欲しい。それでお前がまだやる気ないと思うなら俺は何も思わない」

 

 そう言って涼太も部屋を出た。

 

 

 

 

 

「気持ちは分からなくも無いけど、1年にやりすぎじゃない?」

 

「……」

 

 涼太は歩いている御幸に対して、声をかけた。

 

「まぁ日数が経てばあいつも忘れてるよ」

 

 そう言って涼太は御幸の前に行き、寮の方に戻って行った。

 

 

 腰に手を添えながら……

 

 

 

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