ハーメルン・ノベルティック・ライダーズ   作:夢野飛羽真

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皆様どうも、夢野飛翔真です。
本日より私の作品、仮面ライダーマーベルを3日間に渡り投稿していきます。
本日は前編です。

アベンジャーズの活躍を夢で見る少年、北条颯馬
彼の歩む物語を是非ご覧下さい。


マーベルの章
仮面ライダーマーベル 前編


「ハルク!暴れろ!」

 

僕はたまに夢を見る。

ヒーローの夢だ…

夢の中に僕はいない。ただ三人称の小説を読んでるみたいにヒーロー達の物語を眺めている。

 

「OKガーディアンズ、危険な任務だ。マジな面でいこうぜ。」

 

僕の見る夢には色々なヒーローが居る。

アイアンマン、キャプテンアメリカ、ソー……僕の手じゃ数え切れないぐらいのヒーローがいるけど、僕は彼らのことをアベンジャーズって呼んでいる。

彼らは皆カッコイイし、その活躍を僕は夢の中で楽しんでいる。

僕が今生きている現実とは大違いだ…

 

「バダン帝国万歳!」

 

「万歳!」

 

父さん曰く40年前、この世界は地下帝国バダンによって支配された。

僕が産まれた頃には既に世界の領土の9割をバダンが支配していて、抗う人達も年々減ってきていた……

 

「颯馬、そろそろ会議だよ。」

 

「分かった、行こうか隼人。」

 

けど、僕は諦めない。レジスタンスに参加してバダンと戦いを繰り広げる日々の中にいる。その間に僕に北条颯馬と名付けてくれた両親とは離れ離れになってしまった…

それでも僕は戦う。そしていつか、スターロードの様に音楽を楽しんだり、スパイダーマンの様に映画を楽しめる世界を取り戻す…!

今僕を呼びに来てくれた親友の三浦隼人と一緒に僕らはレジスタンスの会議の場に向かう。

 

「息子の調査によればこの横浜の基地に間違いない……仮面ライダーが眠っている!」

 

会議の場に行くと、僕達を集めた三浦俊太さんが口を開く。

この人は隼人の父さんで発明家だ。僕らが拠点にしている鎌倉の電気類を整備し、ショッカーが使っている電波が届くようにしてくれたレジスタンスには欠かせない人だ。

隼人は俊太さんが引っ張ってきた電波やコンピューターを使って、ショッカーのデータベースから情報を盗んでいる。

そして、隼人が盗んできた情報によれば横浜の基地に仮面ライダーって人が居るらしい……

 

「仮面ライダーっつったら昔バダンと戦ったって奴らじゃねえか!」

 

その話に老兵の岡崎さんが乗ってくる。

既に60歳を超えた岡崎さんはバダンと仮面ライダーって戦士の戦いを間近で見たことがあるらしくて、よくその話を皆にしてくれている。

 

「けどよお、仮面ライダーってもう負けて死んじまったんだろ?」

 

「ええ、それに40年も前の戦士です。今生きている保証は……」

 

仮面ライダーはバダンの侵攻が始まる前から居たという正義の戦士だ。もし彼らが今も居るのなら僕らレジスタンスの戦力として期待出来る。

けれども、彼らはバダンの侵攻の最中で敗北し、姿を消してしまっていた。豪傑の和田さんと知勇兼備の畠山さんが言う通りもう死んでしまっている確率は高い。

 

「そう思って調べてみたところ、どうやら横浜の基地にある機械にコールドスリープの装置があるみたいです。」

 

「つまり…仮面ライダーが冷凍睡眠状態で横浜にいるかも知れないってこと……?」

 

隼人の言葉の後に僕の推察したことを続ける。

冷凍睡眠状態だったらまだ生きているかも知れない…

 

「その仮面ライダーを解凍出来れば…我々の戦力補強に繋がる……!」

 

この作戦の利点に気付いた畠山さんの目の色が変わった。

仮面ライダーを呼び起こすという作戦に起死回生の希望を見出している。

それはこの作戦を提案してきた三浦親子や和田さん、岡崎さんもそうだ。

 

「しかしながら、その情報罠の可能性は?」

 

けどそのムードに水を差すような重厚感のある声が騒がしくなりだした空気を切り裂いた。

 

「大体仮面ライダーの存在が本当なのかもわからない上、わざわざ敵の基地に乗り込む必要があるのだろうか?」

 

会議が一瞬にして静まり返る。冷静沈着かつリアリストな梶原さんの意見も一理ある。

 

「確かに、梶原さんの言う通りですな。もし仮に、生きていたとしても一度バダンに負けた者を復活させたところで戦力になるかどうか……」

 

小心者の比企さんも梶原さんの意見に賛成している……

正直僕はどちらの言い分も正しいとは思う。

仮面ライダーがもしいるなら仲間にしたい、けど基地に潜入する場合のリスクが高すぎる。

 

「仮面ライダーがいた所で使えるかどうか……」

 

「何を言う!あれは伝説の戦士じゃ!弱い訳がないだろう!」

 

「皆仲良くじゃ!」

 

比企さんと岡崎さんが喧嘩になりそうなところを土肥さんが仲裁する。

 

「話は全て聞かせてもらった……」

 

そんな中、部屋に一人の男が入ってくる。

 

「皆、待たせたな。俺は賛成だぜ、仮面ライダー救出作戦。」

 

部屋に入ってきたのは、レジスタンス1の軍略家でリーダー的存在の源田清十郎さんだ。

 

「しかしながら、清十郎。策はあるのか…?」

 

「勿論ある。」

 

梶原さんが策を問い掛ける。

 

「まずは爆弾を使って基地周辺に攻撃を仕掛ける。」

 

「そんな事をすれば警備がより集まってしまいます…」

 

源田さんの話す作戦に少し疑問を持ち、指摘する畠山さん。

確かに彼の言う通り、そんなことされればバダンも黙っていない。

警備をより厳重にしてくるだろうし……

 

「ああ、周囲から敵兵が駆けつける。だから俺達はバダンの援軍の車に奇襲をして装備を奪い取る。そして仲間のフリをして横浜の基地へ潜入する。」

 

「なるほど、それならば確かに内部への潜入も容易…」

 

「装備も奪えて一石二鳥ですね。」

 

源田さんの策に畠山さんや隼人が賛同の声を上げる。

 

「この作戦、俺に着いてくる者は手を上げろ!」

 

和田さんや畠山さんを初めとした人達が源田さんの言う様に手を上げる。もちろん僕も手を上げる。

上手くいけば一気に戦況が変わる。この作戦に賭けてみるのも悪くない…

 

「比企と梶原は留守番をしていろ!決行は明日!皆備えろよ!」

 

「「「はい!」」」

 

この作戦に賛同しなかった2人を僕らのいる鎌倉の守備に回し、賛同者と源田さんで明日、横浜に乗り込むこととなった。

 

「ナイスハッキングだよ、隼人」

 

「結構厳重な警備だったよ。けど俺も驚いたよ、仮面ライダーの話が本当かも知れないって…」

 

「そうだね、とりあえず明日は早いだろうし僕は寝るよ。」

 

「僕もそうするよ、おやすみ、颯馬」

 

会議の後、僕らはそれぞれ眠りにつく。

 

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『キャップ…左だ…左を見ろ……』

 

今日は縁起がいい…またこの夢だ……

僕も何度か見たこの夢、サノスという宇宙人によって全宇宙の人口が消されてから5年……

残ったアベンジャーズはタイムトラベルを駆使して消えた人々を取り戻した。

そしてこれは、時を超えて強襲してきたサノス軍とアベンジャーズの戦いの場面だ。

追い詰められたキャプテンアメリカの下に次々とヒーロー達が集ってくる。

 

「アベンジャーズ!アッセンブル!」

 

そしてキャップの号令と共にヒーロー達が敵軍に突撃していく。

最後はアイアンマンことトニースタークの犠牲もあり、アベンジャーズが勝利を収めた。

大事な戦いの前にこの夢を見れると少し、自身が湧いてくる。

 

「なら私は…アイアンマンだ……」

 

明日僕も頑張らないと、彼らの様に 僕達も勝ってみせる…

 

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「では、作戦通りに頼むぞ!」

 

「おう!任せておけ!」

 

そして仮面ライダー奪還作戦の時が来た。

源田さんの指示で和田さん達が三浦さんの発明品であるドローンを使って基地の内部にある倉庫や車両基地を爆撃する。

 

「よし、バダンの車が通るかどうか颯馬!しっかり見張っておけよ!」

 

「はい!」

 

そして僕は爆破に釣られてやってきたバダンの援軍を監視する役回りだ。

単独で走行している車なら奇襲しやすい、周りに他の車があまりいない方が気付かれにくい。

なので襲うのに丁度いい孤立した車両を探すことにしよう…

 

「どうやら爆破の方は上手くいったそうです。」

 

暫く時が経つと爆音と共に作戦の第一段階が成功したという報告が届く。

その報告の後、付近の基地から横浜のバダンの基地に次々と援軍が向かい始める。

 

「あれは…」

 

やはり、バダンの本拠地がある東京付近からは多くの援軍が向かってきている。

一方、南からの援軍は少ないうえに、各部隊の距離が離れている。

バラけて向かっているなら狙うしかない。

 

「源田さん、南に丁度いい標的がいます。」

 

「おう、じゃあ南に向かおう!」

 

そのことを報告するとすぐに僕達は敵の車に奇襲を仕掛けにいく。

 

「こちらA部隊上手くいきました。」

 

『了解、こっちは陽動を続ける。』

 

奇襲作戦は上手くいき、乗っていた戦闘員達を撃退。敵の装備を着て変装し、バダンの車に乗って横浜基地まで移動する。

その間に陽動部隊と通信し、別の要所に攻撃をしてもらうことになった。ある程度バダンの兵を別の場所に割いてもらわないと潜入後に大勢を相手にしないといけない可能性があるから敵を散らす必要がある。

 

「よし、ここが横浜の基地だ。慎重にいくぞ」

 

「はい」

 

僕、源田さん、隼人、畠山さん、岡崎さん、土肥さんの6人で基地の中に来るまで入り込み、陽動部隊が起こした騒ぎによって混乱し始めてきている。

その間に僕たちは屋内に入っていく。

 

「隼人、場所はどこか分かってる?」

 

「うん、地下にある秘密の研究室だよ。確かこのエレベーターを…」

 

エレベーターの前で隼人がパソコンを使ってハッキングをすると、かごが降りてきて僕達6人はそれに乗り込む。

 

「このまま降りれば研究室です。」

 

「ああ、戦闘員があまりいない所を狙おう。」

 

敵の研究室であるとは言え、冷凍睡眠されているという仮面ライダーがいるのなら暴れ回るわけにはいかない。解凍の方法が分からなくなったり、設備が破損する可能性もあるし、仮面ライダー自身が傷ついてしまうことも考えられる。出来れば戦闘は避けておきたい。

 

「降りるぞ」

 

エレベーターが最下層で止まり、扉が開くとすぐに銃を構えて雪崩れ込むようにして降りる。

 

「ここは…」

 

けど僕達の目に映ったのは研究施設でもなんでもなかった。

壁と天井しかない広い空間だ。とてもじゃないけど研究をする為の部屋ではなさそう…

 

「確かにここの部屋のはずなんだけど…」

 

降りる場所を間違えたのだろうか?と思って隼人はパソコンを確認する。

手に入れたデータではここだった筈と焦っていると、コツンコツンと金属の靴で歩いているような足音が部屋の中に響く。

 

「だ、誰だ!?」

 

足音のする方に土肥さんが銃口を向ける。

向かってくる者の姿は銅製のプロテクターとバッタの様なフォルムのヘルメットを被った軍人のような男だった。怪人とはまた違う雰囲気を纏っている。

 

「まさか、仮面ライダー!?」

 

その戦士の姿に岡崎さんは驚愕している。

 

「仮面ライダー?まさかこれが本物の……」

 

「いいや、似てはいるがワシが見たのとは違う……」

 

岡崎さんが嘗て目撃した仮面ライダーとは違う戦士なのか…?

 

「いいや、俺は仮面ライダーだ。」

 

そんな僕達の疑問に答えるようにその戦士が声を発する。

 

「俺はショッカー最後の仮面ライダー4号だ。残念だったな、研究室はこの1つ下の階だ。」

 

4号と名乗った戦士は地面を蹴り、目にも止まらぬスピードでこちらに詰め寄って来て、土肥さんが持つ銃を回し蹴りして破壊する。

 

「な、何をする…!?」

 

「俺はショッカーのライダーでありバダンのライダー…レジスタンスは俺が潰す。」

 

「どうやらこのライダーを倒さねば先にも進めないし帰ることも…」

 

「ああ、撃て!!」

 

畠山さんと源田さんの号令と共に4号に向けてアサルトライフルを撃っていくが、毎秒数百発の弾丸が身体に当たってるにもかかわらず、4号は微動だにしない。

 

「その程度の攻撃、俺には効かん!」

 

僕らが張った弾幕を真正面から突破して、4号が岡崎さんを殴り飛ばす。

 

「岡崎さん!」

 

「なんて威力だ…」

 

拳で殴られた岡崎さんの身体は10m程飛ばされて地面を転がる。

 

「よくも岡崎を!」

 

気を失った岡崎さんを守ろうと4号の背中に源田さんと畠山さんがアサルトライフルで弾丸の雨を降らせるが…

 

「さっきも言っただろ」

 

一瞬で畠山さんの前に来ると、そのまま蹴飛ばし。

 

「そんなもののは俺には効かんと…」

 

すぐに源田さんの方を向くと彼の身体を掴んで投げ飛ばす。

 

「後は僕達だけだよ……」

 

4号は投げ飛ばした源田さんに向けて走り出し、トドメを刺そうとした。

 

「諦めたらダメだ!」

 

その様子に隼人が絶望していた。もう勝てないかも知れない。

このままここで死ぬかも知れない……

 

けどここで死んだらもうバダンは倒せない!

そうなればもう僕たち人類が笑顔にはなれない、そう考えてる時には既に体が動いていた。

源田さんに向かって駆ける4号の身体に突っ込んでタックルをして止めた。

 

「まだ俺に抵抗するか…」

 

「ああ、隼人!皆を連れて逃げろ!」

 

銃口を4号の腹部に当ててゼロ距離で撃ちまくる。

 

「颯馬!けどそれじゃ…」

 

「僕のことはいい!早く逃げて体制を…」

 

その間に隼人たちに逃げるように促した。けど皆の方を見ようとした時には僕の身体は既に宙を舞っていた。

恐らく僕の攻撃は一切効いていなかった…

あっという間に僕の身体は上に投げ飛ばされ、気付いたときには背中に激しい鈍痛が走り、今度は地面に向けて身体が落下していく…

 

このまま僕は死ぬのかな……?

 

そんなことが頭を過った……

身体は天井に激突してボロボロ、このまま落下すればもう……

 

(諦めるな。)

 

声がした、それに気付いた時には僕は白い何もない空間に立っていた。

 

「ここは……?」

 

「ここは、辺獄。まあ生と死の狭間ってとこかな。」

 

先程僕のことを呼んだ人と同じ声がした。しかも僕はこの声を何回も聞いたことがある。

 

「トニースターク!?」

 

声のした方を見るとやはりいた、僕が何度も夢の中で観たヒーローであるアイアンマンことトニースタークの姿が…

 

「その通り、とは言っても今の私は命を落として魂だけの状態だが。」

 

アベンジャーズ最後の戦いで、彼はインフィニティーストーンと言う強大な力を持つ6つの石を使った反動で命を落としてしまっていた。

 

彼がいるってことは僕も死んだのか…?

けど生と死の狭間って言ってたのはどういう……

 

「何故僕とあなたはここにいるんですか?」

 

「細かい話は後にしよう。簡単に言えば君に残された選択肢は2つ。このまま死ぬか、ヒーローとして生きるか。」

 

「ヒーローとして生きる…?」

 

僕がヒーローになるのか…

トニースタークやアベンジャーズの様に……

 

「ああ、君は今まで私達の戦いを見てきた筈だ。」

 

「はい、夢の中で……」

 

「それができるのは特別なことだ。君にしかできない、世界に選ばれた君だけができることだ。」

 

「世界に選ばれた……?」

 

僕は夢の中で彼らの戦いを見続けていた。

それは特別なことだったんだ…僕だけにしかできないこと…

 

「そうだ、君はどうやらヒーローになる運命にあるらしい。」

 

「それが僕の運命。」

 

「ああ、戦う覚悟はあるか?あるならこれを使え。」

 

トニースタークの掌の上に出現したアタッシュケースを手に取るのに時はかからなかった。

 

"でも一歩外に出たら、君はアベンジャーズだ。"

 

ヒーローとして戦えるのなら…

 

"颯馬!また射撃の腕前上がったんじゃないの?"

 

"いい作戦だ!颯馬!"

 

隼人や源田さんを…

皆を守れるのなら…

 

「僕は戦う!」

 

バダンを倒して人々を救う。その覚悟は既に決まっている。

 

「なら後は彼に任せよう。ジャービス、颯馬のサポートは任せた。」

 

『畏まりました。』

 

「健闘を祈るよ。北条颯馬、いや、仮面ライダーマーベル」

 

スタークさんの話が終わるとまた僕の視界が暗転した。

 

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「そ、颯馬…?」

 

隼人達の前で颯馬の身体は4号によって天井に打ち上げられ、地面に落下した筈だった。

だが落ちたはずの颯馬の身体が光に包まれ、何時の間にか仮面の戦士となって地面に着地する。

 

『スタークスーツ!』

 

赤色と金色が混じった金属のアーマーを身に纏い、胸には青白く動力源であるアークリアクターが光っている。

その姿はアベンジャーズのメンバーであるアイアンマンに似ているが、その肩にはガトリングガンとランチャー、両腕にはサブマシンガンが付いていて、その重厚な装備はアイアンマンの相棒であるウォーマシンを思い起こさせる。

 

『アイアンアベンジャー!アッセンブル!』

 

アベンジャーズに所属するアイアンマン、ウォーマシン、レスキューというハイテクな技術を用い、パワードスーツを纏う3人のヒーローのデータが収められたスタークディスクが彼の腰に巻かれたマーベルドライバーに装填されている。

 

「お前も…仮面ライダーか?」

 

「僕は仮面ライダーマーベル、自由を求める戦士だ。」

 

その言葉とともに、颯馬が変身する仮面ライダーマーベル・スタークスーツの持つ4つの銃口が仮面ライダー4号に向けられる。

 

「そ、颯馬が変身した!?」

 

「こりゃ驚いた!」

 

その様子に隼人や土肥が驚きを隠せない。

 

『颯馬様、戦い方は分かってますよね?』

 

「うん、ジャービス。大丈夫だよ、何度も見てきたから…」

 

彼の着るアーマーにはサポートAIであるジャービスが搭載されており、彼が颯馬に問いかける。

 

「何をゴチャゴチャ話してる!」

 

その様子に業を煮やした4号が颯馬に向けて走り出す。

 

「集中砲火!」

 

その4号に向けてスーツの各装備から放たれた弾丸が一気に降りかかる。

右肩からはグレネードランチャーで炸裂弾が放たれ、4号の身体に当たる度に爆発を起こす。

左肩のガトリングガンからは秒間数百発の弾丸が連射され、それぞれの攻撃が4号の装甲にダメージを与えていく。

 

「クッ…!」

 

ダメージを受け続けるのは得策ではないと4号は宙に飛び上がって颯馬に向かって降下しながら拳を突き出そうとする。

 

「リパルサーレイ!」

 

だがその4号の身体がマーベルの掌から放たれるリパルサーレイによって吹き飛ばされ、放物線を描いてその肢体が地面に激突する。

 

「隼人、何人が動けそう?」

 

「僕と土肥さん以外重症かも…」

 

「だったらここは撤退だね、ここでアイツを倒せても皆が動けないんじゃ長く滞在するリスクが大きくなる。僕が時間を稼ぐから2人は皆を連れて上に逃げて。」

 

既に源田、畠山、岡崎の3人が4号によって負傷し動ける状態ではない。

この後敵の援軍が来ることを考えると、この3人を長時間基地に居させ続けるのはリスクが大きい。

そう判断した颯馬はまだ動ける隼人と土肥に逃げるように指示する。

 

「わかった、任せてくれ!けど仮面ライダーは…」

 

「諦めるしかない…けど僕がいる。」

 

当初の目的であるこの基地にいるという仮面ライダーの奪還は果たせそうにないが、仮面ライダーマーベルがこのままレジスタンスの戦力になれば、それだけでもバダンへの対抗手段が増える。

それ故にここは撤退を選ぶのが得策と判断し、隼人達は逃げる準備をする。

その間に砂埃の中から立ち上がった4号に颯馬の左肩のガトリングガンから放たれる無数の弾丸が突き刺さる。

 

『腰のホルダーにサポートディスクが入っています。もう1つのディスクスロットに挿入してみてださい。』

 

「このディスクかな?」

 

彼の腰に付けられているマーベルドライバーにはディスクを入れれるディスクスロットが2つ付いており、既にスタークディスクが入れられている右側のメインスロットの反対側にある左側のサブスロットに腰のホルダーから取り出したナノマシンディスクを挿入する。

 

『ナノマシンアーマー!』

 

ウォーマシーン特有の重厚感ある装備がすべて消滅し、アーマーは全てナノマシンで覆われた滑らかなフォルムに変化する。

 

「装備を捨てたか…それでどうするつもりだ!」

 

ガトリングが無くなったということは、4号に向けられていた銃弾の雨が止んだということでもある。

それによって、動ける余裕ができた彼はすぐに颯馬に向かって走り出す。

 

「ナノテクの使い方は……こうかな?」

 

その4号に颯馬の両掌にあるリパルサーレイだけでなく、背中から展開された4問のナノマシンでできたレーザー砲が向けられる。

 

「増えた…!?」

 

放たれる4本のレーザーに驚きつつも4号は咄嗟に回避、だがそこを両手のリパルサーレイが吹き飛ばす。

 

「颯馬!エレベーターが動かない!」

 

「ああ、俺に気を取られている間に援軍が到着したようだな…」

 

「それでエレベーターが止められたってことか……」

 

既に彼らが侵入したとわかってから時が経っており、バダンの手によって基地のエレベーターが止められてしまい、集まった者共によって包囲されてしまっている。

 

「そういうことなら逃げるよ。隼人達はそのままかごに乗ってて!」

 

隼人達に指示をする颯馬の隙を突こうとした4号が右腕を突き出すが、アーマーから放たれたナノマシン製の拘束具が巻き付き、爆発する。

 

「うっ…腕がッ……!!」

 

その爆発によって4号の腕が吹き飛び、肘から先が無くなる。

元々腕が有った箇所を押さえる4号を横目に、颯馬達はエレベーターのかごに乗り込む。

 

「こ、ここからどうする!?」

 

『問題ありません。もう1つのサポートディスクを使ってみてください。』

 

「これかな?わかった。」

 

抜き取られたナノマシンディスクの代わりにパーティーディスクが挿入される。

 

『ホームパーティープロトコル』

 

ナノマシンアーマーの姿から、元のスタークスーツの姿に戻るのと同時に35体の様々なアイアンマン達が召喚され、エレベーターの壁を破壊しかごごと上に運ぶスーツとその周囲を守るスーツ達が一気に上へあがる。

 

「このまま一気に逃げるよ!」

 

かごに他のレジスタンスメンバーを入れたままアイアンマン達は拠点である鎌倉に向けて飛んで撤退する。

 

「こっちには来させない!」

 

戦闘機に乗って彼らを追うバダンの兵達を颯馬や彼が召喚したスーツのハートブレイカーとシルバーセンチュリオンが迎え撃つ。

 

「す、すごいよ!すごいよ颯馬!」

 

「これが…仮面ライダーか!!」

 

颯馬がガトリングとマシンガンで、ハートブレイカーが胸部から放つユニビームで、シルバーセンチュリオンが腕の刃でそれぞれ追撃してくる戦闘機を攻撃して撃墜させていく。

その様子に隼人や土肥は興奮を隠せない…

 

「こ、ここは…?」

 

「我々は今どうなって……」

 

その間に源田と畠山も目を覚まし

 

「な、何が起きている!?」

 

かごに乗って飛んでいる今の状態に驚愕している。

 

「颯馬が変身したんですよ!仮面ライダーに!!」

 

「颯馬が!?」

 

起き上がった源田たちの目には颯馬が変身する仮面ライダーマーベル・スタークスーツの雄姿が映る。

敵を一切寄せ付けず、リパルサーレイと肩の装備で空中の敵を次々と撃ち落としていく。

 

「皆!行くよ!」

 

爆炎を背に戦う颯馬の姿は彼らを導く新たな英雄として映る。

そう、新たな仮面ライダーの戦いが今ここに始まったのだ……

 

To be continued…




キャラ設定
北条颯馬(CV内山昂輝)
18歳
レジスタンスに所属する青髪の青年
中肉中背だが体はしっかり鍛えられていて身体能力も高い。
夢の中でアベンジャーズの戦いを観測し続けていた。
性格は責任感が強く、仲間思い
周囲の人に優しい
両親とはバダンとの戦いによって離れ離れになってしまっているが、そんな自分を救ってくれた周囲の人達のことを家族同然に想っている。

三浦隼人(CV木村良平)
18歳
レジスタンスのメンバーで颯馬の親友
メガネをかけているコンピュータオタクで、ハッキングが得意
颯馬より背は高く、颯馬程ではないが鍛えられている。

源田清十郎(CV草尾毅)
31歳
レジスタンスのリーダー的立ち位置の青年
背が高くガタイも良い皆の兄貴分
戦闘だけでなく戦術を考えるのも得意

和田 嘉雄
レジスタンスのメンバー
メンバー内で1番の豪傑で筋肉もムキムキ
猪武者でもある。

畠山 海
レジスタンスのメンバー
イケメンで細身。頭も良い方で源田や颯馬と気が合う。

三浦俊太
レジスタンスのメンバーで隼人の父
機械工作が得意

土肥
平和主義者でメンバー内の喧嘩があるとすぐに止める。

岡崎
レジスタンス1番のベテラン
昔直接仮面ライダーを見たことがある。

梶原
冷静沈着なリアリスト
周囲の人の様子をしっかり見ている。

比企
小心者で尚且つネガティブ
よくパニックになる

ライダー設定
仮面ライダーマーベル
マーベルドライバーとヒーローディスクで変身する。
能力は各ディスクに依存する。

マーベルドライバー
ディスクを入れれるディスクスロットが2つ付いており、右側には変身やフォームチェンジ用のメインスロット、左側にはサポートディスク専用のサブスロットがあり、変身時などは両脇のスイッチを押してディスクの力を呼び起こす。
右側のスイッチだけを押すと力が増幅するブーストを発動、両側のスイッチを同時押しすると必殺技のファイナルアタックを発動する。

ヒーローディスク
ドライバーのメインスロット専用のディスク
変身やフォームチェンジに使用する。

サポートディスク
ドライバーのサブスロット専用のディスク
変身後に特殊な能力や装備を付与する。

サポートAI
ジャービス
マーベルドライバーに搭載されている。
変身者のサポートが主な役目

スタークスーツ
スタークディスクで変身する仮面ライダーマーベルの形態の一つ。
アイアンマンの赤と金の金属のアーマーを装着している様な姿
アイアンマン、ウォーマシン、レスキュー(ペッパーポッツ)のデータが秘められており、アイアンマンさながらのパワードスーツにウォーマシンの様な重装備が幾つも付けられている。
必殺技は胸部のリアクターから放つアルティメットユニビーム
専用のサポートディスク
ナノテクディスク
スタークスーツのアーマーと装備をナノテク仕様に変化させる。
パーティーディスク
ホームパーティープロトコルを発動して35体の多種多様なアイアンマンのアーマーを召喚する。
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