ハーメルン・ノベルティック・ライダーズ   作:夢野飛羽真

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劇場版 クローズ&エボルのヒーローアカデミア ピースサイン3

(3人称視点)

 

「僕が仮面ライダー…マーベル!」

 

並行世界からやって来た仮面ライダーマーベル・ワカンダフォーエバーに対してファルシオンは無銘剣虚無で切りかかる。だがそれを右腕でガードしてから左手からヴィブラニウム製の槍を作り出してそれを手に持ちファルシオンの胸に向けて突く。

 

「ハッ…!」

 

さらにそこから槍を振るい、頭部や腹部を叩いていく。

時折刃先がファルシオンの身体を切り裂いていき、ファルシオンが縦に振った無銘剣虚無を右腕と左腕を重ねた状態で受け止めると隙を突いて腹部に蹴りを入れる。

 

「この人強い…!」

 

「馬鹿なッ…!ファルシオンが…」

 

体術と槍裁きでファルシオンの攻撃を避けつつ徐々にダメージを与えていく。

ヒーローとして戦う術を学んでいる雄英生からしてもその体術は圧倒的だ。

槍を使って剣戟をしっかりガードしつつ気が逸れだした頃に腹部や頭部に向けてハイキックを打ち込んでいく。

 

「危ない…」

 

ファルシオンが咄嗟に堀内らに向けて無銘剣虚無を投げつけたが、咄嗟に合間に入ることでその身で受け止める。

ダメージを受けて倒れこむマーベルに向けてファルシオンがさらに殴り掛かろうとするが、マーベルのスーツ胸部から衝撃波が放たれてファルシオンが吹き飛ばされる。

 

「流石ヴィブラニウムのスーツ。」

 

マーベルが着ているブラックパンサーのスーツはヴィブラニウムというマーベル世界における最強の金属である。このヴィブラニウム製のスーツは受けた攻撃のダメージを吸収し、衝撃波として反射することが出来る。今ファルシオンの剣で受けたダメージがスーツから衝撃波として放たれて敵を吹き飛ばしたのだが、ブラックパンサーの力はそれだけではない。

 

「喰らえ!」

 

軽快な動きと身体能力、そこから繰り出される体術はファルシオンを翻弄するのには十分だ。

ヴィブラニウムの爪で装甲を次々と切っていくと、火花を散らしながら鎧の破片が宙を舞う。

 

『ファイナルアタック!ワカンダフォーエバー!』

 

マーベルの体表に紫色の稲妻が走ると、スーツも徐々に紫に染まっていく。

 

「パンサーバースト!」

 

その状態でファルシオンに向けて一直線にタックルでぶつかると、衝撃とエネルギーが一気に解き放たれる。それらを同時に身に受けたファルシオンの身体は宙を舞い、地面にぶつかるのと同時に爆発し消滅する。

 

『颯馬様、他の場所にも敵がいるようです。』

 

「分かった、すぐに行くよ。」

 

『スタークスーツ!』

 

仮面ライダーマーベルに搭載されたサポートAIジャービスが他の敵がいることを察知するとそのことをすぐに颯馬に伝える。そう聞いた彼はアイアンマン、ウォーマシン、レスキューらトニースタークの会社、スタークインダストリー製のパワードスーツを纏うヒーロー達の力を秘めたスタークスーツのディスクをベルトに挿入していたワカンダフォーエバーディスクと入れ替える。

 

『アイアンアベンジャー!アッセンブル!』

 

マーベルドライバーから放たれた青色の光はパワードスーツと武器を形成し、それらが仮面ライダーマーベルの身に次々と装備されていく。

 

「行っちゃった…」

 

「中々強いライダーでしたな…」

 

彼の戦いの間に菅野を捕まえて拘束した耳郎と堀内はスーツを纏って空に向けて飛んで行く様子をただ見ることしかできなかった。

そしてファルシオンは実はもう1体居たのだ。

元々3体召喚されていたファルシオン・アメイジングセイレーンだがそのうち一体は昨日爆豪らに敗れ、別の一体も先程マーベルに倒された。そして最後の一体は避難する住民たちに襲い掛かっていた。

 

「お兄ちゃん!お姉ちゃん!」

 

ファルシオンの攻撃を受けて住民たちを守っていた口田、砂藤、葉隠らは地面に伏しており、そこに島乃姉弟が駆け寄り彼らの身体を揺すっている。

 

「危ない!活真!」

 

だがファルシオンは子供相手でも容赦をせずに剣を振るおうとするが…

 

「もう大丈夫。」

 

その間に空から飛んできた仮面ライダーマーベルが間に入って彼らを庇う。

 

「ここは任せて!」

 

そして両椀のサブマシンガンと肩のガトリングガンが一斉にファルシオンに向けて火を噴く。

マーベルと3体目のファルシオンの戦いが始まった頃、ザイア達の戦いも佳境を迎えていた。

 

「弱点は…大体わかったな…」

 

切島が攻撃に耐えている間に飯田、蛙水、轟の3人がザイアに波状攻撃を仕掛けることでザイアの弱点を彼らは見抜いていた。

 

「個性は1つずつしかコピー出来ねえみてえだな。」

 

「それに保有できる時間は少ないみたいね。」

 

確かにザイア自身は強いが個性のコピーという面ではB組の物間の方が上だ。

そのことが見抜けたため、轟は一気に攻めるために一度変身を解除し、エボルトから受け取ったビルドドライバーを腰に巻く。

 

『プライムローグ!』

 

プライムローグボトルを折り曲げ、噛ませるように打ち付ける。

 

『ガブッ!ガブッ!ガブッ!ガブッ!ガブッ!』

 

起動したボトルをビルドドライバーに挿入してレバーを回す。

 

『Are you ready ?』 

 

「変身」

 

『大義晩成!プライムローグ!』

 

『ドリャドリャドリャドリャ!ドリャー!』

 

純白のマント"プライムセイバーマント"を身に着けた仮面ライダーローグの新たな姿、プライムローグ

轟焦凍が新たな力を手にし、仮面ライダーザイアの前に出る。

 

「ここまで耐えてくれて助かった…ここからは俺に任せろ。」

 

ザイアは切島も個性をコピーし、自身の拳を硬化させた状態で殴り掛かるがプライムローグは自身のマントであるプライムセイバーマントでその攻撃を防ぐ。

このマントはエボルトの様な地球外生命体の攻撃すらも凌ぐ防御力があり、拳はマントに触れてしまえばそこから突き抜けれず、ザイア自身の足元も轟自身の個性によって氷に覆われる。

 

「早く倒して下間達の援護にいかねえとな…」

 

昨日はザイアと戦ったが倒すことが出来なかった。

それが尾を引き生き残ったザイアを倒すために仲間達は分散せざるを得ない状況になってしまった。

牙竜達の援軍に早く行きたい轟は右手に氷、左手に炎を纏わせた状態でザイアに連続で殴り掛かる。

 

「ハッ…!」

 

敵に連続で触れるということは個性をコピーされやすい状態であるということだ。ザイアも半冷半燃の個性をコピーして炎を放つが、プライムローグはマントで防ぐ。

 

「エボルトの言う通り…いい防御力だ。」

 

個性をコピーしたザイアの攻撃だが、プライムローグのマントや装甲の防御の前に次々と防がれていく。

 

「ケロ、個性が消えた…」

 

約一分ほどザイアが攻撃を続けたがそのタイミングでコピーした個性が打ち止めとなりザイアの動きが止まる。

 

「蛙水!頼んだ!」

 

プライムローグと入れ替わるように蛙水が前に出ると轟から預かったネビュラスチームガンでザイアを撃つ。

その間にも轟がザイアの足元を凍らせる。

ザイアの周囲を蛙水がカエルのように飛び回って攪乱しつつ銃で撃っていく。

 

「行くぜ飯田!」

 

「ああ、任せたまえ!」

 

蛙水の動きに翻弄されているザイアに向けてエンジンで加速する飯田に押されながら切島が突撃する。

 

「おりゃあ!」

 

ぶつかっていく推進力と共に拳でザイアを殴り飛ばし、彼が宙を舞う間にプライムローグがレバーを回す。

 

『Ready Go!』

 

『プライムスクラップブレイク!』

 

右足に氷、左足に炎を纏った状態でザイアに向けて駆けるとワニが得物に噛みつく様に両脚で挟みこむ。

挟むようにザイアの身体を蹴り、そのエネルギーで弾き飛ばされたザイアは宙を舞いながら火花を散らし爆発する。

ダメージに耐え切れなくなったザイアの肉体は爆発を起こした後、塵一つ残すことなく消滅する。

 

「このまま下間の援護に行くぞ。」

 

轟たちは未だ体力に余りがあるので牙竜らの援軍に向かう。

 

「数が多すぎるッ…!」

 

一方その頃、タンクタンクフォームにビルドアップした仮面ライダービルドこと緑谷出久は50体近い数に分身した古代王オーズに追い詰められていた。

古代王オーズはウヴァ、カザリ、ガメル、メズールの4体のグリード達を体内に吸収しており、彼らの持つメダルの力をメダルスキャンをせずに使えるので、分身や熱による攻撃、重力操作に液状化と様々な手段を使ってビルド達を追い詰めていた。

昆虫系のメダルの力を使い分身した古代王オーズらがそれぞれ能力を使って攻撃するので流石の出久も地面に膝を突く。

 

「このままじゃ…」

 

そんな出久に向かって4体のオーズが必殺技を放とうとしていた。

 

「動けッ…!動けッ…!」

 

既にダメージが蓄積された出久は自身の身体に鞭を打ち、何とか攻撃を避けるが更に他のオーズが刃を向けてビルドに突撃していく。

 

「あぶねえ!」

 

『激凍心火!グリスブリザード!』

 

オーズ達の攻撃が出久に向けて放たれようとしたその時だった。

先程まで気絶していた爆豪がグリスブリザードに変身し彼らの間に割り込むと、古代王オーズの分身体を氷を伴った爆破で凍らせる。

 

「かっちゃん!」

 

「こんなもんじゃねえだろ!出久!」

 

爆豪の戦線復帰で状況は好転、グリスブリザードの氷とビルドタンクタンクフォームの砲撃が古代王オーズ達を次々と退かせる。

爆破の推進力で爆豪が飛びながら左手のパワーアームであるGBZデモリションワンをで敵に殴り掛かっていき、出久に襲い掛かる敵達を地に伏せさせていく。

 

「最近は牙竜の奴らが目立ってるけどよお…俺らだって負ける訳にはいかねえだろ…」

 

『ウェルカム!一致団結!』

 

「そうだね、僕達だってオールマイトみたいに…」

 

『グレート!オールイエイ!』

 

そして敵の波を止めるとその隙にエボルトから受け取ったアイテムをそれぞれ起動する。

共にオールマイトを目指し、時にぶつかり合い時に肩を並べて戦ってきた2人は共にクラスメイトでもあり最も高い壁である牙竜を超える為にまずは分身した古代王オーズ軍団に挑む。

 

『イエイ!イエイ!』

 

『イエイ!イエイ!』

 

『グリスパーフェクト!』

 

それぞれジーニアスボトルとグリスパーフェクトキングダムをビルドドライバーに挿し込んでビルドドライバーのレバーを回す。

 

『『Are you Ready?』』

 

「「ビルドアップ!/出来てるよ…!」」

 

『完全無欠のボトルヤロー!ビルドジーニアス!』

 

『スゲーイ!モノスゲーイ!』

 

『ファーマーズフェスティバル!グリスパーフェクト!』

 

『ガキン!ゴキン!ガコン!ドッキングー!』

 

仮面ライダービルド・ジーニアスフォームと仮面ライダーグリスパーフェクトキングダムが古代王オーズとその分身たちに囲まれつつも並び立つ。

 

「助けて勝つ!」

 

「勝って助ける!」

 

2人が古代王オーズの軍団に向けて一気に駆けると、ビルドジーニアスは自身の白いボディに刺さっている色とりどりのフルボトルに象徴されるように60本のフルボトルの力を使いこなすことが出来る。

出久自身エボルトから各ボトルの成分を学んでいて、普段の訓練等でもボトルの力を有効活用している為か悠々とボトルの力を使いこなしてオーズ軍団に挑む。

 

「スマーッシュ!」

 

ハリネズミボトルの力で、右手に針を纏わせた状態で自身の個性ワンフォーオールを身体に張り巡らせる。身体能力を上げた状態で棘の付いた拳で古代王オーズ達を次々と殴り飛ばしていく。

 

「タコにはタコだ!」

 

タコメダルの力を使って自身の足を蛸の足に変形させたオーズとオクトパスボトルによって腕から蛸の足を生やしたビルドがそれぞれタコ足を鞭のように振るってぶつけ合う。だが今度はガトリングボトルの力を使ってホークガトリンガーを手元に生成し、その重厚から数多もの弾丸が放たれて古代王オーズの1体が撃破される。

他にもクマの手やヘリコプターの羽、シカの角にUFOと色々なものをボトルの力で作り出して次々とオーズの分身体達を攻撃していく。

 

「オラァ!」

 

一方のグリスも両椀に装着されたスタッグハードスマッシュを模したハサミの様な一対の剣で古代王オーズの分身達を次々と切り倒していく。

 

「死ねェ!」

 

中距離にいる敵は爆破を放って対処していき、背中の翼で飛び立つとオーズらに向けて降下していき剣で次々と切り裂いていく。

 

『ブルー!』

 

『Ready Go!』

 

『スタッグスラッシュ!』

 

グリスのビルドドライバーのレバーを一回転させ、両椀のブレードに青いオーラを纏わせると、グリスが敵の集団に向けて連続斬りを放つ。斬られた分身体は次々と消滅していく。

 

『ワンサイド!』

 

『Ready Go!』

 

『ジーニアスアタック!』

 

「テキサススマッシュ!」

 

ビルドも自身のドライバーのレバーを一回回し、有機物系のボトルのエネルギーを右腕に纏わせてオーズの分身達に向けて一気に解き放つ。出久の個性であるワンフォーオールとそのエネルギーを上乗せされて放たれる拳圧で吹き飛ばされたオーズの分身体が宙を舞い爆散していく。

 

『イエロー!』

 

『Ready Go!』

 

『オウルアタック!』

 

今度はグリスがベルトのレバーを2回転させて全身に黄色いオーラを纏って飛行すると敵の軍団に向けて突撃していく。突撃されて突き飛ばされた敵達が次々と撃破されていく。

 

『逆サイド!』

 

『Ready Go!』

 

『ジーニアスブレイク!』

 

「フルカウル…シュートスタイル!」

 

ビルドもドライバーのレバーを二回転させ、無機物系ボトルのエネルギーを纏わせた状態で出久は全身にワンフォーオールの力を張り巡らせて一気に加速。地面を蹴り宙を舞うとエネルギーを纏った足で上でから敵を次々と蹴り倒していく。

 

『レッド!』

 

『Ready Go!』

 

『キャッスルブレイク!』

 

「グレネードボム!」

 

グリスがビルドドライバーのレバーを三回転させると、両肩の盾が稼働して砲口が正面を向き、赤いエネルギー弾が残った古代王オーズ分身体たちに向けて放たれると、着弾と共に爆豪の最大火力での爆破が一気に巻き起こり古代王オーズの分身体を全て一掃する。

 

『ワンサイド!』『逆サイド!』『オールサイド!!』

 

『ブルー!』『イエロー!』『レッド!』『ゴールド!!』

 

そして2人は自身のビルドドライバーのレバーを何度も回し、ビルドは全ボトルのエネルギーを、グリスは赤・青・黄の3色のオーラをそれぞれ身に纏い残った古代王オーズ本体に向けて一気に走る。

オーズも負けじとコアメダルのエネルギーを身に纏わせて飛び上がる。

宙から地上にいる2人に向けて上からライダーキックを放つオーズに対して爆豪が爆破の推進力で飛び上がってドリルのように回転しながらオーズに向けて蹴りを放つ。

2人の蹴りが宙で拮抗する中…

 

「出久…!やれ…!!」

 

「任せて!かっちゃん!」

 

ビルドは勢いよく地面を蹴ると、ボトルの力でより高く飛び上がり、その場から虹色のグラフを形成して古代王オーズを拘束する。

 

「スマーッシュ!」

 

そしてグラフの軌道に乗りながら突き進み、古代王オーズにライダーキックを叩きこむ。

さらにグリスのキックも威力を増し、2方向からの必殺キックに耐え切れず、宙で交錯するように2人のキックに貫かれる。

2つのキックを受けた古代王オーズは空中で爆発四散し、大量のメダルをまき散らす。

 

「やったな、出久」

 

「うん、かっちゃん」

 

古代王オーズに対しての勝利を確信した2人は拳を合わせて向かい合う。

 

「けどまだ、牙竜君達が…」

 

「ああ、分かってんよ。とっとと行くぞ!」

 

そして2人もまた牙竜達の援軍に向かう…

 

(八百万視点)

 

「牙竜さん…エボルトさん…」

 

お二人を見届けた後私は事前の打ち合わせ通りに皆さんの救助に向かいました。

上鳴さん達を避難させて戦いの様子を見ていたのですが途中で敵の方が覚醒してしまって牙竜さん達が押されてしまってますわ…

 

「そんなっ…!」

 

最初は私達の立てた作戦通りに敵のライダーの反射を突破は出来たのですが…あちらの姿が変わってからは形成を逆転されてしまいました。

掌の上で金属の塊を生成して牙竜さん達に投げつけたり、背中から生える複数体の竜で攻撃したりして牙竜さん達が次々と追い込まれていますわ…

 

「ここは私がっ…」

 

私はもう牙竜さんが倒されるのを見たくはありません!

あの時の…合宿の時の様な悲しみはもう味わいたくないです!

 

「牙竜さん!次は私が助ける番です!」

 

私はいつも牙竜さんに助けられてばかりでした。

けど私だってヒーローを目指す者の1人、私だって助けることが出来るんです…

 

「力を貸してください!」

 

『エボルドライバー!』

 

エボルトさんから受け取ったベルトを腰に巻きます。

エボルトさんが使っている物と同じ形ですが、私の様な普通の人間でも使えるようにしているとおっしゃってました。

 

『コウモリ!発動機!エボルマッチ!』

 

2本のボトルを挿入して牙竜さん達のようにレバーを回します。

 

『Are you ready?』

 

「変身!」

 

『バットエンジン!ヌゥハハハハハハ……!』

 

仮面ライダーマッドローグ、エボルトさんに教えてもらった名前です。

初めての仮面ライダーへの変身を果たし、牙竜さんたちに向けて一気に飛びます。

 

「牙竜さん!エボルトさん!助けに来ましたわ!」

 

(エボルト視点)

 

V9のヤロウを覚醒させちまってから俺と牙竜は冷静に追い込まれちまった。

反射も復活してるせいで俺の攻撃をむやみに繰り出すこともできなかった…

だがここで有難い援軍の登場だ。

 

『ようやく来たな、八百万』

 

「エボルト!テメエ百に何を仕込みやがった!」

 

まあ、牙竜が怒ってるが仕方ねえ。相談も何もしてねえからな…

アイツに黙って八百万を仮面ライダーにしちまったしな。

 

「牙竜さん、エボルトさんを責めないでください。私だって…皆さんのように牙竜さんと並んで戦いたいんです!」

 

「百…」

 

「私も…あなたのヒーローになりたいんです!ダメですか…?」

 

「仕方ねえ…テメエの想い!受け取ったぜ!」

 

牙竜だって決して甘い訳じゃない。牙竜が八百万を認めたのはアイツのヒーローとしての想いが強いからだ。俺だってその思いを受け止めてアイツにベルトを渡した訳だし、牙竜だってきっとこの気持ちを分かってくれたはずだ。

 

「何を話している?」

 

『危ない!』

 

おっと、色々と話してる間にV9がまた金属の塊で攻撃してきやがったな。

ここはいっちょ俺が蹴って砕いとくか。

多分これもV9の個性だな。ここまで使わず隠してきやがったのか。

 

「よそ見してる場合じゃねえな。」

 

「ええ、いきましょう!」

 

『ああ、反射には気を付けろよ。』

 

V9は再び背中から十数体の龍を生やして、俺らに攻撃してくる。

 

「私が惹きつけますわ。」

 

八百万はネビュラスチームガンとスチームブレードを手に竜達に攻撃、そちらに気がそれたところで…

 

「喰らえ!」

 

横から牙竜がマグマを纏った拳で竜達を殴り飛ばす。

 

「百!そっち気を付けろ!」

 

「大丈夫ですわ!」

 

V9がキューブ状の鉄塊を手の上で生成しマッドローグに向けて投げるが…

 

『ファンキーショット!』

 

ネビュラスチームガンをライフルモードにし、バットフルボトルを装填してエネルギー弾で撃ち抜く。

 

『中々いい感じだな。俺も頑張らねえと…』

 

さてさて、今度はV9の龍が俺に向かって襲い掛かって来たんで…

 

『ほい、』

 

手を翳してブラックホールのエネルギーをぶつけて龍達を一気に破壊する。

 

『まだ来るか…』

 

懲りずにまた龍を再生して攻撃を繰り出してくるのでまた手を翳し…

 

『ほう…まだ個性があるのか…』

 

龍から放たれた衝撃波と俺のエネルギーがぶつかり合う。

この衝撃波も奴の個性だろうな。

 

「オラァ!隙だらけだぜ!」

 

だがV9が龍を操ってる間に牙竜が背中のブースターで加速して一気に奴の懐に潜り込んで拳を放つ。

 

「クソッ…」

 

だがそれもまた反射で跳ね返されて、マグマの拳が牙竜にぶつかる。さらに奴の指から放たれた光線が牙竜の身を襲う。

 

「牙竜さん!」

 

八百万がネビュラスチームガンで撃って牙竜を援護するが、今度は鉄の弾丸が生成されて八百万に向けて放たれる。

 

『手強いな…』

 

ブラックホールを生成して弾丸を全て吸収して消滅させる。

 

「アイツッ…個性を同時に…」

 

牙竜も一度俺達の方に身を退かせる。

 

『ああ、さっきと段違いだ。さっきまでは一個ずつしか使ってなかったんだけどな。今は個性を同時に使っている…恐らく身体の負担とかそういうデバフも小さくなってるだろうな。』

 

限界を超えたバーストモードってなるとそういったデメリットもある程度克服されちまってるんだろうな。まあぶっちゃけ覚醒前よりも手強いのは確かだ。

 

「つっても向こうにも限界はあるはずだ。リミッター外したつっても身体には負担はかかってるはずだ。」

 

『ああ、このまま攻めまくれば向こうにも限界が来る。』

 

「けど、このままだと防戦一方ですわ…」

 

相手に取って問題は長期戦だ。無理やりリミッターを外してるんだったら相手のスタミナはきつい筈だ。

攻め続けたら何れ倒せる可能性もある。問題は奴の多彩な個性、現状こちらは攻めあぐねている状況だ。

どう攻めればいいのだろうか…

 

「A・P・ショット!」

 

その時だった、空中からアイツがV9を爆撃して登場だ。

 

「爆豪!」

 

「チンタラしてんじゃねーぞ!!クソがぁ!!」

 

グリス・パーフェクトキングダムに変身した爆豪がV9に爆破を浴びせながら俺達の下に降り立つ。

 

『フルフルマッチデース!』

 

さらに出久が変身したビルドジーニアスフォームもフルボトルバスターを持って参上だ。

フルボトルバスターの一撃は敵が召喚した龍達を打ち砕く。

 

「俺達もいるぜ!」

 

更に切島とプライムローグに変身した轟もこの場に駆け付ける。

恐らくV9が放った他のライダー達は倒されたんだろうな。

 

『ようし、切島、飯田、蛙水は倒れてる奴らを頼むぜ。』

 

「おう!」

 

つってもここは切島達には厳しい戦いになりかねない。

飯田もまだ動けるなら3人には救助をしてもらった方がありがたい。

 

『さて、この6人でやればアイツは倒せるだろうな…』

 

「いいや…俺達だけじゃ無いみたいだな。」

 

そう言って轟が空を指差すと光に包まれた一人の戦士が宙を飛び、こちらに向かってくる。

その戦士がV9の背後に拳から放たれるエネルギーをぶつけて攻撃していく。

 

「アイツも…仮面ライダーなのか?」

 

敵の周囲を飛び回り、何度も敵にエネルギー弾を撃っていくその戦士の装甲は仮面ライダーとも言えるが、飛ぶ姿はスーパーマン?いや、アベンジャーズのキャプテン・マーベルに似ている。

 

『お前は誰だ?』

 

「僕は仮面ライダーマーベル、状況はよく分からないけど助太刀させてもらうよ。」

 

「そうか、助かるぜ。」

 

ビルド・ジーニアスフォーム、クローズマグマ、グリスパーフェクトキングダム、プライムローグ、マッドローグ、マーベル、そしてこの俺エボル・ブラックフォームの7人のライダーがV9の前に並び立つ。こいつ等さえいれば…まだ倒せるチャンスはある。

 

『さあ、クライマックスだ!』

 

「ああ、お前ら行くぞ!」

 

俺達7人はV9に向けて雪崩れ込んでく。

 

To be continued




牙竜達の活躍はこちらから見れます!
是非ご覧下さい

https://syosetu.org/novel/265675/

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