六等分の幸せ   作:アルフレイン

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第6話 5つ子の告白

俺は自分で言うのもなんだが、見事5つ子ゲームに勝利を収めることができた。

そして、あとは呼び出された理由を俺たちがこれからどうやっていくのかを聞くだけだ。

とは言っても、俺はこいつらの誰も選ばないという選択を下した。

中には俺のことを好いてくれている子がいるのも知っている。

それでも俺はこの中から1人だけをなんて選ぶことができなかった。

俺はこいつらとこれから付き合っていく権利はないんじゃないかと思っている。

だからこれは今思えば俺との最後の思い出だったのではないだろうか。

 

「さあ、上杉くん。

 準備はいい?」

 

様々なことに想いを馳せていると五月が声をかけた。

 

「ああ、いつでもいいぞ」

 

「フータロー君」

「フー君」

「フータロー」

「上杉さん」

「上杉君」

 

「「「「「私たちもあなたのことが大好きです」」」」」

 

「………え?」

 

こいつらの言葉が一瞬理解できず、思わず間抜けな声を漏らしてしまった。

今、こいつら何て言った?

俺のことを好きだと言ったのか?

こんな俺のことを?

 

「あれ、上杉さん。

 固まっちゃいましたよ?」

 

「さすがにこの距離で聞こえないわけはないでしょ」

 

「……えっと、すまん。

 聞き間違ったかもしれないからもう一度言ってもらっていいか」

 

とんでもない幻聴が聞こえた気がしたぞ。

流石にありえないだろう。

俺の願望が幻聴を起こしたのか!?

だとしたら、かなりヤバいんじゃないか?

 

「もう仕方ないな、フータロー君は。

 これが最後だからしっかり聞いてね。

 普通女の子に2回も言わせたらダメなんだからね」

 

一花はそう言うと目を閉じて息を大きく吸った。

吸った息をフーッと吐き出した一花は俺を見つめ、最高の笑顔を浮かべた。

 

「あんなことまでして私を見捨てず、ここまで引っ張ってくれたよね。

 私は本当にうれしかったよ。

 フータロー君が悪いんだよ。

 何度も諦めようとしたのに何度もあんな風に手を差し伸べられたら、我慢できなくなっちゃうよ。

 それにさっきのことも」

 

俺が悪い?諦める?差し伸べる?一花は何を言ってるんだ。

いや、俺が悪いのは理解しているが話し方的に今回のことを言ってるわけじゃないのは理解できる。

それにさっきのこと?

一花と会ってることを思い出したことか?

総合してこいつは何を言ってるんだ?

大体、さっきこんな長ゼリフは喋ってなかっただろ。

 

「うん、だからね。フータロー君。

 私はそんな君のことが大好きなんだよ。

 それこそ、他の子を蹴落としてでも手に入れたいと思ったくらいには、ね」

 

「っ!!!」

 

やっぱり、今大好き、って言ったのか?

なんでだ?

 

「フー君、次は私の番よ」

 

二乃は俺の顔を両手で抑え、無理やり自分の方を向かせた。

ってかなんだ。番って。さっき一緒に言ってたじゃねえか。

 

「はなしぇ。二乃」

 

「仕方ないわね。私もこれが最後よ」

 

「最初は知ってると思うけど大嫌いだったわ。

 私たち姉妹の仲に土足で足を踏み入れてくるあなたが許せなかった。

 それでもいつの間にか、あんたに惹かれてた。

 あんたは私の王子様。

 フー君、大好きよ」

 

二乃は俺にウインクをかましてきた。

しかも投げキッスのおまけつき。

これが少し前ならアホなことを、で済ませたのだろうが、今の俺にはひどく魅力的に見えた。

 

「フータロー、二乃に見惚れすぎ」

 

三玖が少し不機嫌そうに話しかけてきた。

 

「い、いや別に見惚れてたわけじゃ」

 

「嘘。フータロー、ボーっと二乃を眺めてた」

 

三玖は頬を膨らませ、ムスッとしている。

こんな表情までかわいい、と思うようになってしまった俺は病気なのかもしれないな。

 

「あら、フー君。

 いくらでも私のこと見惚れていいのよ」

 

「二乃は黙ってて。今からは私の番」

 

「フータロー、大好き」

 

直球だった。

照れながら三玖の口から放たれた一言は俺の心を打ちぬくには十分な威力だった。

俺、こいつらのこと好きすぎないか?

 

「もうこの気持ちを我慢できない。

 フータローがあんなこと言うから。

 ずっと好きだった。

 多分、フータローと最初にちゃんと話した時から」

 

「鼻水を入れなかったときか?」

 

「うん、そう。

 覚えててくれたんだ」

 

「まあ、そうだな。

 たかだか1年前の話だしな」

 

「それでもうれしい。

 ありがとう、フータロー」

 

「お、おう」

 

なんで俺が礼を言われてるんだ?

 

「私を5つ子の落ちこぼれじゃなくて、三玖として見てくれたあの日から、ずっと。

 だから、フータロー」

 

「ん?」

 

「責任取ってよね」

 

「おま、それ」

 

「これも覚えててくれたんだね」

 

あの日、図書館で三玖が言った言葉。

なぜか、頭に残っていた。

でも、今の笑顔、仕種、声。

何もかもがあの日よりも魅力的に感じてしまう。

 

今の俺は責任を取る、という言葉の意味を考える余裕すらなかった。

 

「じゃあ、次は私の番ですね!」

 

四葉の声に俺はハッとする。

いかんいかん。こいつらの笑顔を見るたびに意識が止まりそうになってんじゃねえか。

しっかりしろ、俺。

 

「いや、でも私バカだからみんなみたいに想いをたくさんとか話せないんですよね」

 

たはは、と右手を頭の後ろに置き、四葉は困り顔で笑う。

 

「先にやられちゃいましたが、私もストレートに行きます!」

 

四葉は大げさなほどに大きく深呼吸をした。

 

「約束を守ってくれて嬉しかった。

 私のこと見つけてくれて嬉しかった。

 ()()()()

 大好きだよ。今までも。これからも」

 

いつもの子どもっぽい四葉からは全く想像できない大人びた優しい笑みに俺は性懲(しょうこ)りもなく、その様子をただただ見つめてしまう。

 

「最後は私だね」

 

「五月」

 

「なんだか、まだこうやって話すの慣れないなぁ」

 

五月はあはは、と軽く笑いながら続けた。

 

「信じられないかもしれないけど昔はこんな感じで話してたんだよ。

 でも、いつの間にか私はお母さんの代わりになろうとして、自分をなくしてた。

 上杉君のおかげで私はまた私らしくいられるんだよ。

 うん、やっぱり君は私の理想だよ。

 上杉君。月がきれいですね」

 

いつか五月が言っていた言葉。

あの時はドキッとしたな。焦る方の意味で。

 

「あ、もちろん今度は意味を理解してるからね」

 

「五月」

 

「はい」

 

「まだ午前中だ」

 

「え」

 

「それに室内だし、月は見えん」

 

「なんで、そういうこと言うんですか!

 上杉君、本当にデリカシーがないですね!

 そこは男らしく返事をしてくださいよ!」

 

「うるせえ!

 男らしくできるならこんなわけのわからん状況になってないわ!」

 

「何偉そうに言ってるんですか!

 ホントにそうですよ!

 あなたが1人を選んでいればこのようなことはやらずに済んだのです!」

 

「それについては済まないと思ってるが、5つ子ゲームやらされるとか想定してるわけないだろうが、このバカ!」

 

「バ、バカ!?

 あなた、よく自分のこと棚に上げて私に暴言吐けますね!」

 

「ねえ、いいの?

 あれとめないで」

 

「五月ちゃんも話し方戻っちゃったね」

 

「仕方ないんじゃない」

 

「そのうち止まるでしょ。

 ほっときましょ」

 

俺と五月の言い合いを姉4人が側で何か言っていたが言い合いに集中している俺たちの耳には当然入ってこなかった。

 

 




ダストリア様
最高評価ありがとうございます。

ワラビポケ様
高評価ありがとうございます。

Sagy様
誤字報告ありがとうございます。


なんか話が進んでない……。
次はさすがに進むはず!(進むとは言ってない)
今日中に書けたら投稿しますがあまり期待しないで待っててください。

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