桜入り乱れるトレセン学園-ターフを駆け抜けるSP 作:USMC
春、それは新たな人生が始まる瞬間だ。
小学校や中学校、高校に通うものや社会人として働きに出るもの、はたまた大学など様々だ。皆期待と不安を胸に新たな1歩を踏み出していく。
しかし、その裏では悪事を企む者もまたいるのである…。
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その日は風が強い日だった。まだ咲いて間もない桜の花が枚散り、辺り一面に撒き散らされる。一枚、また一枚と桜の花びらが散って行く。そして一枚の桜の花びらがパトカーのフロントガラスにヒラリと落ちてくる。
「あ、桜」
そう口にしたのは俺の後輩である西浦努、最近自動車警ら隊に入ってきた新人の警察官だ。
西浦
「いやぁ~もう春っすスね~あっ!春と言えばもうすぐ桜花賞の時期っすよ先輩!」
西浦の問いに俺は。
笹山 守(以降笹山)
「ん?桜花賞?なんだそれ?」
西浦
「えー!先輩知らないんっスか?!」
笹山
「何だよ知らなくて悪かったな」
西浦
「桜花賞って言うのはURA主催で春に行われるGIレースですよ!」
笹山
「あぁ…ウマ娘のレースか…生憎俺はレースに興味無いんでな…ってか今は勤務中だろうが!余計な話するな!只でさえ春は不審者やら空き巣やらが多い時期だって言うのに」
西浦
「えー良いじゃないっスか!あのウマ娘達の頑張って走っている姿めちゃくちゃカッコいいじゃないですか~!それに皆可愛いし!」
笹山
「はぁ…全く…」
そう二人が話していると無線から雑音と共に通信指令室からの入電が入った。
『至急至急、警視庁より各局 110番入電、○✕PS*1管内 不審者の通報あり、人着は黒のジャンパー、青の帽子を身につけ身長は160~170cm程の30代男性との情報 付近を巡回中のPM*2及びPC*3は至急●●町✕-○△へ急行せよ、以上警視庁』
笹山
「はぁ…言った側からこれかよ…ほら行くぞ」
そう言うと笹山は、赤色灯のスイッチを入れると、無線機に手を伸ばした。
笹山
『こちら警ら01より警視庁 現場向かいます どうぞ』
『こちら警視庁了解』
パトカーのサイレンが町じゅうを震わさんばかりに辺りに響く。今の時間帯は通勤ラッシュで車も多い、そんな中での不審者の通報、世の中物騒なものになったなと笹山は思った。
━数分後━
程なくして笹山達が乗るパトカーは不審者が目撃された場所に到着した。周りは住宅街で少し歩けば人通りの多い道にも出る。また近くには小中高の学校があり通学路もある。
そして今の時間帯はちょうど通学をする各学校の生徒達が大勢いる時間帯であり、またこの春から新たな人生を歩んで行くもの達でもある。
笹山『こちら警ら01 現着 これよりマル索*4に入る』
無線で報告をしながら辺りを見回す笹山、周りは通学中の学生だらけだった。そんな時、彼の目に1つの制服が目に止まった。
笹山
(あれは…トレセン学園の制服…)
-トレセン学園-正式名は日本ウマ娘トレーニングセンター学園であり、URAが運営するウマ娘養成機関である。基本的には全国から小学校を卒業したウマ娘が筆記試験・実技試験・面接を経ての入学となり「トゥインクル・シリーズ」のデビューを目指すウマ娘たちが通う全寮制の学園である。
笹山
(そう言えば近くにトレセン学園があったな…)
笹山
(あいつも…生きていれば今頃…)
笹山がそう考えていた時だった。通報にあった不審者の人着と一致する男性が通学中の学生達の間を歩いていたのだ。よく見ると男は時々通学中の学生達にぶつかりながら歩いている、足取りもフラフラとしていた。
笹山
「あいつか」
西浦
「え?見つけたんですか?」
笹山
「あぁ、あいつだ」
笹山は不審者の男を指差す。
西浦
「あー本当だ!確かに通報どうりの服装ですね、にしても何かふらついてるなぁ…」
西浦
『こちら警ら01より警視庁○✕町付近で マルタイ*5これより バンかけ*6を試みる』
『こちら警視庁了解』
笹山
「西浦、バンかけするぞ」
西浦
「あ、はい」
男は笹山達に気付いている様子はない職質するには良いタイミングだろう。そうして二人がパトカーから出るためにフロントドアを開けようとした時だ、笹山は男が手に何か握っていることに気が付いたのだ。
笹山
(何だ…あれは…?)
男の手に握られているそれは、時折太陽光でキラリと反射していた。瞬間笹山の脳内で最悪の光景が思い浮かんだ。
笹山
(まさか…!!)
その時笹山は考えるよりも先に体が動いていた。
笹山
「おい!そこのお前!」
笹山が大声をあげると男は警察がいることに気が付き慌てて逃げ出したのだ。
笹山
「クソ!西浦!追い掛けるぞ!」ダッ
西浦
「はい!」
笹山と西浦は逃げる男を追い掛けていく。不審者の男は小刻みに路地を折れながら走っていく。
笹山
「あいつ…路地に入って行きやがったな…てことは…」
笹山は警察官になって6年目、この地域の地図は頭に入っている。勿論近道になる道も記憶している。つまり何が言いたいかと言うと…
笹山
「西浦はこのまま追い掛けろ、俺は先回りする!」
西浦
「分かりました!」
笹山は先回りするため次の路地で曲がり全速力で路地を走り抜けた、すると予想どうり不審者の男が路地を抜けた先の道に立っていたのだ。しかしそれと同時に男の前には尻餅をついて倒れているトレセン学園の制服を着て”流星のヘアバンド゛をした栗毛のウマ娘の少女が居たのだ。男の手には銀色に輝くナイフが握られていた。
佐々
「っ!クソが…!」ダッ
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男
「はぁ…はぁ…」
男はナイフの切っ先を栗毛のウマ娘に向ける。
人はウマ娘に勝てないと世の中では言われている、しかしウマ娘も人間と同じで恐怖を感じる、しかも今回に関しては年頃の少女だ。
栗毛のウマ娘
「ぁ…ぃゃ…」
男
「ハハ…何だよ怖がるなよ…」
栗毛のウマ娘
「ぁ…たすけ…」
男
「怖がるなって言ってんだろ?!」
栗毛のウマ娘
「ヒッ…」ビクッ
男
「はは…大丈夫だよ…苦しまねぇように殺してやるからよぉ…」
男は手に持っているナイフを栗毛のウマ娘の胸に目掛けて振りかざそうとした。
━その時だった━
ガキンッ
男
「っ!」
男と栗毛のウマ娘との間に何処から現れたのか、警官が警棒で男のナイフを受けながら1人立っていた。
男
「この…!邪魔をするなぁぁあー!」
そう叫びながら男は自分の邪魔をした警官に向けてナイフ振り下ろそうとした。
しかしナイフが警官に届く事はなく…代わりに男はすんなりと躱されたナイフを持つ腕を掴まれ、背負い投げをされ盛大に吹っ飛んでいった。
若い警察官
「7時53分 銃刀法違反及び殺人未遂の容疑で現行犯逮捕する!」
その後駆けつけてきた別の若い警察官に手錠をかけられ男はお縄となった。
栗毛のウマ娘
「は…え…?」
栗毛のウマ娘の少女は目の前で起きた出来事に頭が追い付いていない様子だった。そんな彼女の元に刺される寸前の自分を助けてくれた警官が近寄ってきた。
警官
「おい、立てるか?」
栗毛のウマ娘
「は、はい…」
警官
「怪我は無いか?」
栗毛のウマ娘
「大丈夫です…」
警官
「分かった」
警官は一言そう答えると無線機に手を伸ばした。
警官
『至急至急 警ら01より警視庁 ●●町✕-○△にて発生した不審者事案について 男がナイフで登校中のトレセン学園の生徒を殺傷しようとした為現逮 至急車両応援要請願いたい どうぞ』
『こちら警視庁 車両応援要請了解 警ら01へ 負傷者等はいるか?どうぞ』
警官
『こちら警ら01 本事案での負傷者はゼロ どうぞ』
『警視庁了解』
無線での交信が終わった後警官の元に先程助けた栗毛のウマ娘が近寄ってきた。
栗毛のウマ娘
「あの…」
警官
「ん?何だ?」
栗毛のウマ娘
「助けて頂きありがとうございます…」
警官
「あぁ、当たり前の事をしただけだ、気にするな」
栗毛のウマ娘
「えっと…私…」
警官
「後の事は他の警察官が面倒見てくれる心配するな、それじゃあな、まっ精々頑張りな」
そう言うと警官は自分のパトカーに戻っていった。
栗毛のウマ娘
「…」
パトカーに戻って行く警察官を1人見つめる栗毛のウマ娘の少女、そんな彼女の元にトレセン学園の制服を来た゛右耳に青いリボン゛を付けた1人の黒栗毛のウマ娘が手を振りながら近寄ってきた。
黒栗毛のウマ娘
「大丈夫ですか?!事件に巻き込まれたって聞いて…心配で…」
栗毛のウマ娘
「えぇ大丈夫、心配かけてごめんなさい」
黒栗毛のウマ娘
「良かったです…そう言えばさっきは何見てたんですか?」
栗毛のウマ娘
「何でもないわ」
黒栗毛のウマ娘
「そうですか…?」
これが1人のウマ娘の少女と警察官 笹山守との出会いだった。
はい、如何だったでしょうか。初めてのウマ娘&警察物の小説なので間違えている場所とかあるかもしれません。その時はコメントなどで教えて頂ければ幸いです。
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