「ぐっ」
目の前に突然現れた存在からの一撃。
それは、俺を吹き飛ばすには十分過ぎる程の威力を持つ攻撃だった。
先程までの戦闘のダメージを残ってはいるが、それでも十分過ぎる程に強敵なのが、防御した腕のダメージからでも十分に伝わる。
「泥の魔女を復活させるお前には、ここで消えて貰う」
そう言いながら、目の前にいる契約獣はそう呟きながら、ゆっくりと近づく。
全身を透き通るガラスを思わせる身体。
人型である事は分かる程度で、その容姿を一言で言えば人体模型である。
ガラスの中には、人間の臓器だと思われる部品がよく見える。
「お前は一体」
「俺は、そうだな。
一言で言えば、ホムクルスの契約獣だ」
「ホムンクルス」
ホムンクルス。
俺の中で分かる簡単な知識としてでは、人造人間。
錬金術によって作り上げられた人間の技術の一つ。
生まれながらにしてあらゆる知識を身に付けているという。
その事を考えれば、目の前にいるホムンクルスの契約獣の能力はおそらくは。
「嫌な予感はするがっ!」
その言葉と共に、俺はすぐに地表で錬成した無数の土の腕を真っ直ぐとホムンクルスの契約獣に向かって殴りかかる。
それに対して、ホムンクルスの契約獣は、まるで予測したように、攻撃を受け流す。
そのまま真っ直ぐと俺に近づきながら、殴りかかる。
俺は瞬時にその攻撃を受け止めるように防御する。
だが、その拳は、俺に大きなダメージを与える。
「ぐっ」
そこは、まるで俺の防御した箇所で最も弱い箇所を狙うように。
さらに、そこから追撃するように、次々と拳を繰り出す。
それに合わせるように、俺も反撃するために攻撃を仕掛けるが、奴の方が明らかに早い。
防戦一方で、このままだと押し切られてしまうかもしれない。
「いや、これは早いというよりも」
「予測、それは正しい」
同時に、俺をそのまま腹部に強い衝撃が走る。
それはホムンクルスの契約獣による蹴りであった。
「この姿になっている間、予測から最適解を選び出し実行しているのだ」
吹き飛ばされた俺に対して、容赦なく追撃を加えようとする。
俺は何とか態勢を立て直すために地面に着地をすると同時に、回避行動に移る。
しかし、それも既に読んでいたように、地面に落ちていた土の拳を蹴り、俺に向けて放つ。
それに対して、俺は防御する事ができず、まともに攻撃を喰らう。
それによって、更に大きく後方へと飛ばされる事になる。
それでもまだ、辛うじて意識があった事に驚きながらも、どうするかを考える。
(さすがに強すぎる)
俺の考えとしては、まずはこの場から離れる事が最優先になるだろう。
あのホムンクルスの契約獣がいる限りは逃げる事は厳しいだろう。
「もう一度言う。
泥の魔女の復活は諦めろ」
「それはできないな」
「なぜだ」
そう言いながら、ホムンクルスの契約獣はゆっくりと俺に問いかける。
「こちらの世界でのお前の活動は私は僅かだが確かに見た。
人々に害する契約獣のみと戦う。
既に戦った外道魔女の契約獣に関しても、戦った理由には納得できる」
そう言いながらホムンクルスの契約獣はゆっくりと問いかける。
「お前は契約獣の中では、大きく善な存在。
ならばこそ、なぜ、あそこまで邪悪な存在を復活させようとする」
ホムンクルスの契約獣はそう、俺に言ってくる。
「そんなの決まっているだろ」
俺はそう言いながら、ホムンクルスの契約獣に向けて言う。
「ルカが友達を助けたい。
だったら、俺は彼女を信じる。
それに、まだ会った事のない奴が本当に悪いかどうかなんて、知らないからな」
「・・・どうやら、善ではあるが、同時に無知であるようだ。
ならば、ここで力を失わせて貰う」
そう言いながら、ホムンクルスの契約獣は再び走り出す。
奴は、これまで戦った契約獣とは違い、特殊な能力はほとんどない。
ガラスによってできた頑丈な身体に、ほとんど未来予知に近い知識。
それらは確かに対処しにくい。
けど
「だったら、こっからは無茶苦茶にやらせてもらうぜ」
同時に俺は懐から取り出したソザイダマをそのままレンキンドライバーに装填する。
「姿を変えた所で」
『ワスプエアロ』
「なっ!」
奴は俺が姿を変えると思っていただろう。
だが、実際に行ったのは、スズメバチの要素を持った1人乗りの小型ヘリ、ワスプエアロを召喚した事だった。
これまでは、あまり見せた事のない手だから。
そうしながら、俺はそのままワスプエアロに乗りながら、そのまま空を飛ぶ。
「空を飛ぶ程度で」
そう言いながら、ホムンクルスの契約獣はそのまま近くにある建物を踏み台にして、俺の近づこうとする。
『ハエロボット』
今度はレンキンドライバーから出てきた無数のハエ型ロボット。
そのまま、近づいてくるホムンクルスの契約獣に襲い掛かる。
「この程度!」
そう言いながら、空中でハエロボットを次々と殴っていく。
同時に、ワスプエアロに乗り込む。
だが
「いない、だとっ」
『コウモリマント』
その音声と共に、俺の背中にはコウモリマントを纏う。
それによって、空を飛ぶ事ができた。
『キリンクレーン』
同時に召喚したキリンクレーンごと奴に向けて、落とす。
「なっ!」
そのままワスプエアロに乗り込んでいる奴ごと、キリンクレーンで突っ込む。
すぐにホムンクルスの契約獣はその場で脱出したのを見える。
「知識があっても、空では無防備だ」
それと共に、俺は真っ直ぐとホムンクルスの契約獣に向かって、狙いを定める。
『レーキンフルオープン! ゴーレムストライク!』
鳴り響く音声と共に、俺はそのまま真っ直ぐとホムンクルスの契約獣に向かって、真っ直ぐと拳を振り上げる。
巨大化した拳を目の前にして、ホムンクルスの契約獣はすぐに防御するように腕をクロスさせる。
だが、避ける事のできないホムンクルスの契約獣はそのまま地面へと叩きつける。
「ぐっ」
ビシリッと、ガラスが僅かに割れるような音が聞こえる。
それで、俺は攻撃を止める。
「なぜ、止める?」
「あんたは、敵じゃないから」
俺はそう言いながら、息を整えながら見つめる。
「俺は、馬鹿だから、ルカが助けたい思いを確かに叶えたい。
だけど、もしもあんたの言う通り、泥の魔女がとんでもない悪人だったら」
そう俺は真っ直ぐと見つめる。
「俺がなんとかする。
命に代えてもな」
「・・・なぜ、そこまで錬金の魔女に命を賭ける」
その言葉に対して、俺は
「友達であり、俺をここまで変えてくれた。
だからこそだ」
そう答えた。
それに対して、ホムンクルスの契約獣は。
「そうか。
だが、ならばお前の邪魔をこれからする」
ホムンクルスの契約獣は変わらない言葉を続ける。
「お前が契約獣と戦うならば、協力しよう。
だが、外道魔女の契約獣の時は、お前が倒す前に俺が倒す」
「どっちが早いかどうか。
そういう訳か」
その言葉と共に、俺はそのままホムンクルスの契約獣から離れる。
同時に向こうもまた敵意がない様子で離れる。
「色々と厄介な事になりそうだな」
それでも、俺は目的を果たす。
その為に、戦い続けよう。