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俺は来るはずのない未来を頭を振って、意識の外へ追い出す。
そんなもの考えるだけ
そして、俺は3人目に視線を向ける。
「次はお前だ」
「うん」
「思い返せばお前と出会ってから俺の人生は二度目の転換期を迎えた気がする。
結果的にお前らの父親から依頼が来ていたわけだから、お前との出会い自体が関係あったわけではないんだろうがな。
それでもお前と出会ったのは、そのあれだ。
こんなこと言うのは俺らしくないからこの上なく恥ずかしいな。
その、お前と食堂で出会ったのは運命だったんじゃないかと思う」
くそっ。やっぱり恥ずかしいな。
絶対俺の顔は今赤くなってるだろうな。
目の前のこいつも赤くなっている。
「母親を誇りに夢に向かって歩き続けるお前が好きだ、五月」
「正解だよ」
やっぱり五月のため口は違和感があるな。
でも、これは五月が五月になったということでもある。
母親の影を追っていた子どもではなく、1人の人間として成長した証だ。
「悪いな、五月」
「えっと、どれのこと?」
どれって、そんなに思い当たる節が……あるな。
うん、かなりある。
「その、あれだ。
俺はお前の理想としてはふさわしくなかった」
文化祭で五月に言われた言葉。
母親の影から脱却して、自分の足で踏みだした一歩目の言葉
『君だって私の理想なんだよ』
言われたときは敬語をやめた五月への戸惑いもあったが、それより何より嬉しかった。
小学校の修学旅行以降、いつの間にか人との接触を不要なものとしてきた俺はただ勉強
あの子と約束したのは誰かに必要とされる人になること。
勉強だけできるやつの需要が
そんな俺のことを理想だと言ってくれる女の子がいる。
本当にうれしかった。
なのに、俺はその子の理想の姿を裏切ってしまった。
「ああ、そのこと。
うん、確かに上杉君の選択を理想とは言えないかな」
「そうだよな、すまん」
「でもね。
それで上杉君のやってきたことが否定されるわけじゃない。
君が私たちに色々と手を尽くしてくれたのは知ってるよ。
その姿はこれからもずっと私の理想だからね」
「……っ!
ありがとうな、五月」
「どういたしまして」
なんなんだ、本当に。
なんで俺がこんなことを言われているんだ。
ありえないだろ。
俺はこいつらを前に誰も選ばないという選択を下したんだ。
なんで、なんでこいつらは、こんな。
俺を期待させるようなことを……っ!
もしかして、あれか?
上げて落とすとかいうやつか!?
選べなかった俺を一度希望を持たせて持ち上げ、そこから落とすとかいう……。
俺の選択できないという選択はそれほどまでにこいつらにとって重いということなのだろう。
それなら俺は甘んじてその罰を受けようじゃないか。
「次はお前だな」
「いつでもどうぞ」
「お前は5人の中で一番バカだった。
だが、お前の明るさやひたむきさは俺にはないものだ。
面倒をかけられたこともあったが、それ以上にお前には掬われてきたよ。
そして、今確信したことがある」
「確信?」
「まずは答え合わせだ」
「え、なんか私だけなんか違う」
「お前は四葉だな」
「はい!正解です!」
四葉は勢いよくかつらを外して、にっしっしと笑った。
そして「あれ?」と悩みだした。
感情豊かな奴だなホントに。
「私なんか思い伝えられてないような気が」
「まあ、そんな焦るな。
四葉」
「はい!」
「お前が俺と京都であった女の子だな」
「え」
「違うのか?」
「いや、私なんかが上杉さんの思い出の女の子なわけ……」
「四葉。お前の謙虚さは美徳だが、ここでは邪魔だ。
ここまで来たらわかるだろう。
俺はお前らを見分けることができる。なら、昔のお前らでも同じことだ。
零奈の格好をしてくれたから余計わかりやすかったぜ。
本当のことを教えてくれ。あの子はお前なんだろ?」
俺の質問に四葉は黙ってうつむき、服の裾を震える手でつかんでいる。
そして、ついにいつもの元気さはどこへ行ったのか、か細い声で
「は、はい」
と、応えてくれた。
「やっぱりそうだったか」
「その、ごめ」
「まて。何でお前は謝罪しようとしてるんだ。
文句を言われる筋合いはあっても謝罪される筋合いはないぞ」
「あの時の約束を守ることができなくて」
四葉の声は震えていた。
うつむく四葉の瞳が涙が溢れてくる。
とめどなくあふれる涙はぽとぽとと床を濡らす。
「お前はやっぱりバカだな」
「ちょっと、フー君!」
今まで黙ってみていた二乃が声を荒げた。
他の3人も怒りのこもった視線を向けてくる。
「いいよ、二乃。
ほんとのことだから」
「いいわけないじゃない!
フー君。撤回しなさい!」
「話は最後まで聞け。
まったく、何でお前が謝るんだよ。
四葉、お前はほんとにバカだ。
俺はな、お前に感謝してるんだよ」
「え?」
四葉はうつむいていた顔を上げ、ポカンとした表情を浮かべた。
四葉の眼は真っ赤に充血していた。
「お前がいなかったら俺は今ここにいなかった。
誰かに必要とされることなんてなかっただろうな。
それにお前だって学校の色んな連中から頼りにされる人になった。
約束を破ってなんかいない。
ありがとうな、四葉。
そして」
「6年前のあの日からずっとお前のことが好きだ、四葉」
「……っ!!!!」
四葉は俺の言葉を聞いて、また泣き出した。
それも今度は声を上げながら。
「えっ!すまん!
まさか、泣かせるなんて思ってなくて!
そうだよな、6年間思い続けてるなんて気持ち悪かったよな!
四葉、すまなかった」
「あ、謝らないでください。
私は今、悲しくて泣いてるんじゃないんです。
嬉しくて」
「うれしい?」
「私は、私は」
「はい、ストップだよ。
せっかくの感動的なところ悪いけど私だけ待たされてるからね。
それに四葉。そこから先はあとで、でしょ?」
「あ、そうだったね。
ごめん、私うれしくて気持ちを抑えきれなくて」
「うんうん。大丈夫。
お姉さんはちゃんとわかってるから。
だから、もう少しだけ待ってて」
「うん、ありがとう」
何のことかわからないが、最後の1人が四葉をなだめた?のか?
ちょっとよくわからないが後で何かしらあるらしい。
そういえば、これからのことを決める5つ子ゲームだったな。
想いを伝えるのに意識を向けすぎてつい忘れてたな。
「さ、待たせたね。フータロー君
最後はお姉さんだよ」
「お前、隠す気ゼロじゃねえか」
「だって、二乃、三玖、五月ちゃん、四葉。
もう私しか残ってないしね。
もしかして自信ないから最後まで残してたの?
それともお楽しみは最後にとっておくタイプなのかな?」
「アホ言え。
左から順番に答えただけで意味なんてねえよ。
大体お前の方から答えてもいいって言っただろ?」
「ああ、そういえばそうだったね」
「ったく。最後はお前の番だな」
「うん」
「お前にはほんとに迷惑かけられた。
女優に注力するから学校辞めるだの修学旅行でのことだの。
数えだしたらキリがない」
「え、ちょっと待って。
何か私だけ言ってることひどくない?
って言うか修学旅行のことはも忘れてってば!
あれ、黒歴史なんだから!」
「ほんとのことだから仕方ないだろ。
あ、あと部屋も汚い」
「それは今回関係ないじゃん!」
「ははは、悪いな。
つい、からかっちまった」
俺は浮かべていた笑みを真剣な表情に戻した。
「そんなお前だが、姉として4人の妹を支えてきた。
女優としての稼ぎで養おうともしてたな。
いつもなんだかんだで妹のことを気にして優先しようとしてる」
「強くも優しいお前のことが好きだ、一花」
「うん、ありがと」
一花はいつも通りの感じで返事をくれた。
今までの4人があれだった分ちょっと拍子抜けな気もする。
「あ、一花」
「ん?なに?
まだ、伝えたりない想いがあるのかな」
「そりゃ、お前らに伝えたいことなんて山ほどあるが」
「や、山ほどあるんだ。
へ、へぇ~」
先ほどとは打って変わって今度は少し照れ始めた。
こいつらの感情のメーターはどうなってるんだ?
「お前ももしかして京都で俺に会ってないか?」
「え?」
「いや、あの子は四葉なのはさっき確定した。
でも、お前のあの変装見てると、なんか昔会ったような気が」
「!!!!?」
「え?」
今度は一花の目から大粒の涙が溢れだした。
「え?え?どういうことだ?
四葉に続いて一花まで!?
全く理解できん!えっと、すまん一花!
なんか癇に障ること言ったか!?」
「フータロー君」
「な、なんだ一花」
一花は泣きながら俺の名を呼んだ。
「ありがとう」
「え?」
「私のことも覚えててくれてありがとう」
「ってことはやっぱどっかで会ってたのか!?
すまん、ちょっとどこで会ったか詳しく覚えてなくて。
変装した一花を見たときにふと思ったから。
ちょっと待ってな。今、思い出す」
「あはは、大丈夫だよ、フータロー君。
その話はそのうち聞かせてあげるね」
「そ、そうか」
「うん。
さあ、これで5つ子ゲーム終了だね」
そう、俺が一花を当てたことで、正確に言えば四葉を当てた時点で勝負はついていたが、このゲームは決着がついた。
「身内以外で完全に見破ったのはフー君が初めてね」
「私は信じてたよ、フータローに見つけてくれるって」
「にしし、上杉さんなら当然です!
私たちの先生ですから」
「さあ、上杉君。
審判の時間だよ」
ついに来た。なぜ5つ子ゲームに巻き込まれ、5人に想いを語ったのかは最初から最後まで全くもって理解できなかったが、ようやく一連の出来事に幕を落とす時が来た。
俺はどんなことを言われても受け入れなければならない。
それは、5人の想いを踏みにじった俺への罰。
罰を下され楽になりたがっているなんて、よく聞くが全くその通りだ。
俺はこの罪から早く逃れたがっている。
本当に情けない。
だが、これは誰も選ばない選択をとると決めたときから、決めていたことだ。
どんな審判が下されようと俺はただ受け入れるのみだ!
せめてそれくらいはしないと、俺は一生こいつらに顔向けなんてできない!
俺は覚悟を改めて決めなおし、5つ子からの言葉を待つのだった。
展開郎様、Spica0901様
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