「そんでもって、私が侵入者をズバーッ、ズバーッと斬り倒してこのお話はおしまい!
以上、超次元ゲイムネプテューヌ――」
「ちょっとちょっと、勝手な話しないで! 一応の主役は俺なんだから。というわけで、後編スタート!」
掛け合い漫才byネプテューヌ&桐生戦兎
「全力全開! って言いたいけどー、まずは様子見っ!」
ネプテューヌと名乗る、女神……女神?
「ちょっと待ってくれ」
「なあに?」
「女神ってこう、荘厳な感じとか、近寄りがたい雰囲気出してるんじゃないのか? フレンドリーな女神だなって思ったから、つい……」
戦闘態勢をやめて俺の話に乗ってくれるって事は……案外いいやつなのか?
「あーっ! 私の事良い奴だなーとか話聞いてくれそうだなーって思ってるでしょ!」
「はっ?」
声が裏返ってしまうほど驚いた。え、メタ発言? 本編に関わるような事言ったっけ……?
「地の文に書いてあるから、それくらい分かるよー。でも手は抜かないよ。こういう時は戦わないと和解できないもんね!」
そう言ったネプテューヌは木刀を日本刀に変えて向かって来た。
掃除機のホース部分と刀がぶつかり、ガキィン! という音を立てて火花が散る。
「なんだよそれ……訳わかんない事言いやがって」
『ラビット! タンク! ベストマッチ!』
ネプテューヌを寄せたままレバーを回していく。当の本人は「え、なになにっ!」と驚いているが構わず続ける。
『Are you ready?』
「ビルドアップ!」
『鋼のムーンサルト! ラビットタンク! イエーイ!』
ハーフボディ同士が合わさった瞬間、ネプテューヌは内側から飛ばされた。ようやく基本フォーム! キターーーーーー!!
ビルドクラッシャーを取り出し、俺も戦闘態勢に入る。互いのにらみ合いが続き、頬に冷たい風が当たった瞬間――
距離を詰めていく。距離はそこまでない。でも
「俺の方が上手だな!」
左足に力を込めて飛び上がる。
「ふふん、主人公をなめてもらっちゃ困るよ」
言葉の意図が分からず、取り敢えずネプテューヌに向けてビルドクラッシャーを振り下ろす。勢いを付けた一撃は確かにネプテューヌに当たり、地面を抉る。
土埃が晴れて目の前にいたのは、両手で大きなスプーンを持っていたネプテューヌだった。
「上から来るよ、気を付けて!」
上? その通りに上を見上げた俺は――
巨大な何かに押しつぶされた。
「プリン、プリン!」
喜んでいるようだ。そして数十秒経った頃
「おーい、大丈夫ー?」
口元をプリンで汚したネプテューヌが顔を見せたのだった。
「いやーまさか侵入者の正体が男の人なんてねー。私も驚いたよー」
彼女の自室に案内された俺は、プリンの衝撃で騒ぎを聞きつけたコンパちゃんの治療を受けていた。
「ねぷねぷはすごいですよ。いつもこんな感じだけど、やる時はやるんです」
「そうなのか? 俺にとっちゃふざけてるようにしか思えないけど」
「えー! ……みんなそう言うし、合ってるのかな……?」
本気で言ったわけじゃないのに……。しょんぼりするネプテューヌに対してコンパちゃんはこう言った。
「でも、ねぷねぷはいつも通りが一番いいです」
「やっぱそうだよね! ぐーたらこそ至高!」
「はい、終わりました。どこか痛むとこはないですか?」
治療のエキスパートなだけはある。的確な処置のおかげで傷の痛みが引いた気がした。
「ありがとう。助かったよ」
「いえいえ、どういたしましてです」
お礼を言うと、コンコンとドアがノックする音が聞こえた。
「ネプテューヌさん、ちょっといいですか? 侵入者についてお話が……」
「あ、いーすん。入っていいよー」
いーすん? 誰かのあだ名か? ドアが開くと、本に座っている小人の女の子と、短パンを履いていて腰回りにに九つの携帯電話を付けたロングコートを着ている女の子が入って来た。
「あ、あんた侵入者……!」
「もう大丈夫だよあいちゃん。この人確かに侵入者だけど私が退治したんだ」
侵入者……。あ、まだ名乗ってすらなかった。
「失礼だな。俺は桐生戦兎、仮面ライダービルドだ」
「仮面……」
「ライダー……ですか?」
「ああ」
ロングコートを着た女の子がネプテューヌの方を見た。
「……ねぷ子。あんたの言ってる侵入者って」
「この人、です……ライダーですよ!」
「え……ええええええええええ!!」
今気づいたのか……! まあ、それもそうか。ついさっき言ったもんな。
「まさか……ネプテューヌさん!」
「ねぷぅ!?」
「迷い込んできた戦兎さんにケガをさせたのですか!」
「え、あ、ち、違うよ、誤解だって! ダラダラしてる時に警報が鳴ったから慌てて外に出たら鉢合わせただけだよっ!」
「結局仕事をサボっていたのですね! さあ、今日こそは必ずやってください!」
そう言うと、いーすんと呼ばれている人がネプテューヌの背中をグイグイ押して部屋から無理矢理出させた。
「ふぅ……これでしばらくはゆっくりできますね」
部屋の外からは「おーい、開けてよー。私も話聞きたいよー」と言うネプテューヌの声が聞こえたが、観念したのか姿は見えなくなった。
「取り敢えず自己紹介をしましょう。私はこの国プラネテューヌの教祖、イストワールです。よろしくお願いします」
「私はアイエフ。ゲイムギョウ界に咲く一陣の風よ。よろしく」
「コンパです。よろしくです」
三人の紹介が終わったところで、改めて名乗る。
「さっきも言ったが、俺は桐生戦兎。仮面ライダービルドだ。よろしくな」
よろしくお願いしますと頭を下げる三人に習い、こちらも頭を下げた。
「戦兎さん、あなたはこの世界へ迷い込んできたということでよろしいですか?」
「ああ。丁度いい建物があるから下りたんだけど、こんなことになるなんてな」
「わかりました。でも、プラネタワーの警備ロボットを破壊したので、直すには居てもらわないと困りますね」
「俺に協力してくれって事か?」
「はい、その通りです」
こうなるだろうと予想はしていた。でも、次に飛び出した言葉は俺の予想の斜め上を行っていた。
「今日からここに住んでもらいます。ネプテューヌさんのお手伝い兼監視役として」
「…………え?」
その後、イストワールはネプテューヌに同じことを説明し、多少むくれていたネプテューヌも今日だけは遊ぶことを許可され上機嫌になったのか、二つ返事で承諾した。
後編いかがでしたか? 一人称と三人称が混ざっているかなと思ってしまいますが、恐らくないだろうと信じています。
ようやく揃ったネプテューヌ組。最重要人物がいませんが、それはまた次回のお話で。
狂気の悲愴が彼らを襲う。