MARVELシリーズのwhat ifとコラボです!
時間
空間
現実
それは一本の直線ではない
無限の可能性を秘めたプリズムなのだ…
1つの選択が無数の現実に枝分かれし、君の知らない別の世界を創造する。
私はウォッチャー
果てしなく広がる新しい現実への案内人だ…
ついてくるがいい。そして問いかけろ…
"もしも"と…
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「よし、颯馬…早速初任務だ。いけるか?」
「勿論、準備はできてますよ。」
「じゃあ行ってこい…!」
アルティメイタムが解体され、フォースナイツが結成されて数週間が経った。
並行世界の平和を守るがために戦う彼らに初めての仕事が舞い込んできた。
「並行世界ゲート!起動!」
とある世界が巨悪によって危機に脅かされているという情報を察知した颯馬は基地の中にあるアーチ状の機械の中央に立つ。この機械は並行世界ゲートと言い、ディケイドディスクの技術を応用して作られたマルチバース間を移動するための装置である。
スタッフの手によって横にあるコンピューターに座標が入力されると、ゲート内にいる颯馬が光に包まれ、一瞬にして入力された座標にある並行世界に転移する。
「クソっ…!もう耐えきれない!」
颯馬が向かった世界では既に町がゾンビの大群に囲まれてしまっている。
とある化学研究所から漏れ出たウイルスに感染したことでとある国のとある町がゾンビの大群に覆われてしまっている。
「なるほどね、確かにこれはここで抑えないと後々ヤバいことになりそうだね…」
『ケルベロスドライバー!』
その様子をビルの上から見つめているのは並行世界ゲートを使って転移してきた颯馬であった。
このままゾンビが増えつつけてはこの世界自体が壊滅するというのは目に見えており、すぐさま腰にケルベロスドライバーを装着する。
『マーベルIDカード!マーベリック!』
マーベルIDカードをベルトに挿入して、腰に新たに取り付けられたディスクホルダーから3枚のヒーローディスクを取り出す。
『アイアンスーツ!スパイダーバース!トライスパイダー!』
スパイダーマン達の力を秘めたディスクをベルトに挿入し、ベルト上部のセンタースイッチを押してから両端のレバーを同時に引く。
「変身!」
『シニスタースパイダー!アッセンブルアップ!』
並行世界のスパイダーマンや彼らと戦った者達の力を受け継いだ最強のスーツを身にまとう蜘蛛の戦士。
背中からは4本のアームが生えており、その体には電気を纏っている。
仮面ライダーマーベル・シニスタースパイダーへと姿を変えた颯馬がビルの上から飛び降りてゾンビ軍団に向けて一気に電撃を放つ。
手首のウェブシューターから糸を放ってその糸をビルの上に付けて釣り下がりながら電撃の雨をゾンビ達の上から降らせていく。
「アンタはッ…!?」
「ただのヒーロー…」
ゾンビと戦っていた軍隊や警官隊たちの前にマーベルが着地するとゾンビ軍団に向けて走り出す。
マーベルの存在に気付いて彼に群がっていくゾンビ達が背中から生えているアームによって次々となぎ倒されていく。
「いっぱい集まってきたね!」
群がるゾンビ達を確認して両手から糸をビルの上に発射してその勢いで一気に飛び上がる。
そして上空からゾンビの大群を見つけると体内に生体電気を走らせる。
『オールフィニッシュ!』
「ノーウェイヘブン!」
そして地面に着地するとともに体内の電気を蜘蛛の巣状に一気に放出する。
「この辺のゾンビは…大体やったかな……」
広範囲に放たれた電撃によってゾンビ達は次々と焼かれて絶命していく。
その様子を見たマーベルはウェブシューターから蜘蛛の糸を放ってビルの上から釣られた状態で体をスイングさせて他の場所に移動していく。
「次はここかな…」
移動した先ではさらに多くのゾンビ達が集まっており、彼らを見つけるとインフィニティカリバーを構えてゾンビと軍隊の間に着地する。
『パワー!インフィニティ!』
「ここは任せて!」
守るべき町の住民たちに背を向け、インフィニティ・カリバーにあるパワージェムに触れてそのエネルギーを刀身に纏わせて横一閃に振るうとそのエネルギーが斬撃となって一気にゾンビ達を切って破壊していく。
その威力によって切られたゾンビの身体が跡形もなく消えていく。
「アンタすげえな…」
「それほどでもないですよ…」
この場にいるゾンビ達が全滅したのを確認すると街を守っていた警察署の署長がマーベルに声をかける。
「一先ず援軍が必要な場所を僕に教えてください。一か所ずつ対処します。」
「誰かは知らないが助かる!協力感謝する!」
この世界の住民はマーベルの協力を快く受け入れて共にゾンビ達に対処していく。
マーベルの活躍でゾンビ達が次々と倒されていき、最終的に根絶させることに成功した。
「ふむ、仮面ライダーか…」
そんなマーベルの活躍を空の上から見つめる1つの存在がいた。
その存在は青い布のような服を纏う赤子の様な大きな顔を持つ老人と言った姿をしている。
彼の名はウォッチャー、マルチバースの観測者である彼はただまっすぐに仮面ライダーマーベルこと北条颯馬に注目していた。
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「ハードな仕事だった…」
何とか初任務を終えて基地に戻ってきたけど結構疲れた。
ゾンビの数が多くて全滅させるのは中々骨が折れるよ…
「お疲れ様。颯馬」
「ありがと…」
出迎えてくれた隼人が渡してくれたコーラを受け取って、一気に飲み干す。
この甘さと炭酸のシュワシュワがたまらない。フォースナイツに入ってから何気に毎日飲んでる気がする。
「颯馬さん!お疲れ様です!任務の方はどうでしたか?」
「うん、ただいま。まあ結構大変だったよ…」
隼人と一緒に今回の任務のことをオーウェンさんに報告しようと廊下を歩いていると理桜さんが僕達の方に駆け寄ってきた。
「あ!そういえば颯馬さんにお客さんが来てますよ。」
「僕に…?」
僕にお客さんが来てるなんて珍しい。
もしかしたら源田さんとか本郷さんが会いに来てくれたのかな…?
「どんな人だった?」
「私はまだ会ってないです。オーウェンさんから颯馬さんを迎えに行くように頼まれて…」
「なるほど、任務完了の報告をしないといけないから行ってくるよ。」
理桜さんの案内で隼人含めて3人でオーウェンさんのいる指令室に向かう。
「失礼します。」
「おう、入ってくれ。」
扉を開けると既に椅子に座って待っているオーウェンさんと赤ちゃんみたいな大きい頭のおじさん?が居た。
「こ、こちらの人は?」
「ああ、お前に会いに来たっていうお客さんだ。」
「私はウォッチャー、仮面ライダーマーベル及びフォースナイツの諸君に協力を求めに来た。」
ウォッチャーさんが普通の存在ではないことはすぐに分かった。けどどこか僕達の助けを求めてそうな表情を見て僕達は彼の話を聞くことにした。
「なるほど…我々が思っている以上にマルチバースが存在していたのか…」
まず1つ分かったのは僕達が思っている以上に並行世界の数が多いってことだ。
僕が昔夢の中で見ていたアベンジャーズの世界のことは知っていたけど、ウォッチャーさん曰くその世界の様々な可能性から分岐した並行世界が無数にあるらしい。
僕達の設備では観測しきれなかったマルチバースらしい。
ウォッチャーさんはそんな並行世界も観測している存在らしい。
「それで、本題は…?」
「その並行世界の中に一つ、ウルトロンが勝利し人類…いや、全宇宙を滅ぼしてしまった…」
「ウルトロンが全宇宙を!?」
ウルトロンに関しては僕も何度かウルトロンとアベンジャーズの戦いを夢を経由して見たことがある。
夢と言っても元々アルティメイタムが僕に見せていた並行世界の出来事だけど、僕はウルトロンがどういうやつなのかはしっかりと分かっている。アイアンマンことトニー・スタークが世界を守るためのAIとして開発したのがウルトロンだ。けど彼は、人類を滅亡させることが世界平和への道と考えて行動を起こしてしまった。
その過程でウルトロンは最強の金属であるビブラニウムの粒子を練りこんだ人工細胞で人口生体ボディを作っていた。僕の知る歴史ではその体にウルトロンの意識を移すことに失敗し、その体は新ヒーロービジョンの物になった。
「ああ、ウルトロンは人口生体ボディに自らの意識を移すことに成功し、アベンジャーズを倒し地球を核ミサイルによって滅亡させた。その後彼は全てのインフィニティストーンを手に入れて他の星も滅ぼした。」
まさかあのウルトロンが全宇宙を…
「さらにそのウルトロンは多次元宇宙の存在に気付いてしまった。そして別の世界への侵攻を始めてしまった…」
「なるほど、それは止めないと…いけませんね…」
けど、並行世界を次々と滅ぼそうとしているなら止めないと…
「ああ、話は早そうだ。協力してくれるかな…?」
「勿論だ。颯馬、いけるな?」
「任せてください。」
オーウェンさんも既に協力する気だ。
まあつまり、組織としてこの事態に対処できるってことだ。
「隼人、理桜、お前たちも颯馬のサポートを任せたぞ。」
「「はい!」」
「うむ、では3人にはナターシャ・ロマノフの護衛を任せたい。彼女はウルトロンによって滅ぼされた世界の生き残りだ。」
「分かりました。」
アベンジャーズのメンバーである女性戦士、ブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフ。
彼女に会えるのは嬉しい半面、他のヒーロー達が殺されてしまっている事実も受け入れなきゃいけない。
僕の知ってる世界とは違う並行世界だとしてもアベンジャーズが死んでしまったのは悲しい話だ…
「彼女はウルトロンを倒せるかも知れないコンピューター・ウイルスを所持している。切り札になるかも知れない…私は更なる援軍を集めてくる。君達は彼女の護衛とウルトロンが来た際の討伐を任せた。」
ウォッチャーさんとオーウェンさんの指示で僕達3人は並行世界ゲートに向かってウルトロンによって荒廃した世界に向かった…
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「また追ってきてるのね…」
アベンジャーズがウルトロンに敗北し彼によって放たれた核ミサイルの雨によって地球は滅亡した。
既にビルも倒壊して荒廃した地面の上をナターシャ・ロマノフはバイクで走っていて、その彼女の後ろには宙を飛ぶウルトロンの兵達が迫っている。
「クリント!」
ウルトロン軍団、通称ウルトロン・セントリーに追われる彼女は咄嗟に相棒であるクリント・バートンの名を叫ぶ。ホークアイことクリントはアベンジャーズの一員であり、ウルトロンによって世界中に核ミサイルが発射された時に戦闘機に乗っていたため難を逃れて生存していた。
「そうね…もうクリントは……」
だがしかし、生き残りの片割れであるクリントも先ほどの戦いで命を落としていた。
戦いにつかれてしまい戦意を失っていた彼は自らを犠牲にして彼女を守り抜いた。
その犠牲もあってかヒドラという組織の科学者であったゾラ博士の知能データをゲットし、強力なデータ生命体である彼のデータを使ってウルトロンを機能停止に追い込める可能性を見出していた。
「ごめんなさい、クリント…」
だがその努力もウルトロン達の前に水泡と化そうとしていた。ウルトロン・セントリーの攻撃を受けてナターシャが乗っていたバイクが転倒。倒れた彼女をウルトロン達が取り囲み、手についたレーザー銃の銃口を向けていた。
『タイム!インフィニティー!』
彼女が自分の死を予感し目を瞑ったその瞬間、彼女の耳に聞きなれない機械音声が飛び込んできた。
自分が殺されていないとわかって目を開けると彼女の瞳には先程自分を取り囲んでいたウルトロン達が身体を上下に一刀両断され、鉄の塊と化したその体が地面に落ちていく光景だった。
「大丈夫ですか?」
そして、彼女に声をかけたのはインフィニティカリバーを構える仮面ライダーマーベルだった。
先程、インフィニティカリバーのタイムジェムの力でナターシャが攻撃される直前に時を止めてウルトロン・セントリー達を両手に携えた剣で切り捨てたのだった。
『ライトパワー!ファースト!』
『センターパワー!ファースト!』
さらに仮面ライダーウィザードのオールドラゴンを纏うブレイクと、仮面ライダーセンチュリーが使用する歯車状の円還粒子であるデストサイクロンを自身の背の後ろで浮かせているフューチャーが、さらに迫ってきているウルトロン・セントリー達に向かって突撃していく。
「あなた達はッ…?」
「僕達は別の宇宙から来た…仮面ライダーです。」
両手に付けた竜の爪型の籠手でウルトロン・セントリーを次々と切り裂いていくブレイク。
円環粒子デストサイクロンを自身の周りで公転させて迫りくる敵を次々と切っていくフューチャー。
そしてナターシャの問いかけに応えたマーベルも彼らに続いて襲い掛かってくるウルトロン・セントリー達をインフィニティカリバーで次々と切り捨てていく。
『リアリティ!インフィニティー!』
インフィニティカリバーから赤色の雲状の物体が放出されるとそれに包まれた多数のウルトロン・セントリー達の身体を構成する金属が泡に変換され、次々と消えていく。
「後は私に任せて!」
そして残ったウルトロン・セントリーもブレイクの胸部に付いているドラゴンの頭部から放たれた炎によって全て焼き尽くされる。
「一先ずこれで安心かな…」
ナターシャを襲っていたウルトロン・セントリーの殲滅を隼人が確認すると3人は変身を解除して改めてナターシャと顔を合わす。
「あなた達、何者なの…?この世界に何の用?」
「僕達は並行世界の平和を守るフォースナイツのメンバーでウルトロンを止めるためにこの世界に来ました。」
まだ少し彼らを警戒しているナターシャの問いかけに対して颯馬は冷静に答える。
「僕は北条颯馬って言います。事情はウォッチャーって人から聞いています。」
「僕は三浦隼人、颯馬の親友だよ。」
「私、伊東理桜って言います!あなたの名前は?」
3人のライダー変身者に関してはナターシャからすれば未知の存在である。だがしかし、彼らが彼女のことを助けてくれたのも事実だ。ここは協力するべきと思い銃をホルダーにしまって彼らの方を見る。
「私はナターシャ・ロマノフ、恐らくこの世界で最後の生き残りよ。けど残念ね、目当てのウルトロンは今ここにいないわ。」
「ここにいないってことは…」
「ええ、さっきこれを使ってハッキングを試みたけど、圏外にいた。多分だけどこの宇宙にはもういないわね…」
そう言ってナターシャは1本の矢を取り出す。
「この矢は…?」
彼女が取り出した矢について問う理桜に対し、ナターシャは暗い表情を見せつつも重い口を開く。
「これは仲間のクリントが遺してくれたものよ。ヒドラの科学者アーニム・ゾラの知能データが入ってるわ。少なくともこれを奴の本体に打ち込めれば…ハッキングができて乗っ取れるはず…」
「コンピューターウイルスみたいなものだね…けど、問題はどうやってウルトロンに入れるかだ…」
問題はウルトロン自身の強さだ。少なくともこの世界を破壊し、さらには他の世界にまで侵攻を始めてしまっている。その強さは未知数だが、そうそう簡単に矢を撃ち込んでハッキングできる相手ではないことは明白だ。
「どうすべきだと思う?颯馬?」
「やっぱりここは拘束してしまうのが一番早いかな…」
「まだこの星に生命体がいたとはな…いや、新しく入ってきたのか…?」
作戦をどうすべきか考えていたその時だった。
どこかから声がしたかと思い颯馬達が空を見上げるとその曇った空に赤と青色の人間の顔が映っていた。
アベンジャーズのメンバーのビジョンにも似ているその顔だが、それは本来の世界ではビジョンとなる肉体に意識を宿したウルトロンの顔であった。
「お前が…ウルトロン!」
「別の宇宙の住民か…まあいい、お前達の世界を滅ぼす前にここで殺す。」
雲が突如巻き起こった突風によって吹き飛ばされてその穴から大量のウルトロン・セントリーで構成された球が姿を見せる。
その大きさは衛星ほどはあるだろうか…
その大量のウルトロン・セントリーの中心に騎士の様な鎧を纏い槍を構えるウルトロンの姿があった。
「話してる暇はないみたいだね…隼人!理桜さん!行くよ!」
「「うん!/はい!」」
『『『ケルベロスドライバー!』』』
『マーベルIDカード!マーベリック!』
『ドラゴンIDカード!』
『ミライIDカード!』
ウルトロンの襲来を受けて颯馬ら3人はケルベロスドライバーを腰に巻いて各々のIDカードを挿入する。
『レジェンド・オブ・テンリングス!アメリカンソルジャー!ワカンダフォーエバー!』
『仮面ライダー龍騎!仮面ライダーセイバー!仮面ライダーウィザード!』
『仮面ライダーNEW電王!仮面ライダーセントリー!仮面ライダーアクア!』
「「「変身!」」」
『ユニバーサルソルジャー!アッセンブルアップ!』
『ドラゴニックライダーズ!バーンアップ!』
『ニューライダーズ!ジェネレーションアップ!』
そして3人は自身のベルトにディスクを挿入して理桜はブレイクに、隼人はフューチャーに、颯馬は中国、アメリカ、ワカンダの3国のヒーロー達の力を合わせた仮面ライダーマーベル・ユニバーサルに変身する。
仮面ライダーマーベル・ユニバーサルの身体は黒いスーツに赤い竜の姿をしたラインが走っており胸には星条旗の紋章が描かれている。そして、シャン・チーの使うテンリングスの代わりに10枚の円形のシールドがマーベルの周りを飛んでいる。
「行け…」
ウルトロンが指示を出すとウルトロン・セントリーの大群がマーベル達に向けて急降下していく。
「さあ、かかって来い!」
迫りくる機械の兵達を相手にマーベルは左右に5枚ずつ連ならせ、鞭のように振るう。
やってくる敵がマーベルの近くにいようと中距離の範囲にいようと次々と盾に貫かれ、切り裂かれていく。
さらに遠距離からレーザーを構えている敵に対しては盾10枚を一気に発射して撃ち落としていく。
「こっちの敵は任せてよ!」
流石にやって来る敵の数は多く、攻撃を搔い潜ってマーベルに近付く個体も多い。
だがそれらはマチェーテディを構えるフューチャーと火炎剣烈火とドラグセイバーの二刀流スタイルのブレイクが迎え撃つ。振るわれる刃によってウルトロン・セントリー達は首と胴体が切り離されていってしまう。さらにナターシャも電気バトンを使って敵を電撃で倒して援護する。
「それなりの実力はある様だな…」
流石にウルトロン・セントリーをいくら差し向けてもマーベルらの前では力不足であると判断し、ウルトロンが槍先を3人に向ける。
「来るわ!」
その動きに気付いたナターシャの一声が発されたその刹那、槍先が展開しレーザー砲がマーベル達目掛けて放たれる。ウルトロン・セントリーを巻き込みながらレーザー砲がマーベルらを襲うが、マーベルも自分達を守るために10枚のシールドを自分達の前で重なるように連ならせて攻撃を防ぐ。
「流石にパワーが強いッ…!」
何とかレーザー攻撃を防ぎきることは出来たが、一気に押されてしまい、攻撃を防いでいた盾もマーベルの眼前にまで迫って来るほどだった。
「まだ来てます!」
だが、体勢を立て直す暇も与えずウルトロン自身とウルトロン・セントリー軍団がマーベル達に向けて突撃していく。
防御に使った10枚の盾を咄嗟に防御から攻撃に転用してウルトロンに向けて放つが彼の振るう槍に全て叩き落される。
『エターナルズ!インクレディブルパワー!アントキャスト!』
槍を構え、マーベルに向けて一直線に降下していくウルトロンに対して颯馬は肉弾戦で対処することを選びエターナルズ、ハルク、アントマンのディスクを自身のケルベロスドライバーに挿入してレバーを引く。
『マイト・イズ・ジャスティス!アッセンブルアップ!』
力こそ正義、その名に相応しい程に隆起した筋肉。
岩の様にゴツゴツした筋肉を包むアーマー等なく、ディスクの力でパンプアップしたマーベルの筋肉そのものが鎧の様なものである。
近接戦闘において最強の攻撃力を持つ仮面ライダーマーベル・マイト・イズ・ジャスティスが拳を突き出すことで、ウルトロンが再度槍から放ったレーザーを殴って弾き飛ばす。
「ハアッ…!」
両者共に距離を詰めて互いの右拳をぶつけ合うと、その衝撃が空気を振るわせて地面にまで伝達される。
互いが拳を合わせたことで相手の現状のパワーを把握し、2発3発と連続でパンチを打ち合う。
「ッ…!」
互いに相手を殴った際の反作用で一度後ろに下がり、どう有効打を与えようかと見合い…
「そこだッ…!」
マーベルに対して拳だけでは通用しないと悟ったウルトロンが先に脚部にカーフキックを放つが、その一撃を足の筋肉だけで耐えきり、顔面部に向けて右ストレートパンチを撃ち込んだ。
「まだまだ!」
プロボクサーの様な華麗なステップでさらにウルトロンとの距離を詰めると左右からリズムよくフックを撃ち込み、ウルトロンの兜と右肩の装甲を高威力の拳で削り取る。
ハルクの持つ筋力や破壊力に加えてエターナルズの神秘的な宇宙のパワーとピム粒子の圧縮する力をその腕部に流し込むことで最強のパンチ力を生み出すことができ、宇宙を滅ぼすほどの存在であるウルトロンの強固な鎧を容易に破壊することができる。
少しだが、勝機を見出したマーベルが一気に攻めかからんとアッパーカットを撃とうとするが、ウルトロンは咄嗟に鎧胸部に埋め込まれたインフィニティストーンの1つであるスペースストーンを使ってマーベルから少し離れた地点に転移。
「なるほどな…」
その次の瞬間には鎧を構成するナノマシンの群れが波打ち、破損した箇所に押し寄せる。建築物が建てられる様子を早回しするかのように破損した部位が修復。颯馬が抱いた希望の光は、覆い隠されるように潰えてしまった。
「確かに力はある。だが私の前では無意味だ…」
ウルトロンの胸にあるパワーストーンの放つ紫の光が血液の様に彼の鎧を駆け巡り、彼の両腕からダムから決壊して勢いよく流れる水流の様にマーベルに向かっていく。
『パワー!インフィニティ!』
だが、インフィニティストーンの力を持っているのはウルトロンだけではない。それを模した力ではあるが自らの刃として振るうための武器、インフィニティカリバーからパワージェムのエネルギーを自身の身体に供給。エネルギーをため込んだ拳をウルトロンの放つ紫色の濁流に向けて突き出すと2つのエネルギーがぶつかり合って互いを打ち消す。
「パワーが…」
ウルトロンの放った攻撃を防ぐだけでもかなりの量のエネルギーを解き放ってしまったマーベルは、既に肩を大きく上下させて呼吸をしなければならないほどに体力を消耗してしまっている。
「ストーン1つでその疲労度か…」
ウルトロンが放ったパワーストーン由来のエネルギーを打ち消すだけでもマーベルはかなり体力を使ってしまっており、ウルトロンは圧倒的な力を持ってマーベルを潰そうと全てのインフィニティストーンをエネルギーを体中に流す。
「いいや、まだやれるッ…!」
『アスガーディアンズ!ギャラクシーリミックス!ザ・スペース・キャプテン!』
ソー、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、キャプテン・マーベル等宇宙で活躍するヒーロー達のディスクをケルベロスドライバーに挿入して、その両端部にあるレバーを同時に引く。
『ライジングギャラクシー!アッセンブルアップ!』
ディスクに描かれたヒーロー達の幻影が仮面ライダーマーベル・ニューバースの姿に戻ったマーベルの周囲に出現。彼らの姿がマーベルと重なると首から下が青色の鎧に包まれる。複雑で禍々しい形状のその鎧には時折雷の様な金色のラインが身体に走っており、仮面ライダーマーベル・ライジングギャラクシーの中に流れる宇宙由来のエネルギーを表すように鎧の各部が光を放っている。
「姿を変えたところでこの私に敵うことはないだろう…」
ウルトロンの身体に流れる6つのインフィニティストーンのエネルギーが交じり合い白い光となって全身から一気に放たれる。全てをまっさらにするような白色の光は周囲の岩肌を捲り上げながらライダー達に迫る。
「ナターシャさん!逃げて!」
ドーム状に放たれる白い光に巻き込まれたウルトロン・セントリーは砂で作った城が崩れるかのように体を構成するナノマシンが粒子状になって崩れ落ちてしまう。
その攻撃の危険性に気付いたブレイクとフューチャーはすぐにナターシャの前に立ち、歯車状の円環粒子デストサイクロンを自分の前に展開してバリア代わりにして攻撃を凌ごうとする。
「颯馬は!」
自分達3人がウルトロンの放ったエネルギーから身を守ることこそできたが、マーベルこと颯馬が攻撃を受けてしまっていないかと不安を覚えたフューチャーは咄嗟に彼の方に目を向ける。
『オール!インフィニティー!』
「ここは僕が止める!」
宇宙由来のエネルギーを秘めたライジングギャラクシーはマーベルのどの形態よりも体内で生成されるエネルギー量が多い。ウルトラマンの様に光線技を放って戦うには最も適した姿だ。
彼が手に持つ剣は体内から溢れ出るエネルギーを纏い、6つのインフィニティストーンの光と共に検査機を突き出して一気に解き放つ。
球状に広がっていくウルトロンの白い光にインフィニティカリバーから放たれる虹色の光が突き刺さり、その侵攻をただ一点で止める。
「他の者は後でいい…先にお前から倒す。」
ウルトロンの全身から放っていたエネルギーが徐々に押され始めて収縮し、その様子を見てウルトロンは先にマーベルを潰してしまおうと自身の右手に全エネルギーを集中させて一気に解き放つ。
新幹線のような速さでウルトロンの右手から放たれるエネルギーが突き進み、マーベルが撃った虹色の光線を押し返す。
「まずいッ…!」
ウルトロンの放つ光線とマーベルの放つ光線がぶつかり合う。その境界面は徐々にマーベルに迫り、その距離はインフィニティカリバーの剣先から数m程度に迫っていた。
このまま押し切られてしまい、光線がマーベルに達してしまえば一たまりもない。インフィニティストーンから繰り出されるエネルギーは惑星をも破壊する力を持っており、その強力な光線が直撃すれば死を免れることは出来ないだろう…
「颯馬の方ばっか狙って…僕達だって!」
「はい!あまり私達のこと舐めないでよね!」
身体も少しずつ押されて仰け反りそうになるマーベルを後ろからブレイクとフューチャーが支える。
「2人ともッ…!一気に攻め返すよ!ベルトのレバーを引いて!」
「分かった!」
「いきますよッ…!」
後ろからマーベルの身体を押し支える2人は彼のベルトに向けて必死に手を伸ばす。
ウルトロンの放つ光線の衝撃が台風の際に巻き起こる暴風がごとく打ち付けてくるが、その向かい風に必死に抗い2人の手がケルベロスドライバーのレバーに届く。
『マーベリック!オールフィニッシュ!』
2人がレバーを同時に引くことで、ベルトに挿入されたディスクから湧き水の様に宇宙エネルギーが出てきてマーベルの身体に纏われる。虹色に発光するライジングギャラクシーの鎧からパワーがどんどんインフィニティカリバーに送られて、6つのインフィニティージェムのエネルギーと交じり合い虹色の竜巻となって放たれる。
「ファイナライズトルネード!」
元々剣から放たれていた光線をも呑み込み虹色の竜巻がウルトロンに向かっていく。
ウルトロンの放つ白い光線も虹色の竜巻に吞まれていき、濁流のような勢いで迫るその攻撃にウルトロンはインフィニティ・ストーン由来の力を絞り出して食い止めることしかできない。
「はああああぁぁぁぁ!!」
「いっけええええぇぇぇ!!」
両手で握られるインフィニティカリバーにより強いエネルギーを流そうと一気に力を込めるマーベルだが、自身が耐えることのできる力以上に溢れ出すエネルギーによって、鎧の水晶部分に少しずつヒビが入っていく。
「このまま一気に決める!」
鎧の耐久度を超すエネルギーを一気に解き放って剣先から球状のエネルギーを撃ち出す。
撃ち出す際の衝撃でマーベルのライジングギャラクシーの宝石のような装甲が一気にパージされて塵と化す。
太陽の様なエネルギーの塊となったインフィニティジェムの光がウルトロンに迫り、咄嗟に左腕を突き出して両腕で迫る攻撃を防ごうとするが既にエネルギー弾は彼の身体に達してロケットが墜落したかのような大爆発を起こしてしまう。
「倒した…?」
惑星を破壊してしまうほどのエネルギーをぶつけ合いお互い削りあったことで周囲への被害こそ少ないものの爆炎と爆風が巻き起こることで視界が遮られ隼人達はウルトロンがどうなってしまったのか把握することができない。
「いいや、まだだ…!」
颯馬は力を出し切って剣を地面に突き立てて支えつつも、煙の中で薄っすらと浮き上がるウルトロンの影に気付いていた。
「確かにいい力だ…だが私を倒すには不十分…」
颯馬の放った光弾の威力はかなり強く何とか防ぎ切ったウルトロンの鎧が全て剝がれてしまって元々の生体ボディを晒してしまっている。所々が攻撃のせいか剥がれてしまってバチバチと放電してしまっているがその上から新たなナノマシンが覆いかぶさる。
鎧が壊れたことで一時的に地面に落ちてしまっていたインフィニティストーンが光を発しながら浮き上がりその周囲にえさを求める小魚の大群の様にナノマシンが一気に集まる。
ようやく降り注いだ陽の光が雲によって覆い隠されるようにウルトロンの身体は再びインフィニティストーンが埋め込まれた鎧に覆われる。
「どうやら私が思っている以上に貴様らは強い。ならば全力を出させていただこう…」
ウルトロンが号令すると恐らくこの宇宙全体にいたであろうウルトロン・セントリー達が一斉に集まって来る。蝗の大群が田畑を食い尽くす時の様に空を機械兵の大群が覆っている。
多くのウルトロン・セントリーと難攻不落のウルトラマン本体に取り囲まれて3人のライダーとナターシャは絶体絶命の危機に瀕してしまう。正に四面楚歌という状況でも4人はファイティングポーズを崩さない。
「ここが最期の戦場ね…」
「いいえ、生きて帰りますよ!」
「うん!僕達はここで死ぬわけにはいかないからね…僕達はッ…!世界に希望の光を灯し続ける!」
嘗ての颯馬は戦争の日々の中でアベンジャーズの夢を見て希望を抱き、戦い続けていた。
その経験もあってか絶望的な状況にいる人たちの希望になりたいという思いが彼の中にあり、並行世界を守るうえでも自分が勝ち続けることで色んな世界の希望になろうとしていた。
だからこそ、ここで諦めて負けるわけにはいかない。並行世界ゲートを使って離脱することもできるが颯馬達はその道を選ぼうとしない。
「いくよ!皆!」
再び剣を手に取り颯馬がウルトロンの大群に切りかかろうとしたその時…
「颯馬…あれ!」
「ムジョルニア!?」
隼人に促されて空を見た颯馬の目に映ったのは流星群の様に降り注ぐ大量のハンマーだった。
アベンジャーズのソーが使うハンマーは颯馬自身も戦いの際によく使っていて自分の身体の一部と言っても過言ではない。そんなハンマーが大量に空から落ちてきて宙にいるウルトロン・セントリーを打ち落としてから地上にいるウルトロン本体に降り注いでいく光景に驚きを隠せない。
「すまないな、仮面ライダーマーベル…」
驚いて空を見上げる仮面ライダーマーベル達の後ろにウォッチャーが現れる。
「ウォッチャーさん…」
「少し遅くなったが、援軍の到着だ。」
ウォッチャーの言葉と共にウルトロン・セントリー軍団が次々と攻撃を受けて鉄くずと化していく。
キャプテン・アメリカの様な衣装に身を包みヴィブラニウムの盾を敵に対し次々と投げて倒していく女性、ペギーカーター。
スターロードの衣装を身に纏いジェットパックで飛びながらレーザーガンで敵を打ち落としていく黒人の男性、ティ・チャラ。
彼らは本来の世界ではただのエージェントであったりワカンダのブラックパンサーになる筈だが、彼らの暮らす世界では全く違うヒーローとなって戦っている。そう、彼らも無限に広がる可能性から生まれた並行世界の住民なのだ。
「さて、ソー君の出番だ。」
「OK!任せろ!」
ウルトロンに落ちてきた多数のハンマーが彼の周囲を飛び回りながら360°様々な方向から襲い掛かっていく。そのハンマーの持ち主と思わしき髭を剃り落としたソーと目の下に大きな隈があるドクター・ストレンジが颯馬達の前に降り立つ。
恐らくムジョルニアが分身しているのはこちらのストレンジの魔法の効果と思われる。
「一気に決めろ。」
「おう!デッカイ花火を打ち上げてやるぜ!」
このソーは本来のソーと違ってロキが弟にならず一人っ子として育っていた。そのため粗暴な性格でパーティー好きの男となってしまっていたが、その実力は本物だろう。多数のムジョルニアがウルトロンに向かっていき1つの大きな塊となったところに本物のムジョルニアを手にしたソーが雷をそこに落とす。
ムジョルニアの分身に宿る雷も放電されて高電圧による負荷が一気にウルトロンの身にかかってくる。
「その程度で私には…」
「ならこれはどうかな…?」
このドクターストレンジは体内に多数の魔物を取り込んでいて、その両腕を取り込んでいたサラマンダーの頭部に変化させると高熱の炎をウルトロンに一気に吹き付ける。
放電からの高熱という連続攻撃でウルトロンの鎧が少しずつ溶け始めてしまう。
「さて、私の出番ね…」
「私も少し戦うとしようか…」
並行世界のヒーロー達を連れてきていたウォッチャーと彼と共にやって来た金色の鎧を纏う緑色の肌の女性も迫るウルトラマン・セントリーの方を見据える。その女性、ガモーラはアベンジャーズを脅かしたヴィランの1人であるサノスの養女で本来の世界では彼の野望によって命を失っていた。だが、ここにいるガモーラはとある闘技場で力を付けてサノスを討伐して彼の装備を纏っている。デュアルブレードと呼ばれる双刃の大剣を手に向かってくるウルトロンセントリーの集団を切り倒していく。
ウォッチャーもヒーローたちに混じって飛んでくるウルトロン・セントリー達を張り手で次々と倒していく。
「私達もまだまだ負けてられないね!」
「うん、未だ僕達だって戦えるよ!」
「私も行くわ…」
ブレイク、フューチャー、そしてナターシャも援軍の存在に奮起してウルトロン・セントリーに向けて一気に走り出す。
『仮面ライダークローズ!仮面ライダーセイバー!仮面ライダーウィザード!』
『仮面ライダーシノビ!仮面ライダーセンチュリー!仮面ライダークイズ!』
『ドラゴニックライダーズ!バーンアップ!』
『ニューライダーズ!ジェネレーションアップ!』
ブレイクとフューチャーがそれぞれベルトにあるディスクを入れ替えると
『レフトパワー!ファースト!』
ブレイクは仮面ライダークローズが使うビートクローザーを構えると、まずは近距離にいる敵兵の腕や首をその刃で切り裂いていく。
「遠くから撃ってても無駄だよ!」
『ヒッパレー!』
『スマッシュヒット!』
遠距離にいる敵に向けてビートクローザーのグリップエンドを一度引いて蒼炎を纏った斬撃を放てば、宙に浮くウルトロン・セントリーの身体が上半身と下半身の真っ二つに切り裂かれてしまい、残った身も蒼炎によって焼かれてしまう。
「どんどんいっくよー!!」
『ヒッパレー!ヒッパレー!』
『ミリオンヒット!』
『ヒッパレー!ヒッパレー!ヒッパレー!』
『メガヒット!』
更に襲い掛かって来るウルトロン・セントリーに対して、ビートクローザーのグリップエンドを複数回引っ張って次々と斬撃を放っていく。蒼炎を纏う刃や衝撃波によって空にいる機械兵達を撃ち落として鉄屑の雨を地面に落としていく。
『レフトパワー!ファースト!』
「忍法、影分身の術」
一方のフューチャーも仮面ライダーシノビディスクの力を使って、忍術を発動。分身して敵の大群に次々と殴りかかって顔面部を殴り首を抉り取る。
『ライトパワー!ファースト!』
「問題、毒りんごを食べて眠ってしまうのはシンデレラである。〇か×か?」
続いて仮面ライダークイズのディスクのパワーを発動すると、周囲にいるウルトロン・セントリー達に突然クイズの問題を出す。突然の行為に敵兵は一瞬驚いて動きを止めるがまたすぐにフューチャーを倒そうと腕の銃口を向けるが…
「時間切れ、答えは×だよ。」
その行動は彼らにとって命取りであった。問題に解答しなかったウルトロン・セントリー達の身体に次々と電撃が流れて回路がショートし地面に落ちていく。
仮面ライダークイズの能力はクイズに不正解だったものに電撃を流すというものだが機械兵であるウルトロン・セントリー達には効果は抜群だった。
黒焦げになって回路が焼き切れたウルトロン・セントリーが地面に落ちるのと入れ替わるように新たな機械兵たちが群がりフューチャーの周囲を覆う。
「未来のライダーの力、あんま舐めないでよ!」
例えば仮面ライダーブレイクが使っているドラゴンIDカードであればドラゴン系ライダーのディスクを使うことができ、その数およそ6体。その各ディスクの豊富な能力を使いこなすのがブレイクの特徴だ。
一方フューチャーの使うミライIDカードは未来に存在する仮面ライダーのディスクを使用することができるのだが、そのライダーの数はかなり多い。多数ライダー達の力を次々と入れ替えて使うのがフューチャーの得意戦法である。
『仮面ライダーキカイ!仮面ライダーセンチュリー!仮面ライダーギンガ!』
『ニューライダーズ!ジェネレーションアップ!』
ケルベロスドライバーの両端のスロットに入っているディスクを入れ替えると…
『レフトパワー!ファースト!』
早速ミライダーの1人である仮面ライダーキカイのディスクの力を発動。
「さて、とことん争い合いなよ…」
すると、機械類を操る電波がフューチャーの身体から発されるとウルトロン・セントリーの内数体が突如周囲の機械兵達に腕のレーザーガンを乱射し始める。
ウルトラマン軍団が乱され始めて、銃を味方に撃ってしまうものもいれば宙を飛び回って他の者に激突していく個体も現れる。軍団の中に混乱の波動が広がっていくとそれに対処しようとさらにウルトロンの兵たちが集まって来る。
『ライトパワー!ファースト!』
「いっぱい集まって来たね。けどそれが命取りだよ。」
群がってきたウルトロン軍団を一網打尽にすべく、仮面ライダーギンガのディスクの力を発動すれば、空から流星群が降り注いで集まってきたウルトロン・セントリーを撃ち落としていく。
2人のライダーと援軍に来たヒーロー達の活躍で星の数ほどいるウルトラマンの兵達が徐々に数を減らして押されだす一方、仮面ライダーマーベル、ドクター・ストレンジ、ソーの3人がウルトロン本体と対峙する。
『パワー!インフィニティー!』
魔物の力で強化されたストレンジの魔法、ソーの雷撃、マーベルの斬撃はウルトロンの攻撃を防ぎつつ少しずつ鎧にダメージを与えていく。
「おいおい!アイツすぐに再生しちまうぞ!」
マーベルの放った斬撃がウルトロンの鎧右肩部に到達して傷が付くがその傷跡がすぐにナノマシンによって覆われて再生する。
何度も雷を撃ってもそのように再生されてしまうのを見て、ソーは驚きの声を上げてしまう。
「単純な力だけじゃ勝てない、けど…」
『チャベスゲート!ソーサラーマジック!エイジ・オブ・マインド!』
颯馬がケルベロスドライバーにアメリカ・チャベス、ドクター・ストレンジ、そしてワンダらマインドストーンと関わりのあるヒーロー達のディスクを挿入する。
『マルチバース・オブ・マッドネス!アッセンブルアップ!』
マルチバースを超える力と強力な魔術が交わり、その魔力をマーベルの身体が纏う。
青色のローブに身を包み、深紅のマントを首から引き下げて所々には魔法陣の様な意匠が浮かんでいる。
マルチバースを超越する究極の魔法を操る新たな形態、仮面ライダーマーベル・マルチバース・オブ・マッドネス。彼が呪文のような文字を腕に浮かび上がらせて解き放つと、仮面ライダーマーベルの姿に似たパラソドーパー達が現れる。
「僕達の魔法、見せてやる!」
パラソドーパーは仮面ライダーマーベルの並行同位体のような存在であり、彼に似た姿をしているが体の色合いが各々違っている。
まずは赤いローブのみを纏った個体のディフェンダー・マーベルがウルトロンに殴りかかる。
両手両足に氷の魔法陣を纏わせて中華拳法のような動きでウルトロンに攻撃を繰り出していく。
ディフェンダー・マーベルが拳を繰り出す度に彼の拳が纏っている氷魔法の効果でウルトロンの身体が霜に覆われていく。
「次は君の番だよ!」
続いて深緑色のローブを纏うイルミナティ・マーベルがウルトロンの前に立つと口のクラッシャーを開き超音波を発する。まるでインヒューマンズの王であるブラックボルトというヒーローが声を発して破壊音波を放つかのようにイルミナティ・マーベルの口部からウルトロンの身体に振動が伝わっていき氷魔法を受けて鎧に付いてしまった霜を装甲を形成するナノマシンごと剝がしていく。
「さて、僕達も行くよ!」
颯馬自身が指示を出すと灰色のローブを纏うシニスター・マーベルが両手に魔法陣を発現させてウルトロンに接近。イルミナティ・マーベルが破壊音波を発し終えるタイミングと入れ替わるようにシニスターが電気を纏うナイフを生成し、未だ再生しきっていないウルトロンの鎧に差し込んでいく。
「ソーさん!お願いします!」
他のパラソドーパー達が鎖を生成してウルトロンの両手両足を縛って動けないようにしその間にソーがムジョルニアを振り回す。マーベル自身が自分の背部に展開した魔法陣にムジョルニアから放たれた雷が吸い込まれる。雷を吸収している魔法陣をウルトロンに向けるとその中で威力が増大した雷が放出されていく。杭の様にウルトロンの鎧に突き刺さった魔法のナイフが避雷針の様に雷を吸収し、ウルトロンの鎧と彼の身体に大電流を流し込む。
「私も少し手を貸そう。」
さらに、ドクター・ストレンジがウルトロンの周囲を自身が作り出した魔法陣で取り囲むとそこから雷を放出して敵の体内にさらに電気を流していく。
「この程度ッ…!」
体内に電流を流されるウルトロンは身体も鎧も機械製であるためかこれまでの攻撃以上にダメージを負っており、咄嗟に身体に埋め込まれたインフィニティストーンからエネルギーを逆流させて体に突き刺さっていた魔法の刃を破壊して雷を弾き返す。
「さて、君の出番だよ。」
身体にインフィニティストーンのエネルギーを流し込み七色の光を鎧から発しているウルトロンがこのまま彼らに攻撃しようとマーベルに接近しようとするが、彼の前にゾンビの様な姿をしたゾンビ・マーベルが現れてウルトロンが繰り出した拳を自身の胸で受ける。
インフィニティストーンから流れ出したエネルギーが上乗せされており、喰らってしまえば一撃で消滅させられてもおかしくない威力を持っているが、ゾンビ・マーベルは一切ダメージを負っている様子を見せない。不死であり尚且つダメージ無効の身体を持つゾンビ・マーベルはその身でウルトロンの拳を受け止めると魔法陣と鎖を生成してウルトロンの身体を拘束する。
「良い動き…」
その周囲をソー、ストレンジ、マーベル、そして他のパラソドーパー達が取り囲むと
「俺のパーティーを邪魔した罰だ!」
「これ以上世界を壊させはしない!」
ソーの雷とストレンジの魔法弾、そしてマーベルとパラソドーパー達が放つ魔法の光線がウルトロンに次々と放たれていき、彼の身が爆炎に包まれる。
「無駄だ…」
インフィニティストーンのエネルギーの恩恵を受けているためかこの攻勢を受けても、コンクリートの壁に虫がぶつかった程度のダメージすら受けておらず、両腕を振るうだけで自身の周囲にいる敵を一気に吹き飛ばす。
「やっぱ、インフィニティ・ストーンを封じないと…勝てない…!」
「どうやらその様だな…あの石のエネルギーを打ち消さなければ…」
「そういうことなら僕に作戦がある。」
颯馬の言葉と共にストレンジと4体のパラソドーパー達の目の前に魔法陣が現れてその中から現れたインフィニティ・カリバーが彼らの手に渡る。それぞれが颯馬の魔法によって6本になったインフィニティ・カリバーを手に持ち、そのガード部分にある各インフィニティ・ジェムに触れる。
『パワー!インフィニティ!』
『スペース!インフィニティ!』
『リアリティ!インフィニティ!』
『マインド!インフィニティ!』
『タイム!インフィニティ!』
『ソウル!インフィニティ!』
そしてそれぞれがインフィニティ・ジェムの力を自身の刃に纏わせ、そこに自身の魔力を送り込む。
その動きに気付いたウルトロンが身体からドーム状にインフィニティ・ストーンのエネルギーを解き放とうとしたのに合わせて6本の刃から一気に光線が放たれる。ウルトロンの身体から広がろうとするエネルギーが6本の光線に押されていく。インフィニティ・ストーンのエネルギー同士がぶつかり合うが、マーベル達はそのエネルギーを魔力で強化している故に徐々にマーベル達が押していく。
「ハアアアアァァァァ!!」
そして、6本のインフィニティ・カリバーから放たれる光線がウルトロンの放つエネルギーを打ち破って彼の身体に達すると、6つのエネルギーがウルトロンの身で交じり合いぶつかり合って増大して虹色の光がウルトロンの身に纏わりついて爆発する。
「これで倒せたはず…」
「いいや、油断は禁物だ。」
爆発を起こして、煙と爆風によって巻き起こる砂埃に包まれるがその中にはウルトロンの姿が健在であった。鎧も全て砕け散っていたが即座にナノマシンによって鎧が再生成されてその身を再び包み込む。
「完全に破壊しきらないといけないみたいだな…」
「というか、あのインフィニティストーンが厄介すぎる…多分あれのせいで体や鎧が欠損してもまたナノマシンが作られて再生されるんだ…」
ウルトロン自身の戦闘力も非常に高く、ヴィブラニウムと人工細胞を使った人工生体ボディや機械を操る力でアベンジャーズを倒すこともできた。そこに6つのインフィニティストーンが加わり、生成されたナノマシン製の鎧を纏うことで世界を滅ぼす力も持っていた。その力を打ち砕くのはマーベル達でも難しかった。
「何か打開策がいるかも…」
「だったら私に良い作戦があるわ。」
再び攻撃しようとしてくるウルトロンをパラソドーパー達が抑えている間に作戦を考えているマーベル。悩む彼にウルトロンの兵達と戦いながらナターシャが走ってやって来る。
「この矢にはヒドラのアーニム・ゾラの知能データが入っているわ。これでハッキングすれば奴を…」
ウルトロンに滅ぼされてしまったこの世界の住民であるナターシャは何とかウルトロンを倒そうと生き残りの一人であったホークアイと共にヒドラの古いコンピューターからヒドラの科学者であったゾラ博士の知能データをコピーして矢の中に保管していた。
「だが、ヒドラの科学者だろ?信用してもいいのか?」
所謂コンピューターウイルスの様な状態になっているゾラ博士は、ウルトロンの知能を破壊するのには十分であるが問題はそのウルトロンの身体をゾラが乗っ取った後だ。
「確かに、その体を悪用される恐れはある…」
マルチバースを超える力を持っている仮面ライダーマーベル・マルチバース・オブ・マッドネスには他の並行世界を見通す力がある。別の並行世界ではナターシャの考えるようにウルトロンにアーニム・ゾラの知能データを流して彼の身体を乗っ取ることに成功した。だが、その後彼はウルトロンの身体を悪用しようとした。
「けど、僕の魔法なら何とかなるかも…」
『マーベル!オールフィニッシュ!』
その矢を地面に突き立てた状態でケルベロスドライバーの両端にあるレバーを引っ張るとその矢を中心に魔法陣が出現する。魔力が矢に注入されると魔法でできた弓を手に持ち、手の上で生成した魔法陣をウルトロンに向けて投げる。ウルトロンの背で大きくなった魔法陣がウルトロンの身体をそのまま拘束する。
「な、何が起きているッ…!」
「パワーがあっても勝てない。魔法で押しまくっても勝てない。けどまだ、こういうテクニックもある…」
他のパラソドーパー達も魔法で鎖を作ってウルトロンの身を拘束し、ゾンビ・マーベルが後ろから飛びついてウルトロンの兜をこじ開ける。
「マジックアロー、ピンポイントショット!」
魔法を帯びた矢がマーベルの手に持たれた弓から放たれると直線を描いてウルトロンの顔面部に迫る。
魔法によってその矢は颯馬が飛んで行って欲しいと思う方に一直線に飛んでいき、開かれたウルトロンの右目にコードのコネクタ状になっている矢じりが挿入される。
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「ホッホー、こいつは良いぞ。人間だった頃よりはるかに快適だ。」
「誰だ?誰の声だ?」
黒い空間の中、オレンジ色の光の塊と緑色の光の塊が対峙していた。
オレンジ色の方はウルトロンの顔を模していて、緑色の方はヒドラの科学者アーニム・ゾラの顔をしている。
「素晴らしい気分転換になりそうだ。足というものを持つのは久しぶりだ。永遠にこの状態でいたいね。」
「この身体は使用中だ。」
ウルトロンの意識の中にある電子世界でゾラとウルトロンの意識が対峙していた。
「ああ、それは今だけの話だ。」
「何?お前は何者だ?何が目的だ!」
「その昔はヒドラによる世界征服を目的にしていたがお前が終わらせてしまった。」
嘗てゾラが征服しようとした世界はウルトロンによって滅亡してしまった。
「だから今、私の行動の目的はお前を終わらせることだ。」
「何だッ…!?これはッ…!」
ゾラの思念体から伸びる緑色の触手がウルトロンの中に入っていきその色を緑色に染めていく。
世界を喰らったはずのウルトロンの意思が世界を侵食しようとしたゾラによって喰われてしまった。
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「倒した…?」
右目に矢が刺さったウルトロンの身体から緑色の稲妻を放って地面に倒れ伏す。それだけでなく宙を飛び回っていたウルトロンの兵達が糸が切れたかのように地面に落ちていく。
それを見てウォッチャーやヒーロー達、フォースナイツの2人のライダーが戦いの手を止めてその様子を静かに見上げる。
「やった!勝ったぞ!」
最初に喜びの声を上げたのはソーだった。ウルトロンの討伐を確信すると手に持ったハンマーを空に掲げて大声を出した。
「いいや、喜ぶのはまだ早い。」
ソーに続いて他の者達も歓喜の声を上げようとしたが、それをストレンジが制止する。
「颯馬?もう倒したんじゃないの?」
「そうですよ、敵の兵隊ももう機能停止していますよ。」
ストレンジの言葉に疑問を覚えたブレイクとフューチャーがマーベルの下にやってきて疑問を投げかける。
「今はまだコンピューターウイルスを流しただけだからね。問題はそのコンピューターウイルスがどう動くか…」
「ホッホー!これは中々素晴らしい身体だ。」
マーベルがウルトロンの身体に目を向けたその瞬刹那、再びその体が立ち上がり地面から浮き上がる。
その目は先程までのウルトロンと違い緑色に光っている。
「この身体さえあれば再びヒドラの野望を達成できる。まずは君達の世界からいただこうかな。」
ウルトロンの身体を乗っ取ったゾラ博士は絶頂を迎えていた。最強の人口生体ボディに6つのインフィニティストーンの力、この世界を超えてマルチバースのヒーロー達の世界に攻め入って好きなように征服するなど容易いことだろう。
「そう来ると思ってたよ。だから1つ良いことを教えてあげる。」
ここまでの戦闘で消耗したヒーロー達はゾラの言葉に対し肩で息をしながらファイティングポーズを構えるが、少し余裕そうな様子でマーベルがゾラの前に立つ。
「良いこと?君ごときが私に何か教えれるとでも?」
「うん、教えてあげるよ。僕の魔法はまだ終わってないってね。」
マーベルがケルベロスドライバーのライトレバーとレフトレバーを同時に引くとそれをトリガーにして、ウルトロンの身体の背中から魔法陣が展開してその体を拘束する。
「な、何をしたッ…!」
「アンタがそうすることは最初から分かっていたからね。少し魔法でプログラムを弄らせてもらったよ。」
「そんなことまでできちゃうんですかッ…!?」
マルチバースを観測し、多種多様な魔法を使う仮面ライダーマーベル・マルチバース・オブ・マッドネスの力にブレイクは驚きを隠せない。
特に必殺技であるカオスマジックではどんな複雑な魔法を使うこともでき、矢の中にあったゾラ博士の知能データにとある指示を刷り込むことも容易である。
「よ、よせ!何をするつもりだ!」
「簡単だよ。アンタがすべき仕事はただ一つ、その体にあるインフィニティストーンを全部破壊してもらうだけだよ。」
そう言うと鎧胸部にある5つのインフィニティストーンと額にあるマインドストーンの前に小さな魔法陣が生成され、そのエネルギーが彼の体内に流れ始める。虹色のエネルギーが血管の様に鎧中に張り巡らされ、マーベルの右手に魔力で作られた籠手が付けられて親指と人差し指を交らわせる。
「さて、ゾラ博士。覚悟はできたかな?」
「ヤ、ヤメテくれ!そんなことをすれば私は!私の野望は!」
「関係ない。僕達が守るべきなのは…世界の秩序だ!」
ゾラの中にあるヒドラの野望など、颯馬達には関係ない。
マルチバースにおいて脅威と成り得るウルトロンの力をここで破壊してしまうことを優先し、颯馬は自らの右手の指を弾いて音を鳴らす。
その動きに連動するようにウルトロンの手も動き、指を鳴らす。
マーベルによってかけられた魔法によりゾラは新たに得たウルトロンの肉体を使ってインフィニティストーンを破壊するように指示されていた。彼は自分の意思に反してその指示通りにストーンを破壊させられてしまうこととなった。
「そんな…」
一瞬辺りが白い光に包まれ、その次に彼らの目に映ったのはインフィニティストーンがあった箇所が黒く焦げてしまったウルトロンの身体と鎧だった。意思があったところからは煙が立っていて彼の付けていたナノマシン製の鎧は砂の塊が崩れ落ちていくように粒子となって消えていく。
露となった素体のボディもマーベルらとの戦いで負ったダメージと、インフィニティストーンを破壊する際の負担が原因で黒く変色し、使い物にならなくなっていた。
「これで無事、ウルトロンの討伐は為せたな。」
恐らくただの金属の塊となってしまったウルトロンの身体を囲むようにライダー達と援軍として現れたヒーロー達が集まり、ウォッチャーが颯馬の健闘を称える。
「ええ、けどごめんなさい。ナターシャさん。この世界を元通りにすることができそうになくて…」
だがしかし、颯馬は満足していなかった。その理由はインフィニティストーンを破壊することでしかウルトラマン及びゾラを倒すことができなかったことだ。もし石があればウルトロンに滅ぼされる前の世界に戻すことができたかもしれない。
「気にしないで。他の世界にまでこの悪意が伸びていくよりはマシよ。」
ナターシャにとってもそれは悔しい事実だ。だがそうすることによるリスクもかなり大きいのは彼女もよく分かっていた。仲間の仇であるウルトロンを討伐できただけでも安心感を覚え仲間の一人であるホークアイの形見の弓を見つめている。
「君達のおかげで多元宇宙全体が救われた。あのドアの向こうが君達の世界だ。」
戦いが終わったことでウォッチャーは援軍として来てもらった者達を速やかに元いた場所に返すためにその場に扉を生成した。その扉を潜れば彼らのいる世界に戻ることができる。
「良い戦いっぷりだったぜ。また会おうな!」
「ああ、今後の健闘を祈っているよ。」
その扉の向こうにソー、ドクター・ストレンジそしてウォッチャーが連れて来たキャプテン・アメリカ=ペギー・カーターとスターロード=ティ・チャラ、ガモーラが扉を通って各々の世界に戻っていく。
「じゃあ僕達も帰ろうか、颯馬」
「そうだね。帰ってオーウェンさんに報告しないと。」
「それじゃあ、お疲れ様でしたー!」
彼らに続いて颯馬達フォースナイツの3人のライダー達も扉の中に入り、各々の帰路に戻っていく。
そしてこの場に残ったのはナターシャとウォッチャーの2人だけだった。
「君はこの扉を潜らないのか?」
「私の世界はここよ。もう誰もいないけどね。あなたもこういうことには干渉しない人間じゃないの?」
「確かにな、君達の世界が滅ぶのを私は見ているだけであったし、この世界を元に戻すこともできない。」
彼はこの事件まで各並行世界に関して一切干渉しないという誓いを立てていた。
今回ウルトロンが全ての並行世界を滅ぼそうとするというイレギュラーが起きて初めて彼は誓いを破ったのだった。だがそこに至るまでに彼が見殺しにしてきた者の数は星の数より多いだろう。その一例がナターシャたちの世界である。
「だが、私はまだ導くことができる。扉の向こうに行け。そこにはウィドウを必要としている世界がある。」
そのウォッチャーの言葉に頷けば、自身が生まれ育った世界から足を離し扉の向こうに旅立つのだった。
彼女が向かった世界ではとある謀略でアベンジャーズのメンバーの多くが命を落としてしまった世界だった。その世界のナターシャ・ロマノフも既に亡き者であった。その世界の戦いに彼女は失われたブラック・ウィドウの代わりを埋めるように身を投じていくのだった。
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「オーウェンさんに言われて来てみたんだけど本当にいるのかな?」
ウルトロンとの戦いを終えてから数日後、ウォッチャーさんが僕達のところへお礼を言いに来た。
その際にお礼としてあるアドバイスを貰っていた。
「君達の組織は若すぎる。年上の人間が数名必要だろう。道中面白い人間を見つけたので紹介してやろう…」
確かにフォースナイツとしては創設して間もないし組織を動かしているのは現在29歳のオーウェンさんだ。組織を大きくするのは若い人だけじゃ難しいから経験のある人物を入れてより鍛えてもらえとのアドバイスをいただきその人がいるという場所に僕は呼び出されていた。
「来たか、北条颯馬。」
「ええ、本当にここにいるんですか?」
「ああ、彼は元々は不良であったが強さと勝利を求めて鍛え上げ最強の剣士となった男だ。経験値も君達より遥かに多いだろう。」
「鍛えてもらえるのが楽しみです。」
これまでの僕は訓練よりも現場での戦いが多かったし、インフィニティ・ソードも埋まっているジェムの力を使えているだけで剣としてはあまり使いこなせていない。しっかりと剣術を身に着けてさらに強くなっていきたい。そのためにも剣術の先生に会うためにウォッチャーさんと一緒にとある並行世界の森の中を歩いていた。
「来たか…」
落ち葉が上から押しつぶされて割れる乾いた音が聞こえてきて、その方を見ると黒い着物を着た背の高い音っこの人の姿が見える。顔には黒い竜のタトゥーが入っていて、顔だけでも右目の周りと左の頬に描かれている。
「紹介しよう。こちらが件の剣豪、黒倉啓士だ。」
「ウォッチャーさん。私戦いたい相手がいる。」
黒倉さんが僕達の方に歩み寄って来ると、刀の柄に手を置き僕達の方を見る。
「やろうか、颯馬」
「そんないきなり…」
黒倉さんが腰の刀を抜き構え、僕の方を見据える。
『ケルベロスドライバー!』
『マーベルIDカード!マーヴェリック!』
出会っていきなり勝負を仕掛けてこられたが僕もすぐに腰にケルベロスドライバーを巻いて、マーベルIDカードをセットする。
「変身!」
『ザ・マーベラスヒーロー!ニューボーン!』
出会ってすぐの勝負を受ける決断をするのに時間はかからなかった。
僕はこれからもっと強くなる。そして世界の希望となって皆の笑顔を守り続けるッ…!
「お手合わせ…お願いします!」
僕達の戦いはまだ始まったばかり…
これからも世界を守り続ける。
To be continued…
フォーム解説
シニスタースパイダー
3種類のスパイダーマンのディスクを使って変身する形態
3人のスパイダーマン及び彼らと戦ったヴィラン(グリーンゴブリン、ドクターオクトパス、サンドマン、リザード、エレクトロ)の能力を使える。
ユニバーサルソルジャー
キャプテン・アメリカ、ブラックパンサー、シャン・チーら各国を代表するヒーロー達の力を使って変身する。
シャン・チーの使うテン・リングスの代わりに10枚のシールドを巧みに操る。
マイト・イズ・ジャスティス
エターナルズ、ハルク、アントマンのディスクで変身する。
力こそ正義という名に相応しいパワーを兼ね備えており、近接での攻撃力は他のフォームよりも強い。
ライジングギャラクシー
宇宙のヒーロー達の力を秘めている形態
身体から宇宙由来の強力なエネルギーや雷を生み出して解き放つ。
マルチバース・オブ・マッドネス
魔法使いであるドクター・ストレンジとスカーレット・ウィッチに加えてマルチバースを超えるアメリカ・チャベスのディスクで変身する。
強力な魔法に加えてマルチバースの並行同位体であるパラソドーパーと共闘できる。