『さて、と・・・じゃ、いっちょやりますか!』【RAID!RISER!】
「了解した」【マッハドライバー!】
「今度こそ逃さん」【FORCE RISER・・・】
夜の路地裏。主任とチェイス、滅の3人は、それぞれのベルトを装着し、臨戦態勢に入っていた。
『アークさーん、監視カメラは~?』
『問題無い。既にダミー映像に差し替えてある』
「フン、アークならば容易いか」【POISON・・・】
「心強い味方だ」【シグナルバイク!】
『敵からすりゃ涙目ものだけどネ』【SEARCH!】
「「変身!」」『実装』
【FORCE RIZE!】【ライダー!】
【RAID RIZE!SCOUTING PANDA!】
アイテムをベルトに装填し、3人はギミックを操作。変身シークエンスを起動する。
【
【チェイサー!】
【PACKAGE RIZE!LAUNCHING HUNGDMAN!】
バイクの車輪と、サソリのライダモデル。更に深紺の重装甲が現れ、それぞれの使い手に装着。仮面ライダー滅、仮面ライダーチェイサー、そしてスカウティングパンダレイダー・ACハングドマンが完成した。
「2人とも、バイラルコアは持ったな?」
『ハイハーイ!ノープロブレムですよ~!』
「此方もいつも通りだ。問題無い」
2人はそれぞれ、手に握った
『社長もすぐに合流するってサ。とっととやっちゃおう。と言う事で、お願いしますよ~?』
「任せろ」
チェイサーは静かに肯き、ブレイクガンナーのスロットにプロトシフトスピードを装填した。
【
【
「結界を、叩き割る」
そして銃口を掌で押し込み、必殺シークエンスを発動。体内とプロトスピードのコア・ドライビアを共振させ、増強した出力でエネルギーを一極集中、圧縮し始めた。
─ガオゥン・・・─
溢れ出した余剰エネルギーは紅い波動となり、局所的にあらゆる物体の速度が鈍化する現象、重加速としてまろび出る。
『へぇ、成る程。コレがウワサの・・・』
「ハァッ!」
【
エネルギーのチャージを完了させて、チェイサーはブレイクガンナーを叩き付ける。
「グワーッ!?」
紫色の髑髏として顕現した高圧のエネルギーは、叩き付けられると共に激しく炸裂。干渉の痕跡のある空間を食い破り、中に居た悪魔、ゼノンを引き摺り出した。
「昨日振りだな、ゼノン」
「コンバンワ、ゼノン=サン。仮面ライダーです」
『アイエーッ!?ライダー!?ライダーナンデ!?』
チェイサーの忍殺語ネタにノリノリで返す主任。彼はサブカルにも明るいのだ。
「クソッ!やっぱりテメェ等かよ!そういや最近、潜伏中の奴が消えるって言われてたが・・・」
「ほう、どうやら情報は抜かれていないようだな」
「ならば良い。貴様も生かしてはおかない」
『アハハハハッ!良い~じゃん!盛り上がってきたネェ!』
「チッ、此処は不利か!一旦立て直─ガァンッ─グハッ!?」
壁を蹴り空中に飛翔しようとするゼノンだったが、即座に何者かに撃ち落とされた。魔力障壁で受け止めて尚身体を貫かんとする衝撃力に驚き、ビルの屋上へと墜落する。
『へぇ、中々やるじゃない?流石はワーウルフ!』
『どうでも良いから、とっとと終わらせて』
遠方のビルから通信を飛ばす
「畜生ッ!
─ゴゥウン・・・─
ゼノンが両手を胸に翳すと、幾何学的な魔方陣が出現。紫の光が漏れ出すと共に、周囲にドス黒い靄のようなものが広がる。すると、周囲に重加速に酷似した鈍化現象が発生した。
「もういっちょ、
更に別の魔方陣を生み出すと、今度は青白いオーラが溢れ、ゼノンを包む。そして、ゼノンは常人の眼には捉えられない程の猛スピードで駆け出した。
『逃がさない───なっ!?』
再び遠方から狙撃するウルフレイダーだったが、対物狙撃弾は鈍化空間に入った途端に著しく減速。緩く投げられた野球ボールのような速度になり、ゼノンには掠りもしない。
『成る程、重加速にはこんな使い方も・・・』
唸るように呟く主任。コア・ドライビアを搭載しているチェイサーとバイラルコアを持っている2人は、鈍化空間の中でも問題無く活動が可能であるようだ。
「ハッ、これで狙撃は恐くねぇ!1匹ずつ確実に殺して─ゴガンッ─ぐへぁ!?」
弾丸の恐怖から解放され、意気揚々と走り抜けようとするゼノン。しかし、またもや物理的に腰を折られ、再びコンクリートとお見合いする羽目になった。
『お待たせしました』
黒と紫に銀の差し色を入れたバイクに跨がった、黒いライダースーツとフルフェイスヘルメットの男。言わずもがな出久である。
右手のサウザンドジャッカーから放ったのは、チェイサーバットバイラルコアのアビリティ。蝙蝠型のエネルギー弾を放ったのだ。
『あ、社長?どしたのそのボイチェン』
『念の為ですよ、念の為』
【FORCE RISER!】
サウザンドジャッカーを収納し、フォースライザーを装着。レッグホルスターからキーを取り出し、ライズスターターを押し込んだ。
【
装填されたキーから出現するのは、巨大な蜘蛛のライダモデル。前脚4本を大きく振り上げて威嚇し、ガチャガチャと出久の背後に回り込む。
『変身』【FORCE RIZE!】
【
蜘蛛は出久の背中に飛び掛かり、首筋に牙を突き立てた。
【
【BREAK!DOWN!】
そして8本の脚で変身者を包み込み、体節が弾け飛んでリストレントケーブルが接続。それぞれがアーマーとなり、全身各所に装着される。
ダークパープルのアンダースーツに、蜘蛛の巣と逆さ吊りの蜘蛛を意匠として組み込んだマスク。蜘蛛脚のスリット越しに光る、複眼状の両眼。胸部装甲と背面装甲に各2対ずつ、計4つの
フォースライザーシステムで変身した、新たなライダー。
『仮面ライダー、
【CHASER BAT's Ability】
再び新型バイク、ライドスティンガーのハンドルを握り、タンク正面のスロットにチェイサーバットバイラルコアを装填。スロットルを捻ると、車体側面から蝙蝠の翼が出現する。その翼で飛翔し、フロントカウルから大気を歪める程の集束超音波砲を放った。
「クソッ!次から次へと鬱陶しい!」
手持ち盾のように発生させたバリアで音波を反射して、悪態を吐くゼノン。そのまま魔力を槍に練り直し、網へと投擲する。
『ハッ!』
対して網は手を翳し、右腕のガントレットから
『滅、チェイサー、コレを!』
ライドスティンガーから飛び降りながら、2人に何かを投げ渡す網。2人が受け取った時には、既に糸を飛ばしてスイング移動を始めていた。
「コレが、アークの作ったアイテムか」
「そのようだ」
滅が受け取ったのは、クリアパープルのフレームにクリアシルバーのカラーリングとなっているプログライズキー。接続端子の表面には、魔進チェイサーの上に重なった仮面ライダーチェイサーがプリントされている。
チェイサーが受け取ったのは、シグナルバイクよりも小振りなチップのような物。プリントされたライダーズクレストは、滅亡迅雷.netのエンブレムに囲われたチェイサーの髑髏マークだ。
「よし、やるぞ」
「・・・仕方無い」
2人はベルトから既存のアイテムを引き抜き、次いで渡された
【
【シグナルキー!クロスオーバー!ライダー!】
ライズスターターを押されたプログライズキーは内包能力を叫び、フォースライザーに収まる。チェイサーの手の中の端末からは、接続用のキープレートが展開。マッハドライバーのスロットに装填され、強化システムのデータを送り込んだ。
「「変身!」」
【
【ルイニング・スコルプス!】
フォースライザーからバイクに乗ったチェイサーのイメージ体が出現し、背後から衝突して分解。それぞれが新規パーツとして変形し、全身各所に合体する。
頭部のV字アンテナ。銀のラインが走ったアンダースーツ。そして胸部に増設された、紅いクリスタル球状の
そしてチェイサーには、滅と同様の集中型装甲が追加され、左胸に滅亡迅雷.netのエンブレムが刻まれた。更に背中のホイーラーダイナミクスには蠍座のマークが浮かび、右のショルダーアーマーには滅の左腕の物と同じアシッドアナライズが装着される。
これぞ、お互いの性質を融合させた2人の強化形態。仮面ライダー滅・フルブレイキングチェイサーと、仮面ライダーチェイサー・ルイニングスコルプスである。
『へぇ、中々格好いいじゃないの。アークさんはセンスも良いねぇ』
『此方網、変身出来ましたね。現在、悪魔ゼノンを追跡中。この区域から逸脱しないように誘導していま・・・逃がさんッ!
失礼しました。既に此方の座標はマーク出来ている筈です。そのバイクで挟み撃ちにしましょう』
「了解した。チェイス」
「任せろ」
【TUNE!CHASER BAT!】
ライドスティンガーのスロットから独りでに外れたバイラルコアを掴み、ブレイクガンナーに装填するチェイサー。背中のホイーラーダイナミクスが高速回転し、液体金属を噴射。プログラム制御によって固定され、蝙蝠の翼を摸した
「俺は・・・これか」
一方滅は自分のシステムテキストをラーニングし、機能の詳細を掌握。プログライズキーに手を当て、ライズスターターを再び押し込んだ。
【CHASER BAT's Ability!】
音声と共に新機能を起動し、ライドスティンガーに搭乗。するとマシンとキーがリンクし、先程と同じチェイサーバットの翼が出現する。
「行くぞ!」
「あぁ!」
『じゃあ~、頑張ってネ~!』
2人は同じアビリティで飛翔し、網に追い回されているゼノンの逃亡方向へと先回りしようと加速。それと同時に、車体側面に空いた
「これは、新型のバイラルコアか。有り難い」
「アークならばやりかねん・・・」
「兎に角、役立てよう。直に合流地点だ」
低空飛行から着地し、新たなバイラルコアを掴むチェイス。そしてブレイクガンナーからバットバイラルコアを引き抜き、ハヤブサを摸した新型と入れ替えた。
【TUNE!
再びホイーラーダイナミクスが回転し、今度は猛禽類のような翼が展開。すぐに右腕へと換装され、両刃の
「クソッタレめ!しつこ過ぎ・・・「ハッ!」ウギャッ!?」
目の前を通り過ぎようとしたゼノンの翼を、チェイサーのフェザーブレイダーが叩き斬った。
「ガァァ!?テメェら、このッ!よくも俺の翼をォ!」
「黙れ」
「ウガァ!?」
喚くゼノンを遮って、滅がシンゴウアックスの逆袈裟斬りを叩きつける。衝撃で弾き飛ばされたゼノンは、解体途中のビルへと突っ込んだ。
『此処は我が社が買収し、取り壊し中のビル。存分に・・・何!?』
柱に取り付いた網が2人を促そうとするが、センサーが発した警告音に顔を顰める。それは、本来なら此処に居る筈の無いモノ・・・人間の生体反応だった。
「な、何だよお前ら!?」「ヤベェぞ逃げろ!」
『チンピラ!?くっ、早く失せなさい!邪魔です!』
「・・・これしかねェか」
不法侵入し、屯していたチンピラ達。それを見て、ゼノンは小さく呟く。
「フンッ!」
─バゴンッ─
「なっ!?」「くっ!」
小さな魔力弾を生成し、地面に叩き付けるゼノン。砕けたコンクリートの粉塵が舞い、即席の煙幕となる。
─ボギュッ─
「ぎっ!?」
その煙幕の奥から、短い呻き声が聞こえた。
2人が得物を振るい視界を切り開くと、その先にはゼノンに首を噛み砕かれ事切れた、さっきまで人間だった肉塊が地に伏している。
「貴様ッ!」
「必ず始末する・・・!」
守護対象を目の前で殺され、滅とチェイスの殺意が跳ね上がった。だが、2人が動くよりも早く、網は先端に大きな
ベシャリとゼノンの左肩に付着したワイヤから高圧電流を通電し、更に撓ませて数度振るう事で投げ縄のように巻き付けた。
『2人も早く攻撃を!直接の脅威に関係無い人間を、人質にするでも無くすぐに殺した!何をして来るか───』
「痒いぞォ、人間」
─バギィッ!─
安全装置を解除し、人間の致死量の数万倍の電圧を掛けられても尚、ゼノンは意に介さない。それどころか、全身の筋肉を膨張させ、逆にワイヤを引き千切ってしまった。
『なッ!?張力60トンのカーボンナノチューブワイヤを!?』
「あ~ぁあ、まさかコレを使わにゃならんとはねェ」
溜息を吐きながら、首をゴキゴキと鳴らすゼノン。その肉体は真っ赤に染まり、全身に走るひび割れたようなラインは脈動するように赤黒く明滅している。
「これは・・・重力異常が増大している!」
「能力の出力が上がっていると言う事か!」
「あぁ、そうだぜ。
血のように巡り漲るエネルギーを練り上げ、半透明なブレードを形成するゼノン。指を添えて撫で上げたそれを、目障りな網へと振り下ろす。
『フッ─パキッ─何ッ!?』
その刃は身を切らずとも、網に驚愕を与えるには十分な現象を引き起こした。
帯電状態でブレードを受け止めようとしたピンサーが、異常なまでに軽い音を起てていとも容易く切断されたのだ。
『炭素繊維強化樹脂と軽合金の複合装甲を、こうもアッサリと!?』
「ハッハッハァ!俺に斬れねぇ敵はいねぇ!!そしてェ!」
─ゴォウン・・・─
『ぐっ、鈍化かッ・・・!』
「くたばりやがれェ!」
「やらせんッ!」
─ギャギャギリッ!─
動きを鈍らせた網を斬り裂こうと、ブレードを振り下ろすゼノン。しかし、刃が触れる寸前、チェイサーのフェザーブレイダーが割り込み、直死の斬撃をギリギリで
「あァ?チッ、クソッタレめェ・・・つくづくテメェは俺を苛立たせやがるッ!」
─ガァンッ!─
「ぐぅっ・・・」
ノイズ混じりの割れた声を撒き散らし、ゼノンはチェイサーに膝蹴りを叩き込んだ。
チェイサーは吹き飛ばされはしたものの、フォースライザーシステム特有の重点防御装甲が追加されたお陰で、何とか損害軽微で済んでいる。
「ハァアッ!」
─ギャギンッ!─
「くっ、パワー不足か!」
「成る程ォ、どうやらテメェらにゃ、
「嘗めるな、オラよォ!」
─ドゴンッ!─
「ぐおっ!?」「がぁッ!?」
しかしそれも瞬時に反応され、両手で掴み絡み取られる。更にそのまま引き寄せられ、鎖分銅のように地面に叩き付けられてしまった。
全身にダメージを負い、大破までの耐久値が大凡半分を切った事をダメージコントロールシステムが感知し、仮面の中で警鐘を鳴らしている。
(2人とも、作戦に乗って下さい!)
そんな中、どんよりと動きを鈍らせられた網がフォースライザーシステムの通信回線を開き、自分の案を2人に伝達する。
(何?・・・了解した)
(致し方無い。しくじるなよ)
(其処はお任せを!時間稼ぎは任せました!)
「滅!」【TUNE!HOROBI
「あぁ!」【CHASER COBRA's Ability!】
チェイサーは新たなバイラルコア、ポーラーベアをブレイクガンナーに装填。手甲鉤状の
そして滅はコブラバイラルコアのアビリティを発動し、右腕から
【ホロービ!】【BREAK!】
【CHASER SPIDER's Ability!】
其処からドライバー天面のブーストイグナイターを叩き、出力を引き上げるチェイサー。滅は腕の武装を蜘蛛脚を象った
「ハッ、小賢しいンだよォ!」
だが、ゼノンはそれを容易く見切り、振り返って両手でバリアを形成する。限定解除された魔力の障壁は、2人の攻撃を容易く受け止めてしまうだろう。
「ハッ!」「タァッ!」
しかし、ゼノンの読みは外れた。2人はバリアの手前で、お互いの武器をぶつけ合ったのだ。
ブレイクガンナーとファングスパイディー、それぞれから放射された高圧縮エネルギーは、衝突と共に爆発。左右に障壁を集中した事で無防備となっていたゼノンの顔に、閃光と熱の波となって襲い掛かった。
「ウがぁッ!?テメェら、味な真似をォ・・・!」
顔を押さえ、
【
【ヒッサツ!フルスロットル!ルイニング!スコルプス!】
滅はファングスパイディーから再び高圧縮エネルギーを放ち、チェイサーは左肩のアシッドアナライズを巻き付けた右脚で蹴り抜く。
「ごはぁ!?」
2人の必殺技はゼノンに直撃し、ザリザリと押し飛ばした。
「ングゥ・・・だが、効かねぇなァ!軽いんだよ、テメェらのはよォ!」
『それで良いんだよ、それが良い。ジャッカー・ドルカシスクラッチ!』
【JACKING BREAK!】
「うごぁ!?て、テメェ・・・マトモに、動けねぇクセに・・・!」
『鈍間は鈍間なりに、罠を張って待ち構えるものだ。蜘蛛ならば、尚更な!』
ゼノンは、自分の
網は、やろうと思えばバイラルコアを召集する事で最初から鈍化を打ち消す事も出来た。それをしなかったのは、自分が相手の意識外に追い遣られたこの状態が、敵の分析には理想的な状況だったからだ。
そして今、アークによって原理は究明された。故に攻勢に転じ、ジャッキングブレイクでゼノンを拘束しているのだ。
『貴様の切断能力の正体は、既に解析した。
速度の鈍化・・・その現象を発生させるフィールドを、物質化した魔力の周りに纏わせていたようだな。
成る程、
そしてそれ故に、同質の現象を発生、中和する事が出来る
そう。それこそが、ゼノンのブレードをチェイサーが受け止める事が出来た理由。コア・ドライビアが稼働する事で発生する、重加速の中和作用。その効力が、ゼノンの魔力にまで影響を及ぼしたのだ。
「グゥ・・・だが、それでもこの程度なら!」
『これで終わりだと思う所が、貴様の限界だ』
【JACK RIZE!JACKING BREAK!】
『ジャッカー・カンケルピンチ!』
「ウゴハッ!?」
更なるジャッキングブレイクにより、2つの巨大な蟹の鋏が出現。クワガタの顎に加え、左右からゼノンの身体を思い切り挟み込む。
─ガガガヴォオゥン!─
【マサニ!ホロービ!】
【CHASER VIRAL's Ability!】
『おや、処刑人の準備も整ったようだ』
「何だと!?」
真面に身動ぎ1つ出来ないゼノンには、見えはしないだろう。自分の背後に立つ2人の死神の姿は。
滅は総てのバイラルコアのアビリティを解放。トリプルチューンを発動し、全武装が融合した
チェイサーはブーストイグナイターを4回叩き、エネルギー増幅炉の出力を限界まで引き上げ、ドライバーのスロットを展開した。
「決めるぞ、チェイス」
「あぁ、これで終わりだ」
【ヒッサツ!】
一言だけを交わし合い、2人は必殺技のシークエンスに移行する。
【
【フルスロットル!ルイニング!スコルプス!】
その識別音声が響くと共に、チェイサーの装甲から蠍のライダモデルが出現。ゼノンを中心に、円上に猛スピードで走り始める。そしてライドスティンガーも自律走行し、ライダモデルとは逆方向に周回し始めた。
滅のデッドリベレーションはパージし、右脚に移動。そのまま腰を落として、ゼノンを中心とする二重円へと飛び込んだ。
それと同時に、網は跳躍して天井へと避難する。
─ドガガガガガガガッ!!─
「ウグオォォォォォォアッ!?」
2人のはゼノンを蹴りつけ、その反作用で飛び退き、ライダモデルとライドスティンガーがその2人を弾いて再び蹴る。猛スピードのピンボールのような蹴りの嵐に、ゼノンは魔力を体表で高速対流させて何とか耐える。リミッターを全開放した出力は並では無く、ライダー2人の必殺技でも一方的に打ち破れずに拮抗状態となってしまっていた。
『良いじゃん!盛り上がってるねェ!!』【LIFULL RIZE!】
しかし、更に其処にイレギュラーが現れた。言うまでも無く、ブーストドライブで急行したハングドマンである。
『主任!何を!?』
『イヤイヤッ、ちょっとお手伝いをネ♪』【FULL CHARGE!】
畳んでいたアタッシュライフルを展開し、フルチャージ状態へと移行。親指のボタンを押し込んで薬室内でエネルギーを圧縮し、青い光が漏れ始める。
【
そして銃口が白く煌めき、超高火力のメーザー弾が発射。空気を焼き焦がしてプラズマ化させながら、ゼノンの膝を撃ち抜いた。
「がぁぁぁぁぁぁ!!!?」
「「ハァァァァァァァ!!」」
ハングドマンの助太刀が決め手となり、遂に2人のライダーキックが魔力の対流膜を突き破る。
ガリガリとコンクリートの床を切り付け、覇気を残したまま着地した。
「そんな・・・ウソだ・・・俺は、こんナとコロで・・・イヤダ・・・キエタクナイッ・・・!」
「亡き者となれ」
「此処が貴様の死に場所だ」
無慈悲な2人の言葉と共に、ゼノンの肉体は白熱化。体内のエネルギーが暴走を引き起こし、爆発四散する。
「・・・ナムアミダブツ」
『あ、そこ一貫して通すんだ』
チェイサーが最後に添えた一言に主任が苦笑いして、戦いは幕を下ろした。
網は地面へと降り立ち、通信回線を開く。
『人狼、ミッション終了です。お疲れ様でした』
『やっと終わったか。待つには慣れてるが、流石に眠い。今夜はベッド借りるからな、社長』
『え、ちょっと!?・・・切られた』
溜息を吐きながら回線を落とし、変身解除する。
そしてゼノンの爆発した跡を見遣ると、其処には時空の窓が開いていた。
「これは!」
「ライドスティンガーに乗って帰りなさい。そのマシンには、コア・ドライビアの波形識別によるリンクシステムを搭載しています。相方であるライドチェイサーの座標を追跡するので、元の世界に帰れる筈です」
「そうか。感謝する」
「・・・感謝する。このキーが無ければ勝てなかった。それと・・・済まなかった。礼儀を欠いた言動に終始してしまった」
「良いんですよ。では、さようならです」
「あぁ」
滅は再びライドスティンガーに跨がり、その後ろにチェイサーが座る。シンゴウアックスをサイドカウルに装着し、両手でシートを掴んだ。
「また会う事があれば、借りを返そう。その時まで、暫しの別れだ」
「えぇ。其方でも大変でしょうが、どうか達者で」
別れを済ませ、スロットルを捻る滅。そして時空の窓へと狙いを定め、一気に加速した。
「サヨナラッ!」
「ぶふっ!?」
別次元へと消える間際にチェイスの放った、ドップラー効果付きの忍殺語。それは出久の腹筋を直撃し、噴き出させるには充分な破壊力であった。
───
──
─
『あーっあーっ、えっと~、アークさーん?聞こえてるカナ~?』
『どうした、主任』
『あーちょっとお願いがあるんだけど。今回計測出来た、ブレードの解析データあるじゃん。あのゼノンってゴミムシが使ってたヤツ・・・あれ、送ってくれない?出来れば今すぐ』
『フム、良いだろう。呉々も、人には向けるなよ』
『ハイハーイ!了解ですよ~!
ハハハハッ♪さぁてと・・・面白くなりそうだ』
to be continued・・・
~キャラクター紹介~
・チェイス
ド天然死神追跡ライダー。
ゼノンが目の前で人を食い殺した時には、殺意の波動に目覚め掛けた。1人だったら耐えられなかった。
強化形態と新たなバイラルコアをゲットし、結構ご満悦。最後まで忍殺語キャラを貫いた。
今回久し振りに戦闘でブレイクガンナーのブレイクモードを使った。
・滅
真面目系悪意監視者ライダー。
ゼノンが目の前で人を食い殺した時にはアーク堕ちし掛けた。アーク堕ち経験と相棒が居なければ耐えられなかった。
今回のクロスオーバーによって、専用バイクと飛行能力を同時にゲット。
強化形態が無ければ恐らく勝てなかったので、素直に感謝し謝った。
・緑谷出久
新ライダーをヌルッと使った苦労人属性1000%社長。
2人の強化アイテムを渡し、更に敵の能力をアークと共に分析し原理を解明した。
今回のジャッカー・ドルカシスクラッチは、風都探偵メガネウラ回のメタル・スタッグブレイカーのムーヴ。これをさせる為にクワガタ技を派手に習得させたと言っても過言では無い。
・シュニン・ハングマン
意味深発言連発主任。
主任名物『ちょっとお手伝い』で美味しい所を持って行った。と言うか珍しく味方撃ちせずに真面なお手伝いをした。
コイツいっつも何か企んでるな・・・
・レディ・ナガン
気怠げ一流スナイパーウルフ。
狙撃を警戒させる事でプレッシャーを与え、飛行離脱を制限すると言う地味ながら重要なミッションを見事クリア。
報酬としてZAIAの社長室直近仮眠ベッドを占拠した。
後に出久は「人狼にベッド乗っ取られた・・・」とボヤく事になる。
・ゼノン
時空操作に長けた悪魔。
脳筋主義集団の異端児。能力や術は非常に強力であり、某携帯獣の金剛神と真珠神を足して4で割ったような性能。正直チート。
本来であれば、物理防御無効のブレードと攻撃そのものを減速させる鈍化結界で、エネルギー量が同等以上の相手にもタイマンなら勝てるスペック。但し何らかのやらかしを重ねて魔王的存在から権能を剥奪されており、尚且つコア・ドライビアの性質が完全にコイツの魔法に対するメタカードだった。
~用語・アイテム紹介~
・仮面ライダー網
トラッピングスパイダーのフォースライザー系ライダー。
今作2体目のオリライダーであり、滅亡迅雷.netの《net》に対応するライダーとなる。
能力は超筋力と炭素繊維ワイヤの射出、更に高圧通電と背部の機械節足による運動機能の拡張。分かり易く言えば仮面ライダー版アイアンスパイダーである。
高電導炭素繊維ワイヤ《カラミティ・テリトリー》は、射出し壁に先端を当てる事で分子間引力を生じさせ、ヤモリと同じ原理で強力に吸着。体重90キロを超えるライダーの振り子運動にも容易く耐える接着力を、壁の材質を選ばず発揮する。この機能はグローブとシューズにも搭載されており、重力の制約を極限まで削ぎ落としたような三次元的高速機動を可能としている。
また、粘着性の強い
胸部装甲と背面装甲の左右端には高性能単眼光学センサーを搭載し、電磁波の変動を感知する事が出来る。
右腕の蜘蛛型ガントレットの牙からは、カラミティテリトリーの接着を瞬時に解除して外す潤滑剤を噴射する。またポリマー粒子を噴射し、傷口を保護する応急手当も可能。
総じてレスキューに向いた構成となっているが、敵との戦闘にも充分以上に活躍出来るライダーである。
・仮面ライダー滅 フルブレイキングチェイサー
仮面ライダーチェイサー、及び魔進チェイサーのデータを統合して設計された、仮面ライダー滅の強化フォーム。
仮面ライダーチェイサーの意匠が組み込まれており、胸部に増設されたEXコア・ドライビアによって重加速にも対応出来るようになった。そして専用バイクも含め、機動力が格段に上昇している。
また、変身状態でキーのライズスターターを押し込む事で、チェイサーバット、コブラ、スパイダーのそれぞれの武装を展開する事も可能。
更に長押しする事で、全武装を組み合わせたデッドリベレーションを装着するトリプルチューンに移行。3分限定だが、攻撃力が大幅に上昇する。
・仮面ライダーチェイサー ルイニングスコルプス
仮面ライダー滅のデータを統合して設計された、仮面ライダーチェイサーの強化フォーム。
全身各所に滅と同じ局所防御装甲が追加されており、生存性が格段に上昇している。
また、新型バイラルコアを使う事で更なる戦術の拡張が期待出来る。
・フルブレイク・チェイサー
オリジナル技。
プロトシフトスピードを装填したブレイクガンナーでフルブレイクを発動し、エネルギーを圧縮して殴打、或いは高速エネルギー弾を射出する。
エネルギーの炸裂時に重加速フィールドを中和する作用があり、これを応用して次元の裏に隠れ潜む悪魔を引き摺り出す事が出来る。
・ライドスティンガー
仮面ライダー滅の専用バイク。モデルは蠍。
フロントカウルにバイラルコアやシフトカーを装填するスロットが設けられており、それぞれの機能を機体に反映する。またフルブレイキングチェイサーフォームだった場合、チェイサーバイラルアビリティの反映はこのマシンが優先されるようになる。
機体前面にはバイラルコアの緊急発出口、バイラルディスパッチャーが設けられており、内部に20台のシフトカー、バイラルコア、シグナルバイクを格納、輸送する事が出来る。また格納したアイテムの緊急リペア機能を内蔵してあり、損傷したアイテムを即座に修復して前線復帰させる事が可能。
チェイスの専用バイク、ライドチェイサーと合体し、特殊戦車ライドスティングコロッサーとなる機能を持つ。
・フルブレイキングチェイサープログライズキー
仮面ライダーチェイサー、及び魔進チェイサーのデータを封入したプログライズキー。
特徴として、総てのフレームがクリアパーツで統一されている。
・ルイニングスコルプスキー
トライドロンキーと同系統のキー型アイテム。
フォースライザー系に搭載された局所防御装甲の構成ロジックが内包されており、更に新型バイラルコア用のアップデート用ソフトをマッハドライバー炎に高速インストールする機能も持つ。
また、手に握る事でライドスティングコロッサーの遠隔操縦用リモコンとしても機能する。
・
悪魔の暴走モード。
人間の血肉を直接摂取する事により発動し、体内の魔力のリミッターを全て外す。
当然出力は跳ね上がるが、繊細な魔力操作が難しくなり、思考能力、注意力も低下する。
そして、普通ならば倒されても能力にデバフを負いつつ復活出来る悪魔が、ほぼ唯一直接殺す事の出来る状態になる。魔力のリミッターは悪魔側の支配者が掛けており、枷であると同時に魂を保護する障壁でもある。この加護下から抜け出してしまう為、狂化を発動した際に倒されれば魂は消滅。その悪魔と言う個体は完全に死滅し、復活も不可能となる諸刃の剣である。
・ジャッカー・カンケルピンチ
蟹の能力のジャッキングブレイク。
巨大な鋏模ったエネルギー体を2つ生成し、対象を挟んで拘束、或いは圧断する。ピンチ力は最大で118t。
・新型バイラルコア
現存するチェイサーバイラルコアを解析し、ライダモデルを元にアークが新造したバイラルコア。
種類はメインウェポンにホロビスコーピオン、ファルコン、ウルフ。更にフリージングベアーからホロビポーラーがあり、緊急冷却システムの補助を兼ねる。