以前の戦いから既に1週間が過ぎていた。
その間、俺は改めて、自身が使っているレンキンドライバーの事に関して、調べていた。
レンキンドライバーは、様々な物が納められているソザイタマ。
そのソザイタマをレンキンドライバーに装填する事で、新たな姿に変わったり、道具を作り出す事ができる。
姿に関しては、これまで変身した姿でゴーレム、ゴーストのようにファンタジー作品に出てくるモンスターを模したフォームになっている。
その条件に関しては、未だに不明であり、法則としては、ビルドのベストマッチのようにある意味無茶苦茶である。
そして、その組み合わせが上手くなかったら、変身できない。
道具に関しては、今でも謎が多い。
蜘蛛とバイクの組み合わせなど、ある意味、変幻自在と言っても過言ではない程だ。
ただ、俺自身、その能力にはある程度ではあるが慣れてきてしまっているのも事実であった。
そう考えれば、あまりにも変幻自在すぎる存在だと言わざるを得ないだろう。
「……ん?」
そんな事を考えていると
「へぇ、こっちの世界はこうやって映像で物語が見れるんだぁ。
なかなかに面白いねぇ」
そう言いながら、目の前にはルカが山程にレンタルしているDVDで、見ていた。
この1週間、ルカはまさに映画漬けのような生活を送っていた。
「それで、何か掴めるのか?」
「ふふっ、君のレンキンドライバーは常識では考えられないような組み合わせが必要だ。
そういう意味では、映画は大変参考になるからね」
そう言いながら、現在、嵌まっているサメ映画の数々。確かに、俺自身も参考になりそうな所はあるなと思った。
しかし、ルカが言っている事は半分正解だが、もう半分は間違っていると思う。
何故なら、俺の場合は、相性が良くなければ使えないのではなく、そもそも相性なんて関係なく使えるからだ。
それはつまり、他の奴らもそうである可能性だってあるという事を意味している。
「はぁ、とりあえず、晩飯の買い出しに行ってくるわ」
俺はそのまま、今日の晩飯の買い出しに向かった。
こうして、共同生活を始めて、かなり慣れた。
その日は、俺は買い出しに向かった。
「それにしても、魔女達の目的は一体」
こうして、生活には慣れきっているが、分からない事が多すぎる。
現状、俺は残念ながらルカ以外の魔女とは出会った事がない。
その魔女と契約したと契約獣とは多く戦ってきたが、未だに魔女自身とは会っていない。
だからこそ、彼女達が、ルカ以外の魔女が何を思って、行動しているのか。
正直知りたい所だった。
そう考えていると、商店街の向かい側から、何かが見える。
見つめた先には先程までルカが見ていた鮫映画を思わせる鮫の背鰭が見えた。
水のない、こんな所で。
「いやいや、待て待てっって!」
俺はそう言いながら、すぐに走り出した。
同時にそれは俺を追いかけてきた。
そうして、追われて、明らかに目的が俺を狙っている事が分かった。
走りながら、逃げた先。
その裏路地に誘われるように、俺は鮫の契約獣が地面からすぐにその姿を見せる。
「ぐっ、変身!!」
同時に俺はすぐにレンキンドライバーを取りだし、ソザイタマを入れる。
『レーキン! 土で出来た頼れる奴! ゴーレム! コネクト!』
瞬時に、レーキンへと変身する事ができたが、瞬間、近くにある壁から鮫の契約獣が襲い掛かる。
その巨大な口を大きく開き、襲い掛かる。
鋭い牙が幾つも生えており、まるでナイフのようだった。
俺はなんとか身体を反らす事で、その攻撃を避ける事はできた。
だが、僅かに当たった装甲は火花を散らす。
同時に土の装甲に僅かだが傷ができていた。
「これは何度も喰らう事はできないないなっ!」
言葉と同時に構えた先には既に壁の中へと鮫の契約獣は消えていた。
路地裏という地上のはずなのに、まるで鮫が獲物を狙うように。
映画を思わせる光景に周りを警戒する。
何時、どこから襲われるか分からない状況。ただ一つ言えることは、俺自身が狙われているということだ。
ただでさえ狭い通路の中で、何処から現れるのかわからない以上、迂闊には動けない。
ただ待つことしかできない状況。
その矢先の事だった。
再び、殺気を感じる。
見ると地面から鮫の背鰭が見えており、今まさに噛みつこうとしていた瞬間であった。俺
はすぐさま転がることで回避するが、今度はこちらから攻撃を仕掛ける事ができずにいた。隙を見せればまた別の場所に移動する事が分かっているからだ。
そしてそれはあちらも同じだと言うことが分かっていた。だからこそ、お互いがお互いに出方を伺っている。
「だけど、どうする」
こちらからは、敵の姿を見つける事はできない。
対して、鮫の契約獣は、まさに何時でも襲える体制である。下手な動きを見せれば即座に襲いかかってくるだろう。ならば、このまま待ちの一手で行くべきか?
そんな考えがよぎったときだった。
「水中戦には水中戦で挑むしかないか」
同時に、俺はこの状況を打開できる物を探す為に覚悟を決める。
材料となる物は、この近くにあるスーパーか商店街にある。
道中で、誰にも襲われないように、素早く手に入れる事。
それが、今、行うべき事だ。
同時に俺がまず行ったのは手を伸ばす事だった。
路地裏の屋上まで、土の手が大きく伸びる。
伸びた手はそのまま屋上を掴むと同時に一気に飛ぶ。
バンジージャンプのように、大きく跳び上がる。
同時に宙へと浮かぶ事で、奴がどこから襲い掛かるのか分かりながら、目的地であるスーパーか商店街を空から探す。
そして見つけた。
「材料はあそこかっ」
同時に俺はそのまま再び手を大きく伸ばす。
それに合わせるように、屋上から鮫の契約獣が俺に向かって、襲い掛かる。
しかし、それよりも早く、俺は自分で出した勢いと共に飛ぶ。
向かった先は、目的地である商店街。
そこには魚屋だった。
「へい、らっしゃいって、なんだあんたはぁ!」
「おっちゃん、悪いけど、これで魚一匹」
何が起きているのか、分からない魚屋には悪いが、俺はすぐに財布から500円玉を取りだし、近くにあった魚を手にする。
同時に魚をソザイタマに変え、そのままもう一つのソザイタマをレンキンドライバーに装填する。
『フィッシュ! ウォーターシューター! マゼラレール』
「よっと!」
そのまま、俺はすぐにレンキンドライバーを操作する。
同時に
『レーキン! 水源のスナイパー! マーマン!』
音声が鳴り響くと同時に、先程までがゴーレムをイメージする姿ならば、今はまさに魚を思わせる姿へと変わる。
その姿は、近くの鏡を見る限りだと、水色に魚をイメージさせた鎧。
両腕には腕部の固定式の水鉄砲が装着されている。
「さてっと」
同時に俺はすぐ近くまで迫っているだろう鮫の契約獣に対して、構える。
この姿になった事の影響か、空気中の水分の僅かな変化にも気付くようになったようだ。
はっとして振り返ると、そこには予想通りと言うべきか、ヤツの姿があった。
目の前までに迫っている鮫の契約獣に向けて、両腕にある水鉄砲を構える。
放たれた水の弾丸は、貫くまではいかないが、僅かにダメージがあった様子が見られる。
そのまま俺は連続で放っていき、そのまま吹き飛ばす。
「牽制にはなんとかできるけど、これじゃ、戦闘にはならないなっと」
その言葉と共に、俺は懐から別のソザイタマを取りだし、そのままレンキンドライバーに装填する。
『ムカデ! チェンソー! カキマゼール! レンキンカンリョー! ムカデチェンソー!』
その音声と共に、俺の手にはムカデのような脚を模した百の刃が特徴的なチェンソー型武器だ。
片手で持てる程度の大きさだが、不気味な見た目と相まって禍々しい雰囲気を放っているマシンだ。
こんなものが街中を走り回っていたら大騒ぎになるだろうなぁと考えつつ、そのまま構える。
先程とは違い、この姿のおかげで鮫の契約獣の居場所は分かる。
あとは、どれだけ被害を出さずに戦う事だけだった。
そう考えていたが。
「きゃあぁぁ! 化け物だぁ!」
「なんだぁ、あいつは!!」
それよりも早く、俺の姿を見て、逃げる人。
その事に俺は思わず吹き出す。
「まぁ、良いけど」
そうしながら、ムカデチェンソーを構える。
襲い掛かる鮫の契約獣に備えるように、俺はゆっくりと呼吸すると共に構える。
周りから、鮫の契約獣が襲い掛かるかどうか分からない状況の中、ムカデチェンソーにあるカバーを上部までスライドする。
それによって、巨大化する刃。
同時に、襲い掛かってくる鮫の契約獣に対して、俺はそのままムカデチェンソーを薙ぎ払う。
それと共に巨大なムカデを思わせる幻影が、鮫の契約獣を真っ二つに切り裂く。
それによって、鮫の契約獣に向けて、ソザイタマを投げ、そのまま人間に戻す。
「ふぅ、なんとかなったか」
そう落ち着く。
だが、同時に襲い掛かる衝撃。
俺はそのまま吹き飛ばされながら、見えたのは、別の契約獣だった。
「ぐっ」
戦いの疲れからの油断だった。
だが、俺はすぐにそのまま体勢を整えながら、襲ってきた奴を見つめる。
その容姿を見れば、何の魔女と契約したのか一目で分かる。
「ドラゴンって」
身体は紫色。
仮面はまるで龍を思わせるデザインとなっており、その手には先程、俺を攻撃したと思われる武器があった。
ドラゴンを模した杖であり、軽く回していた。
「お前か、最近暴れている仮面ライダー擬きの錬金獣は」
「そういうお前こそ、まるでスーパー戦隊みたいじゃないか」
そうして、俺はそのまま立ち上がる。
「そうか、だが、街を巻き込んだ戦いを起こした以上、容赦はしない」
その言葉と共に、俺に向けて、その武器を構える。
「えっ、いや、それは確かにそうなんだけど」
確かに魚のソザイタマを手に入れる為に向かったので、まさにその通りだ。
だが、すぐに俺は止めようとしたが、それよりも早く、奴はこちらに接近する。
「ぐっ」
すぐにムカデチェンソーを前に、その攻撃を受け止めようとした。
軽い反響音が聞こえるが、別方向から奴の蹴りが襲い掛かる。
「ぐっ」
そのまま地面に叩き込まれる前に、俺はすぐに二つのソザイタマをレンキンドライバーに入れる。
『クモバイク』
鳴り響く音声と共に、俺は召喚したクモバイクに乗る。
同時にクモバイクから伸びる糸で、そのまま走る。
「待てっ」
同時に、奴はその手に持った杖を変形させる。
まるでヌンチャクを思わせるそれを、近くの壁に向けて放つ。
放たれたヌンチャクの先は、まるでドラゴンを思わせる口があった。
壁を噛み付いたヌンチャクを持ったまま、真っ直ぐと俺に向かって行く。
クモバイクと同様に変幻自在に動いている。
「だけど、チャンスはあるようだな」
見る限り、奴の武器は、あの謎の棒だけ。
俺はそのまま新たなソザイタマを、レンキンドライバーに装填する。
『カボチャ! 杖! カキマゼール! レンキンカンリョー! ジャックオケイン!』
同時に鳴り響くと共に、俺の手にはカボチャを模した杖が出てきた。
そのまま俺は近くのマンホールを開け、そのままジャックオケインから火炎弾を放つ。
放たれた事で、水蒸気の煙が周囲の視界を覆う。
「なっ」
同時に煙をはらう。
「奴はどこにっ!
くっ」
それと共に、奴はすぐに走り出した。
「ふぅ」
俺はそのまま下水道からすっと顔を出す。
奴は、このクモバイクの大きさで、惑わされた様子で、まさか下水道に逃げられたとは思っていないようだ。
「にしても、今日は酷い目にあった」
そうしながら、俺は疲れた身体を引き釣りながら、軽い買い物をしながら、家に帰る。
「お帰り!
あれ、凄い怪我だね!」
「酷い目にあった」
そうしながら、俺はなんとか家に帰る。
「鮫の契約獣と戦って、なんとか勝てたけど、その後、たぶん。
龍の契約獣だと思われる奴に襲われた」
「龍?
龍って、もしかして」
そうしていると、聞こえる音。
同時に、無造作に入って来たのは、一組の男女だった。
「あなた達は」
「久し振りね、ルカ」
そう、片方の女性はルカに挨拶する。
もう片方はまるでヤンキーを思わせる格好をした男性だ。
どうやら、女性の方はルカと知り合いのようだが。
「あなたがルカの契約獣、いえ、この場合は仮面ライダーね。
私は龍の魔女、マリカ。
それでこっちは相棒のバン君よ」
「君付けは止めろ。
というか、てめぇ、さっきはよくも逃げたなぁ」
「あっさっきの」
そう言いながら、俺は後ろに目を逸らす。
同時に、向こうは殺気が強い。
「バン君、彼は悪人ではないわ。
それはルカも同じよ」
そう言いながら、ルカを見つめるマリカさん。
「マリカさん、お久しぶりです。
けど、一体、何の用でここに」
「あなたを連れ戻しに来ました」
「連れ戻しに?
それじゃ、ルカは死んじゃうんじゃ」
「彼女は優秀な魔女です。
正義感もあり、契約したあなたも問題ありません」
「えっ」
それだったら、なんで?
「あなたは外道魔女を3人倒す事で、彼女の釈放を願うつもりですね」
「彼女?」
その言葉に疑問に首を傾げる。
「あなたが最高の魔女だとしたら、彼女は最悪の魔女。
泥の魔女、メタの」
そう、これまで聞いた事のない名前に、俺は首を傾げる。
コネクト・マーマン
『魚』+『水鉄砲』
レーキンの3つめのフォーム。
水中戦を得意にしている他に、空気中の水分からレーダーのような探知も可能となっている。
両手に装着されているウォーターガンで攻撃が可能。
水の弾丸は散弾など様々な性質に変える事も可能。
ただし、その威力は低く、牽制としか使えない。