超次元ゲイムネプテューヌRe;BUILD   作:オルソル

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「天才物理学者の桐生戦兎はプラネテューヌの住人となり、ネプテューヌの監視役となっている。そんな時プラネタワー襲撃が起こり、俺達は何とか対処したものの、ネプギアと呼ばれる少女が俺達の前に姿を見せたのだった」

                              まじめにby桐生戦兎


二話 魔剣の侵略者(中編)

沈黙が続く。ネプテューヌの震えが、こっちまで伝わる。そんな重苦しい空気を破ったのは、柱の陰から出て来たイストワールだった。

 

「ネプギアさん……でよろしいですか?」

「何ですか、いーすんさん」

「あなたはなぜ……このようなことを……」

「決まってますよ、そんなの。ただ一人の女神になって、国を治めた。けど、私はお姉ちゃんのようになれなかった。女神殺しの女神、そんな悪評が広まった。だから、私は自分の居場所を作るために、ここを襲ったんです! 私を認めてくれる人達と暮らすために!」

「それが、あなたの望んだことなのですか!?」

 

 イストワールが声を張り上げた。

 

「えぇ、そうですよ。だってもう……お姉ちゃんもユニちゃんも、誰もいない。 ……なら、どんな手を使っても私は皆を取り戻す。だから――」

 

 ネプギアの手に握られたゲハバーンが光り輝く。

 

「私の邪魔をする人は全て排除するのみです」

 

 ネプギアの覚悟の声が、響いた。

 

 

「私はあれから他の次元にも手を出しました。神次元、零次元にも。だから、ゲハバーンの中にうずめさん達もいます」

「ネプギア……」

「大人しく殺されて、お姉ちゃん……!」

「くっ……!!」

 

 俺達は武器を構え直し、身構える。

 

「でも、その前に」

 

 ネプギアは倒れている男達に目をやった。

 

「使えない駒は、消した方がいいですね」

 

 そう言うと、ネプギアは左手に黒い靄のようなものを溜め始める。

 

「お、おやめ……やめてくださいネプギア様!」

 

 さっきまで話していた男が急にうろたえ始める。

 

「死んでください」

「うわあああっ――」

 

 黒い靄がばらまかれると男達は一瞬にして消え去り、後には俺達だけが残った。

 

「ネプギア……?」

 

 信じられないという様子のネプテューヌ。イストワールも目をパッチリ開いて事の顛末を見ていた。

 

「人を、消したのか」

 

 俺は少し強めの声でネプギアに問いかけた。

 

「ええ、そうですよ。殺しました」

 

その言葉を聞いた途端、ネプテューヌはぺたりと座り込んだ。

 

「…………ネプギア」

「なに、お姉ちゃん」

 

 数秒の沈黙の後、ネプテューヌは立ち上がった。ネプギアを見据える顔は涙を溜め、怒りの形相をしているのがはっきりわかった。

 

「ネプギア、わたしの話を聞いて」

「……いいよ。聞いてあげる」

 

 早くして欲しいという顔でネプギアは話を聞く体制を取った。

 

「わたし、知ってるよ。ネプギアは強い子だってこと。でも、こんなの……私が、皆が望んだことじゃないでしょ! 今のネプギアは間違ってる!!」

「…………」

「ネプギアはそんな悪いことしないから!」

 

 ネプテューヌの悲痛な思いを聞いたネプギアは少し目を逸らす。

 

「まだ、間に合うよ。だから、戻って来て……ネプギア」

 

 ネプテューヌはネプギアに少しずつ近づいていく。妹を思う姉の気持ち。それは、父さんとの関係に少し似ている気もした。

 

「…………うる、さい」

 

 ネプテューヌの目線の外でネプギアはゲハバーンを振り上げていた。

 

「うるさいって、言ってるの!!」

 

 ゲハバーンを振り下ろすネプギア。俺はネプテューヌを押し倒し、ドリルクラッシャーで受け止めた。

 

「俺は……お前に、会った事はない。でも、お前が苦しんでる姿は……見たく、ないんだよっ!!」

 

 ゲハバーンを振り払い、ネプギアと距離を取る。

 

「ネプギア、お前は必ず……俺達が救う!」

「救いなんて要らない! 私は、私を認めてくれたあの場所があればいい!!」

 

 再び斬りかかってくるネプギアの攻撃を避けながら叫ぶ。

 

「それじゃダメなんだ! 誰かに認められるんじゃなくて、自分で自分を認められないと……本当の幸せなんか掴めないんだぞ!!」

「黙れええええっ!!!!」

「ネプギアッ!!!!」

 

 そう叫んで前に飛び出したネプテューヌ。ネプギアの動きが一瞬鈍くなる。

 

「……今だっ!」

 

『ローズ!』

 

「ビルドアップ!」

 

 ラビットボトルを外し、ローズフルボトルを入れてトライアルフォームになる。

 花びらで視線を遮り、一気に近づく。

 

「ああっ!!」

 

 振り下ろされたゲハバーンをギリギリで避け、懐に入り込む。

 

「!?」

「これで……終わりだッ!!」

 

 ドライバーのレバーを回す。

 

『Ready Go!! ボルテックアタック!』

 

 左腕、タンクのパンチが決まり仰け反るネプギア。鎧の中心にヒビが入った。

 

 

「これで、諦めてくれるよな?」

 

 俺の活躍でネプギアに膝をつかせたけど、一番の立役者はネプテューヌになる。主役の座譲らなきゃダメかなぁ?

 

「……さすがですね。でも」

 

 ネプギアは即席の魔力弾でタワーの天井を破壊。そのまま上空へ飛んでいく。俺は落ちて来たタワーの塊を掃除機で引き寄せ、足場を作った。

 

「待て!」

 

 ネプテューヌと共に上り追いかける。

 

「なんなの、あれ……」

 

 目線の先にはネプギアが、上空には紫とピンクが混ざった色の魔力弾。それは、とんでもない大きさになっていた。

 

「マジかよ……最悪だ」

「でも、どうする気なの」

「プラネテューヌを滅ぼす気よ!」

 

 ネプテューヌ、イストワールとも違う声が聞こえた。振り返った戦兎達の前に現れたのは、アイエフとコンパだった。

 

「プラネテューヌを破壊? どういうことだ」

「そのままの意味よ。ネプギアはプラネテューヌを滅ぼす気なの」

「そんな……! なんとかならないんですか!?」

「無理ね。プラネテューヌのシェアはネプギアに吸収されてる。どうにか女神化出来ても、もつかどうか……」

「シェアを取り込んでるの!?」

「はい、アイエフさんの言う通りです」

 

 いつの間にか姿を消していたイストワールが現れた。

 

「いーすん! どこにいたの?」

「アイエフさんに連絡を取って、ネプギアさんについて調べていたんです。その途中でこのようなことが」

「でも、シェアを奪っているのは本当よ。今は動きが遅いけど、あともう少ししたら速度が上がってこの国が完全に無くなるわ」

 

 女神化……はよくわからないが、俺はネプギアを止めないと危険になると悟った。

 

「ネプテューヌ、女神化を維持できる時間は?」

「三分……五分なら大丈夫!」

「よし、いくぞ!」

「あいちゃんにコンパ、いーすんはそこで見てて。私がなんとかするよ」

「私達、だろ」

 

 俺もネプテューヌの隣に並ぶ。

 

『グレート! オールイエイ!』

『ジーニアス!』

 

ジーニアスフルボトルを起動し、ベルトにセット。レバーを回す。

 

『イエイ! イエイ! イエイ! イエイ!』

『Are you ready?』

 

「ビルドアップ!」

 

『完全無欠のボトルヤロー! ビルドジーニアス! スゲーイ! モノスゲーイ!』

 

 ジーニアスフォームへとチェンジする。

 

「刮目せよっ!」

 

 ネプテューヌの体が光に包まれ――

 

「女神の力、見せてあげるわ!」

 

 女神化した。

 

「なんか……色々変わってんな」

「そうね……お互いに、ね」

 

 互いの変わりように驚きが隠せなかった。知っているのならともかく、互いにこの姿を見せたのは初めてだ。無理もない。アホの子からクールになったネプテューヌ、俺はボトルマン。文面だけではおかしいが、実際そうなんだ。

 

「まあ……やるぞ!」

「ええ、主人公の本気を見せるわ!」

 

 俺達は目標をネプギアに定めて飛び立った。




 中編、終わりました。ようやく登場したネプギアですが、既に闇落ち状態。救う手立てはあるのでしょうか。
 次回はいよいよ主役コンビの完結編。最終決戦とその後の二話構成となります。だから実質三話行くかも……?
 ジーニアスも大活躍しますよ。それでは。
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