ハーメルン・ノベルティック・ライダーズ   作:夢野飛羽真

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第7章 フォースナイツ

「勝った…颯馬が勝った!」

 

「すごかったですよ!颯馬さん!」

 

ベリアルの顔を蹴って倒したと思ったその瞬間、僕の元に和田さんと畠山さん、それに3人の仮面ライダーが駆け寄ってきた。

 

「あれ?隼人は?」

 

けどその中に隼人と思わしき人影が無かった。

 

「あ、そっかこの姿を見せるのは初めてだったね。」

 

そう言って青と銀のライダーが変身を解除すると隼人が姿を現した。

 

「隼人!?」

 

「うん、僕もライダーになったんだ。これからは僕も一緒に戦うよ。」

 

「よろしくね!」

 

隼人が僕に向けて突き出した拳に、僕の拳を合わせる。

隼人がライダーになったのは驚いたけど、嬉しいしこれから一緒に戦ったりしてくれるのは心強い。

 

「な、何故だ…ナゼ俺はお前に負けたッ…!」

 

だが僕らが喜びを分かち合う間もなく、ベリアルが再びその身を起こそうとする。

 

「それは…信じあえる仲間がいたからかな…」

 

「んなワケねえだろ!俺にだって仲間はいた!」

 

確かにベリアルの元には仲間の怪人が3人いた…

 

「けど俺の仲間は戦争で……」

 

けどそれだけじゃ無いみたいだ。

彼は僕にとっての隼人や畠山さんの様な仲間達を失っていたみたいだ。

 

「俺が力を使えなかったばかりに死んじまった!なんでだ!なんでお前は力を使いこなせたんだ!!所詮ただ実験に使われただけの存在なのに!!」

 

「多分それは僕が…この力に怯えず、信じたからだ。君は君の中でヒーローの力を否定していたんじゃないの…?」

 

僕は仲間達だけでなく最初から仮面ライダーマーベルの力を信じて戦い続けていた。

だからこそ、皆と一緒にバダンを倒すことができた。

 

「俺がライダーの力を…信じてなかった……」

 

「僕は戦うことに恐れを抱いていなかった。君の言う通り殺すことしか能がない人間だったかもしれない。だから使いこなすことができたのかも知れない。けど、それだけじゃないよ。ヒーローを信じる心が僕を仮面ライダーに変えてくれた。」

 

僕はベリアルに言われた通り戦う才能しかないのかも知れない。

けど、アベンジャーズのヒーロー達と共にヒーローとして、仮面ライダーとして戦う道を切り開いた。

アルティメイタムに利用されていたのだとしてもこれは僕と隼人達だからこそ…本郷さんや村雨さんがいたからこそ仮面ライダーの道を歩むことができた。

 

「これは決して僕だけの力じゃない。けどヒーローとしてこれからも色んな人たちを守り続ける。僕自身の意思でッ…!」

 

僕はここに来てから、自分達が暮らす世界以外にも並行世界が幾つもあり、その世界にはそれぞれ虚位がいることを…

ベリアルのいた世界だってバダンのような巨悪に侵略されてしまっていた世界だ。

僕はそんな世界も救いたい。それが僕のヒーローとしての戦いだ。

 

「だからベリアル、君もやり直そう。僕達と……」

 

「断る…俺はもう後戻りはできねえ…自分の世界も滅ぼし、足利も斯波もぶっ殺した…俺の計画も失敗だ…」

 

ベリアルが放り投げたディスクを僕は拾い上げる。

 

「ディケイド…?」

 

確かこのディスクは足利さんが持っていた…

 

「そのディスクは並行世界を超える力を持つ者たちのディスクだ。」

 

僕と隼人が足利さんから投げ渡されたディスクを出すと、オーウェンさんがディケイドディスクを含めた3枚のディスクを僕達から受け取ると、そのディスクについて語り始めた。

 

「これは並行世界を移動するのに使えるディスクだ。颯馬サン達をこっちに連れてくるのにも使ったん不だが、テメエこれで他の世界に…」

 

「ああ、俺が住みやすい世界に行ってやろうって思ってたんだ…そいつで他の世界行って自由に過ごしてやるつもりだったのに…今じゃこのザマだ…」

 

ディスクを拾い上げたオーウェンさんが生き残ってこっちにやってきたアルティメイタムの職員の人達に指示を出すとベリアルは手錠を嵌められて拘束され立たされる。

 

「このまま連行しろ。颯馬サン、こいつにやり直させたいって気持ちは俺も同じだ。だが足利さんと斯波さんを殺された以上放っておくことはできねえ。こいつは俺達が更生させる。」

 

「ええ、よろしくお願いします。」

 

ベリアルは既にアルティメイタムの2人を殺してしまっている。

ここはオーウェンさん達なりにケジメをつけたいんだろうね…

僕らは一歩譲って連れていかれるベリアルの方を見る。

 

「僕は信じてるよ。君が戻ってくるその時を…」

 

僕とベリアルは同じ境遇で仮面ライダーになった。だからだろうか、僕はいつか彼と肩を並べて戦える時を待ちわびている。

 

「さて、これはお前が持っておけ。アメリカチャベスのディスクだ。」

 

「アメリカ・チャベス…?」

 

「ああ、これも並行世界を超えることができるヒーローのディスクだ。元の世界に戻るのにも必要だ。」

 

僕はオーウェンさんからディスクを渡されてそのまま他のディスクと共にしまっておく。

それからはオーウェンさんの案内で僕らはアルティメイタム本部だった基地に戻っていく。

 

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「あの…颯馬さん!」

 

それから数日間、彼らは忙しい日々を送っていた。

ベリアルとの戦いで亡くなってしまった足利と斯波の弔い。

アルティメイタムの解体。そしてその設備の再利用などそう言った手続きに追われ、本来客人であるはずの颯馬達もオーウェン達の仕事に協力していた。

そして…

 

「一度自分の世界に戻るのか…」

 

「はい、一度レジスタンスの皆に報告しないといけないので。」

 

「僕も早く父さんに会わないと…心配されてそうだし。」

 

そしてやるべきことを終えた颯馬達は一度自分達の世界に戻ることにした。

 

「また、会えますよね…?」

 

「大丈夫、しばらくしたら戻ってくるよ。」

 

この期間の間に理桜はより颯馬に懐いており、彼がこの世界から離れてしまうと聞くと涙ぐんで不安そうに彼のことを見つめている。そんな理桜を不安にさせまいと颯馬は彼女の頭を優しく撫でる。

 

「ふふ、その時はまた筋肉見せてくださいね。」

 

「それはまあ…考えておくよ。」

 

ちなみに彼女は一度見てしまった颯馬の筋肉が脳裏に焼き付いており、機会さえあればまた見ようと画策している。

 

「颯馬サン、それに他の皆サンもここまでの協力感謝します。これからは一緒に、世界を守っていきましょう。」

 

「ええ、よろしくお願いします。」

 

オーウェンが突き出した拳に颯馬も自身の拳を合わせてから、仲間達の方を見る。

 

「颯馬~!そろそろ行こうぜ!」

 

「ええ、源田さん達が今頃我々のことを探してるでしょうし。」

 

「うん、早速戻ろう。」

 

『ケルベロスドライバー!』

 

和田と畠山の言葉に頷くと颯馬はケルベロスドライバーを腰に巻く。

 

『マーベルIDカード!マーヴェリック!』

 

『チャベス・ポータル!ソーサラーマジック!エイジ・オブ・マインド!』

 

そこにマーベルIDカードとワンダら3人とドクターストレンジ、アメリカチャベスのディスクを挿入する。

 

「変身!」

 

『マルチバース・オブ・マッドネス!アッセンブルアップ!』

 

並行世界を駆け回りつつ戦った魔術師ヒーロー達の力を組み合わせることで赤と青のローブと星の意匠のあるローブを纏いし戦士、仮面ライダーマーベル・マルチバース・オブ・マッドネスに姿を変える。

 

「また会いましょう。」

 

「ええ、待ってます!」

 

「じゃあ…またね!」

 

左手を突き出して右手を円を描くように回すとポータルが開き、その先は本来颯馬達が住んでいる世界とつながる。

彼らは理桜とオーウェンに手を振るとその中に入って自身の世界に戻るのだった。

 

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「なるほどなあ、そんなことがあったのか。」

 

自分達の過ごす世界に戻った颯馬達はレジスタンスの仲間達と再会を果たし、並行世界での出来事を皆に話した。

 

「ええ、かなり疲れましたね。」

 

「そうかそうか、じゃあ今はゆっくり休んでくれ。」

 

「はい、お言葉に甘えさせてもらいます。」

 

旧レジスタンスメンバーによる復興は徐々に進みだしており、戦乱で疲れた民を癒すための温泉が活発に開発されている。

颯馬達も旅の疲れを癒そうと、源田らに勧められている温泉に向かおうと考えていた。

 

「けど、本当に行くのか?」

 

「はい、僕たち以外にも悪の脅威に曝されてる人達は沢山いるってことを知りました。僕はそういう人達も救いたいんです。」

 

「並行世界の人達か…茨の道になるけどいいのか…?」

 

「構いません。僕と戦ったベリアルの様な人をこれ以上生み出したくないんです。」

 

颯馬はベリアルとの戦いを経て彼の人生を知ったことで、様々な世界で困っている者たちを助けたいと考えていた。

 

「それに、源田さん達みたいな頼れる仲間もいっぱいいます。」

 

「おう、なら安心だな。」

 

アルティメイタム解体後、オーウェンと理桜は残った職員達を集めて新たな組織を作ることにした。

そこに颯馬や隼人、和田、畠山らも加わって並行世界の平和を守るための新たな組織が作られようとしていた。極力他の世界に干渉しないようにしつつもバダンの様な巨悪が世界を脅かすのであればすぐに対処に向かう。そのような組織を作ろうとしていた。

 

「こっちの世界はしっかり任せてくれ。」

 

「はい、頼りにしてますよ。」

 

源田は復興のための道に、颯馬は並行世界での戦いの道に、お互い舞台は違えど新たな時代を切り開くために進み続けなければならない。

そんな覚悟を込めて2人がお互いの手を差し出して握手を交わす。

 

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「そろそろ行くようだね。」

 

「はい、本郷さん」

 

それからさらに数日後、疲れを癒すために温泉に行った後に颯馬は本郷猛と会っていた。

彼は颯馬が初めに出会ったライダーでありバダンとの戦いの中で多くのことを学んでいた。

親がいない颯馬にとっては3年間だけの関わりだが父親の様な存在でもある。

 

「すみません。この世界のこと本郷さん達に任せっきりにしちゃって。」

 

「気にすることはない。君のような若い子は大海原で旅をしてみるのも良いだろう。」

 

本郷ら10人の仮面ライダー達も颯馬が並行世界に行った時の話や彼の決意を聞いており、この世界のことは自分たちが担い、颯馬にはもっと大きな舞台で戦ってもらおうと背中を押していた。

 

「この世界は俺達に任せてくれ。」

 

「ありがとうございます。」

 

「仮面ライダーはどの世界にいようと仮面ライダーだ。いつもどこかで繋がっている。共に戦おう。」

 

「はい!」

 

バダンも滅びこの世界には未だ10人の仮面ライダーがいる。

颯馬が居なくなっても平和を守り続けることは彼らがいるなら十分可能だろう。

 

「俺達は一度バダンに負けこの世界を守り切れなかった。だからその贖罪としてこの世界を守り続ける。颯馬は今俺達ができないことをやってくれ。」

 

本郷猛からのエールを受けた数日後、颯馬達は並行世界を守るために旅立ったのであった。

 

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「颯馬、アース264で発生した大量の巨人の影響で人類が危機に瀕しているようだ。行けるか?」

 

「勿論です。巨人の情報も向こうで集めます。」

 

「ああ、頼もしいな。」

 

アルティメイタムは解散となり、その基地は改装された。

オーウェンによって新たな組織が作られてその看板には新組織の名称が書かれている。

 

「はい、じゃあ早速行ってきます。」

 

並行世界で巨悪に脅かされる命を守るために飛び回る新たな組織。

既に颯馬や隼人、和田に畠山も参加しており日々生命を守るために戦っている。

 

「任せたぜ。フォースナイツ!出動!」

 

オーウェン主導で作られた新たな組織の名はフォースナイツ。

並行世界の平和を守るために戦う新たな組織だ。

彼らの戦いが今、新たに始まろうとしていた…

 

To be continued…

 




告知

並行世界を守る組織フォースナイツ
彼らの戦いはまだ始まったばかりだった…

時間

空間

現実

それは一本の直線ではない
無限の可能性を秘めたプリズムなのだ…
1つの選択が無数の現実に枝分かれし、君の知らない別の世界を創造する。

仮面ライダーマーベル VS What If...?

来週公開決定!
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