時空さんからメッセージが届いております。
初めまして、時空 雄護といいます。こうしたコラボ小説は初めて書きますので、拙い文章ですが、どうぞ読んでいってください!あと、現在ありふれの二次創作も執筆していますので、そちらも読んでいただけるとありがたいです。
HOROBI&CHASER Another chronicle
とある世界において…人間達が暮らしているその陰で、「悪魔」が「天使」を殲滅せんと、熾烈な戦争をしかけていた。
だがそこに、悪魔と天使両方が知らない謎の戦士が二人現れる。そう、彼らは─────
~Noside~
???「………ここは、どこだ?」
雑草すら生えていない、何もない野原…《名もなき野原》で、一人の男が目を覚まし、立ち上がる。
彼の服装は、東洋で着られる「和服」をベースに素材を近代化したものである。しかし、若干揉み上げの金髪の掛かった左耳には通信機のような耳飾りがあり、注視すれば瞳もキリキリとカメラのように回転していた。それは人間というより、ロボットに近いものである。
???「俺は・・・いや、俺達は確か、マスブレインで滅亡迅雷に…」
彼…
滅「何故だ・・・何故俺だけが、こうして存在しているんだ……」
重々しく呟きつつ、まずは情報をと周囲を見渡す。周囲はそのまま、荒廃した土地。動くものは何も無く、強いて挙げるならば風に飛ばされる砂埃程度だろうか。
滅「…見回すだけでは、めぼしいモノは見当たらない。ネットワークには・・・繋がらないか。ならば、ここは足で集めるとしよう」
短く思考し、行動を選択。自身の状況を把握する為、滅は一歩を踏み出した。
~数分後~
滅「…何もない、か…」
一般的な人間であれば息を切らすような距離を歩いても、何一つ変化する事も無い野原。延々と続く代わり映えのしない景色に、少し辟易する滅。心なしか眉間に皺が寄り、顰めっ面になっている。人のそれに近い心を持った彼故の、単純な機械には有り得ない状態だった。
???「おい、止まれ」
滅「ッ!」
後方から声を掛けられ、振り向くと同時に腰に帯びた刀の鯉口を切る滅。其所には、一人の男が居た。真っ黒なウルフヘアに、紫のライダースジャケットを着たその男は、心情を悟らせない無表情を貫いたままホールドアップしてみせる。
???「待て、俺に敵対の意思は無い」
やはり感情的な抑揚に乏しい口調でそう言い、男は滅を見る。目の前で刀を抜き放とうとする滅が睨んでいるにも関わらず、心理的動揺が一切見られない。どれだけ荒事になれていようとも、一部の例外を除いて攻撃の意思と武器を向けられれば、多かれ少なかれ人は緊張し、動揺する筈である。しかし滅のバトルセンサーは、目の前の男の瞳孔反射や声紋、重心のズレまで観測した上で、それらの動揺がゼロであると分析した。
滅「(コイツ、明らかに不自然だ。人間と言うより寧ろ、シンギュラリティに達していないヒューマギアのような・・・)お前…何者だ」
そう滅が言うと、男は小首を傾げる仕草をする。
???「人に名を聞くならば、まず自分が名乗るべき・・・だと、
滅(!・・・ほう、やはりか・・・)
自分は人間ではない・・・そのように聞こえる発言に、滅は驚きつつも納得する。やはり、自分の予測は外れてはいなかったのだと。
滅「…
???「ヒューマギア?ロイミュードではないのか…ヒューマギアと言うのがどういう存在かは知らないが、俺はそのヒューマギアではない」
訂正を交えつつ手を下ろし、その男も自己紹介を始めた。滅は敵対の意思無しと判断し、刀を収める
チェイス「俺はチェイス。ロイミュードのナンバー000。所詮、プロトタイプと言うものだ」
機械的に自分の情報を説明した男・・・チェイスは、更に質問した。
チェイス「ここは何処だ?」
滅「それは分からない。俺も先程、ここで目覚めたばかりだ。強いて情報を上げるならば、草の一本すら生えていない異常な荒れ地、と言った所か」
チェイス「そうか……」
お互いの状況を把握し、思考する二人。
滅(ここが何処かわからない以上、この男と無益に敵対するのは下策中の下策。敵対の意思も見られない。ここは協力するべきだな)
チェイス(話を聞く限り、この男も俺と同じと言う事か。ならば・・・)
滅「チェイス、と言ったか。このままでは、お互いに不確定要素が多過ぎるだろう。どうだ?協力しないか?」
チェイス「奇遇だな。同じ事を考えていた」
お互いが同じ考えをしていたからか、すんなりと協定関係を結ぶ二人。お互いに人間からラーニングしたデータを見返し、友好のジェスチャーとして握手を交わす。
滅「ではまず、ロイミュードについて教えてくれると助かる。ヒューマギアとの違いを確認したい」
チェイス「わかった。まずロイミュードとは─────」
~説明中~
チェイス「─────というものだ。個体によって差が大きく、人間の心身をコピーして強い自我を形成する」
滅「ふむ、成る程…機械の肉体を持ち、感情の獲得・・・シンギュラリティによって進化するのは同じか。ヒューマギアとの違いは、感情そのものが自身のスペックに直結し得ると言う部分だな」
チェイス「そうだ。特に習得した感情を極限まで高め、更なる進化を経たロイミュードは、超進化態と呼ばれるものになる。総じて金色に染まっていて、能力やコア・ドライビアの出力が桁違いに高い。苦い思い出が多いがな…」
感情の出力が乏しいチェイスの顔に、初めてそれらしい表情が浮かぶ。ナンバー001、フリーズロイミュードの事を思い出しているのだろう。
滅「………!待て、何か聞こえないか?」
チェイス「………聞こえるな。かなり遠いが、これは・・・戦闘音だ」
二人はそう言い、戦闘音のする方向へ走りだそうとする。
チェイス「ライドチェイサーがあればよかったが……」
そう言いつつ、無い物強請りしても仕方ないとかぶりを振るチェイス。致し方無く、その足で音の方向へと走り出した。
~冥界 平民街~
滅「ここは……街のようだな」
二人がたどり着いたのは、小さな街。しかし、彼らがいた世界の街より少し文明レベルが低く感じる街であった。
チェイス「あれは……人間、ではないな……」
彼らの目には、人間と変わらない見た目に、鳥のような翼が背中についている男の姿が映る。それはまるで、キリスト教圏において信仰される“天使”のような姿。それを見たチェイスは、かつての仲間の一人の進化体の面影を重ねる。
滅「あれは…天使、というものか?人間のネットワークにあった画像と酷似している。人型をしていると言う事は、最下級の天使か大天使、権天使辺りか?」
その天使は、慌てて街から出ようとしている。
チェイス「接触すべきか」
滅「あぁ」
二人は天使の元へ走り、声をかける。
チェイス「何があった?」
天使「なっ!?に、人間!?何でここに!?」
声をかけられた天使は二人に戸惑いながらも話を聞こうとする。
チェイス「落ち着け。この街で何が起きている?」
天使「だ、だめだ!人間が干渉してはいけない!済まないが、教えられない!」
滅「俺達は人間ではない。俗に言うロボットだ。人間では無いならば、問題は無いだろう」
天使「ロボット?それにしては感情が…と、とにかく!奴らに関わってはいけない!」
慌てたように忠告する天使。その様子は、心から滅とチェイスの身を案じているように見える。
チェイス「奴ら?やはり何か起きているのだな……」
チェイスが天使の話から情報が得られると感じ、更に聞こうとした瞬間。
──ダゴォォォンッ!!──
街の中心らしき場所から赤黒い光が溢れ、爆発音が響いた。大気越しに人工皮膚を震わす文字通りの爆音に、二人は顔を見合わせ、以心伝心に頷き合う。
チェイス「行くぞ」
天使「ま、待ちたまえ!」
天使の制止を聞かず、二人は街の中心部へと駆け出した。己の中にある、確かな心に従って。
~平民街 中心部~
二人がたどり着いた時、そこは戦場となっていた。
先程会った天使とは違い、戦い慣れているであろう天使が数名、肩で息をしながら立っている。
その傍には、推測で高校生程であろう羽が生えていない少女……暫定、人間が居た。
それに対峙するように、彼らの反対側には、蝙蝠のような翼を背中に生やし、隆々とした筋肉を誇るように風に晒す異形の存在…「悪魔」が、天使の倍の頭数を用意して浮遊していた。
悪魔リーダー「そろそろ限界のようだなぁ、天使共ォ?」
天使リーダー「不覚・・・ここまでか…っ!」
リーダー格と思しき天使は、煤けてボロボロになった身体で少女を庇う。絵面を見るに、どうやら先程の爆発は悪魔が起こしたようだ。
守護すべき存在たる人間の存在を認識した二人は、その少女を庇うように前に立つ。
天使リーダー「人間……?いや違う、何者だ…!?」
少女「……ロボット?」
少女は二人の持つ雰囲気に違和感があったのか、一瞬で見抜いた。
悪魔リーダー「おォいおい、まだ隠してたのかよ。往生際が悪いぜェ?天使さんよォ?」
滅「何の話かはわからないが…状況は把握した。加勢しよう」
チェイス「早く人間を連れて逃げろ」
そう言い、お互いの専用アイテムを取り出す二人。変身するつもりだろう。
天使リーダー「待ってくれ…その役割は、我々が…!」
息を整えたのか、しっかりと立ち滅たちの前に立とうとする天使の軍勢。
天使リーダー「その少女を連れて、東に進め…悪魔を通通さないゲートがある。それを使えば、その子と共に現界に降りられる…!悪魔たちは私たちが抑える…!」
悪魔リーダー「ハッハハハハ!聞いたかお前ら!この天使サマ、こんなボロ雑巾みてぇな体たらくで、俺らを食い止めるおつもりだとよ!バカか!そのガキを護る、なぁんて大見得切っといて、そんな無様晒してんなら訳ねぇぜ!」
悪魔のリーダーが嘲り、配下らしき悪魔の群れもゲラゲラと嗤う。しかしその言い分も間違っておらず、天使達は先程の爆発で到底無視出来ないダメージを負い、そんな体を無理やり立たせているようだ。
少女「お願い……このままじゃこの人たちが死んじゃう……!助けてあげてよ!」
少女がチェイスたちに助けを求める。どうやら天使と悪魔、両方にとって彼女は重要な存在のようだ。
チェイス「……悪魔だったか。貴様らはなぜ彼女を狙う?」
悪魔リーダー「ハッハハァ!横入り野郎に教える義理はねぇが、今俺は機嫌が良い!特別に教えてやるよ!そこのガキは、俺達悪魔が現界で繁栄するのに必要な鍵なんだよ!」
その後の悪魔のリーダーの話を要約すればこうなる。
・少女の体内には、本来現界では精神体まで弱体化してしまう悪魔が存在を確立する為の媒体、“デモンアピアー”を起動するエネルギーを精製するコアが埋め込まれている。
・そのコアは少女の体内でしか動かず、彼女を確保さえすれば悪魔が現界で存在することが可能で、人類を滅ぼして繁栄出来る。その為、人間に憑依して少女を探していた。
・それを阻止しようと、天使が彼女を冥界で保護。それに激怒した悪魔たちが天使を根絶やしにせんと動き、各地で戦闘が発生している。
・彼らはその少女を確保するための精鋭部隊。
悪魔リーダー「だからてめぇら、そこどけよ。それかそこの天使どもぶっ殺してそこのガキを寄越せば仲間にしてやグァっ!?」
悪魔が言い切る前に、その体に三発の弾丸が当たる。
チェイス「…つまりお前たちは、繁栄の邪魔になる人間を殺すつもりだと?」
チェイスがその手に持ったナックルダスター型の銃、ブレイクガンナーで悪魔を撃ったのだろう。銃口から煙が出ている。
悪魔リーダー「撃ってきた上に質問かよ……そうだぜ?それの何が悪いんだよ!」
そう悪魔が言い放つ。少女はすでに涙目となっている。
チェイス「俺の使命は、人間を守る事……ならば俺は貴様らを倒し、天使の味方をしよう」
悪魔リーダー「……そうかよ!んじゃ死ねや!」
リーダーが魔力の弾を放ち、それに追従するように他の悪魔たちも魔力の弾を放つ。
しかし悉くがブレイクガンナーによる射撃で撃ち落とされる。2,3発程の撃ち漏らしが少女の元へ飛びそうになるが・・・
滅「ハッ!」
滅が腰に携えていた刀を抜き放ち、居合い一閃と斬り返しでそれらを切り落とす。
悪魔リーダー「チッ、おい野郎ども!出てこい!」
悪魔リーダーが声を上げると、その声と共に、周囲から悪魔たちが現れる。その数はおよそ50.
天使リーダー「バカな……多すぎる……!」
天使がそう口にし、天使たちと少女が絶望しかけるが……
チェイス「滅、あの悪魔は俺が受け持つ」
滅「……いいだろう。ならば、露払いは任せろ」
それに待ったをかけるように、二人がそれぞれのベルト……《マッハドライバー炎》と《滅亡迅雷フォースライザー》を装着。
そして懐からそれぞれのアイテム……《シグナルチェイサー》と《スティングスコーピオンプログライズキー《》を取り出す。
悪魔リーダー「……?んだそれ」
滅がキーを持った右手を横に広げ、プログライズキー上部のボタン、ライズスターターを押した。
【POIZON】
少女「……ポイズン?毒、だっけ……?」
滅がキーを起動する横で、チェイスはマッハドライバーのスロットを開き、手に持っている《シグナルチェイサー》を装填。上からブレイクガンナーで叩き込むようにパネルを閉じる。
【シグナルバイク!ライダー!】
バイクのエンジン音が響き渡り、悪魔たちが警戒する。
そして、二人は息があったように《あの言葉》を放った。
二人「「変身!」」
チェイスは左腕を縦に、その前に横にした右腕を十字になるように重ねた後、両腕を円を描くように大きく開き、左腕を左腰に置き、右腕を右手が左胸の前に来るように動かし、そこから右側に伸ばす。
滅はプログライズキーをフォースライザーの上部右側、ライズバイスに装填し、すぐにトリガーを引いてキーコネクタをエクスパンドジャッキで強制展開する。
【Forse Rize……StingScorpion!】 【チェイサー!】
フォースライザーからサソリの形をした機械、スコーピオンライダモデルが出現。そのライダモデルが尾の毒針を滅に突き刺す。すると滅の体が紫色の素体に代わり、ライダモデルが裏返るように滅を背中から滅を包んだ。そしてライダモデルが装甲の形となり、拘束帯が伸縮して張り付く。
その横でチェイスには小さなタイヤが二つ周囲を回り、装甲が形成され体に装着。そして背中にタイヤ型の装置、ホイーラーダイナミクスが固定される。
【Break Down……!】
悪魔リーダー「なんだよ、それ……」
天使リーダー「姿を変えた……?」
悪魔たちと天使たちが呆然する中、少女が何かを言う。
少女「…仮面、ライダー…?」
そう。彼らの名は“仮面ライダー滅”と、“仮面ライダーチェイサー”。
彼ら自身が生きていた世界からこの世界に漂着し、初めてその姿を見せた瞬間である。
滅「……」【アローライズ!】
滅がアタッシュケースが変形し弓になった武器、【アタッシュアロー】を構える。
チェイサー「任せた」
滅「いいだろう」
滅がアローのグリップ部分、ドローエクステンダーを引き、エネルギーをチャージ。それを妨害しようと悪魔達が魔弾を放とうとするが
チェイサー「させん!」
天使リーダー「彼の援護を!」
チェイサーの弾幕、天使たちの魔弾によって阻止された。
滅「ハッ!」
チャージしきったのか、上空に向かってエネルギーの矢を放つ。上空に飛んだ矢は途中で分裂し、周囲の悪魔達に向かって雨のように降り注いだ。無論悪魔達も食らわないと防御の為のバリアドームを張るが…
悪魔リーダー「グハッ!?この矢、貫通してきやがる!」
滅の矢はそれを、まるで障子紙のごとく貫く。悪魔達は基本的に防御行動をせず、その屈強な肉体で攻撃を防いで戦う脳筋戦法が主力。一部例外があるとはいえ、防御用の技能は最低限。展開したドームも魔力が少なく薄いのだ。
そこに、元々高い貫通性能を持つ矢が分裂し、何十も降ってくるのだ。防げる道理のある筈も無い。
故に滅によるアローの初撃で、殆どの悪魔が再起不能になった。
悪魔リーダー「くそったれ、なんてやろ…!?」
チェイサー「はぁ!」
隙ができた悪魔リーダーに接近し近接戦をしかけるチェイサー。無論リーダーも対応するが・・・
チェイサー「甘い!」
悪魔リーダー「ガヘァ!?」
脳筋な大振りのパンチなど、歴戦の死神たるチェイサーには掠りもしない。逆にカウンターパンチを的確に叩き込み、何度も怯ませる余裕がある。
悪魔リーダー「この俺様が、この【グレイズ】様が打ち負けるだと…!?」
チェイサー「ハァ!」
自分が負けていることに納得していないのか、興奮したグレイズは連打を繰り出す。しかしそれすら致命的に大振りで、チェイサーにとっては隙だらけの良い的だ。
軽々と去なし凌いで距離を詰めて、ブレイクガンナーの銃口をグレイズの腹に押し当てる。グレイズが焦るも、チェイサーは躊躇無くトリガーを引いた。
グレイズ「アグォ!?」
情けない声を上げて数歩後ろに下がり、膝をつくグレイズ。どうやら限界のようだ。
グレイス「ま、まだだ……俺にはこれがある!」
グレイズが魔法陣から何かを取り出す。それは斧状の武器……なんと《シンゴウアックス》。仮面ライダーチェイサーの為に、人間の仲間が開発してくれた専用武器だった。
チェイサー「何?それは…」
グレイズ「この街に来た時に見つけてなぁ。見た目からしててめぇのその姿と似てるが、こうなりゃこれで…!?」
シンゴウアックスを振り下ろそうとするグレイズだが、突如シンゴウアックスが動かなくなる。
チェイサー「……!」
それに気づいたチェイサーが左手を前に掲げる。するとその目が光り、シンゴウアックスがグレイズからチェイサーへ渡った。
グレイズ「んなっ!?」
チェイサー「これがあるのなら、ライドチェイサーもこの世界に……」
シンゴウアックスがあることから、自分のバイクがある可能性を考えるチェイサー。
しかしすぐに思考を切り替える。グレイズを倒すために、シンゴウアックスのシグナルライディングパネルにマッハドライバーから取り出したシグナルチェイサーを装填し、シンゴウプッシュボタンを押して地面に突き立てた。
【ヒッサツ!マッテローヨ!】
グレイズ「はぁ……?」
滅「信号だと?」
少女「えぇ……?」
誰もがシンゴウアックスの機能に困惑する中、チェイサーは静かに赤信号が青信号になるのを待つ。
【イッテイーヨ!】
その音声と共に青信号となり、チェイサーはシンゴウアックスを地面から抜き、構える。シンゴウアックスの特殊合金で出来た斧刃部分、《ブレイクエッジ》に紫色のエネルギーが収束し始めた。
グレイズ「んなもんで俺を殺せるかぁ!」
巫山戯た仕様に舐められていると感じたのか、一直線に接近してくるグレイズ。そして…
【フルスロットル!】
チェイサー「ハァァァ!」
左斜め、そして横一文字に斧を薙ぎ払う、【アクロスブレイカー】を放つ。
グレイズ「ウガァァァァアッ!?」
受けた威力に叩き飛ばされ後ろの壁へ激突し、グレイズは爆散。
あまりの威力に余波がチェイサーたちにも飛んでくるが、チェイサーと滅は気にもせず、少女は天使たちの障壁によって守られる。
そして爆発の影響が消え、煙が消え始めると、消滅しかけているグレイズが見える。
グレイズ「ぁーくそ、結局負けるのかよ……」
そう言うと、少女を見るグレイズ。
グレイズ「忠告だガキ。てめぇに襲い掛かる運命は、まだまだ序の口・・・始まったばかりだ……よく、覚えて、お…け…」
その言葉を最期に、グレイズの肉体は消滅する。
滅「終わったようだな」
チェイサー「あぁ」
そう言い、お互いに変身解除する。
【オツカーレ!】
変身を解除した二人が、その場から離れようとする。しかしそこに少女が話しかける。
少女「あ、あの!……仮面ライダー、なんですよね……?」
チェイス「そうだ」
少女の問いかけに対して即答するチェイス。
チェイス「俺はチェイス、仮面ライダーチェイサー。人間を守る使命を持つ戦士だ」
少女「……夢で見た通りだ」
滅「夢?どういう事だ?」
少女の発言に疑問をもった滅が詰め寄り、怪訝そうな表情で問い掛ける。
少女「ここに来る前に、夢を見て……その中で、黄色いバッタの人と、赤い車の人に会って……」
二人「ッ!!」
二人のかつての仲間の特徴が挙げられ、驚く二人。
少女「なんだか、二人とも悲しい感じでお二方の特徴を言ってて…それで、今のチェイスさんと同じような台詞を・・・」
チェイス「そうか……進ノ介が……」
チェイスが感慨深い雰囲気になっている横で、複雑な表情をしている滅。
滅「飛電或人が…俺の事を……」
少女「……あ、そうだ。早く、ここから移動しませんか?天使さん、ここはもう危険なんですよね?」
天使リーダー「えぇ、こうして精鋭の悪魔達を倒したとはいえ、あなたのことは知られています。いつ来てもおかしくありません」
天使のリーダーがそう言うと、ふと思い出したかのようにチェイスと滅に自己紹介をする。
ラミル「申し遅れました。私は【ラミル】といいます。」
ラミルはそう言うと、三人に提案する。
ラミル「先ほども言ったように、いつ悪魔達が襲来してもおかしくない状況です。その為、あなた方を現界まで護衛します。先ほどは情けない所をお見せしてしまいましたが、今度は我々が守ります」
そう言い、天使たちは背中の翼を広げ、空に浮かぶ。そしてラミルが少女に手を伸ばし、少女はその手を掴んだ。手を掴んだ少女をそのまま宙に引き上げ、さも当然のように横抱きに抱える。
少女「え、えぇ!?」
天使「それではチェイス様と……そちらのお方、我々の手を」
チェイス「待て、少しいいか?」
仲間の天使がチェイス達に手を伸ばした時に、チェイスが止める。
天使「どうされましたか?」
チェイス「この街で、バイクを見なかったか?黒にパープルのファイアパターンが入った、髑髏の意匠のあるバイクだ」
チェイスはシンゴウアックスがあったことから、自分のバイクである【ライドチェイサー】があるのではと考えいた。故に、天使にそう質問すると
ラミル「そういえば……街のはずれの小さな家にありましたね。あんなデザインのものはそうそうありませんし・・・恐らくですが、あなたのバイクでしょう」
そう言うと、ラミルが手をかざし、魔法陣を出現させる。すると、そこから【ライドチェイサー】が出現した。
チェイス「……礼を言う」
ラミル「いえ、それを言うなら此方です。助けてくれたお礼……それでも足りない程です」
ラミルがそう言っている横で、ヘルメットを被りライドチェイサーのキーを回すチェイス。
エンジンがかかり、問題無く走行できると確認したチェイスは、ライドチェイサーに跨がって滅に予備のヘルメットを投げ渡す。
滅「これは・・・ヘルメットか」
チェイス「あぁ。人間のルールでは、バイクに乗る時はそれを被らなければいけないとの事だ。被ったら、後ろに乗れ」
滅が頷き、ヘルメットを被って後ろに乗る。
ラミル「では案内します」
~移動中~
~ゲート前~
チェイス「このゲートに入れば、この世界の日本に行けるのか」
ラミル「えぇ……しかし、まさかチェイス様たちが異世界からの来訪者だとは…」
道すがら、チェイスたちは自分たちのことを話していた。何せここがどこで、何が起きているのかすらまともに知らなかったのだから。
少女「ロイミュード…ヒューマギア…そして仮面ライダー……」
滅「かつて俺は人類の敵だったが、この世界に来る前には仲間になっていた。だが……」
滅が苦い表情をする。マスブレインシステムによって生まれた、仮面ライダー滅亡迅雷。滅亡迅雷が行った数々の戦闘、そして不破諌こと、仮面ライダーバルカンとの決着。
これらを滅は、この世界に来る前に、とある視点から見せられていた。
チェイス「それを忘れろとは言わん。だが、今は今出来る事をするべきだ。違うか?」
滅「………あぁ。そうだな。その通りだ」
そう頷き、ゲートに入ろうとする三人。
ラミン「このゲートの先で、我々天使に協力してくれている人間がいます。彼らに私の名前を言えば、話を聞いてくれるでしょう。おそらく、彼女の家族もそこに」
少女「ホントですか!?」
ラミルの発言に少女が喜びの声を上げる。
ラミル「我々は悪魔達の進行を止めに行きます。そちらの方は頼みます。チェイス様、滅様」
チェイス「了解した」
そして、三人はゲートに入り、「日本」へと降り立つ。少女にとっては故郷へ。滅とチェイスにとっては、未知の世界へ。
~日本 美東神社~
三人が下りた先は、どこかの神社の境内のようだ。チェイスたちが周囲を見渡すと看板があり、《美東神社 境内案内図》と書いてある。どうやら中々に大きい神社のようだ。
少女「人、いませんね……空を見る限り、早朝ぐらいの時間みたいですけど……」
チェイス「少し歩くぞ。入口まで行けば、誰かいるかもしれん」
チェイスが先頭で歩き、その後ろに少女、殿に滅といった順になって進む。
~移動中~
~美東神社 入口~
入口まで歩いた三人。すると、人の声が聞こえてくる。
チェイス「…!どうやらいるようだ。」
すると、チェイスの声が聞こえたのか、三人の元へ数名ほど大人が来る。
大人「君たちは、一体……?」
チェイス「お前たちが、ラミルの言っていた協力者か?」
大人達「!!!」
チェイスがいったラミルの名前に反応し、戸惑う大人達。
しかし、その中から巫女装束を纏った女性が出てくる。
巫女「もしや、あなた方は冥界から……?」
チェイス「あぁ。その身なり、人間たちのリーダーだな?」
そうチェイスが言うと、巫女は頷く。
巫女「はい。私は
チェイス「そうだ。だが詳しい話は後にして欲しい。まず彼女を、家族の元へ」
そう言い、チェイスは少女を自分の前に立たせる。
歩美「そうですね…では
望結「!!!」
家族がいる事を知った望結は、一目散に駆け出した。それを追いかけるように歩美以外の大人たちが走って行く。
滅「お前は行かなくていいのか?」
歩美「えぇ。あなた方のことと、冥界で起きていたことを教えてほしいのです。立ち話もなんですから、こちらに」
~縁側~
歩美「……そうですか、冥界でそんなことが……」
冥界で起きていたことを知り、驚く歩美。
歩美「それに、望結さんの予知夢にいたという仮面ライダーが、あなた方だったとは…」
チェイス「厳密には、夢に出ていたのは俺達ではないがな」
歩美「それは分かっています。ですが……彼女を助けて頂き、ありがとうございました」
座っていた縁側から立ち、礼をする歩美。
歩美「改めて、説明を。この世界では、悪魔がこの現界に侵略せんと、彼女を含めたコアを持つ人間を探しています。その為に、悪意を持つ人間に憑依し、現界に現れていました。ラミル様も含めた天使の皆様は、その事を我々に教えて下さったのです。そうして悪魔の企みを阻止すべく、私をリーダーとした組織《ガーディアンギルド》を設立しました。しかし……」
歩美が悲しげな表情をし、話を続ける。
歩美「我々はあくまで彼女達、コアを持つ者を保護するのが目的。悪魔に対抗出来る力は、持っていなかったのです。その為、最終的には天使の皆様に彼女を託しましたが、結果は……悪魔の力は、天使のそれすら超えていたのです。ですが……そこにあなた方が現れました」
歩美が二人の足元で跪く。
歩美「あなた方が持つ《仮面ライダー》の力は、悪魔達を倒す事が出来る力。身勝手ではありますが、どうかお力を貸して頂けませんか……?」
歩美が顔を上げる。その顔は、二人に任せっきりになってしまうことを悔いている顔であった。
滅「……そもそも俺たちは、人間ではない。心はあれど、肉体は機械人形。俗にいうロボットだ。それに、俺たちは元いた世界で、人間でいう《死》を体験した」
チェイス「だが、俺の使命は《人間を守る事》だ。それは滅も同じだろう。悪魔達は人類を滅ぼすと言った。ならば……」
二人が縁側から立ちあがり、チェイスが歩美に手を差し出す。
二人「俺達は仮面ライダーとして、人類を守る為に戦おう」
歩美「……ありがとう、ございます……!」
そして、年月が経ち………
~長野県 茅野市~
とある日、茅野市で大規模な爆発事件が起きた。警察や消防が調査しても原因は分からず、市は混乱に陥る。他市、他県でも同じ原因不明の事件・事故が相次いで発生しており、国民は大混乱。その事件は、天然のコアを持つ人間を見つけんと、人工的に作られたコアのエネルギーによって現界に降りた複数の悪魔が起こしたものだ。
事件が起きた日の深夜。静まり返った街の中を、悪魔達が手分けしてコアを持つ人間を探していた。
悪魔「だぁーくそ、全然見つかんねぇじゃねーかよ。ホントにこんなんで見つかるのかよ…?」
そう愚痴を言いながら、照明が消えた家の窓等から家の中を見て、コアを持つ人間がいないかどうか探す悪魔。
そうして悪魔が周囲の警戒を怠った瞬間、悪魔の背中に痛みが走る。
悪魔「うげぁ!?」
背中の痛みでつんのめりそうになるが、根性で耐える悪魔。そして後ろを振り向き…
悪魔「………!?お、お前…!」
後ろに立っていた、紫色のライダージャケットを着た無表情の人間……チェイスを見た。
悪魔「な、なんでここにいる……!?お前は確かキョウトってとこにいるはずだろ!?」
悪魔がヒステリックに叫ぶ。
チェイス「確かに京都で調査をしていた……だが、この街でお前たち悪魔が行動している事を確認した。故に急行しただけだ」
悪魔「ふ、ふざけんな……!こんなとこで死んでたまるか!」
そう言い、その場から逃げようとする悪魔だが
滅「ハッ!」
悪魔「ゲハッ!?」
何時の間にか回り込んでいた滅に刀で斬られ、後ずさる。
悪魔「なんだよお前らは……一体なんなんだよぉ!」
そう叫びながら、自らの武器である金棒を魔法陣から出す悪魔。
チェイス「……どうやら、詳しくは知らないようだな」
滅「そうらしい、行くぞ。」
二人はそれぞれのベルトを装着し、懐からアイテムを取り出す。
「俺たちは仮面ライダー」「人類を守る、戦士だ!」「「変身ッ!」」
この作品の続きを書く予定は今のところないです。ただ、筆がノリに乗ってたら書くかもしれないです。