エスパータイプは“ヒト”にはいらねぇっ! 作:初心者マーク付き社会人
「んぐ、んぐ、んぐ……プハァッ!!」
「ハッハッハ! いい飲みっぷりじゃ!」
「おーおー。一気にいったぞ」
「飲みすぎはナッシングですヨ?」
「うっさい! 今日はアタシの奢りなんだから、好きなだけ飲んでもいいの! 店員さん、おかわり!」
豪快にジョッキを飲み干したカスミは、間髪入れずに追加のジョッキを注文する。
シジマはそれを豪快に笑い、グリーンはケラケラと笑い、マチスはカスミを窘める。大会に参加していたジムリーダーが揃い踏みな居酒屋の一室は、個室型でなかったらちょっとした騒ぎになっていただろう。
ちなみに今回の支払いは先に脱落したカスミ持ち。一番最初に脱落したメンバーが他のメンバーに奢るという身内で決めた罰ゲームの履行中である。
なお、現状は一番最初に脱落したカスミをただ慰める会になっている。
「しっかし、ベスト8まではこの面子で脱落はないと思ってたんだがな」
「アインちゃんでしたカ。見てるだけで痺れるエキサイティングなバトルでした」
「そうなのよぉ。強いのよぉ。でも強いトレーナーってだけなら全然いいのよ」
「問題は、
追加注文したジョッキに勢いよく口を付けるカスミ。
この調子だとすぐに追加が入りそうだと、全員の思いが一致した。
「知ってる知ってる。そこが一番悔しいとこだろ」
「専門タイプを持っとると、どうしても同タイプのポケモンには負けられん、って意地が出るからなぁ」
まぁまぁ、と宥める周囲の対応は手馴れたもの。差し出されたつまみはジョッキの中身と一緒に即座にカスミに吸い込まれていく。
長年そのタイプに専念していると、次第にそのタイプに愛着と、他のトレーナーより理解しているという自負が生まれる。それはジムリーダーとて例外ではない。例え格上のトレーナーであろうと、そのタイプのポケモンの扱いでは負けないという想いは、トレーナーの心を支える大きな柱になる。
けれど今回、その支柱が大きくぐらついた。制限付きとはいえ、ほぼ同じ条件で、同タイプのポケモンに2体を持っていかれたという精神的ダメージは、思いのほかカスミの心に大きく響いていた。
「しかしカスミさん。別に手を抜いた訳じゃないんでショ?」
「当ったり前よ! 全力も全力、あの娘を倒すために全力を出して、その上で負けたのよ。……だから、尚の事悔しいんじゃない」
そして彼女の心に一番響いたのは、全力で挑んだ上で敗れたという事実。
あの時ああすれば、そんなIFは思い浮かぶも、しかし結果は変わらない。読み合い、技の攻防、互いのトレーナーとポケモンが全力でぶつかり合い。あの瞬間の思いつく最善手を尽くし、そして最後の最後で、アインの執念がカスミを上回った。
まだ手加減していたのであれば、言い訳のしようはあったのかもしれない。けれど、彼女は大会参加者として、全力で挑むことを選んだ。それ故に、純然たる敗北という事実が、彼女の胸に突き刺さる。
「おっまたせ~。まだやっとるか~」
そこへ新たにやってきたのは、カスミを慰める会追加の参加者、アカネ。一日目の事務処理をこなし終えた彼女の顔には、心なしか疲労感が見てとれる。それは残業を終えた
「おう、お疲れー」
「アカネさん、お疲れ様デース」
「まだ始まったばっかりだぞ。何か頼むか?」
「ほんなら、かけつけ一杯と何かつまむもん頼むか。すんませーん!」
テキパキと注文を済ませるアカネは淀みない。会計がカスミ持ちと知っているため、そして半ばカスミの慰労会と察しているため。何よりも今日の自分の疲労を労うため、アカネは注文を躊躇わなかった。
「お前らなぁ~、どいつもこいつも手加減なしでやりよってからに……解説するこっちの身にもなってくれへん?」
「はっはっは。悪い悪い。相手が思った以上に強くってな」
「リミッターあった分、スリリングなバトルでしたネ。油断してたらミーが負けてましタ」
「気骨のある相手だからいた仕方なし!」
各々反省の色が一切ないメンバーたち。そのわかりきっていた反応に、アカネはため息をつく。
彼らが手加減しなかったのも、それができなかった相手だったのも、解説していたアカネ自身が一番よくわかっている。
対応の手段、判断のスピード、戦術の選択、試合の運び方。どれをとっても練度の高いトレーナーたち。そんな彼らを相手に、このジムリーダーたちは真っ向から迎え撃っていた。だから、彼らの試合は殊更に白熱し、盛り上がった。
だから、これはただの愚痴である。
「カスミも。今回は残念やったがこういう時もある。今日で出すもん全部吐き出せぇよ?」
「……わかってるわよ」
ポケモンバトルに勝敗は付き物。勝ちたい試合、勝たなければならない試合で負けることも往々にしてあること。それで挫けるか、飲み下して強くなるか。どうするかで、この先の成長に大きく左右する。カスミが前者と後者のどちらだったかは、彼女の地位が証明している。
「それでアカネさん。運営でトラブルはなかったですカ? この頃、色々言われるようになりましたガ」
「凡そ問題はない。文句は言わせたいやつにゃ言わせときゃええ。ウチらが面と向かって言うことでもないやろ」
「んでも、ポケッターの方じゃ結構話題になってるっぽいぞ?」
ほら、言って、グリーンはスマホの画面を皆に見せる。
覗いた画面には、ポケッターに投稿されたいくつかの文章。そのハッシュタグは、八百長試合。
「あの試合、カスミが手加減したんじゃねぇか、って勘繰られてるみたいだな」
「は? ちょっとそれ、どういうこと?」
その言葉に真っ先に反応したのは、カスミ本人。
「……そいつら、試合碌に見とらんじゃろ」
「結果だけなら確かに怪しいですガ……」
「あの試合見て手を抜いたって言うバカがおる訳ないやろ。結果だけ見て八百長って騒いでるだけや。ほっとき」
追従するジムリーダーたちも同意見。鎬を削った戦いの結果にケチを付けられて、同じトレーナーとして何も思わない訳がない。ただ、投稿者は明らかに試合を見ずに言っているか、見たうえで愉快的に煽る文章を投下している。それに真っ向から反論したところで、却って火種を煽るだけ。かと言ってこのまま放置したままでは、火種は大きくなるばかり。何かしら対策が必要では。そう議論しようとしていたところで、ドンッ、とジョッキを打ち付ける音がした。
「この大会は、あの娘にとって実力を証明する場よ。そのために必死に努力したあの娘に、手を抜いて、鍍金の称号なんて与えて……あの娘が満足する訳ないじゃない……!」
ジョッキを握り締めながら、わなわなと怒りを露にしているのは、アインに敗れたカスミ本人。
アインがどういう想いでこの大会に臨んでいるのか、そして結果を得るためにどれだけ努力を積んだか、それは直に戦った彼女がよくわかっている。負けたこと自体は悔しいが、それはあくまで自分に対しての事。自分を打倒するまでに成長したアインのことは、素直に称賛している。だからこそ、その素晴らしき成長にケチを付けられたことに、酷く憤りを感じていた。
「ま、そういう訳だから。なんか手を打っておこうかな、って」
「んぐ、んぐ……いいわ。その話、アタシもノった」
軽薄そうに見えて、その実しっかり人を見ているグリーン。
何だかんだで世渡りが上手い彼が言うのだから、放置は悪手ということなのだろう。
ジョッキを飲み干したカスミも話に参加する気満々だ。
「で、手を打つとしてどうするんや? グリーンのことや、何か案があるんやろ?」
「まぁね。手始めに――」
やんややんやと、大人たちの会議は続いていく。
バトルが好きでここまでやってきた者同士。けれど今は大人として、先達として。後輩にかかる火の粉をそっと払い除けていく。
◆◇◆◇
【大会初日】ポケモンとトレーナーになろう 71【無事生残!】
1:名無しのポケモントレーナー
・家出中のワイがポケモントレーナーになってポケモンリーグに挑むスレです。
・雑談・考察は良識の範囲内なら自由にどうぞ。
・荒らしはスルー。
・安価より命大事に。
過去スレ
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◆◇◆◇
460:名無しのポケモントレーナー ID:2W0LAcq62
大会動画巡回民ワイ、色んな所でイッチのことが話題に上がってて一人ニヨニヨしてる
461:名無しのポケモントレーナー ID:zaot/CRL+
>>460 同士よ……
462:名無しのポケモントレーナー ID:hlkDQtdKA
(=´∀`)人(´∀`=)ナカーマ
463:名無しのポケモントレーナー ID:hBD8uKcWz
こう……推しが褒められてるのを見るとなんか誇らしくなる
464:名無しのポケモントレーナー ID:t0ccOw+VM
わかる。わかるぞ
465:名無しのポケモントレーナー ID:YHuqAXS/b
この感情……これが親心!?
466:元姉役ショタコン垢ロック実況者ネキ*職質済
応援勢ワイ氏、今日一日ずっと後方腕組み保護者面してる
467:名無しのポケモントレーナー ID:xlKT4N2I4
ショタコンネキ!
468:名無しのポケモントレーナー ID:mnFzUbCkQ
ネキじゃないか
469:名無しのポケモントレーナー ID:jXRWQwCRG
ネキもようおる
470:名無しのポケモントレーナー ID:Zq5QLWuT5
ネキには……ネキには勝てねぇ
471:名無しのポケモントレーナー ID:K0IoQLIcq
ネキが出てきたらワイらは似非になってまうんやが
472:名無しのポケモントレーナー ID:vCROrT2oT
>>471 何も気にすることねぇべ
473:名無しのポケモントレーナー ID:jjJXkOmXi
そうだそうだ
474:名無しのポケモントレーナー ID:DXksIUGIL
ワイらの中に上下はなく、ただ前にイッチがいるのみ
475:名無しのポケモントレーナー ID:oMJ+rutB+
そうか……つまり、ワイらが全員保護者ということだな!
476:名無しのポケモントレーナー ID:n+aYcL1D1
素晴らしき名言
477:名無しのポケモントレーナー ID:no6yDyi5X
ブラボー
478:名無しのポケモントレーナー ID:O6BNzs2OW
ヒューヒュー(口笛)
479:名無しのポケモントレーナー
その保護者の皆さん、大会初日から大量の差し入れをくれた訳なんですが、何か弁明はありますか??
>> 画像を表示する
480:名無しのポケモントレーナー ID:4KVqKvXYk
あっ
481:名無しのポケモントレーナー ID:bhYz1GwdL
イッチがスレで敬語を使っている……?
482:名無しのポケモントレーナー ID:UAb5E9uQg
これはおこですね、ハイ
483:名無しのポケモントレーナー ID:iGgytafrA
スッ……(目逸らし)
484:名無しのポケモントレーナー ID:FRm/ZMGZM
[壁])≡サッ!
485:名無しのポケモントレーナー ID:KMK44SE0j
差し入れ皆してたんかぁ、と思って画像見たら想像の3倍くらいあって草
486:名無しのポケモントレーナー ID:soL6q5/xj
袋パンパンやん
487:名無しのポケモントレーナー ID:eDSGokctw
ジムリ勝利のお祝いでケーキとかのお菓子類もなかなかあって草
488:名無しのポケモントレーナー ID:plRrqRoZ5
これ一人で食べれるの……?
489:名無しのポケモントレーナー
無理だからプチ祝勝会してるんだよなぁ
>> 画像を表示する
490:名無しのポケモントレーナー ID:hNppniFMs
草
491:名無しのポケモントレーナー ID:u7c/XXb4U
草
492:名無しのポケモントレーナー ID:4MDZ95jQE
かわいい
493:名無しのポケモントレーナー ID:tfjo617BZ
ラティアスだけクッソ喜んでるのに
他の面子がちょっと困惑してるの草なんだ
494:名無しのポケモントレーナー ID:LmqyQMpmM
はしゃいでるラティアス可愛い
495:名無しのポケモントレーナー ID:dSp3F4lGa
そして若干肩身が狭いハッサム
496:名無しのポケモントレーナー ID:q0ca+UFUk
まぁ気持ちはわからんでもないww
497:名無しのポケモントレーナー ID:xlR3rqBib
出場したけど一回もバトルしてないからなぁ
498:名無しのポケモントレーナー ID:e8v9TcicB
是非とも明日頑張ってもろて
499:名無しのポケモントレーナー ID:X1bzzij0D
まぁ、明日の英気を養うって意味なら今日くらいハメを外してもいいのでは?
500:名無しのポケモントレーナー ID:bgaKSbuGi
夜更かししなきゃ問題ないでしょ
今日一日ずっと肩肘張ってただろうし
501:名無しのポケモントレーナー ID:SKL2auIP8
少しくらい気を抜いてもろて
502:名無しのポケモントレーナー
そんな訳で、今日ばかりは無礼講よ!
取り敢えず初日突破おめでとう!
かんぱーい!(強行突破)
503:名無しのポケモントレーナー ID:h/YaeoOe9
かんぱーい
504:名無しのポケモントレーナー ID:t6hXYBNvE
乾杯
505:名無しのポケモントレーナー ID:7MpYkreYI
わーい
506:名無しのポケモントレーナー ID:rbiGlu3Kh
わーい
507:名無しのポケモントレーナー ID:BPr+EVvGE
わーい
508:名無しの大会参加者
乾杯(敗北の味)
509:名無しの大会参加者
今日は酒が苦く感じるぜ……
510:名無しのポケモントレーナー ID:fCZcTJb97
大会参加者ニキネキもお疲れ!
511:名無しのポケモントレーナー ID:s3TfLVddf
おつかれさん!
512:名無しのポケモントレーナー ID:/ZfwHMMLT
まぁまぁ、ここは駆けつけ一杯
513:名無しのポケモントレーナー ID:/lWzvCVH7
そういや冷静に考えて初日で7割以上脱落してんのか
514:名無しのポケモントレーナー ID:AXWPi7vEe
当然だが勝ったやつもいれば、負けたやつもいるのが大会という訳で……
515:名無しのポケモントレーナー ID:rZV1pkzzY
さささ。ここはぱーっと行きましょうや
516:名無しのポケモントレーナー ID:/iJ3eC53e
んだんだ
517:名無しのポケモントレーナー ID:bMPPuFST7
悔しさも嬉しさも飲み込んじまえ
518:名無しのポケモントレーナー ID:rlgsvBeYX
ちな、ジムリーダーたちも集まって飲んでる模様
>>http.pokecter//hanseikai
519:名無しのポケモントレーナー ID:sikFrTzJo
そっちもかーい笑
520:名無しのポケモントレーナー ID:iNbW4ZcqA
さっきの今でもう反省会してるんかあ
521:名無しのポケモントレーナー ID:+BsYf4H0F
まぁ、実質カスミを慰める会みたいなもんだろうけど
522:名無しのポケモントレーナー ID:p7Sj2ZzZp
それはそう
523:名無しのポケモントレーナー ID:6iCaPwQiZ
ジムリーダーが専門タイプのポケモンで2タテくらったらそら凹むだろうよ
524:名無しのポケモントレーナー ID:sDRUilKTe
実はそれの所為で試合見てない一部の連中が八百長だとか忖度試合とか叫んでるらしいんだが……
525:名無しのポケモントレーナー ID:2/zqf4FLh
アホくさ
526:名無しのポケモントレーナー
えぇ……
527:名無しのポケモントレーナー ID:FA0DOEkFh
あれで手抜きな訳あるかい
528:名無しのポケモントレーナー ID:DLrer1CnB
今日のベストバウトと言っても過言じゃないだろ
529:名無しのポケモントレーナー ID:jjJXkOmXi
まぁそういうやつに限って試合見ないから……
530:名無しのポケモントレーナー ID:VhpdwCI3I
そんで最初同調してた奴が試合動画見て手のひらクルックルさせて騒いでる奴に反論かますって流れができてるんよなぁ
531:名無しのポケモントレーナー ID:88RdaXerl
before 「へぇ、やっぱジムリーダーでも大会でそういうことすんのな」
after 「嘘じゃねぇか! ガッチガチのガチ試合じゃねぇか! あれのどこが忖度だよ!!」
532:名無しのポケモントレーナー ID:NuLuSXmGo
それにムキになって無理筋の主張言ってるの見てるのホント面白い
533:名無しのポケモントレーナー ID:1tFZYSnLK
草
534:名無しのポケモントレーナー ID:yGMgqo7Kf
イイ性格してんな
535:名無しのポケモントレーナー ID:aox/7SPpo
何それ面白そう。ちょっと見てこよ
536:名無しのポケモントレーナー
あーー!!! ラティアス! ちょ、先にケーキ食べちゃダメじゃん!!
>> 画像を表示する
537:名無しのポケモントレーナー ID:piDIukc8m
あーー!!!
538:名無しのポケモントレーナー ID:6yaSWpLyk
あーー!!!
539:名無しのポケモントレーナー ID:6+pVsM189
あーー!!
540:名無しのポケモントレーナー ID:Xg63HXD5i
これは戦争不可避
541:名無しのポケモントレーナー ID:+UfTuWLvZ
箱の中にそのまま頭突っ込んで食べよったww
542:名無しのポケモントレーナー ID:adUd09YQx
美味そうに食いよってからにww
543:名無しのポケモントレーナー ID:9aSmdVe9K
満面の笑みで口元にクリーム付けてるのは眼福
544:名無しの大会参加者
あ、それ……結構良いとこで買ったケーキ……
545:名無しのポケモントレーナー ID:VbO/wyqJS
あww
546:名無しのポケモントレーナー ID:mdEEsoNVv
そこのブランド、たしかコガネ百貨店で店出してなかった?
547:名無しのポケモントレーナー ID:Jn0Aty8Al
あそこかぁww
548:名無しのポケモントレーナー ID:qKRpXhwyn
なかなかいいお値段したハズ
549:名無しのポケモントレーナー ID:yRzciQ+VR
あーあwwこれはww
550:名無しのポケモントレーナー ID:HE0DTWrUW
可愛くても……許されないこともある
551:名無しのポケモントレーナー
【速報】ママソル、動く
552:名無しのポケモントレーナー ID:iglhXh5Jd
はい、終了
553:名無しのポケモントレーナー ID:VRyrmuNyQ
あちゃあww
554:名無しのポケモントレーナー ID:VPg86LMhK
裏ボス登場したらもうおしまいです
555:名無しのポケモントレーナー ID:iIS6dE6GQ
ママは怒らせちゃあかんのよ
556:名無しのポケモントレーナー ID:9NCJlO9z8
どこの家庭でもそれは同じよ
557:名無しのポケモントレーナー ID:ez2EM/bXO
ん? さてはママソル楽しみにしてた?
558:名無しのポケモントレーナー ID:a369DeH5d
もしかしなくても狙ってたなww
559:名無しのポケモントレーナー ID:GKSOZ3Z0L
甘味の恨みは……デカいぞ
560:名無しのポケモントレーナー ID:70+t4seY5
南無三
◆◇◆◇
打ち上げはハプニングがありつつも無事終了。
はしゃぎ過ぎたラティアスがアブソルに怒られるという一幕があったものの、差し入れは無事全員の胃に収まり、今ポケモンたちは眠気に誘われてすやすやと夢の中に旅立っている。
アインは明日に持ち越さないようにゴミの分別や処理を終え、一人ソファに腰かけていた。眠っているポケモンたちを起こさないよう、灯りは必要最低限。スヤスヤと眠るポケモンたちの寝顔を見ながら、アインはホットミルクに口を付ける。
「ふぅ………眠れないなら、起きててもいいよ」
小声でポツリと零した言葉が、静かな部屋ではよく響く。
その言葉に反応したのは、一体だけ。もぞもぞとベッドから抜け出し、寝ているポケモンを起こさないようにそろそろと歩み寄ってきたのは、小さな星型のシルエット。
「おはよう、ヒトデマン。まだ眠れなかったかな」
本日のMVP。カスミ相手に大健闘をしたヒトデマンが、薄暗がりの中に浮かび上がる。
回復したとは言え、精神的な疲れは残っているだろうに。
ちょんちょん、と膝を叩けば、ちょうど膝の上にすっぽりと収まる形になったヒトデマン。ずっしりとした重さが、アインの両膝に伝わる。
「今日はありがとうね。おかげで二回戦は突破できた」
ぎゅっと後ろから抱きしめてやれば、ヒトデマンは成すがままに受け入れる。
テレパス越しに「問題ない」と返ってくるヒトデマンは、やはり頼もしい。
「だけど……最後の捨て身の特攻。あれはもう、止めて欲しいかな」
最後の最後。その特攻のおかげでカスミに勝てたのは、間違いのない事実。
けれどそれが常態化してしまうのは、これまで命の危険に晒されてきたアインからすれば、避けなければならないことであった。
アイン自身の命の危機。その緊急事態に際して、自分を犠牲にして対処するという選択肢を取らせるのは、アインにとっては到底許容できるものではなかった。
「こうして起きてきたってことは、ちゃんとヒトデマンもわかってると思う。……自分を犠牲にして助けるのは、ボクはやっぱり
何もなかった自分が、漸く得られた“家族”。だから大切にしたいし、それを失う可能性を、アインは何より恐れている。
そのため、アインは相打ちにならない立ち回りで試合運びをしている。最後の最後、自分を犠牲にして勝利を掴みに行く。そういう選択をポケモンに取らせないために。
「……さ、この話はもう終わり。そろそろ明日に備えて寝よっか」
伝えるべきことは伝えた。後は明日に備えて寝るだけ。
そっとヒトデマンを連れて、熟睡しているラティアスを起こさないように一緒にベッドの中に入っていく。
寝息が二つ追加されるのに、そう時間は掛からなかった。
大会に波乱を齎した彼女たち。
その彼女たちの初日は、こうして幕を閉じた。
初めてコロナに罹患しました。
比較的症状は軽く、今は完治して職場復帰してますが、皆さまも体調管理には十分ご注意ください。