無職転移 ー魔王も一緒に転移しちゃった件ー 第二部 作:かまぼこポテト
随分遅くなってしまいましたが第七話になります。
今回も楽しんでいただければ幸いです。
ギロン港より北に行ったところに、その町はある。
チュテンの町。
その町は〝町〟と呼ばれているが、実際は〝村〟と言って差支えないほどの規模だった。
ガジーエー大陸の中央に位置する『ゴッゾ火山』の麓にあるチュテンの町は、かつて多くの人で賑わっていた。
〝平和〟を絵に描いたような、そんな町だった。
その平和は魔王軍の侵攻の前に脆くも崩れ去った。
本来、ガジーエー大陸へ渡るには、ヨクゼン大陸を経由する必要がある。
リムル達が渡った方法と同じだ。
しかし、魔王ローズバルトは独自の船を建造した。それによってウロナ大陸から直接、ガジーエー大陸へと渡ったのだ。
未踏大陸侵攻の前線拠点となったギロン港。
チュテンの町も例外ではなく、労働力確保の為に多くの若者がチュテンの町から連行された。
抵抗した者は老若男女問わず殺された。そして、魔王軍が未踏大陸へ上陸を果たした頃には、連行された者達の半数が減っていた。
連日の重労働、休む間もなく強制される船の建造と武具の作成。反抗すれば即刻、別室に連行され〝教育〟という名の拷問を受ける。
一度、別室に連行されればもう戻ってくることは出来ない。男はサンドバックに、女は慰み物にされた。
未踏大陸に上陸してからは〝偵察〟として未踏大陸の情報収集をさせられた。
〝偵察〟と言えば聞こえはいいが、実際は未踏大陸に生息する魔物の生態を調べるために魔物の眼前に立たされ、ひたすら逃げ続けるのだ。
捕まれば、魔物の〝餌〟
そうしている内に1人、また1人と魔物の餌食となって死んでいった。
その時だった、リムル達適応者が転移してきたのは。
リムル達のおかげで魔王ローズバルトは倒され、魔王軍は壊滅した。
しかし、攫われた者達の中に、生き残った者はいなかった。
魔王軍が復活してから、ガジーエー大陸に再び魔の手が伸びた。
しかし、チュテンの町に転移した適応者がこれらを撃退した。
彼等は好戦的ではなかったが、向かって来る敵には容赦が無かった。彼等は各々、剣技の達人であり『伐刀者―ブレイザー―』と呼ばれる者達だ。
チュテンの町を拠点に彼等は活動していた。
しかし、真・魔王軍幹部のシュトライドがチュテンの町を包囲して、住民を人質に取った。
「おとなしく投降すれば、町の住人の無事を保証する。しかし抵抗したならば、一斉攻撃で蹂躙する」
シュトライドはそう言った。
彼等は投降することを選んだ。
しかし、それが罠だった。
シュトライドは投降してきた4人に洗脳魔法を掛けた。4人は防ぐ術を持たず、魔王軍の駒となった。
だが、それで終わらなかった。
シュトライドは洗脳魔法が成功したことを確認すると、部下に町への攻撃命令を出した。
洗脳された4人の前で、チュテンの町は1日中燃え続けた。
焼けて、廃墟となった町に4人はいる。
シュトライドの作戦だ。
「この4人を助ける為に適応者は来るだろう。そこを包囲し、一網打尽にする」と。
シュトライドの作戦通り、リムル達は来た。
しかし、それがシュトライドの運命を決めることとなる。
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リムル達はチュテンの町に来ていた。
「なんだ、これ…?」
リムルは言葉を失う。一行の眼前には〝町だった場所〟が広がっていた。
崩れて瓦礫となった住居、焼けて何が描かれていたのか分からなくなった看板や商店。世紀末のような光景が広がっていた。
「町の住人は、どうしたんでしょうか…」
隣でルーデウスが周囲を見渡している。
「―――これは酷いね」
そこにムラサキが戻ってきた。町に到着後、偵察に出ていたのだ。
「何がだい、ムラサキ?」
ハルトが訊ねるとムラサキは視線を少し落として口を開いた。
「いくつかの住居に白骨があった。おそらく、死んだ後放置されたんじゃないかな」
「そうか…。魔王軍、しかないかな」
ハルトは頷くと、静かに手を合わせた。
「それとねハルト、洗脳された適応者だけど。この先にいるよ」
「どうしてる?」
「私達が来るのを待ってるみたいだね、ただ立って待ってる。けど敵幹部らしき姿は無かったね」
「敵幹部は俺とアノスで探すよ」
「わかりました。…行こうか」
ハルトは百代に目配せをする。百代もそれに頷いた。
「では作戦通り、リムルさんとアノスさんは敵幹部のシュトライドを頼みます。ハルトさんと百代さんを中心に、洗脳された適応者の相手を頼みます」
「ルーデウス、私達はどうするの?」
「俺達は町の周辺に魔王軍がいないか警戒する」
「わかったわ」
「では皆さん、また後ほど」
3組に分かれて行動を開始した。
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「どうやら3組に分かれたか」
リムル達の様子を伺っていたシュトライドは口元に笑みを浮かべる。
「4人の相手は…あれか、どうやら魔法も使えぬザコらしいな。これは上々だ、さて…」
そしてシュトライドは部下に命令を出す。
「包囲しろ」
「「「はっ」」」
魔王軍が、チュテンの町を包囲するように展開していく。
ルーデウス達の戦闘が始まった。
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ハルト達SORDの面々と百代達、川神学園の面々は洗脳された適応者と相対していた。
向こうが男1人と女3人の合計4人に対して、こちらは11人。
といっても、川神学園の直江大和(なおえやまと)は軍司であり、戦闘には参加しない。参加しても戦力にならないからだ。
それともう1人、葉桜清楚(はざくらせいそ)も戦えない。文学少女である彼女もまた、戦力にならないのだ。
こちらの戦力は9人。1人に2人ずつ相手が出来る。
「おいハルト」
百代がハルトを向く。その姿は闘志に満ちていた。
「なんです?」
「私はあの眼鏡を相手にするが、いいな?」
「構いませんよ。俺は真ん中の男の相手をします」
こうして割り当てが決まった。
ハルトが少年の相手を、
百代が眼鏡の少女の相手を、
SORDのレナ、トーカ、クリス、ムラサキが小柄な少女の相手を、
川神学園の薙刀使いの川神一子(かわかみかずこ)、弓使いの椎名京(しいなみやこ)、刀使いの黛由紀江(まゆずみゆきえ)が赤髪のツインテールの少女の相手をすることとなった。
最初に動いたのは小柄な少女だ。
少女を中心に地面が凍結する。
全員、自身の足元が凍る瞬間にジャンプして足が凍り付くのを防いだが、それによって出来た隙を残りの3人は逃さなかった。
男が刀を抜き放ち、斬りかかってくる。ハルトは抜刀して受け止めると上半身をずらして少年の刃先を横に逸らせる。
態勢を崩した少年に剣撃を繰り出すが、それを躱されて距離を取られる。
ハルトに眼鏡の少女が襲い掛かるが百代がそれを阻止する。
ハルトと百代はそれぞれ一騎打ちの状況を作ると、それぞれの敵に仕掛けていった。
川神学園の生徒達と相対しているのは赤髪のツインテールが特徴の少女。
目を引く赤い髪と、深紅の瞳。赤い線状の装飾があしらわれた金色の剣から繰り出される剣撃は炎を纏い、周囲を包む。
由紀江が刀で剣撃を受け流し、一子が薙刀で一撃を加える。
しかし、剣撃とともに放たれる炎によって攻撃が阻まれ、戦いは拮抗していた。
SORDが戦っている小柄な少女は小太刀を振るい、氷を出現させてSORDの面々を苦しめた。
氷による防壁はレナ達の銃器では簡単に突破することは出来なかった。唯一突破力が高いトーカの狙撃も、飛来する氷塊によって狙撃チャンスを邪魔されて動けずにいた。
百代は眼鏡の少女と戦っていた。
少女は抜刀姿勢で雷撃を放ち、百代を牽制している。百代は襲い来る雷撃を避け、拳を繰り出す。
だが、少女は姿勢を崩すことなく躱すと、再び雷撃を放つ。
凄まじい速度で抜き放たれた刀から雷撃が走る。雷撃はとうとう百代を捉えた。
雷撃を受け、皮膚の表面が少し焦げるが、百代は気にすることなく突撃し、正拳突きを放つ。
「川神流、無双正拳突き!」
放たれた雷撃を突き破り、今度は百代の拳が少女を捉えた。
少女は正拳突きをまともに食らい、後方へ突き飛ばされる。しかし、受け身を取り、何事もなく着地すると、再び抜刀術で雷撃を放った。
ハルトは少年の剣撃を2本の刀で受け流しながら反撃する。
少年はハルトの剣筋を読んでいるかのように躱すと、再び剣撃を繰り出してきた。
(何か引っかかるな。この違和感はなんだ…?)
ハルトは少年と斬り合いながらずっと疑問に思っていた。剣撃を交わす度に、少しづつこちらの剣技に〝寄せて〟きているような感覚を覚えたのだ。
まるで、〝技を模倣されている〟ような感覚。
その感覚はしばらくして、確信に変わることとなった。
少年の繰り出す剣撃が、ハルトの剣撃と同じ物となったのだ。しかも、ハルトよりも剣筋が鋭く、そして速く、重い。
(マズいな。こちらが押されてきた)
ハルトが繰り出す剣撃より強い剣撃が返ってくる。徐々にハルトが押されてきた。
(アノスさん、リムルさん。速く敵を捕らえてください)
ハルトは呼吸を落ち着かせる為に一旦距離を取ると、再び少年に斬りかかった。
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《告。近くに敵性反応があります》
シュトライドを探していたリムルとアノス。リムルの智慧之王が近くの生体反応を発見した。
《どこだ?》
《南西50メートルの位置です》
そう言われて南西の方角を見る。しかし、そこには廃墟しかなかった。
現在2人がいるのは、チュテンの町の外周付近。見渡す限り廃墟しかない。
「何も無いな…」
そう言ってリムルが目線を正面に戻した時―――
「―――いや、そこにいるな」
アノスは真っ直ぐ南西の廃墟を見ていた。
「廃墟しかないぞ?」
「擬態魔法のような物で隠しているだけだ。存在はそこにある」
「よく見えるな~」
「擬態魔法の深淵を覗けば容易い」
そう言ってアノスが掌を廃墟に向けると掌が青白く光る。
「イ・グネアス」
距離を超えてありとあらゆるものを掌握するその魔法は、擬態結界の中にいたシュトライドを引きずり出した。
「おぉ~」
引きずり出されたシュトライドを見下ろしながらリムルは感嘆の声を出す。
「な、なんだ。何が起こったのだ!?」
事態が読めず、狼狽えるシュトライドを睨み、リムルは口を開いた。
「おい、適応者に掛けた洗脳を解け」
「い、言うとおりにすると思っ―――グフゥ!」
言い終える前にリムルに殴り飛ばされる。リムルは鼻血を出して横たわるシュトライドに馬乗りになる。
「もう一度言うぞ。洗脳を解け」
「こ、殺せぇ!」
「洗脳を解いた後にな。さぁ、早くしろ」
「く、くそぉ…」
(何故だ、何処で間違えた。何を間違えた!? どうする? こいつを振り切れたとしても、暴虐の魔王が逃がさないだろう。)
リムルの強さは分からないシュトライドだが、アノスの強さは聞いていた。
以前アノスに敗れたローズバルトから直接聞いた為、今回アノスを警戒していたが、目論見が甘かった。
シュトライドは覚悟を決めた。
「グデル・アルヴァ!」
次の瞬間、シュトライドの体が眩い光に包まれる。
《告。敵から膨大なエネルギー反応を感知》
智慧之王からの警告を受け、リムルはシュトライドから飛び退く。
「今死なれては困る、訊きたい事があるのでな。―――『時間操作―レバイド―』」
シュトライドの時間を止めると。もう一つ魔法を重ね掛けた。
「『理滅剣―ヴェヌズドノア』」
あらゆる理を否定し滅するその魔法、いや剣によって、シュトライドの自爆魔法は無効化される。
「イージェ」
アノスは隷属の魔法をシュトライドに掛けるが、シュトライドに何も変化が見られない。
「私に洗脳や隷属の類の魔法は効かぬ。我等12柱にはローズバルト様が反魔法を掛けているからな」
「そうか、なら体に訊くとしよう」
アノスは漆黒に染まった指先をシュトライドの腹部に抉り込ませた。シュトライドは苦痛に表情を歪ませる。
「さぁ、最後だ。洗脳を解け」
「何をされても答えはおな―――ぐぅうっ!」
さらに腹を抉られて苦悶の声を漏らす。
(マズい、マズい、マズい! どうする、洗脳を解くか? いや、ダメだ。それでは帰還しても、いい笑いものだ。しかし、死ねば洗脳は解ける。ならば―――)
「せ、洗脳を。解く………」
シュトライドは洗脳魔法を解除した。
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ハルト達と相対していた適応者の動きが一斉に止まった。
「………あれ?」
少年が周囲を見渡す。どうやら状況が飲み込めていないようだ。
しかし、ハルト達を視界に捉えると、刀を構えて戦闘態勢をとる。
「待ってください。こちらに戦闘の意思はありません、話を聞いていただけませんか?」
ハルトは刀を収めると両手を上げて戦闘の意思が無いことを伝える。
「………君達は?」
「お前達と同じ境遇の者だ」
問いに答えたのは百代だ。
「同じ境遇、ということは皆さんもブレイザーなんですか?」
「いえ、別の世界からこの世界に来た者です。俺は蒼井ハルトといいます、よろしく」
ハルトが差し出した手を少年は握った。
「黒鉄一輝です。こちらこそよろしく」
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リムルとアノスは、飛び立つ敵を見ていた。
無論、シュトライドを逃がした訳ではない。
シュトライドの腹に抉り込ませていた手を引き抜き、尋問を開始しようとした時だった。
2人の目の前に筋骨隆々のスキンヘッドと眼鏡の少女が降り立った。
真・魔王軍幹部のグワッツェとミニッサだ。
「この場は引かせてもらいます」
ミニッサがリムルとアノスに言うと、グワッツェが拳を振りかぶり、地面を殴りつけた。
地面が割れるように岩塊が出現し、リムルとアノスを妨害する。
その隙にミニッサがシュトライドを担ぎ、撤退していった。
「…よかったのか?」
リムルがアノスに視線を向ける。敵が飛び去った方角を見たままアノスは答える。
「なに、先に進めば機会はあるだろう。それより、ハルト達と合流するとしよう」
「そうだな」
2人は合流地点に向かった。
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「すまんな、ミニッサ、グワッツェ。私のミスだ………」
ミニッサに担がれて運ばれるシュトライドが謝辞を述べる。
「気にする必要はありません」
「お前は元々、戦闘向きではない。お前1人に前線を任せた3人のミスだ」
この3人とは、シュトライド、グワッツェ、ミニッサを指している。
今回、一輝達を洗脳する作戦を計画したのはシュトライドとグワッツェだ。そこに、お目付け役として参加したのがミニッサだったのだ。
洗脳魔法を得意とするシュトライドは、戦闘向きではない。どちらかというと後方支援向きなのだ。
しかし、そのことを失念し、シュトライドに前線指揮を任せたグワッツェとミニッサにも責任はあるのだ。
「一時退却して、態勢を整えましょう。兵士も全滅した今、ガジーエー大陸を放棄する他ありません」
「しかしそれでは、適応者に未踏大陸までの足がかりを与えることにならないか?」
「大丈夫ですよシュトライド。ガモッサとロンゴドルの決戦装備の準備も完了しました。こちらのフィールドに誘いこみ、勝負です」
「そういうことだシュトライド。とりあえず休め」
「…ああ、わかった。すまない………」
そうしてシュトライドはミニッサに担がれたまま眠りに落ちるのだった。
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ハルト達と合流したリムル達に、一輝達がそれぞれ自己紹介をはじめた。
「黒鉄一輝です。助けて頂いてありがとうございました」
ハルトと相対した黒髪の少年―――黒鉄一輝が一同を見渡してお礼を言う。
「ステラ・ヴァーミリオンです。よろしくお願いします」
隣の赤髪のツインテール少女―――ステラ・ヴァーミリオンがお辞儀をする。
「黒鉄珠雫です。よろしくお願いいたします」
「東堂刀華です。今後もよろしくお願いします」
小柄な少女と眼鏡の少女もお辞儀をして、自己紹介は終わった。
「一輝達は、どうして洗脳されてたんだ? ハルトから聞いたけど、みんな強いんだろ?」
リムルが疑問をぶつけると、一輝達は悔しそうに表情を曇らせる。
「実は―――」
そう言って、このチュテンの町で起こった事を話した。
話し終えると、全員の顔色が変わっていた。殺気の籠った表情の者、驚愕の表情の者など様々だ。
「なぁ一輝。俺達は魔王ローズバルトを倒すためにこの先の未踏大陸に向かっているんだ。一輝達も一緒に戦わないか?」
リムルがそう呼びかけると一輝達はすぐさま頷いた。
「僕達も一緒に行きます」
一輝達が仲間になった。
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同時刻
未踏大陸、中央部。
魔王軍の機工隊が適応者に奪われた兵站拠点を攻撃した。
しかし、機工隊は壊滅。生存者は無し。
いや、正確にはいた。被弾して動かなくなった自身の巨神外骨格に潰され、身動きが取れなくなっている兵士が1人。
「く、くそぉ。ここまでかよ、畜生っ!」
脚が潰されて身動きが取れずに、その場に倒れ伏していた。
一方的な戦いだった。大人が赤子の腕を折るように、ただただ一方的に戦いは展開された。
真・魔王軍幹部の1人であるガモッサの配下の機工隊員25名全員が巨神外骨格に身を包み、適応者の拠点となった兵站拠点に攻撃を開始した。
しかし、適応者の戦闘力は想像以上だった。
連携の取れた5機の動き。まるで誰かが戦況を把握して、指示を出しているような。そんな統率と連携が取れた動きだった。
兵士の巨神外骨格に砲弾が直撃する。それにより右半身を失った兵士は、そのまま息絶えた。即死だった。
命が尽きる最後まで、その眼は眼前にいる〝敵〟を見ていた。
純白の機体、4足歩行を思わせる脚部と機体上部に固定された砲塔。
そして―――――
――――――機体に描かれた、〝ショベルを担いだ首のない骸骨〟を。
お読みいただきありがとうございました。
仕事が多忙を極めており、次回の投稿もすこし間が空きそうです。
こんごも見放さずお付き合いいただければ幸いです。
それでは、次回でお会いしましょう。