颯馬達がアルティメイタムの世界に来て2日目
襲撃を受けた彼らは避難先の支部にある指令室に集まっていた。
「颯馬君…来てくれたのか…」
「ええ、僕はもう、大丈夫ですよ。」
アルティメイタムの指令の足利を始めとした幹部達やオーウェン、理桜ら戦士達だけではなく颯馬達4人もこの場に集まっている。マーベルドライバーの試用運転のために利用されてしまった颯馬と利用した足利がこの場で向かい合っているが颯馬だけでなく彼の仲間達3人は恨みや怒りを感じさせないような清々しい顔をしている。
「昨日、僕達4人で色々と話しました。僕達がバダンに勝てたのはマーベルドライバーを貰ったおかげでもあると思います。だからもう恨んではいないです。」
「颯馬はお人好しだからね。けどその事実は否定しないしまあ、こっからは恨みっこなしの方が良いですからね。」
これ以上マーベルドライバーに関する問題を引きずってしまっても何も生み出さない。
昨日の夜にそんな話し合いをした颯馬達は自分たちが利用されていたことを水に流し、むしろレジスタンスの勝利に力添えをしてもらったこと改めて感謝することにしたのだった。
「そう言ってくれるのはありがたい、だが…改めて私から謝罪をさせてくれ。申し訳なかった。」
だが、許されたからと言って足利の中にある謝罪の念は消えるわけではなく、しっかりと彼らに頭を下げる。
「いえいえ、それに僕が受けた体の検査も本当は健康被害がないかとか確かめるためだったんですよね…?」
「ああ、そうだ。利用するだけ利用して見捨てるようなことは出来ないからな。」
2組のわだかまりが解けたということで斯波がコンピューターの画面をつけてそこにあるデータを示す。
「では、ここからはベリアル対策の話をしましょう。基地を占領した彼らですが、未だに我々のことを狙っていると推測しています。」
「というと?」
斯波の話に対して畠山が首をかしげる。
「彼らの狙いはおそらく復讐…私達を狙ってくることも考えられます。なので私と足利さんはまた別の支部にて防衛に徹することにいたしました。」
「私達はどうすれば…!?」
「君たちは逃げてくれ…君たちの無事を確保することが今の我々にできることだ。若い者は生き残ってくれ……」
斯波と足利は既に自分達だけが犠牲になることで理桜や颯馬達の命を救おうと考えており、既に覚悟を決めてしまっていた。
「そんなことできるわけないじゃないですか!」
だが彼らの意思に理桜は反発する。
「お二方を置いて逃げることなんてできません!私も一緒に…!」
「ダメだ!」
理桜はアルティメイタムの特に足利や斯波によって育てられ戦士となったため、彼女はいわゆる2人の弟子である。2人のことを慕う彼女にとって2人だけが死ぬことは納得できないことだ。
だがしかし、ついていこうとする彼女に対して足利は声を上げてそのことを禁じる。
「もう決まったことだ。ベリアルの強さはよくわかっているはずだ。理桜は他の者達を守ってくれ…」
「そんなの嫌です…」
既に足利らは自身が標的となり彼女らの盾となる覚悟を決めている。
それに彼女は現在戦闘手段を持たない颯馬達やアルティメイタムの職員達をベリアルから守る必要もある。
「すまない…こうするしかない…」
現在彼らの下にある戦力は理桜、オーウェン、斯波、そして足利の持つケルベロスドライバーとヒーローディスクのみであり、この戦力だけではベリアルに勝てる保証はない。
「それと颯馬君たちも自分達の世界に戻ってくれ。他の世界からの客人にここで死なれてしまうのは申し訳がない。自分の世界の者たちが心配する前に戻ってくれ。」
「けど…」
「僕達にだってできることは…」
「すまないが、君達をこれ以上巻き込むわけにはいかない。あとは私たちに…」
足利が彼らの前に立つと片手に3枚のヒーローディスクを握りしめて颯馬達に見せる。
「仮面ライダーディケイドとディエンド、そしてアメリカ・チャベスのディスクだ。これらには世界を超える力があってな、君達をこの世界に連れてくるのにもこのディスクを使った。今からこれで君達を元の世界に…」
並行世界間を移動する3枚のディスクについて足利の口から説明し、自らのケルベロスドライバーを手にして使おうとしたその時だった。
「やっぱりなァ…あんたが持ってたんだ、そのディスク」
その時だった、ベリアルの声が聞こえ全員が警戒したその刹那、黒い閃光が足利の腹を貫いた。
「馬鹿なッ…!?」
突然の仮面ライダーベリアルによる奇襲に、颯馬達は驚きを隠せない。
ケルベロスドライバーと3枚のディスクが地面に転がる。
「何故ッ…ここに…」
「テメエらが考えることなんて丸わかりなんだよ…さあて…ディスクを渡してもらおうか…」
「皆逃げろ!」
ベリアルの目的は異世界を超える力を持つ3枚のヒーローディスク。
それがわかった瞬間足利は退避命令を出すとともに自身のケルベロスドライバーとディエンド及びアメリカ・チャベスのディスクを颯馬に投げ渡した。
「足利さん!」
「早く!」
足利の剣幕に颯馬達も彼に一瞥し、その場から走り去る。
「若い奴から逃がして、自分は犠牲にってカッコイイねぇ…」
「何が目的だ…」
「これさァ…ま、あと二枚は持ってかれたみてエだけどな…」
そうしてベリアルは足利の手元に残ったディケイドのヒーローディスクを手に取る。
「異世界を超える力で俺は理想の世界を手に入れる…ここまでご苦労さん、アンタらの技術力があれば、俺の野望は達成できそうだ…」
嘗ては足利らがベリアルこと楠木楓を利用した。
だが今は既に彼がアルティメイタムの設備を利用しようとしている。
「皮肉なもんだな…」
ベリアルの右腕が足利の胸を貫いた。
(すまなかった…理桜……)
薄れゆく意識の中で彼はただ愛弟子に対する謝罪の念を抱きながら、糸が切れたように彼の体は重力に従うように地面に倒れ伏す。
「こっちだ!来い!」
一方、支部内を逃げるオーウェンは仮面ライダーポリスに変身した状態で逃げる颯馬達を誘導していた。
既に建物から脱出して橋を渡れば陸に向かえるという状況だったが…
「み~つけた、アルティメイタムの残党さん。」
「貴様らァ…」
だがその場をベリアル配下の3怪人が取り囲み、退路を完全に塞いでいる。
ドープ、バグル、スマーズの3人が各々の剣を構えている。
「颯馬君これを持っておいてくれ。」
斯波は逃げ出した時から持っていたアタッシュケースを颯馬に渡す。
「これは…」
「マーベルドライバーとヒーローディスクだ。故障中だが何かに使えるかもしれないと思って持ってきておいたんだが、今は君が持っていてくれ。」
「分かりました…」
颯馬にアタッシュケースを託すと斯波は敵の方に向きなおす。
「理桜、ここを突破するぞ。」
「はい!」
『『ケルベロスドライバー!』』
『『タウラスIDカード!/ドラゴンIDカード!』』
『仮面ライダー響鬼!仮面ライダーゾルダ!仮面ライダーバッファ!』
『仮面ライダー龍騎!仮面ライダーウィザード!仮面ライダーセイバー!』
「「変身!」」
『バッファローライダーズ!パワーアップ!』
『ドラゴニックライダーズ!バーンアップ!』
斯波は仮面ライダーカウズに、理桜は仮面ライダーブレイクに変身するとそれぞれゾンビブレイカーと火炎剣烈火を構えて怪人たちに切りかかる。
『マグマ!』
ポリスもエンジンブレードを構えてドープに切りかかるが、ドープは掌の上でマグマ弾を生成し、一気に放つ。
そのマグマ弾をポリスは己の剣で切り裂いて、その勢いでドープに迫るが…
『コマンダー!』
今度はドープがコマンダードーパントがの部下である仮面兵士を生み出してポリスに向けて攻撃させる。
「厄介な能力だ…」
迫る兵士たちをエンジンブレードで次々と切っていく。
「俺は様々なドーパント達の力を使うことができる。こんな風にな!」
『アイスエイジ!』
ドープが右手から冷気を放つと、仮面兵士ごとポリスの足元が氷に覆われる。
「しまった…!」
『エナジー!』
動けなくなったポリスに向けてエネルギーの塊を放とうとするドープであったが…
『レフトパワー!ファースト!』
『センターパワー!ファースト!セカンド!』
ポリスはベルトのレフトレバーを一回引き、センタースイッチを二回押す。
するとG3が扱うサブマシンガンGM-01 スコーピオンとドライブの試用武器であるドア銃を同時に装備すると、2つの銃口から一気に火を噴く。
「しまった!」
ドープの放ったエネルギー弾が弾幕によって彼の体の前で破裂しただけでなく、何発もの銃弾がドープの体表面で爆ぜる。
「中々やるなぁ…」
「まあ、俺はプロだからな。」
一方、仮面ライダーカウズも怪人の1人であるバグルと戦っていた。
バグルは様々なバグスター達の力を使って戦っており、その戦術にカウズは苦戦を強いられている。
「これでどうかな…」
バグルは幾つかロボットの腕のようなものを作り出して、カウズに向けて一気に放っていく。
「これ以上舐めないでいただきたいものだ…」
だが、カウズも負けていない。両手に持つ音撃棒烈火を手に持つと次々とロボットの手を叩き落していく。
「はあッ…!」
さらにその先端から火炎の弾をバグルに放つ。
その弾はバグルの装甲の前で爆ぜる。
「まだまだ、楽しませてくれそうだね♪」
カウズとバグルが互いの技をぶつけ合う中、ブレイクとスマーズは互いに刃を交えていた。
「切っても切っても…キリがない……!」
スマーズは両腕の鋭いハサミで何度も彼自身を切るために振るわれる火炎剣烈火を受け止める。
「俺の力はこんなもんじゃねえぜ!」
スマーズは脚力を一時的に強化して跳躍し、彼女の射程圏外から円盤状の刃を数本生成しブレイクに向けて飛ばしていく。
『レフトパワー!ファースト!』
ブレイクはレフトレバーを引くとドラグソードを手に持ち、火炎剣烈火との二刀流で迫りくる刃を切り落としていく。
スマーズは様々なスマッシュ達の力を使うことができ、スマッシュ達の扱う多彩な能力を相手にブレイクは持ち前の破壊力で何とか凌いでいる。
「これでもいけるかな?」
今度はクワガタムシとフクロウの姿をしたエネルギー体を作り出して、ブレイクに向けて攻撃させる。
『センターパワー!セカンド!』
それに対抗してブレイクもブレイブドラゴンを召喚して、スマーズが作り出したエネルギー体とぶつけ合う。
「すごいけど…僕達も何とかしないと…」
3組の圧倒的な戦い。
それを目にして颯馬達も何とかしたいと考えるが、ライダーの力を持たないただの人間である彼らにはただ見ることしかできなかった。
彼らが怪人たちを倒してこの場からともに逃げれる時を待つしかない。
(僕だって本当は…)
特に昨日まで仮面ライダーであった颯馬としては本当は変身して助けたいというのが本音である。
今動くことのできない自分に少し苛立ちつつも、颯馬はその感情を抑えて戦いを見ている。
「ディ・フォールンシャワー!」
だがその時だった、宙より漆黒のレーザーが3人のライダーに降り注ぐ。
「理桜さん!オーウェンさん!」
「斯波さん!」
レーザー攻撃を受けた3人のライダーは地面に倒れ伏してしまう。
「だ、誰が…」
「ベリアル様!」
怪人たちが見上げた先には闇のエネルギーをその身にまとわせて宙に浮くベリアルの姿があった。
「さあて、俺のお遊びに付き合ってもらうぜェ、けど、お前らは邪魔だ。」
ベリアルが掌から漆黒の稲妻を颯馬達に向けて撃つ。
「危ない!」
その雷が颯馬達に達する前にカウズがその前に割って入った。
雷撃を浴びて彼の新緑の雄々しい肉体が焼け焦げていく。
「斯波さん…!」
「これも償いだ…君たちは生きてくれ…!」
若い者達に少し迷惑をかけてしまった。
ケルベロスドライバー完成に至るまでの幾つかの試験で多くの世界の若者を利用してしまっていた責任を斯波自身も少なからず感じていた。
それに対する申し訳なさからか、颯馬達を庇って斯波は自身の命の灯を消してしまった。
彼の身は黒焦げの肉塊となってしまい、鈍い音を立てながらその身が地面に倒れ伏す。
「そんなっ…」
「斯波さんをよくも!」
彼の死に動揺を隠せない颯馬と隼人、そしてその死に対する憤怒から地面に降りてきたベリアルに切りかかるブレイクとポリス。
「先にお前らから殺してやろうか…?」
ベリアルに向かってくる彼らに対して、またも漆黒のレーザーが降り注ぐ。
ベリアルの力によって空に作り出された暗雲から雨のように降り注ぐレーザーを受けて、そのダメージからか立っていられる体力も削られていく。体から火花を散らしながら倒れる2人の方を見てベリアルも更なる攻撃を仕掛けようと掌の上で闇のエネルギーの塊を作り上げる。
「まずは…女の方からだ…」
その塊をブレイクの方に向けた時だった。
「やめろ!」
マーベルドライバーを手にした颯馬が彼の前に立つ。
これは、斯波から受け取ったアタッシュケースに入っていたのだが、以前のベリアル戦で壊れてしまっている。
腰に巻き付けようとして当てても、ベルト部分が展開せず装着することができない。
「今のテメエに何ができる…?ライダーでもないお前に!」
「ああ、確かに僕はもう変身できない。」
掌の上でエネルギーの塊を練りこみ、より濃縮するベリアルだが颯馬は物怖じしない。
一度負けた相手ではあるが一歩も退こうとしない。
「スーツ無しじゃダメなら、スーツを着る資格はない。昔とある人がそう言っていた…」
これは嘗てアイアンマンであるトニースタークが、スパイダーマンであるピーター・パーカーに言い放った言葉である。
「皆が気付かせてくれた…僕はライダーになる前から皆のために戦いたいって思ってた…そしてその思いは今も変わらない……!僕は今も!仮面ライダーだ!」
「思いがどんなに強くても…俺には勝てねェ…!」
だが実力差は圧倒的だ。ベリアルの作ったエネルギー弾が撃たれると、颯馬の体が爆炎に包まれる。
「颯馬…!」
「颯馬さん!」
ベリアルの攻撃を受けての爆発に誰もが颯馬の死を確信した。
『よく言った、見事だ仮面ライダー。』
『誰かを守るためだったら、どんな危険にも飛び込む。少し危険だがヒーローに相応しい心意気だ。』
颯馬の体は無事であった。彼の身の回りには今まで颯馬が仮面ライダーマーベルとして使っていたアベンジャーズのメンバー達のヒーローディスクが光を放って浮遊し舞っていた。
そして、颯馬の前には2人の男の幻影が立っていた。
それはアイアンマンことトニー・スタークとキャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースの姿をしていた。
「なんで2人が…?」
『決まってるだろ…』
『『僕達/私達がアベンジャーズだからだ!』』
ディスクがさらに光を放つと、ヒーロー達の幻影が次々と現れて颯馬の身体の周りに集まる。
「馬鹿な!?ディスクにそんな力は無い筈だ!」
「すごい数だ…」
「デケえのもいるぞ!」
「違うッ…これは颯馬が起こした…」
召喚されたアベンジャーズの面々にベリアルや隼人達も驚きを隠せない。
「違うよ、畠山さん。これはヒーロー達が起こした奇跡です…」
颯馬の言葉にアベンジャーズの一同が頷く。
『アベンジャーズ!アッセンブル…』
そして彼の一声によってヒーロー達の幻影は光となって壊れてしまったマーベルドライバーに集まる。
『マーベルIDカード』
「これって…」
そしてマーベルドライバーはマーベルIDカードに姿を変える。
「これって…颯馬!これを使って!」
そのIDカードの存在に、隼人はふとケルベロスドライバーを取り出して、颯馬に向けて投げ渡す。
このベルトは元々足利が使おうとしていたもので、ベリアルから襲撃を受けた際に彼がとっさに颯馬達に投げ渡したものだった。
『ケルベロスドライバー!』
そのベルトを受け取った颯馬は腰に巻き付ける。
『マーベルIDカード!マーヴェリック!』
そしてマーベルドライバーが変化して出来上がったマーベルIDカードをケルベロスドライバーに挿入すると、これまでの戦闘データが一気にドライバーの基盤内に流れ込んでいく。
「変身!」
ディスクを入れていない状態で、センタースイッチを押し、両脇にあるレバーを同時に引く。
『ザ・マーベラスヒーロー!ニューボーン!』
青色の素体の上から赤と銀の装甲を纏い、体には黄色のラインが入っている。
頭部には王冠と金の仮面を合わせた様な装飾をつけ、大きな2つの複眼がこの場にいる者たちを見据えており、胸には"MARVEL"の文字が刻印されている。
北条颯馬の新たな姿、その名も仮面ライダーマーベル・ニューバース
「ほう…新しい姿を手に入れやがったか…」
「ああ、これが僕の新しい力だ!」
『スペース!マインド!リアリティー!パワー!タイム!ソウル!』
嘗て宇宙の始まる以前に6つの特異点が存在し、その特異点からビッグバンが起こって宇宙が誕生し、6つの特異点の残滓はエネルギーの結晶となった。1つでも容易に惑星を消滅させる力を持つそれらの結晶を、6つ全部揃えたものは宇宙をも支配する力を得られる。
その6つの結晶であるインフィニティーストーンは多くのヒーローやヴィラン達が手にしてきた。
中にはインフィニティーストーンによって力を得た者もおり、ある時それを全て揃えたサノスによって全宇宙の人口の半分が消滅したこともあった。
そんなインフィニティーストーンと関わりのあるキャプテンマーベル、ビジョン・ワンダ・ピエトロ、ソー、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、ドクター・ストレンジ、ナターシャとホークアイらのディスクが各々の意思の色に光ると1本の西洋剣を作り出した。
『インフィニティ・カリバー!』
6つの意思の力を模したインフィニティジェムがガード部分に埋め込まれており、その刀身は金色の光を放っている。
「剣一本増えたところで、意味ねえなァ…テメエら!やっちまえ!」
「「おう!」」
「了解♪」
ベリアルの指示を受けて3体の怪人がマーベルに向けて攻撃しようと一斉に走り出す。
『タイム!インフィニティー!』
勇者のような剣を構えてマーベルに切りかからんと迫るバグル。まずは彼の対処をしようとマーベルがインフィニティーカリバーのタイムジェムに触れて6つのジェムに囲まれたソードジェムに指をかざす。
「これが時間を操る力か…」
すると、刀身が緑色の光を纏いマーベル以外の時間が止まる。
これはインフィニティーストーンのうちの1つであるタイムストーン由来の能力だ。
時間を操る剣と化したインフィニティーカリバーにとって、時間を止めることも朝飯前だ。
他の者たちが止まっている中、唯一動けるマーベルは剣を構えたまま止まっているバグルの後ろに回り込んで自身の剣でバグルの背中を切る。
「噓でしょ!?」
一瞬で自分の背後に回り込まれるなんて思っていなかったバグルが驚きつつも切り倒される。
「一瞬で後ろに回り込んだ!」
「小癪な!」
勿論誰にも颯馬が後ろに回り込む瞬間を見ることができず、隼人が驚きの声を上げると今度はドープが攻撃を仕掛けようとする。
『タブー!』
「くらえー!」
いくつもの光球を作り出したドープはそれを広範囲に向けて放つ。
『リアリティ!インフィニティー!』
インフィニティーカリバーのリアリティジェムに触れると刀身が赤く光り、赤色の煙を発生させる。
その煙がまき散らされてその煙に包まれた光弾は全て泡となって消え去る。
「何故だ!」
「これが現実を操る力…」
リアリティ・ストーンには現実を改変する力があり、その力を一時的に行使したことで攻撃そのものが消されてしまった。
「こういうことも、できるよね…」
その効果はインフィニティーカリバー自体にも使うことができ、マーベルがその刀身に手を翳すと、一時的にその長さが10m程になり、それを縦に振り下ろすとドープの身に達して、縦方向に胸部装甲を切り裂く。
『CD!』
続いてマーベルに向けてスマーズがCD状の円盤をいくつも作り出して投げつける。
『スペース!インフィニティー!』
それに対してマーベルは空間を操るスペースジェムに触れ、剣を翳すと青色のワームホールが生成され、スマーズが放った円盤が吸い込まれて消えていく。
「何ッ…!?」
「上だよ。」
驚くスマーズの上に青いワームホールが作り出されて先ほど吸い込まれた円盤が一気に降り注ぐ。
「スゴイ…これが颯馬の新しい力…」
「なんか色んな力使ってるぜ!」
「ええ…多彩な技ですね…」
インフィニティーカリバーの力だに驚かされる隼人ら3人。
「お前らは他の雑魚の相手でもしてろ…こっからは俺がやる!」
怪人3名ではインフィニティーカリバーに対処できない。
そう感じ取ったベリアルがマーベルの前に立つ。
「次は負けない…」
その言葉と共に颯馬は自身の持つヒーローディスクを取り出す。
(スタークさん…また一緒に戦ってください!)
『スタークスーツ!』
スタークスーツのディスクをケルベロスドライバーのセンタースロットに挿入しベルト上部のスイッチを押すと、ケルベロスドライバーからアイアンマン、ウォーマシーン、レスキューという3人のパワードスーツを扱うヒーロー達の幻影が現れる。彼らは皆スタークスーツディスクにデータが収められているヒーローである。
「皆さんの力…お借りします!」
そして、ベルト両端のレバーを引くと3人のヒーローの幻影がマーベルの身体に重なり、彼の新たな鎧となる。機械的な赤と金の装甲にところどころに青白く光るアークリアクター
右肩にはガトリングガンが、左肩にはグレネードランチャーが装備されており、その姿は依然マーベルドライバーを使って変身していた頃の形態の1つであるスタークスーツにも似ているが、どちらかと言えばニューバースの上からアイアンマンら、スターク・インダストリーズ製のスーツを纏うヒーローを模した装甲を装着しているようにも見える。この姿の名は仮面ライダーマーベル・スタークアーマー
『スタークスーツ!アッセンブルアップ!』
『お久しぶりです。マスター』
「戻ってきたんだね、ジャービス!一気に決めるよ…フルファイアだ!」
復活したサポートAIジャービスの存在に歓喜しつつも、まずは目の前の敵を倒すことに気持ちを切り替えて両腕のサブマシンガンと両肩の武装から秒間何十発もの弾丸とグレネード弾をベリアルに向けて撃つ。
「全然だな!」
しかし、弾丸の嵐をその身で完全に凌ぎ切ったベリアルが闇のオーラを纏ってマーベルに向けて走っていく。
「来いッ…ベリアル!」
仮面ライダーマーベルのリベンジマッチが遂に幕を開けた。
2人のライダーの戦い、勝利の女神がほほ笑むのは果たしてどちらか!?
To be continued…
マーベルIDカード
全てのアベンジャーズのディスクによって力を与えられたマーベルドライバーがカード化したもの。ケルベロスドライバーと併用して使う。
仮面ライダーマーベル・ニューバース
ケルベロスドライバーとマーベルIDカードのみで変身するマーベルの新たな基本形態
総合的な戦闘力に秀でた形態で他のフォームの基礎ともなる
仮面ライダーマーベル・スタークアーマー
スタークスーツディスクを使って変身するマーベルのフォームの1つ
ニューバースの上からアイアンマンの赤と金の金属のアーマーを装着している様な姿
アイアンマン、ウォーマシン、レスキュー(ペッパーポッツ)のデータが秘められており、アイアンマンさながらのパワードスーツにウォーマシンの様な重装備が幾つも付けられている。
必殺技は胸部のリアクターから放つアルティメットユニビーム