コントラストにグラデーションを   作:zennoo

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皆さんお久しぶりです。uninです。
今回は中学時代のかのちゃん先輩が主役の小説です。

それでは、本編どうぞ!


1page:女嫌いの日常

「忘れ物よし……ネジの緩み無し……。よし、行くか。」

 

 

 

7/3 早朝に一人の14歳の少年が家を出た。

彼の名は丁礼田陽頼(てれいだひより)。なんか身長が高そうな名前をしているが実は同年代の女子とどっこいどっこい、あるいは低い身長の持ち主だ。

 

彼は今まさに学校に向かっている途中なのだが、右足を踏み出す度にキシ…キシ…と音が出る。

それもそのはず。陽頼は右足に障害があり、歩行時には必ず右腕にロフストランドクラッチをはめなければならない。陽頼が小学生の時からこの杖を付けているためもはやトレードマークとなりつつある。

 

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(はあ……マジで帰りたい……。)

 

現在時刻7:20。学校に来て早々何を言っているんだとツッコミたくなるが、一度胸の奥にそっとしまっていただきたい。この理由は陽頼の行動から推察してみよう。

 

 

「陽頼君、おはよう……。」

 

「あ、あー……おはよう……。」

 

 

陽頼の席の隣に空色の髪をした少女が座り、陽頼にぎこちない挨拶をかける。すると陽頼もぎこちない笑顔でその少女に挨拶をかけた。ぎこちない笑顔と言ったが「ぎこちない」という言葉を付け足していいのかどうかも怪しい。と言うのも陽頼の目が一切笑っていないのだ。

 

 

「ねえ陽頼君……」

 

「………」

 

「陽頼君?」

 

「っ!な、なんだよ……。」

 

「えーっと……その……」

 

「…ん?」

 

「い、いいお天気だね!」

 

「え?あ、ああそうだなぁ……。」

 

「ふえぇ……」

 

「ど、どうかしたのか……?」

 

「なんでもないよ……。」

 

(はああ……。助かった……。いちいちビビらせんなよ……。)

 

 

ご覧のようにこの少年、女嫌いである。理由は私にも分からないが、女子に対しては異様に警戒する。中学一年からの彼の性格というか特性である。今話しかけた少女、松原花音は警戒するほど危険な人ではないのは一学期が終わるころにはもう分かってもらいたいのだが、よっぽどの理由があるらしい。

 

 

「………あの…花音?前から聞きたかったんだけどな…」

 

「ふえっ!?」

 

 

彼女の口癖「ふえぇ」は返事の時にも使えるらしい。今度使ってみよう。

 

 

「なんで俺なんかに……声をかけてくれるんだ?」

 

「だって……その……」

 

 

この時ばかりは「陽頼のバカ!」って叫びたかった。が、これもまた一興なのかしら。しばらくあの二人を放置してみた。花音も陽頼と同じく異性を怖いと思っている。そんな二人がどのような結末になるのかなんて神様しかわからないと思う。

 

 

「陽頼君、なんだか面白そうなんだよね!」

 

「俺が……?どういうわけだ?というか俺は……その……。」

 

「ふえ?」

 

「いや…なんでもない…。」

 

 

二人の関係はこの夏でどのように変わるのか。私だけの楽しみなのかしら。




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