『GECOッ!GECOッ!』
目の前に現れたデカイ蛙は跳ねながら鳴き散らす
「ゲコゲコうるさい蛙だな。デカイのに拍車をかけて更に気持ちが悪い。その舌ちょん切ってやろうか?あぁ?」
「和哉さん、もしかして蛙嫌いですか………?」
「昔外で昼寝してたら口の中に跳んで来たことがあってな、それから俺は蛙が嫌いになった。デカイ蛙なんか見ると駆逐したくなる」
巨人と違って駆逐しやすい、やったね
「(諏訪子様には会わせられないかもしれない………)」
『GECOoo!!』
土着神《ケロちゃん風雨に負けず》
蛙が弾幕をばら撒く。俺と東風谷は反対方向に跳んで避け、東風谷は空中へと飛翔した。俺は蛙に向かって走り出す
「幻想郷の住人と言えど、駆逐してしまっても構わんのだろう!?」
「駆逐しちゃ駄目ですよ!?蛙が可哀想です!それにこの蛙は多分、諏訪子様の闇から現れた化け物だと思います!!」
「なに………?」
蛙の近くまで来た俺はホントは触りたくないが蛙の横顏に蹴りを食らわせその場で上に飛び、弾幕を乱射する
全弾命中したのを確認すると東風谷のいる場所へと移動した
「え、遠慮ないですね………」
「当たり前だ。それよりさっきのはどう言うことだ?諏訪子って名前はさっき聞いたが………」
「レミリア・スカーレットさんは知っていますよね?」
レミリア・スカーレット………?………あぁ
「あの銀髪吸血鬼か。そう言えばあいつは救出出来たのか?」
「はい、カードの摘出には成功しました。あとは目を覚ますだけなんですが………彼女から摘出したカードには数字が書いてあり、そのカードから蝙蝠の化け物が現れたそうなんです」
「………………成る程な」
もしかしてあのカードも俺の能力なのか?いや、能力の名前を見る限りそんなことは無いと思うが…………。だとしたら、裏で糸を引いてる奴がいる?俺が幻想郷の住人達を連れ去ったことを利用して………それが、あの人影ってことか?
「来ますよ!力を溜めてたようです!」
東風谷の声で俺は再度蛙の方へと向く
「んだ……ありゃあ!」
蛙は口にドデカい弾幕を形成し、今にもこちらへと撃たんとしていた!
流石にあれは防げそうにない。前回の失敗から一応学んではいるのだ
「………東風谷、先に謝っとくぞ」
「へ?……きゃっ!?」
『COoooaaaa!!』
ドンッ!
大砲のような音と共にそれは放たれた
「加速【
瞬間、俺は東風谷を抱え蛙の後ろ側へと降り立った
「へ?………へ?」
「ふむ、なかなかうまくいくものだな」
やれば出来ないことはなかった
今回のスペカ、加速【
足に霊力を集中させそれを爆発させることで高速移動を可能にする技。名前が中二臭くなったがそれもしょうがない。正直言ってこれはテンション上がるわ、マジやべえ
日頃から俺にこんな力があれば〜………的なことを考えてるばかりか必殺技の案が浮かぶ浮かぶ。流石に火とかは出せないが
…………と、何時迄もこうしてるわけにはいかないな。混乱している東風谷はほっておこう
「ふっ!」
未だ俺達がどこに消えたのかをよくわかってない蛙へ向かって走る。俺が走り出すと蛙はこちらに気付いた
「だが遅い」
目ん玉に右ストレートを食らわす。外道?なんとでも言え。こんな殴りやすいところにあるのが悪い
「潰れろ潰れろ潰れろ潰れろ潰れろぉぉぉぉぉおお!!」
そうだ、こんな所にあるってことは攻撃して欲しいんだな?ならばよかろう、攻撃してやる。食らえ俺のスター・プラチナばりのラッシュを
…………流石にあそこまで速くはないがな
「オ、ラァ!!」
そして最後、渾身の一撃を蛙のクソ目ん玉にシュゥゥト!超!エキサイティン!!
『GECOoooaaaa!!!』
後ろに仰け反った蛙を見て、俺は拳を振り抜いた後、きっとスター・プラチナを知らないであろう蛙を指差しこう言った
「検索、検索」
「何がですか!?」
む?どうした東風谷。混乱は直ったのか
「目にラッシュ打ち込むって外道すぎますよ!?流石の霊夢さんもそこまでしませんって!て言うか検索って何をですか!?」
そんなに一度に質問するんじゃあない
「外道と言うが東風谷。この蛙は敵なんだぞ、急所を突くのは当たり前。そうじゃないか?それに俺は敵には手加減はしない」
そして霊夢って誰だ。聞いたことあるような気がする
「見てて私の精神衛生上よろしくないんですよ!」
「そうか、ならば問題無い」
「大有りです!」
ったく、うるさいな。無視しとくか
「…………む?そう言えばあんなに殴ったのに血が全く付着してない」
俺は両手を見て気が付く。あれだけやったのだから目は潰れて血くらいは出てるはずなんだが………。まあ、汚いのでそれはそれで嬉しいけど
ふとまだ悶えている蛙を見る。じっくりと目を凝らして見ると、さっき俺が攻撃した目はどんどん修復されていっていた
「自己再生機能まであるだと?めんどくさい蛙だ。ゴキブリかってんだ」
「闇から生まれた化け物ですからね………あれくらいはするでしょう」
「…………なんだ、急に真面目になったな東風谷」
「最初から真面目です!」
そうだったか?…………まあいい
『GECOoooaaaaaaaAAAA!!!!』
完全に目を修復した蛙は怒り心頭しており沢山の弾幕をこちらへ向かって放つ。蛙だからなのか、それとも怒ってるからなのかは知らないがとても単調だ。これならば博麗の方が何倍も強いだろう。…………あ、霊夢って博麗のことか
「おかしい………」
「何がだ?」
東風谷が呟いたのが聞こえた
「レミリアさんから現れた蝙蝠の化け物は強かったと聞いています。ですがあの蛙の化け物は、言ってしまえばそこまでです。はっきり言うと私一人でも十分に倒せます。諏訪子様も決して弱くはないはずなのに…………」
「それから生まれたアレも弱くはないはずだ、と言うことか。別に良いんじゃないか?弱いほうが楽だ」
「確かにそうですけど………。やっぱり、何か引っかかるんです」
「…………ふーん」
ぶっちゃけどうでもいいな
「弱いんだから儲けもんだろう!」
いい加減焦れったくなってきたので特攻を仕掛ける。単純な弾幕の雨を難なく掻い潜り、蛙の目の前まで到達してその顔面をもう一度殴ろうとする
「…………は?」
何故、俺はこの時気付かなかったのだろう
あの単純な弾幕には、理由があることに
『Coaaaaa』
「な……んで、だ?」
蛙は俺に向かって大きく口を開き、その体から有りっ丈集めたであろう力の収束した弾を、そこに携えていた
おかしい
おかしいおかしい可笑しいオカシイおかしいおかしい!!
なんでだ!?今さっきまでこいつは違う弾幕を放っていたろう!!いつ力を溜めていた!?俺がまやかしを見てたとでも言うのか!?何が起こった!!
もしかして………幻術?この蛙がか?
「っ!和哉さん!!」
東風谷の声が遠く聞こえた
その声で我に返る
「う、お………おおぉぉぉぉぉ!!」
俺は必死に体を横へと投げ出す
『COaッ!!』
その瞬間放たれる巨大な弾。俺の真横を通り過ぎて東風谷の方向へと向かう
なんとか避けれたようだ。危なかった
大きな虚脱感が体を襲うのと共に、すぐに立ち上がらなければと思いもう一度力を入れる
しかし、俺の目の前には奴の舌が迫っていた
「ぐあっ!」
体全体に衝撃を食らう。舌を鞭のようにして振るわれた攻撃は俺の腹へ当たり、俺は吹き飛ばされた
さらに追撃と言わんばかりに舌が未だ宙に浮いている俺を狙う。だがそれは横から蛙に向けて放たれた弾幕により阻止された
…………東風谷か
「くそ、この蛙風情が………!」
まるで三下の咬ませ犬の様な台詞を吐いてしまうが仕方ない。奴の舌に何かヌルっとする物でも塗ってあったのか、はたまた唾液なのかは知らんがジャージが汚れてしまったじゃないか。一番お気に入りのジャージは昨日ボロボロに、二番目にお気に入りのジャージは唾液塗れだと?笑えない、これは笑えない
「東風谷!救援は呼ばないのか!!もう面倒だ。こいつを皆でリンチするぞ!」
「なんか性格変わってませんか!?」
「いいから、早く!!」
また舌が飛んできた。案外速いので避け辛い
あっ!また掠った!!
「ちょ、ちょっと待っててください」
東風谷はどこからかスマホを取り出す
「え、えと………あれ?こうでしたっけ?」
何やら手間取っているな………っ!舌が東風谷に!
「気壁【マインドウォール】!」
頑張ってなんとか東風谷の元まで走りスペカを発動させる
「危ないぞ。どうしたもたもたして」
「いや、まだ使い方に慣れていなくて……」
「貸してみろ」
東風谷からスマホを引っ手繰る
「あっ」
「電話帳に登録してあるな?………あった、これだ」
そして通話開始。何故こんな簡単なことが出来ないんだ?
「お、女の子のケータイを勝手に見るなんて非常識ですよ!」
「非常識の前に今は緊急事態だ。可及的速やかに奴を排除しなければならない。それにそんな常識に喧嘩売るような髪色しといて非常識云々など言うんじゃない」
ほら、と通話中のスマホを東風谷に投げる。東風谷は慌てながらも受け取り、耳へ当てがった
…………そろそろマインドウォールが解けるな
「あ、もしもし………あ、霊夢さん?ちょっと今緊急事態でして。諏訪子様の化け物と相対してるんです」
『諏訪子のと?あんた一人?』
「いえ、和哉さんもいるんですけど……」
『ふーん、面倒臭いわ。パス。あんたらで頑張りなさい。丁度良いから弾幕ごっこのイロハを叩き込んでやったら?』
「えぇ!?そんな!」
『それに電話してる余裕があるなら大丈夫でしょ?私は忙しいのよ』
「どうせベランダに茣蓙と座布団敷いてお茶飲むだけでしょ!?」
『それじゃ』
「あ、ちょ!(ブツッ、ツー、ツー)……切れちゃった」
「それで、なんて?」
「面倒臭いからパスと……」
「…………Oh」
なんて奴だ。まさか断られるとは思いもしなかった
「しょうがない。そろそろスペカの効果も切れるし二人で何とかするしかないな。幸いなことにあの蛙は幻術とあの砲弾みたいな弾幕に気を付ければ問題は無い。…………しかし、諏訪子って奴は幻術とか使えるのか?」
「いえ………使ってるところは一回も見たことありません」
………おかしいな。アレは諏訪子とやらの力を受け継いでいるんだろう?本人に使えないのに何故アレが使えるんだ?
そう考えているとスペカの効果が切れる。蛙が放っている弾幕が迫るので飛んで避けた
「っ!」
蛙とは違う方向から弾幕が飛んできた
危ない………紙一重だ
「誰だ!」
弾幕が飛んできた方向へと叫ぶ。茂みの中だ
「…………」
ガサガサと音を鳴らしながら出てきたのは、頭に触角を生やした緑髪で黒い服装の少年だった
………くそ、新手か……!
蛙と"戦闘"
和哉「俺は蛙が大嫌いなんだ」
敵に対して"手加減はしない"和哉
和哉「当たり前だろう。俺はそんなに優しくないぞ」
現れた"新手"
「…………」
和哉「また常識に喧嘩売るような髪色だな、あの少年も。…………少年?だよ、な」