六等分の幸せ   作:アルフレイン

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やっと14.5巻ゲットできました!
いや、ねぎ先生マジで神すぎて神。
大人になった5つ子が本当に顔とか大人びてて好き。(私だけ?)

もしお時間あればアンケートの方ご回答をお願いします。
結果は参考にさせていただく可能性があります。


第1話 上杉風太郎の決断

俺は文化祭最終日に5つ子全員を教室に呼び出していた。

理由は簡単。俺の想いを告げるためだ。

俺は想いを告げ、あいつらと離れるんだ。

勝手なことは重々承知だ。だが、きっとこうするしかないんだ。

全員を呼び出した時間通りに俺は教室の扉の前に来た。

中から声が聞こえる。

どうやら全員そろっているみたいだな。

意を決して扉に手をかけると少し震えているのに気が付いた。

ビビってるんじゃねえよ。怖がるな。

どんな結末になろうと俺は()()()()()()()()()

それをあいつらに伝えなくちゃいけないんだ!

大きく息を吸い、フーッと一気に吐き出す。

大丈夫だ。これはけじめだ。いくぞ……。

俺は扉を開けた。

視線が一気に俺に向く。

 

「悪い、待たせちまったか?」

 

「ううん、大丈夫。

 私たちもさっき揃ったところ」

 

「でも、レディーを待たせるのは感心しないよ、フータロー君」

 

「今、揃ったところじゃないのかよ」

 

「でも待たせたことに変わりはないよね?」

 

「もう少し三玖の優しさを見習ったらどうだ?」

 

「え~。これでも優しいと思うけどな。

 それにフータロー君、これからもこんな機会増えるかもしれないしね」

 

一花のその発言で教室の空気が変わった。

だが、ちょうどいい。そのことでこいつらを呼び出したのだから。

 

「……。そんな機会増えないと思うけどな」

 

「そんなことないんじゃない?フー君」

 

「いや、きっとないだろうな」

 

それは諦念でもあった。

俺はきっとこれからも……。

 

「今日お前たちを呼び出したのは大事な話があるからだ」

 

「うん、知ってた。

 じゃーフータロー君。

 私は外にいるから終わったら呼んでね」

 

一花はそう言って教室から出ようとした。

俺は一花の手を逃がすまいとギュッと掴んだ。

一花はえっ、と小さく声を上げて俺の方を振り返る。

 

「わざわざお前も呼び出してるんだ。

 お前だけのけ者にするわけないだろ。

 ()()()()関係あるにきまってるだろ」

 

一花は信じられないと言いいたげに目を大きく見開いた。

恐らく一花は、いや全員かもしれない。

こいつらは俺が何について話すのかを理解しているのだろう。

だからこそ、一花は自分には関係ないと判断し、教室から出ていこうとしたのだろう。

なんせ修学旅行で色々とやってくれたからな、このバカ長女は。

 

俺は彼女たちに話す前に軽く深呼吸をした。

 

「俺はお前たち5人が好きだ」

 

俺の発言を聞いて、一瞬時間が止まったかのようにすべての音が消えた。

わずかな間を開け、5つ子全員の顔が真っ赤に染まった。

 

「え…。どういう意味なの?」

 

五月はそれでも理解ができないようでポカンとしている。

 

「いきなり来たね……」」

 

俺は顔をうつむけ、話をつづけた。

 

「この6人でずっとこのままの関係でいられたらと願っている。

 だから、申し訳ないがお前たちの中で一番を選ぶことは俺にはできない」

 

彼女たちはどのような顔をしてるのだろうか。

怒り?落胆?

罪悪感からか顔を上げることを本能的に拒んでしまう。

とりあえず、話を続けなければ。

 

「本当は文化祭初日にこの話をしたうえで今日までに1人を選ぶつもりだった。

 でも、お前たちの中で1人だけを選べる自信がなかった。

 だから、俺は問題を先送りにした。

 だが、いつまでも先送りにするわけにもいかない。お前たちにはお前たちの人生がある」

 

「それで今日そのことを言いに来たの?」

 

三玖の言葉に俺はゴクッと生唾を飲み込む。

 

「……そうだ。

 俺は最低な男だ。5人全員を欲しいと思ってしまった。

 お前たち5人には5人それぞれの魅力がある。

 誰か一人だけなんて何度考えても選ぶことなんてできなかった

 でもそんな我儘は許されない」

 

俺は優柔不断な男だ。親父みたいな1人の女性を愛し続けるかっこいい大人にはなれそうもない。

 

「フー君は私たちにどうしてほしいの?」

 

「好きにしてくれ。

 お前たちが近づくなというなら俺はお前たちに金輪際近づかない」

 

「好きに……していいんだね、フータロー」

 

「ああ」

 

「あの……」

 

なんとなく空気が悪くなっているのを察してか、五月がこそこそと手を挙げた。

 

「どうした五月」

 

 

「さすがのことで私もちょっと動転してるから、5人だけで少し話したいの。

 いいかな」

 

俺としてはここで判決を下してほしかった。

それはきっと罪悪感のせいだろう。

この期に及んで、こいつらにさっさと有罪判決を下されて俺は楽になりたいのか、俺は。

俺の事情でこれ以上こいつらを振り回すわけにはいかない

 

「もちろんだ」

 

「じゃあ、上杉君には後日、連絡するから今日はもう帰ってくれるかな?」

 

「わかった」

 

俺は結局5人の顔を見ないまま、そそくさと教室を後にした。

 

「ああ、らいはになんて言うかな。

 めちゃくちゃ怒られそうだな。

 親父にも怒られそうだ」

 

学校からの帰り道、俺は暗い夜道を重い足取りで帰っていく。

ふと空を見上げたら、きれいな満月が夜空を照らしていた。

 

「ふっ、こんな時でも『月がきれい』なんてとんだ皮肉だな」

 

俺の自嘲めいた呟きは誰に聞かれることもなく、闇に溶けていくだけだった。

 

 




最初の方(あと2,3話くらい)だけこんな感じです。
もう少しお付き合いください。

あなたの推しは誰?

  • 一花
  • 二乃
  • 三玖
  • 四葉
  • 五月
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