新手が現れ、戦況があちらに傾いたか、と聞かれればそうでは無かった。緑髪の少年が現れ相手から放たれる弾幕は濃さを増したのだが、避けられない量ではない
あの緑髪の少年、名前はリグル・ナイトバグと言うらしい。東風谷から幻想郷の住人だと言うこと教えてもらった
その少年が虫を操り攻撃してくるのだが………その虫達は蛙が下で残さず絡め取り食べてしまっている。あいつらに仲間意識は無いらしい。とんだ馬鹿だな、あの蛙。潰れろっ
「あ、あと因みに女の子ですよ」
「なん……だと……?」
マジか、少年ではなく少女だったのか。その、あれだな、………ボーイッシュだな
「それよりもどうする。まずはあの少女から無力化するか?」
お互い近い位置で弾幕を避けながら作戦を立てる。東風谷が持っている札を使えばカードに取り憑かれているだろうあの少女を無力化することは出来ると聞いている。俺はそんな札貰ってないんだがな………
「それが得策だと思います。それと、あの蛙さんは今回は引いた方が良いかもしれません。この街では妖怪による被害が何故か出ていませんから、きっと街の人を襲うことは無いでしょう」
「何故街の人を襲わないんだ?」
「恐らく何かの力が働いているのでしょう。紫さんが言ってました。きっと、カードを扱う黒幕の力だと思います……」
「だとしたら相当の力があるんじゃないか……?」
「そうですね」
そうですね、って………まあいい
「無力化する札を貰えるか?俺が貼ってくる」
「ある程度体力を減らさないと意味ありませんよ?」
そう言いながら東風谷は札を一枚手渡した
む………なかなかめんどくさいな
「では弾幕で体力を減らそう。丁度良い、朝からずっと考えていた技があるんだ」
「技って……スペカですか?そんなにポンポンと……」
「なに、簡単さ。これは弾幕
そう、これは戦いと言えど弾幕ごっこと何ら変わらない。つい数日前に射命丸先輩から聞いたし、理事長も確かに言ってたような気がする
「遊びだけど遊びじゃない、だが遊びではなくてもゲームではある」
ふっ、と鼻を鳴らす。決まったろ、これ……!
そう思い東風谷の方を見ると、何言ってんだこいつ、みたいな目で見られたのが解せない
………まあいい。て言うか今思えば俺達結構余裕だよな。話しながら弾幕避けてるんだぜ?
「ゲームセンターとか行ったことあるか、東風谷」
「いきなり何言ってるんですか。………いえ、ありませんけど」
突然の質問に答える東風谷。ふむ、行ったことないのか………、それは勿体無い
「そこに行くと必ずするゲームがあるんだ。俺」
おっと、今の弾幕危なかったぁ……
「太鼓の超人と言う音ゲーだ」
"太鼓の超人"。今やゲームセンターだけでなく携帯ゲームにも移植している設置されている太鼓を叩く音ゲー。俺は必ずと言って良いほどこれをする。何故か?面白いからに決まっているだろう
「俺、考えたんだ…………これ使えるんじゃね?と」
「……………はあ」
後ろから興味無さそうな返事が返ってきた
「だから、技にしてみようと思う」
「はあ………はぁ!?」
「よっ、と」
弾幕を避け道沿いに立っている木の側まで行く。そして枝を二本拝借する
ごめんな、木。俺のために犠牲になってくれ
「よし………覚悟しろ、虫使い少女」
そして地面を蹴り虫使い少女の真下まで走る。何発も弾幕が放たれるが何とか躱す。虫は木の棒でバッサバッサとなぎ倒して進んだ。だがまあ、流石に捌ききれずに何十匹かは当たった。マジイテェ
必ずやり返してやると心に決めて虫使い少女へと突進、そして空中でキャッチ。羽交い締めにした
「捕まえた」
捕獲成功。だが虫使い少女は俺から抜け出そうと暴れている
「大人しくしろ、そして喜べ。今から技の実験台になるんだ。…………暴れると殺虫剤ぶっかけるぞ」
「っ!?………」
そう優しく囁く(脅し)と大人しくなった虫使い少女。そんなに俺の技の実験台になるのが嬉しいか(勘違い)
「東風谷ー、蛙の相手は頼んだぞ。こっちに来させるなよ」
一応東風谷に言っておく。蛙に邪魔されたくはないからな
何やらやんや言ってるが気にしまい
「さて、では……」
イッツ、ショウタイム
「おおおぉぉぉぉ!!」
雄叫びと共に虫使い少女を地面へとリリース。そして弾幕を放ちダメージを与える
それと並行して別の弾幕を宙へ浮かせる。質も大きさもあまり良いものではないが、これは数があってこその技だから気にしない
ある程度虫使い少女に弾幕を与えたところで弾幕の雨から解放する。だが宙へ弾幕を浮かせるのは忘れない
堪らなくなったのか虫使い少女が逃げようと飛んだ
「だが許さん」
俺がそれを許すわけもなく蹴りで墜落
「…………さて、難易度はどうする?かんたんが良いか?ふつうが良いか?むずかしいが良いか?それともおにが良いか?」
ここでさっき木から拝借した枝を取り出す。これはバチに見立てたものだ
「まあ、今回はかんたんで良いだろう」
あまり弾幕も用意出来ていないしな
「!!っ」
虫使い少女が俺に向かって弾幕と虫を放つ。弾幕は避け、虫は木の棒で薙ぎはらう。因みに木の棒には霊力を纏わせているので威力は高い。漫画でよくあるよな
「抵抗虚しく、だな。下準備は終わりだ。ここからが本当のショウだぞ、是非体験していってくれ」
そう言って俺が左の手を払うと宙へ浮かせた弾幕は虫使い少女を球状に囲った
「曲は何が良いか。オススメがあるかな?…………行くぞ」
そして、右腕を振り下ろした
モード簡単【弾幕の超人】
ズガガガガガガ!!
虫使い少女を囲っていた弾幕が一撃一撃ずつ虫使い少女を攻撃を始めた
「♪〜♪♪〜」
俺はと言うと鼻唄を歌いながらバチに見立てた木の棒をリズムに合わせて振っているだけである
「…………む、もう終わりか」
囲っていた弾幕があと数発で底をつきそうだ。つまりこのスペカの終わりを指している
「それじゃ、最後だ」
一個の弾幕を作り出す。囲っていた弾幕の最後の一個が撃ち終わると、左腕を振り下ろしその弾幕をぶつけた
「フルコンボだ」
沢山の弾幕を受け、落ちていく虫使い少女の元に瞬時向かい抱きとめ、札を貼って言った
………………決まった
「お、おにだ………」
「何を言ってる。難易度はかんたんだ」
そうだな。おにだとこれの何倍くらいだろうか……?きっと使う時はこないような気がするが。だって時間掛かるし
さて、虫使い少女も回収したことだし逃げるとしよう
「東風谷、早くスキマを開くんだ。蛙なだけに敵前逃亡は果てしなく悔しいがやむを得まい。ほら急げ」
俺は素早く東風谷の前に移動し急かす。スペカを発動させ、壁で弾幕を防ぐのを忘れない
「そんな急かさないでくださいよ」
しかし両手が塞がっているのでスキマの札を取り出せない。早くして欲しい。俺の貧弱貧弱な腕がさっきまでの戦いと虫使い少女を抱えていることでプルプルしている。運動不足とはこのことか………!明日は筋肉痛かもしれない
筋肉痛と言えば博麗やスカーレットとの戦闘ではならなかったな………。あれ?おかしくないか?………まさか、八意先生の治療を受けたからか?あの人パナいな……。あの人いたら一生健康で過ごせるような気がする。うちの養護教諭はスゴイナー
「なにしてるんですか。早く逃げましょう」
おっと、既にスキマが開いていたか。中から東風谷に声を掛けられる
「あぁ。………しかし、奴を野放しにしといて本当に大丈夫なのか?不安で仕方ないんだが」
スキマに入り、今となってはもう遅いが疑問を口にする
「さっきも言った通り、黒幕の力が働いてるのか、何故かこの街の人に私達関連以外では被害が出てませんから大丈夫でしょう」
「だがこれから出ないとは限らないだろう?」
「その時はその時ですよ」
……………
「あくまで他人は他人、か」
俺の呟きに東風谷は何も答えなかった
少年じゃく"少女"だったリグル・ナイトバグ
早苗「……………(ジト目」
和哉「いや、だってわからないだろ。服装もボーイッシュだし。……ちょ、その目ヤメろ」
モード簡単【太鼓の超人】 "フルコンボ"
和哉「フルコンボだドン」
早苗「……………(ジト目」
和哉「だからその目ヤメろ。あ、因みに太鼓の達人じゃね?って思った人。これはパクリだ。言い訳はしない」
早苗「おにでしたね」
蛙から"逃亡"
早苗「まあ街に被害も出てないので大丈夫でしょう」
和哉「クソ蛙を前にして逃亡………次は潰す…!」