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とある事情によりこちらのハーノベにも掲載させていただきます。
クロエボの本編も読んでいただけると嬉しいです。
劇場版 クローズ&エボルのヒーローアカデミア ピースサイン1
これまでのあらすじ
事の始まりは、中国の軽慶市。発光する赤子が生まれたというニュースだった。そして以降、世界各地で『超常』が発生。原因も殆ど解らないまま、時間が過ぎていった。やがて、超常は日常に、空想は現実になった。
世界の総人口の8割が何らかの特異体質、『個性』をもった超人社会。個性を振りかざし、人々を襲う敵と、それを倒すヒーロー。そんなアメコミじみた事が、現実で起こる世界となった。
その中で、何の『個性』も無い少年少女は、当然のごとくイジメの対象になっていた。そしてまたその差別に抗う男がいた。
その名も下間牙竜(しもつま がりゅう)。無個性でありながら個性を持つ者共に抗い続けた結果転生者でブラッド族のエボルトと出会い力を得る。彼ら仮面ライダークローズとエボルのコンビは日本最高峰のヒーロー科を持つ雄英高校に入学。仲間達と切磋琢磨していく。
恋人の八百万百に支えられながらも彼らはヒーローの階段を駆け上がっていた。
戦いの中でクラスメイトの緑谷出久がビルドに、爆豪がグリスに、轟がローグに変身できるようになった。幼馴染で仮面ライダーブレイブの甲斐銃士と新・檀黎斗・神、プロヒーローの仮面ライダーアクセルこと甘粕政信ら頼もしい仲間達にも恵まれた。
しかし、彼らの世界に現れた人工知能アークがヴィランの頂点に立つオールフォーワンと組みショッカーを結成。作り上げた怪人達と共に世界の征服を企んだが牙竜と仲間達、そしてディケイドが集めた多くのライダー達がショッカーの野望を打ち砕いた。
そしてヒーローとしての道を歩む牙竜達は新たな試練に挑む…
(3人称視点)
とある日の真夜中
月明かりに照らされる中、山道を数台の車が走っている。
「奴の目撃情報があったのはこの地域か…」
「ええ、間違いありません。」
その車には現在No.2ヒーローであるエンデヴァーとそのサイドキック達が乗っており、とある人物を探している。
その人物とは、"菅野三継"
オールフォーワンの手下の生き残りである。
「エンデヴァーさん!あれッ…!!」
進む車のヘッドライトが人影と照らすと、運転手が急ブレーキを踏んで車を止める。
そして車のドアを勢い良く開けてエンデヴァーらが飛び出す。
「貴様はッ…!?」
車の前に立つ男を車のヘッドライトが照らす。
その光に照らされた男の姿は異質なものだった…
「仮面ライダー…?」
エンデヴァーのサイドキックであるバーニンがポツリと呟く。
赤の下地のスーツの上に銀色の装甲を装備し、蜂に似たその姿を象徴するような、琥珀色の複眼がエンデヴァーらを睨む。
オールフォーワンらとの戦いに駆け付けた仮面ライダー達を思い起こさせるその戦士はエンデヴァーらの方を向く。
「撃ってきたぞ!気を付けろ!」
その瞬間そのライダーは指先から鋼鉄の爪を彼らに向けて放ち、それに気付いたエンデヴァーが咄嗟に炎で防ぐ。
「撃ってきたってことは…」
「ヴィランだ!」
突然の交戦状態にエンデヴァーらはすぐに対処、バーニンと共にそのライダーに向けて炎を放つ。
「アイツ…ダメージを受けていない!?」
だがその攻撃が敵に届いている様子はない。
「車を守れ!」
寧ろ敵が手を翳したかと思えば彼らが放った炎が反射されたかのように放たれ、エンデヴァーが自分達の前で火柱を上げることで何とか防ぐ。
車に着火して爆発というシナリオを冷静に対処するあたり、流石No.2ヒーローと言ったところだが謎のライダーの攻撃は止まらない。
「今度は龍か…!」
ライダーの背中から二匹の青い龍が生えてきて、エンデヴァーらに嚙みつこうと襲い掛かって来る。
「一体何個能力が…」
龍に対して炎を放って対処するが、その多彩な能力に困惑を隠し切れない。
「エンデヴァーさん!」
だがそんな彼らにとっていい知らせだ。
援軍であるインゲニウムが変身した仮面ライダーグレイブが駆け付け、自身の得物グレイブラウザーで切りかかる。
「なッ…!刃が…」
だが、その刃はライダーの前で止まる。
まるで見えない壁に阻まれたかのように目の前で刃が止まる。
「インゲニウム!伏せろ!」
「はい!」
咄嗟にエンデヴァーが叫ぶと先程炎を反射した時と同じように空気の刃がグレイブに向けて飛ぶ。
グレイブは彼の指示で身を伏せていたので刃を回避することができ、足元に向けて1太刀浴びせようと剣を振るうがその斬撃が再び跳ね返される。
「迂闊に攻撃はできないみたいですね…」
インゲニウムは体勢を立て直そうと肘から伸びるエンジンで敵のライダーの付近から離脱する。
「その通り…このライダーにはある秘密組織の指導者から奪った"反射"の個性が搭載されているからねぇ…」
そんな彼らの耳に響くように拍手しながら紫髪の初老の男がライダーの後ろに現れる。
「菅野三継!!」
その男こそまさにエンデヴァーが探していた菅野三継であった。
「ああ、残念ながら我らショッカーの最終兵器、仮面ライダーV9が解放された!後はあの装置さえ手に入れれば…貴様らヒーローは終わる!」
「そう簡単に行くか!」
菅野らに向けてエンデヴァーが足から放つ炎で加速しながら菅野に迫るがV9の反射がエンデヴァーを阻んで跳ね返す。
「私はナイン、今のうちにその名前を憶えておけ。次に会う時はお前を殺す時だ…」
その言葉を告げると共に、V9の中にある個性の一つ、金属操作によってエンデヴァーらの上に金属のガラクタが降りかかる。
「クソッ……!」
その瓦礫を回避している間にV9と菅野が姿を消していた。
「すぐに他のヒーローに連絡しろ!ショッカーが再び動き出したと…」
「了解!」
逃げられてしまったが、まずはこのことを報告してエンデヴァーらはこの事態をどう収めるかについて考える。
(エボルト視点)
さて、季節は冬だって云うのに今俺達がいる島は夏の様に暑い。
牙竜達雄英高校1年A組の生徒達は現在那歩島という本州から少し離れた島を訪れている。
その理由はまあ数日前に遡る。
「おはよう。今日はいきなりだがお前たちにミッションを与える。」
そう言って相澤は教室に入って1分も経っていないのに、黒板に島の地図を広げる。
「ここは、那歩島。本州から遠く離れた離島なんだが先日駐屯していたヒーローが高齢の為引退した…」
ある日のHRで相澤は黒板の地図を示しながらA組の生徒達に新たなミッションについての話を始めた。
「お前達はここで、ヒーロー活動を行う!」
「「「ヒーローっぽいのキタァァァ!!」」」
"ヒーロー活動推奨プロジェクト"
ショッカーの侵攻を始め慌ただしい出来事が重なり、ヒーロー協会もより教育に力を入れているそうだ。
今回はA組生徒達で次のヒーローが来るまで那歩島を守るとのことだ。
本格的なヒーロー事業の体験、事務所の事務を始めとした仕事、地域の人々との交流を学ぶプロジェクトだそうだ。
「荒木さんから通報ですわ!ペットのタマが迷子になってしまったので探して欲しいとのことですわ!」
「僕が行くよ!」
「よろしくお願いしますわ!口田さん!」
何人かが事務所代わりのいおぎ壮で電話を受け、他のクラスメイト達が現場に向かう。
とは言ってもこの島でヴィランが出るなんてことはなく、トラブルの大半は迷子やら機械の故障だ。
後はまあ…ビーチが近いから溺れてる人の救助やナンパの対処ぐらいか…
「うっす、ただいま~」
「おかえりなさいませ!牙竜さん!」
となると仮面ライダーである俺の出番はあまりない。
牙竜も精々周りをパトロールしながら地域の人達に困ってることがないか聞いて回ってるそうだ。
「あっち~、なんでこの島こんな暑いんだ?」
『暑いんだったらそのスカジャンは脱いどけ。』
「気に入ってんだけどな~」
因みに牙竜は自分のコスチュームに万丈龍我から貰ったスカジャンを正式採用したんだが、こんな暑い場所での活動時ぐらいは脱いどけばいいのにな…
「あら、牙竜さん!ここほつれてしまってますわ…」
「ホントだ!さっき山田さんとこで作業してた時に切れちまったのか…?」
「私がしっかり直しておきますわ!」
「ありがとよ。百」
八百万はスッカリ牙竜のいい奥さんみたいになっちまってる。
けどこんなとこでイチャイチャすんのはやめろ。コーヒーが甘くなる。
「はいはい、イチャイチャしてる暇あったら仕事仕事」
お、耳郎が良い感じに止めてくれたな。
「だな、俺はちょっくら山の方見てくるぜ。熱中症で誰か倒れてたら大変だし、クーラーボックスと麦茶持ってくぜ~」
「はい、行ってらっしゃい!」
スカジャンを預けてクーラーボックスを担いだ牙竜はまた外へ行く。
『一生懸命働いてるな。関心関心』
「アンタもちょっとは働きなさい。」
『は、はい……』
さて、耳郎にちょっと怒られたし俺も海の方の様子でも見に行くかな。
(牙竜視点)
「よう出久、そいつ等は誰だ?」
再びパトロールってことで困ってる人が居ねえか探してたら島の山上にある公園で出久と2人のガキに遭遇した。
「この子達は…」
「ねえ、コイツもヒーローなの?」
なんだこのガキ?いきなり生意気だな。
「ああ、俺は仮面ライダークローズ!将来No.1ヒーローになる男だぜ。」
「ふーん、じゃあアンタもただの無謀な奴なのね?」
「ちょっと、お姉ちゃん……」
このガキ達は姉弟らしいけど姉の方はなんつーかヒーローの事嫌いなのか?
「ま、無謀つったら無謀だな。」
「牙竜君?」
まあ確かにコイツの言ってることは間違ってねえかもな。
「俺は戦いで死にかけたこともあるし誰かを心配させたこともあった。」
オールフォーワンとの戦いの後、色んな奴らから俺のとこに連絡が来た。中学の担任の躑躅森先生から連絡来た時はびっくりしたぜ。戻ってきた時に百が心配して俺に泣きついてくれたことも俺はよく覚えてる。
「けどな、誰かを救ってる時は嬉しいし、仲間が誰かを救えるぐらい強くなってるともっと嬉しいんだぜ。」
ヒーロー科に入ってから俺は色んな仲間と巡り会ってきた。そんな仲間達の活躍を見れるのも俺は嬉しい。
特に出久は自分の個性をコントロールできるようになって、仮面ライダーにも変身した。
一緒に成長していくのを見ていて楽しかったぜ。
「ヒーローの活躍ねぇ…?」
「おう!身近にカッコイイヒーローが居れば分かるんじゃねえか?」
つってもこの島はこれまで高齢のヒーローが一人居ただけだ。
こいつ等の親族にヒーローがいないんだったら関われてたのはそのおっさん1人だけだし、関わりが少なくてあんま良く思ってねーのは仕方ないか。危ない仕事だしヘイトを向けられるのも無理はねえ。
「けどこれだけは言っとくぞ。ここにいる出久は俺の知ってる中でも特にカッコいいヒーローだ!応援してやってくれ!」
「ええ!?ぼ、僕!!」
取り敢えずさっきまでの様子的に出久はこのガキらに何やら言われてたみたいだしこの場では出久のフォローにだけ徹しておくとしよう。
「ふーん、そんなに凄いの?コイツ」
「ああ、俺が保障するぜ。」
どこまでヒーロー嫌いなんだ?コイツは
「おお、活真くんと真幌ちゃんじゃないか。」
「「界造おじさん!」」
「お、堀内のおっさんじゃねえか。」
とか思ってたら公園にこの島で暮らす堀内のおっさんが来た。
堀内界造、確かこの島出身の科学者で東京の大学で研究してたらしいが今はここで隠居中らしい。
「今日はどうしたのかな…?」
「実は、この子が迷子になってしまって…」
と出久が弟の方を見る。どうやら弟が迷子になって出久が探してたんだろうな。
それで見つかったは良いけど姉の方に色々と言われてたってことか?
「成る程ね、今日は私が二人を家に送ろう。2人もまだ、することはあるだろう。」
「ありがとうございます。」
「恩に着るぜ。また今度荷物運び手伝うぜ。」
「助かるよ。こういう時はお互い様だね。」
堀内のおっさんは今も機械いじりをしているみたいでこの島で俺もたまに材料運びを手伝っている。
活真くんと真幌ちゃんって言われてた姉弟の手を堀内のおっさんがひいて家に送ることになった。
「じゃ、俺らも戻るか。」
「うん、そうだね。」
つーことで、俺らが事務所に戻る頃には時刻も夕方で腹も空いてくる時間だ。
「皆お疲れ様!おにぎり握ったから食べておくれ!」
「取れたての、魚やでー!」
「「ありがとうございます!」」
たまに島の人達が俺らにって料理を作って来てくれる。
ここの野菜と魚は絶品だから食えるのが嬉しいぜ。
「「「いっただっきまーす!!」」」
この島で獲れた魚は特に美味くて魚なんかは絶品だ。
刺身は醤油も浸み込んでいい味だ。
どんどん箸が進んじまう。
「おい下間!刺身喰い過ぎだって!」
「わりいわりい」
刺身ばっか食ってたら流石に切島に怒られた。
まあ皆の分も食っちまうのは良くないからな。
「そうだぞ野菜も食え!」
「キュウリも美味いぜ!」
「ありがとよ」
瀬呂と上鳴に進められてキュウリスティックを食うことにした。
「うん!うめえな!」
「だろだろ!」
そういや切島、上鳴、瀬呂の3人は仮免試験の時期にエボルトからボトルをもらってハードスマッシュってのに変身できるようになったんだったな。この前もB組との合同訓練で活躍してたな…
(3人称視点)
その翌日の朝10時ごろ、一隻の船が島に近付いていた。
「ナイン、やるべきことは分かっているな?」
その船に乗っているのは菅野と仮面ライダーV9の変身者であるナインと呼ばれる男だ。
「ああ、平行世界ゲートの奪還、及び裏切り者の確保だ。」
「よく分かってるじゃないか。あの男はショッカーを裏切って逃げただけでなくこの島に平行世界ゲートの試作機を隠し持っている…しっかり奪還せねば……」
菅野もまたオールフォーワンに忠実な人間であった。その忠誠心はショッカーに対しても抱いており、裏切り者と言われる男を許すつもりは無い。そしてその裏切り者と呼ばれる男が持ってる平行世界ゲートが菅野にとっては重要なものである。
「さて、明日には島に着く。準備をしておけ…」
「ああ、任せておけ…」
そう言うとナインの腰に風車が付いたベルトが出現する。
「変身…」
風車が回転し、赤黒い稲妻がナインの身体中を走ると金属装甲が生成されてナインの姿が仮面ライダーV9のものに変化する。
「来い!仮面ライダー!」
V9が手を翳すと赤黒いオーラが出てきて、そこから3つの人影が作り出される。
『エターナルワンダー!』
『パーフェクトライズ!When the five weapons cross, the JET BLACK soldier ZAIA is born.』
『タ・ト・バ、タトバ、タ・ト・バ!』
その影はそれぞれ仮面ライダーファルシオン・アメイジングセイレーン、仮面ライダーザイア、古代王仮面ライダーオーズに姿を変える。
「いくぞ。」
V9と召喚されたライダー達は船から飛び立って島に向けて進み出す。
「百、何か手伝うことはないか?」
「いえ、今は大丈夫ですわ。」
一方A組メンバーの宿兼事務所には八百万と牙竜を含め数名の生徒が通報がないか待機しつつ少し休憩している。
因みにエボルトや爆豪らは既にパトロールで出払っている。
「お…?電話か…」
八百万が島に持ち込んだ紅茶を飲んで牙竜は少し休憩していたが、電話があったのに気付くと一番近くにいた自分が対応することにして電話に出る。
「もしもし…こちr……」
「大変!ヴィランが出た!」
通報は彼が昨日出会った少女、島乃真幌からのものだった。
「ヴィラン!?どこに出やがった!」
「いろんな所にいるわ!あちこちで……」
急ぎの通報であったが、突如電波が途切れてしまい電話の音声が聞こえなくなる。
「牙竜さん…ヴィランが出たっていうのは…」
「多分本当だ。電話も途中で切れやがった俺は外を見てくるから百は皆に指示を!」
通報の真偽はともかく、この通報が悪戯電話出なかった場合既に幾つかの場所で被害が出ているのは確かだ。電話が途切れたのもヴィランに襲われたか通信施設が潰された可能性がある。
そう判断した牙竜はクローズマグマに変身して空に飛び出す。
(こりゃひでえ…もう出てんのか……)
既に数ヶ所から空には煙が上がっており、その様子に通報が事実であることが分かると牙竜はエボルトにテレパシーを送る。
(エボルト、敵が来やがった…!)
((ああ、俺も既に交戦中だ。))
(おう、そっちは援軍要りそうか?)
((俺は大丈夫だ。他の所を見てくれ。))
(了解!)
既にエボルも敵と交戦中だった……
『さてと、さっさとお前らを倒して他を見に行かねえとな…』
エボル・コブラフォームの前にが、ウヴァ、カザリ、ガメル、メズールら4体のグリードの完全体が立っている。
『こりゃ少し骨が折れそうだ…』
4人のグリードとエボルの戦いが始まった頃…海辺では
『Presented best!』
「なっ!」
ビーチに現れた仮面ライダーザイアと尾白が交戦していたが、ザイアが尾白に触れると彼の個性をコピーしたかのように自身の背から尾を生やして振り抜く。
「コイツッ…!物間みたいだ……」
殴り飛ばされた尾白は何とか距離を置きつつ体勢を立て直す。
「アイツ…俺達の力をコピーしてるぞ!」
「ああ、触れられたら厄介だね。」
砂藤と尾白がザイアを食い止めてはいるが、他人の能力を一時的に吸収し攻撃に転用する彼の力に苦戦を強いられている。
「とにかく触れられない様にしないと…」
「けど俺ら近接タイプだぜ!どうすりゃ…」
「だったら凍らせればいい…」
触れられてしまうと能力をコピーされる。
それ故に攻めあぐねていた尾白と砂藤の間に氷の道が形成され、その道の上に立ったザイアの下半身が一気に氷に覆われる。
「「轟!!」」
彼らが後ろを振り向くと既に仮面ライダーローグに変身した轟の姿があった。
「ここは俺に任せろ。お前らは他の人の避難を…」
「すまねえ!ここは頼んだぜ!」
砂藤と尾白を救助に向かわせると轟はザイアの方に向けて左手を翳す。
「お前の目的は何だ?」
炎を出すそぶりを見せてザイアに降伏を促すが…
「…ッ!」
自身の身体のパワーだけで氷を砕いたザイアが宙を舞い、ローグに襲い掛かる。
「中々に厄介だな…」
ザイアに向けて今度は左手から炎を放つが咄嗟に地面に伏せるように体を落として掻い潜る。
「何か喋ったらどうなんだ…?」
ただただ無言で向かってくるザイアに氷と炎を放ちながら対処するローグ
2人のライダーの攻防の最中、爆豪らも敵と遭遇していた。
「アイツ…前に戦った奴か…?」
「ちょっと違うみてえだぞ!」
爆豪、切島、上鳴、瀬呂ら4人の前には以前神野に現れたファルシオンの姿があった。
しかし、あの時のファルシオンは橙色の姿をしているエターナルフェニックスの形態であったが、今いるのは白と黒を基調としたアメイジングセイレーン。
得物こそ同じだが使っているライドブックが違う。
『ロボットゼリー!』
『キャッスル!』
『スタッグ!』
『オウル!』
「「「「変身!!」」」」
『潰れる!流れる!溢れ出る!ロボットイングリス!ブラァ!』
爆豪が仮面ライダーグリスに切島、上鳴、瀬呂はそれぞれキャッスルハードスマッシュ、オウルハードスマッシュ、スタッグハードスマッシュに変身し、ファルシオンに向けて各々の個性で攻撃を浴びせる。
「俺の稲妻が打ち消された!」
上鳴による放電や爆豪の爆発など多彩な攻撃達は無銘剣虚無によって次々と撃ち消されていく。
「だったら!直接殴るだけだ!」
『シングル!』
グリスは手の爆破の推力で勢いをつけ、ファルシオンに向けて突撃する。
右手のツインブレイカーをシングルモードにし、突き出ているパイルバンカーでファルシオンに向けて振るう。
「おう!これならいけるぜ!」
その一撃こそ無銘剣虚無の刃に防がれるが、背後からキャッスルハードスマッシュがファルシオンの背を殴る。
「このままいくぜ!」
ファルシオンに対抗するグリスと3体のハードスマッシュの戦いはグリスらが優勢に進めている。
各地で戦闘が始まった中、牙竜は空から通報の主である島乃姉弟を見つけて畑の中に降り立つ。
「大丈夫か!?」
「ああ、何とか2人をここまで逃がしたが安全かどうか…」
2人は既に堀内と共に行動をしていて、現在3人で避難できる場所を探しているようだ。
「OK、そういうことなら俺らの事務所に行こう。そこで指示を仰げば大丈夫だ!」
「助かるよ。」
「ありがとうお兄ちゃん。」
「仕方ないわね。」
一先ず彼らや地域住民を百達のいる事務所付近に避難させることにし、早速彼らを連れて行こうとした時だった。
「見つけたぞ!堀内!」
5筋の弾丸が彼らに向けて放たれた。咄嗟にそれに気付いたクローズマグマがビートクローザーでそれらを切り裂き防ぐ。
「ようやく見つけたぞ、堀内ィ!」
「か、菅野!」
声の主である菅野の後ろには仮面ライダーV9が立っており、彼らに襲い掛かろうと体制を低くした。
それを察知した牙竜が咄嗟にビートクローザーを構えると両社向かい合い、お互いに向けて一気に駆ける。
「やれ!仮面ライダーV9!」
「V9!?まさか奴を起動させたのか!?」
「コイツ…V9っつーのか…」
ビートクローザーで切りかかるクローズマグマ。しかしその刃はV9の顔の前で止まる。
「なんだ?バリアかッ…!ってマジか!!」
初めはバリアを張る能力を使っているのかと推察した次の瞬間、反射された空気の刃がクローズマグマに襲い掛かり、咄嗟にビートクローザーで防ぐ。
「攻撃を跳ね返しやがった…!」
「それだけではないぞ…」
V9が空に手を翳す。すると島に降り注ぐ陽の光をドス黒い色の雲が遮り、ポツリポツリと水滴が地面に落ちる。
「何が…起きてるの……?」
そう活真が呟いたその時だった。
「危ない!」
一筋の稲光が堀内と島乃姉弟に向けて落ちてきた。
咄嗟に牙竜が作り出したヴァリアブルマグマの壁が何とか稲妻を防ぐが…
「おいおい、今度は何だ…?」
クローズの身体が宙に浮き始める。
「なっ…!竜巻か!!」
その現象に気付いたときには既に強風が彼の周囲に吹き荒れ、何時の間にか小規模な竜巻を形成する。巻き込まれたクローズの身体が宙を舞う。
「マジか!」
マグマを噴射しその推力で脱出しようとしてもうまく方向転換ができない。
そんな状態のクローズの身に次々と稲妻が落ちていく。
「ヤメロ!クソッ…!」
空中でバランスを失い稲妻のダメージを受け続けるクローズ
「さて、堀内…ここでお前を……」
「おじさんに手を出すな!」
「活真くん!」
「活真!」
菅野が銃を取り出してそれを堀内に向ける。その間に立つ活真に向けて菅野が銃口を引こうとしたその時だった。
「デトロイト…スマーッシュ!!」
仮面ライダービルド・ラビットタンクフォームに変身した出久がこの場に駆け付け、自身の個性で強化された拳で菅野を殴り飛ばした。
「いいタイミングだぜ!出久!」
援軍が駆け付け、菅野が殴り飛ばされ地面を転がり気絶したことに動揺したV9の隙を突きクローズがマグマのブースターで加速。竜巻から抜け出してビルドの横に立つ。
「気を付けろよ出久…コイツ攻撃跳ね返してくるし天気も操ってくるぜ。」
「迂闊に攻撃は出来なさそうだけど…」
と分析する間も与えず今度はV9が爪を射出し、弾丸のように進む鋼鉄の爪が2人を襲う。
「何個能力あんだよ!?」
足元に放たれた爪を飛んで避ける二人。
「マジか!?」
だが彼らが避けた所を今度はV9の背から現れた2匹の竜が噛んで地面に叩き付ける。
牙竜達が苦戦を強いられてしまっている一方、グリスらはファルシオンを追い詰めていた。
「剣貰い!」
スタッグハードスマッシュに変身した瀬呂は個性のセロハンテープを肘から射出。
そのテープを上手く無銘剣虚無に巻き付けると…
「食らえ!」
「オラ!」
空からオウルハードスマッシュ、真正面からキャッスルハードスマッシュがそれぞれファルシオンに殴り掛かる。
「よっしゃ奪った!」
殴られてバランスを崩したファルシオンはうっかり剣を手放してしまい隙が出来る。
「決めろ爆豪!」
「いっちょかましてやれ!」
「任せろ…」
その隙を爆豪は見逃さない。
スクラッシュドライバーのレンチを下すと…
『スクラップフィニッシュ!』
肩や背中からヴァリアブルゼリーを勢いよく噴出して加速、そのままファルシオンにボレーキックを放つ。足が当たると同時に爆破も放って一気に吹き飛ばす。
「一丁上がりだ…」
ダメージに耐え切れずファルシオン・アメイジングセイレーンは爆発四散
「テメエら、他のとこも見に行くぞ…」
「「「おう!」」」
ファルシオンを撃破しても彼らはまだ止まらない、他の敵の対処に向けて移動を開始する。
「ぐっ……!」
しかし、牙竜と出久はV9との戦いの末、ダメージが限界を迎えて変身が解除されて生身で地面を転がる。
「クソッ…!強すぎんだろ……」
天候操作、反射、爪銃、使い魔と彼らの前だけでも4種類の個性を巧みに操ったV9の前にクローズマグマとビルドは歯が立たなかった。
「よくやった…!ナイン!このまま堀内をやれ!」
さらに菅野も目を覚まして堀内らに銃を向ける。
「させねえ…ぞ……!」
だが彼らの前に再び牙竜が立つ。
「行かせない!」
たとえ生身でも牙竜も出久もヒーローだ。
その意地だけで敵の前に立ち、彼らの歩みを阻む。
「だったらお前達から消すだけだ。」
V9が手を翳したその瞬間…
『おいおい、グリードの次は見たこともないライダーかよ……』
「「エボルト!」」
空からネビュラスチームガンを撃ちながら現れ、出久と牙竜を守るように彼らの前に仮面ライダーエボル・コブラフォームが立つ。
『お前らはそこの3人を逃がすんだ。ここは俺がやろう…』
数発の弾丸を放つがそれはV9に跳ね返されてしまう。
『反射の能力か…』
反射された弾丸が後ろにいる牙竜達に当たらない様にスチームブレードで次々と切っていく。
『さて、どう攻めるか……』
「んんッ……!」
どの様に対処しようかとエボルトが考えていた時だった。
突如V9は胸を抑えて地面に膝を突く。
「負担が大きかったようだな…一旦退くぞ!」
「ああ……」
V9はいくつもの個性因子を身体に埋め込んでいる分、体への負担も大きい。
ここに来てその蓄積疲労が出てしまったため、菅野共にこの場から走り去る。
「何とか…撤退しやがったか…」
『ああ、けどまた来るかもしれないな。こっちも体制を立て直すぞ。』
「そう…だな……」
敵達の撤退は確認できた。だが、身体の限界を迎えているのは牙竜の方も同じだった。
視界がふらついたかと思えば、地面にバタンと倒れ伏す。
『牙竜……?』
「牙竜君!?」
『おいしっかりしろよ!牙竜!牙竜!!』
島の畑があった筈の荒れた地にエボルトの叫び声が響き渡る。
To be continued
キャラ紹介
仮面ライダークローズ
下間牙竜(CV葉山翔太)
見た目のモデルはヒプノシスマイクの波羅夷空却
ヒロアカ世界に暮らす無個性の少年
無個性であったことによりイジメや差別を受けた。だがその経験からか個性(力)を悪用する者(特にヴィラン)を許さなくなる。弱い人やいじめられっ子を守ったりするために体を鍛え喧嘩に明け暮れているため不良少年のような扱いを受けている。
仮面ライダーエボル・ブラッドスターク
エボルト(CV金尾哲夫)
ブラッド族エボルトに転生したライダーオタクの青年
転生時に神様にエボルトみたいになりたいと言ったところ力を失った不完全な状態での転生となりアメーバ状になってさまよっていたところ下間牙竜と出会い憑依する。人間態は勿論石動惣一
仮面ライダービルド
緑谷出久
原作主人公
個性:ワンフォーオール
雄英体育祭以降仮面ライダービルドの変身者となる。
仮面ライダーグリス
爆豪勝己
個性:爆破
期末試験前に仮面ライダーグリスの変身者となる。
仮面ライダーローグ
轟焦凍
個性:半冷半燃
期末試験前に仮面ライダーローグの変身者となる。
八百万百
個性:創造
クラスの副委員長で実家が大金持ち
牙竜の恋人でもある。
オリライ設定
仮面ライダーV9
変身者 ナイン(川上 風雷)
ショッカー及びアークが遺した最終兵器
彼らの秘密の研究室にて被験者であるナインこと川上風雷が改造人間となった姿。
自分の元々の個性に加えて幾つかの個性因子を搭載した改造人間で仮面ライダーであり、合計9つの個性を操る。
しかし、元々の個性が持っていた細胞崩壊のデメリットは克服したが、燃費は非常に悪い。
戦い続ければ体に負荷がかかり、クールタイムが必要になる。
使用個性一覧
1,気象操作
周囲の天候を操り、雨や雷、竜巻を発生させる。
ただし、個性を行使する毎に自身の細胞が死滅していくという極めて重いデメリットを抱えているが、改造手術によって克服した。
2,衝撃波
衝撃波を放つ
3,爪銃
爪を弾丸のように発射する。
4,使い魔召喚
使い魔(2匹の青い龍)を使役する。
5,リフレクト
あらゆるものを反射する。
菅野曰くある組織の指導者から奪った。
6,金属操作
周囲の金属を意のままに操ることが可能。自身の防具なども作り出すなど汎用性も高い。
菅野曰くとあるヴィランチームのリーダーから奪った。
7,???
8,ヴィラン召喚
アークが用意したヴィランライダーを召喚する。
(古代オーズ、ザイア、ファルシオン(アメイジングセイレーン))
9,???