東方前進録   作:クラッカーV

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合流→新スペル→共同戦線

「くそったれ!和哉の奴、絶対に来る気だな!!」

 

魔理沙は手に持つケータイを魔女帽子の中へ押し込み悪態をついた

 

「神罰【幼きデーモンロード】」

 

「っ!」

 

目を離していた魔理沙にレミリアの弾幕が迫る。襲い来るレーザーは今にも魔理沙へと直撃しそうだ

 

「咒符【上海人形】!」

 

レーザーは魔理沙に届くことなく、新たなレーザーに阻まれた

 

「サンキューだぜアリス!」

 

「気を付けなさい。フランの相手してちゃあんたを守るなんてことそう出来ないんだから」

 

「わかってるって」

 

魔理沙とアリスは絶えず迫る弾幕を避け続ける

 

「ちょこまかと避けるだけじゃ面白味に欠けるわよ?」

 

「そうは言っても、こっちは一応時間稼g「あははははは!アリス、お姉様とじゃなくて私と遊んでよ!!」あぁ、もう!」

 

フランが真っ赤に燃える剣を振りかざしアリスに振り下ろす。それをスラリと避けて弾幕を放った

 

しかしフランが剣を一振りすると弾幕は掻き消される。そして二人は離れた場所へと飛んで行った

 

「火符【アグニシャイン】!」

 

フラン達と入れ替わるように魔理沙の後ろから炎の弾幕が飛んできた

 

「ふっ!…………これは、パチュリーね」

 

槍でその弾幕を打ち消したレミリアは魔理沙の後ろへと目を向けた。そこには美鈴とパチュリーが現れる

 

「待たせたわね」

 

「遅いんだぜ」

 

「まあそう言わないでください。少し変な奴に襲われまして」

 

「変な奴?」

 

美鈴の言葉に眉を顰める

 

「はい、なんだか黒い奴でして。妖怪なのかどうかもわかりませんでした」

 

「一体どう言うことだ?」

 

首を傾げる魔理沙。美鈴も肩を竦めて首を振る

 

「そんなことより、今はやるべきことがあるでしょ」

 

「おっと、そうだな。パチュリー、後ろから援護頼むぜ。中国は私と一緒に特攻だ!」

 

「中国じゃなくて美鈴です。妹様の所には?」

 

「咲夜が来る……かも!しれない。それとオマケで和哉が来る」

 

かも、の部分を強調して言う魔理沙。その次の和哉のオマケ発言に美鈴は苦笑いで返す

 

「…………あの男、怪我してなかったかしら」

 

「治ったんじゃないのか?………っ!来るぞ!」

 

三人に弾幕の雨が降り注いだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜並木の近く、一つのスキマが開く

 

「十六夜先輩は、えっと………銀髪のほうをお願いします。金髪は俺がやりますから」

 

「妹様は一人じゃ無理よ。中国やパチュリー様も来ているはずだから、協力しなさい」

 

スキマから出てきたのは和哉と咲夜だった。二人は弾幕の光の見える方を見据え、咲夜は札を取り出し自分の腕に貼り、和哉は足を伸ばしている

 

「考えておきます」

 

そう答え和哉は走り出した。それを見て咲夜は溜息を吐き、指を鳴らした

 

瞬間、世界の時が止まる

 

「まったく、何で無茶をしたがるのかしら。男ってそんなものなのかしらね」

 

走っている状態で止まっている和哉を担ぎ、走る

 

「あなたには借りができてしまったわ…………大きな借りがね。これで全部返そうだなんて思ってないし、ホントは止めなきゃ駄目なんだけど、今回だけはね」

 

弾幕の渦中へと入った。視界にはレミリアと魔理沙達が映る

 

「お嬢様、すぐに元に戻して差し上げます。待っていて下さい」

 

レミリアへ向けて咲夜は言う。覚悟は決めた

たとえどんなになろうが、レミリアを助けよう

 

もう一度、レミリアの従者でいることの喜びを

 

もう一度、レミリアと共にあった日々を

 

「取り戻さなくては」

 

そして、時は動き出す

 

「うおっ!?」

 

咲夜はナイフを構えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおっ!?」

 

走り出した矢先、俺は何故か態勢を崩しそうになった

しっかりと踏ん張りなんとか態勢を保つ。一体何が起こったのだろうか

 

「恋符【マスタースパーク】!」

 

後ろから聞いたことのある声と共に爆音が聞こえた。思わず耳を塞ぎ振り返る

振り向いた先には極太のレーザーが俺の視界の端から端まで通っている。そして俺のすぐ目の前にはナイフを構えた十六夜先輩が佇んでいた

 

「真っ直ぐ行けば妹様がいるはずよ。誰かと戦ってるわ」

 

十六夜先輩は振り返らずにそう言った。確かに後ろにも弾幕の光が見える

 

「早く行きなさい。妹様に借りがあるんでしょう?」

 

「十六夜先輩………」

 

俺は踵を返す。きっと十六夜先輩の能力で俺をここまで運んでくれたのだろう。でなければ今、真後ろで展開されている弾幕の嵐を俺が、しかも無意識に走り抜けられるとは思わない

 

「無茶を見逃すのもこれが最後よ。絶対に妹様を助けなさい。あと…………絶対死なないこと、わかった?」

 

「了解しました。………ありがとうございます」

 

背中ごしのお礼を告げる

 

見なくても感じた。十六夜先輩の頼もしさを

 

「お嬢様、参ります!!」

 

「行くぞ、金髪少女!!」

 

俺は金髪少女の居るであろう場所へ走り出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんで私だけフランと戦ってるのよ!」

 

フランへと弾幕を放ちながら愚痴をこぼすアリス。操る人形をフランへと一斉に向かわせる

 

「遅い遅い。遅いよアリス!」

 

だがフランは人形達の攻撃を難なく避けていった。そしてアリスの目の前に沢山の弾幕を張る

 

「これ、まず……」

 

逃げ場を塞がれてしまった。避けようと思えば出来ないことも無いが、この後のフランからの追撃を考えると難しい

 

「はぁ………あんまり使うなって紫に言われてるんだけどね」

 

アリスは後ろに控えさせていた人形の手にある物を掴んだ

 

「ならば使わなければいいんじゃないか?」

 

「っ!」

 

後ろから声がする。和哉が丁度到着したのだ

 

「やれば出来るよな…………よし。気壁【マインドウォール】」

 

不安になるような言葉が聞こえた気がしたが、そのすぐ後にはアリスの目の前には大きな青色の壁が現れた。壁はフランの弾幕を防ぐ

 

「待たせた。後は俺がやる」

 

その声でアリスは後ろを向いた

 

ジャージの襟をビッ!と立て、頭をガシガシと掻くその姿を見てアリスは一言

 

「はぁ?」

 

心底呆れた顔でそう言うのだった

 

「………………いや、後は俺がやるから下がっててくれ。って意味なんだが」

 

「あんたが一人で?無理よ。一昨日大怪我して運び込まれた人は黙ってなさい」

 

「なんだと。確かに一昨日はそうだったかもしれないが今日は違う。新しいスペカだってあるし、足りなければもっと作るだけだ」

 

「スペカの数なんか関係無いわ。これはカードゲームじゃないのよ」

 

暫し二人は睨み合う。どちらも一歩も引く気は無いようだ

 

その間に攻撃をくらいそうなのだが………

 

「お兄さんも来てくれたんだ!やった〜!」

 

フランは楽しそうに二人を見ているだけだった

 

「では提案がある。ジャンケンをしよう」

 

「ジャンケン?」

 

「そうだ。俺が勝てば俺が一人で金髪少女と戦う。あんたが勝てば俺は一人で戦うことを諦めよう」

 

「結局戦うことになってるでしょ、それじゃ。私が勝ったら手を引くこと、わかった?」

 

腰に手を当て、和哉の眼前に指を突き付けて言うアリス。これが普通の男ならばその状態からの若干の上目遣いに思わず承諾してしまいそうになるが、流石そこは和哉

 

「………駄目だ。一人じゃあんたも勝てないだろう?」

 

「それは………確かに一人じゃキツイだろうけど……」

 

少しだけ動揺したがすぐに元に戻り冷静に返した。アリスはその返しに痛い所を突かれた、と顔を顰める

 

「ねぇ、まだ〜?」

 

ここで二人の間にフランが割って入った。急に近くに現れた為二人は臨戦態勢を取る

 

「…………おいマーガトロイド。こいつはホントに心の闇が暴走してる状態なのか?俺にはただ無邪気な子供にしか見えないんだが………」

 

「無邪気に人を殺しかけるって恐いでしょ、それ」

 

「確かにな」

 

何ら気にせず話しているように見えるが、二人は内心焦っていた。自分達が口論をしている間にこんなにも距離を詰められてしまった

アリスはらしくないと、和哉はこれはヤバイとそれぞれ思う

 

「まあいいや、遊ぶんならお兄さんも一緒に遊ぼうよ。三人で遊んだ方が楽しいし」

 

「そ、そうか。だけどそうなると二対一になるが?」

 

「別にいいよ〜。楽シケレバ何デモネ♪」

 

瞬間、和哉は寒気と恐怖に襲われる

 

今まで感じたことの無い恐怖、ドス黒い何かがフランから出ているように見えた

 

「な………く…」

 

まともに声が出ない。足が竦んで動けなかった

 

「やばいわ。ちょっと、何ボーッと立ってるの!距離を取りなさい!!」

 

「(そうだ。忘れていた)」

 

襲いくる恐怖の中、和哉は考える

 

「アッハハハハハハハハハハ!!」

 

「(俺が今、関わってることは………痛みだけじゃなく)」

 

恐怖も後を着いて来る

 

「あぁ、もう!」

 

「っ!?」

 

アリスが人形達と自身の手で和哉の背中を掴み飛ぶ。さっきまで和哉の立っていた場所には黒い炎柱が上がる

 

「くっ、気壁【マインドウォール】!」

 

咄嗟にスペルを撃つ。そうでもしなければ完全に恐怖に呑まれていたと、そう感じ冷や汗を流す

 

「まったく、なんで突っ立ってるのよ!」

 

「…………すまん。足が竦んだ」

 

地面に降り立った二人。アリスの糾弾を正直に答える和哉

その横顔を見てアリスは息を吐き出す

 

「…………やっぱり、あんたは引っ込「マーガトロイド」……なによ」

 

「さっきは調子に乗ってすまなかった。………力を、貸してくれないか?」

 

アリスに顔だけ向けそう言い放つ和哉。それを聞き少しだけ目を見開く

 

まさかこんなにも早く意見が変わるとは思っていなかった。先の口論から和哉を止めるのは無理だと思ったアリスは無理矢理にでも、それこそ傷付けてでも戦いに参加させるつもりはなかったのだ。生憎多少怪我をしてしまっても夢幻荘には名医が控えている

 

「……わかったわ」

 

「OK、良い返事だ」

 

和哉は恐怖に耐えながらなのか脂汗が垂れる

 

「(乗り越えろ………乗り越えるんだ。俺は恐怖を知った。そして痛みも知った

ならば次は乗り越える番だ。忘れるんじゃなく、乗り越える!)

 

………人間讃歌は"勇気"の讃歌。"勇気"とは、恐怖を我が物とすることだ」

 

自分に言い聞かせる

 

「それ、なに?」

 

「俺の好きな漫画の一つにある名セリフだ。ホント、素晴らしいセリフだ」

 

「そう。今度私も読んでみようかしら」

 

「なら最初から貸してやるよ。きっと力をくれる」

 

「力を?」

 

「………そろそろだ」

 

ずっと保っていた気の壁が大きな音を立てて崩れる

 

「共同戦線と行こうじゃないか」

 




それぞれが"合流"する
咲夜「参ります、お嬢様!」

ポッと出の和哉の"新スペル"
和哉「気壁【マインドウォール】!」
気とあるがただの霊力の壁………と和哉は思っている。咄嗟に作ったのでまだ全容はわからない

アリスと和哉の共同戦線
和哉「力を、貸してくれないか?」
アリス「死なないでよね」

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