「決着ヲ付ケテヤル 鬼龍!」
「はぁ?決着をつけるだと?ソイツはお願いだから速く殺してくださいってことだよなあっ」
鬼龍とヴェルデューゴが再び相見え衝突する、互いに打ち合い繰り広げる超常たる攻防は、更にその次元を高めていく。
二度目の戦いでより相手の動きが見えてくる、単純な速さは勿論、体捌き、重心の移動、あるかないかの僅かな癖まで。
より無駄なく、より正確で、より相手の動きの合間を縫う様な攻撃、それを両者ともに連撃で打ち放ち、なんと未だに両者とも無傷。
完全に拮抗している、両者の持つ能力と技巧がぶつかり合って、均等に釣り合った天秤のように互いを食い止める。
しかしこの場にはその均衡を崩し、戦いを決着させるに足る要素があった、つまり片方にとっての協力者。
「野郎ーッ 今度こそ仕留めてやるぜ!」
「アシュリー、そこから動くなよ!鬼龍を援護する!」
アーチの上に退避しようとしたレオンとルイスが鬼龍に加勢しようと引き換えしてくる。合流すれば形勢は一気に傾くだろう。
「……クーククク」
「ほう?蛆虫が何を笑っている」
「ハーッ愚カ者メ!私ガワザワザオ前ノ相手ヲスルト本当ニ思ッテイタノカアッ」
「なにっ」
レオン達の意識がヴェルデューゴに向いた一瞬の隙を突いて高速で何かの影が飛来する。昆虫の様な羽音が響き、何もない虚空から滲み出るかのように奇襲の首謀者が姿を表す。
「えっ、いやああああ!」
その飛来する襲撃者は一直線にアシュリーに向かい、抱きかかえる様に両腕で拘束、そのまま瞬時に空中へとアシュリーを連れ去った。
「アシュリー!しまった!あれは…!」
「ノビスタドール!透明化させて連れてきてたのか!」
「クズが巫山戯た真似を…」
「シャアッ」
「うぐっ」
急いで駆け寄ろうとした鬼龍もヴェルデューゴに阻まれる、俊敏かつ意表を突いたヴェルデューゴの破滅的前蹴り、肉が潰れ骨が砕けることこそ無いものの、ガード越しから突き抜けるような衝撃が鬼龍を大きく吹き飛ばし後退させる。
「我等ノ任務ハサドラー様ノ為ニアル!最重要ノ標的ハ アシュリー ダ!」
「あううっ…は、離して!」
「おい、どうする!?撃ち落とすか!」
「ダメだ、アシュリーに当たるかもしれない!」
横合いから突進する形で襲いかかられ拘束されたアシュリー、既に飛び上がって助けられる高さではなく、下手に銃撃すれば最悪の事態も考えられる。
「クククク、孤島カラノ増援ガ到着シタ今、オ前ラノ処刑ヲ急グ理由ナドナイ ブッチャケオ前ラナンテドウデモイインダアッ」
「アシュリーサエ手ニ入レバナア」
ヴェルデューゴが高らかに勝利宣言を唱えて跳躍、そのまま一気にグリーン・コロシアムの舞台からレオン達を見下ろせる屋外廊下まで跳び乗った。
「残リ物ノ相手ヲシテヤレ」
〈〈オオオオオオオオッッ〉〉
そしてその場所にもいつの間にか配置されていたのか、ノビスタドールやコルロミス、果てにはガラドールさえ混ざった古城の信徒群が殺到して中庭に一斉に踏み入ってくる。
「下衆めが…そんなにも惨たらしく殺されたいのか…」
「やめろ鬼龍!もう追い付かない、それに次の敵がやって来るぞ!」
「それはそうだがいいのかよ!嬢ちゃんが奴らに捕まっちまったぞ!」
「アシュリーを利用するつもりであれば殺しはしない、必ずまた助け出す!今は目の前のアイツらだ!」
「鬼龍、今は冷静になれ、コイツらを倒した後でもまだ追い付ける筈だ」
「………いいだろう、2分だ、2分でコイツらを片付ける、そしてあの虫けらの全身をグチャグチャに崩壊させてやる」
「あぁ、解った!」
「2分だな、了解!」
〈〈〈多勢ニ無勢出ダイッケェーッ!〉〉〉
古城の月明かり指す中庭で新たな激戦が勃発する、銃声が鳴り響き、鮮血と脳漿がブチ撒かれる地獄のような光景がまたもやその場に顕現する。
その中心に立つのは激憤の業火を静かに吹き上がらせる超絶の武人が一人、逆鱗に触れられた龍が咆哮し駆ける!
・
・
・
古城、奥部─
「離せッ 離せェーッ!」
抱えられる様に連れさらわれるアシュリーは全身で強く藻掻くことで抵抗する、両足をバタつかせ、頭を降って頭突きを食らわせる。
〈グエッ、グエッグエッ〉
ただでさえ不安定な空中、しかと飛翔中は耐久力が著しく低下するという弱点を抱えるノビスタドールはアシュリーの苦し紛れの抵抗でも徐々に体勢を崩し始める。
「このッ…なめるな怪物ーッ!」
やがて片腕が高速から外れ自由となったアシュリーの、顔面への肘鉄を食らってとうとう目眩からその拘束を解いて墜落を始める。
〈ギャギャーッ〉
「きゃあああっ」
そのまま目的地に辿り着く事なく、道半ばで古城の窓ガラスに衝突、ガラスを粉々にしながら撒き散らし、室内に飛び入った。
ノビスタドールはそのまま砕けたガラス片に体を刻まれながら城内の壁に激突、血を飛び散らせながら倒れた。
アシュリーは幸運にもノビスタドールが先に衝突し、クッションの役割となった為、廊下に投げ出されただけで無傷であった。
「うぐっ…」
「うぅん…こ、ここは?」
蹌踉めきながらも立ち上がり状況を確認するアシュリー、そこはどうやら何処かの部屋へ繋がる廊下の用だった。
廊下の片側には窓が並び月明かりが指す、そのうちの窓の一つからここへ入ってきてしまったようだ。
風に煽られてカーテンのレースが何処か幻想的に揺らめいている、まるで海に揺蕩う海月の脚のようだった。
そして反対側には美しい女性を象った彫刻が並んでいる、その列の先には両開きの扉が見えた、その両脇にもまた大理石の彫刻が置かれている。
「まさか、レオン達とはぐれちゃった…?」
起きた事態を認識した途端、ぞわりとした怖気が全身を走る。胃の奥底からズキズキとした痛みが走り、嫌な汗が吹き出してくる。
高所から落下していく時の浮遊感、ソレが延々と続いているかのような恐怖に包まれる。
「た、大変だわ…!」
恐怖と焦燥に飲まれかけながらも、その脳内では慌ただしく様々な感情と思惑が交差して混じる。
今すぐ合流しないと…! 怖い
でも移動するのは危険なんじゃ
見つけてくれるまで隠れていればいい 何処に?
でも私が何処にいるかは知らない
伝える どうやって?
「ううっ」
頭痛がする様な思考の混濁により目眩すら起こすアシュリー、ふらついて転びかけるも床に片手を付いてなんとか踏み止まる。
必然的に視線が下を向く体型となり磨かれた床に自身の顔が反射して映る、暫くそれを眺めていれば不思議と少しは平静を取り戻すことが出来た。
「……そうだわ、危険だからってただ慌てるだけじゃなんにもならない…何か行動をしなきゃ」
「ここは廊下?なら留まるわけにはいかないわね、敵がやって来るかも」
立ち上がり、決意の籠もった目で辺りを見渡す。アシュリーにはただ守られる弱者でいる事を良しとしない強い心根が存在した。
「そうね、じゃあまずは…」
〈ウキギッ…ギャギャーッ〉
「えっ、ま、まさか…」
背後から聞こえた人間のものではありえない、声というより音の様な鳴き声、甲高い音程を濁らせた不快な響き。
そこには自分を連れ去ったノビスタドールがフラフラと立ち上がっていた、体中にガラス片が突き刺さり灰緑色の血液に濡れた姿で。
墜落して以降動かないので死んだと思われたが、実際はダメージを受けて昏倒していただけであった。
「あううっ…」
またもや激しい鈍痛の様な恐怖が湧き上がる、目の前の視界がぐらりと揺れて目眩がしてくる。
目の目のノビスタドールがゆっくりと一歩を踏み出し歩み寄るたびにその恐怖は強くなっていく、そしてついにノビスタドールが両腕を広げて素早く飛び掛かった!
〈ハーッ〉
その瞬間、アシュリーの中の恐怖は一つの行動となって出力される、本能が刺激されて肉体を支配する。
「うあああああ!」
〈ギッ!?〉
恐怖を掻き消す雄叫びが自然と喉から発せられる、ある意味、無防備な姿勢で迫るノビスタドールの顔面に渾身の力で握り締めた右腕を突き出した!
予想外の出来事に反応の遅れたノビスタドールにその一撃が見舞われる、本来なら何のダメージにもならないそれもすでに傷ついた肉体へのクリーンヒット、それも弱点である飛行時を気せずして撃つ攻撃ならば話は違う。
〈ブニッ…〉
力の籠らない空中で衝撃を受けて仰向けに転倒、起き上がろうとするも、何とアシュリーの更なる追撃が迫る。
「うわあああああ!」
仰向けに倒れた相手に伸し掛かりマウント・パンチの連打、おおよそ大統領の娘とはまるで結びつかない野蛮で暴力的な光景を生み出していく。
連打によりノビスタドールの傷口から更に血が吹きこぼれ、アシュリー自身の拳もノビスタドールに突き刺さったガラス片に当たって血を流す。
しかし発狂状態のアシュリーは攻撃を辞めない、ノビスタドールが解放されたのは受けた殴打の数が20を超えてからだった。
起き上がろうとしていたノビスタドールは力無く倒れ伏して動かない。
「ハァ…ハァ…」
(こ、これは現実…?頭がパニックになって何故か化物をボコボコにしちゃったよ…)
平常に見えて村や古城に渦巻く狂気はしっかりとアシュリーを蝕んでいた、その心の奥底の暴力的衝動を刺激していた。
しかし幸運にもソレは良い方向に作用した、恐怖により増大して目覚めた防衛本能と交わり、身を守る逃走よりも敵対者を排除する攻撃として表面化したのだ。
「ハァ…ハァ…ッ痛!」
徐々に正気を取り戻せば手の傷が痛みの信号を脳に送り込む、痛みを認識することで完全に正気へと戻れた。
「これからどうしよう…」
危機を切り抜けてようやく次の行動を始められる、不安を抱えながらも冷静な思考を取り戻したアシュリー、しかし危機はまだ過ぎ去ってはいなかった。
〈……ギ〉
「! 嘘…まさか…!」
倒れ伏したハズのノビスタドールが再び起き上がる、二度、弱点を突かれる形でダメージを受け、無防備な所にあれ程の追撃まで受けてなおノビスタドールは死んでいなかった。
プラーガを利用した生物兵器はこの程度で絶命する様な耐久力はしていない、仮にアシュリーが肉体を鍛えた成人男性ならあの追い打ちで仕留めることが出来たかもしれない。
〈グルル…〉
ノビスタドールの複数の目が緑から赤へとその色を変えていく、ダメージにより刺激された生存本能と怒りにより上昇していく殺意の現れだ。
開いた捕食口から唾液が滴り、零れ落ちた箇所の床を煙を立てて溶かしていく。対象を傷付けないようにと軽く閉じられていた掌が完全に開き、刃物と同等の切れ味を持つ五指が解放される。
「あ、あわわ…」
暴走、もはやノビスタドールの中にアシュリーを傷付けずに連れ去れという命令は無い、ただ目の前の生命体を物言わぬ肉塊と成り果てるまで切り刻む衝動以外は全て消え失せた。
〈ギュアッ〉
ノビスタドールがダメージを感じさせぬ俊敏さで動き出す、横方向に体を滑らせるようなステップ、距離を詰めると同時に再度のステップでフェイントを交える。
そして側面に回り込みその爪を振り抜いた、逆袈裟懸けに斬撃の起動を生み出しアシュリーを切り裂かんとその爪が向かう。
「きゃあっ!」
咄嗟に避けようとも緊張で足は動かず、背後に尻もちをつくように転倒してしまう。しかしそれでもノビスタドールの攻撃の軌道からは運良く離れられている。
しかし完全に躱せてはおらずカッターを当てた画用紙のように鋭い切り口が制服の肩に浮かび上がる。その下のアシュリーの肌も切り裂いて、間を置いて鮮血が滲み出してきた。
「あうっ」
〈ギーッ〉
痛みに反応する暇もなく、アシュリーを見下ろす形になったノビスタドールはまたその腕を振るう。その腕の起動が首元を狙っていることがアシュリーにもハッキリと読めていた。
「うわああっ」
無我夢中で尻もちを付いた体制のまま前転、頭上でなる風切り音に背筋を凍らせながらもノビスタドールの足元を転がって移動し攻撃から退避した。
「こ、このままじゃ」
ノビスタドールの背後に回り込んだ、とは言っても今は両者ともに背を向ける形となっている、すぐさま敵は振り向いて攻撃を再開するだろう。
何か無いのか、そう思うアシュリーの目に反射した月明かりの煌めきが幾つか見える、思考するより速くその光の中で一際大きいものを手に取る、そして素早く背後へと向き直った。
「はーっ…はーっ…」
〈……………〉
死の恐怖を間近に感じた肉体は不自然に硬直し、心臓が激しく脈打ち、全身から吹き出した冷や汗が体温を奪い凍えるような錯覚をもたらす。
呼吸を荒らげて向き合うアシュリーが両手で握っていたのは墜落の際に割れたガラス片、先が尖り何かの刃物のような形状のそれを武器代わりとして切っ先をノビスタドールに向けている。
それに対してノビスタドールは鳴き声一つ上げない無言、だがその殺意は些かも衰えてはおらず、その並んだ目は未だ赤く染まったままだ。
永劫にも思える硬直と睨み合い、実際にはほんの数秒程度のその時間がアシュリーの精神を音を立てて削り取る。
そしてノビスタドールが動き出した。
〈シャアーッ〉
「飛んだ!?」
ノビスタドールが脚力を生かした跳躍、そして地から足が離れた瞬間に羽を高速で羽ばたかせ飛翔して加速、今までに無い速度でアシュリーの元へ到達する。
両足を前方に突きだす、自然と上半身は後方に逸れて両足による飛び蹴りの形となる。その一撃は反応のできていないアシュリーの腹部を正確に捉えてヒットする。
「ぐうっ」
腹の中で内蔵が聞いたことのない嫌な音を立てる、ハンマーで殴られたかのような激しい鈍痛と強烈な圧迫感が腹部を襲う。そして次の瞬間、風で飛ばされる木の葉の様に軽々とその体は吹き飛ばされて床に叩きつけられて転がされる。
「う……ぐううっ」
蹲る様に倒れ動けないアシュリー、内蔵を損傷したのか喉の奥から血が登り口から溢れる。視界が霞み、今にも意識を失う直前まで追い詰められている。
〈ニィー〉
その様を見て勝ちを確信せどもノビスタドールの殺意は収まらない、一度火が付けば相手が確実に絶命するまで攻撃は止めない、そう作られている。
ゆっくりと勝利の余韻を堪能するようにアシュリーに歩み寄る、そうしてナイフのようなその爪でアシュリーを引き裂こうとする、その後は肉を貪るつもりなのか覆い被さる様な低姿勢で近づいたその時、
「……! 今だッ」
蹲っていたアシュリーが突然体勢を変えて右足の蹴りを放ってくる、吹き飛ばされながらも反撃する余力が残されていたのだ。
〈ギアーッ!?〉
二度目の予想外の不意打ちを受けるノビスタドール、運悪く顔面に突き刺さっていたガラス片に蹴りが命中し、金槌で釘を押し込むかのようにガラス片が頭骨を突き破って脳髄にまで届く。
〈 ア ア ア ア ア ア ! 〉
絶叫し、暴れまわるノビスタドール、手足を振り回して転がり周り、床中に灰緑色の体液を撒き散らす。
「こ、こんなの…ぜ、全然効いてないよ…」
その隙にアシュリーが立ち上がる、目は霞み、口元から血が溢れ、内蔵を痛め、床に打ち転がされた時にガラス片に刻まれて体中に裂傷が走る。
両足に力が入らなくなり、今自分が倒れているのか立っているのかさえ曖昧となってくる。
その手にはまだガラス片のナイフが握られていた。
(これは何…?今にも死にそうなのにまるで恐怖が無い…凄く冷静でいられる…無くなっていた力まで湧いてくる気さえする)
(これが火事場の馬鹿力だとでも言うの…?でも好都合だわ…)
死に瀕した肉体は時折本来の力を超えた能力を発揮することがある、それは肉体だけでなく精神でも同じ、死が近づくに連れてより思考がクリアになって冴えてくる。
(……あの目、アイツの目が半分潰れている…?)
アシュリーは気付く、ノビスタドールが自分の反撃を受けて負傷をしている、頭に食い込んだガラス片が脳内の神経を傷つけたのか、赤く発行する目のうちの左側半分が白濁色に染まり光を失っていることに。
〈フシュウウウ〉
もはや鳴き声にすらなっていない空気の抜ける音を口から溢しながらノビスタドールはそれでも戦闘を止めない、もはや自身の生き死にすらも抜け落ちて、標的を抹殺する為だけに動いている。
再び向かい合うアシュリーとノビスタドール、そしてまた永劫の数秒が訪れる、しかしアシュリーの心は揺るがされず冷静なままだった。
〈アーッ〉
ノビスタドールが駆ける、先程までは反応出来なかったその動きも今のアシュリーには不思議としっかり見えていた。まるでスローモーションの様な速度で迫るその動きに合わせて、体をノビスタドールの左側に滑り込ませる。
〈…ギ?〉
ノビスタドールから見れば突如として視界から獲物が消え失せた様に見えている、その逆にアシュリーはノビスタドールの見えなくなった左側からしっかりとその姿を捉えていた。
全身に張る不思議な力を全力で込める、両手で握りしめた手からも血が流れるも気にも止めず、全身の力と体重を込めて目の前の敵の顔面に振り下ろした!
「うおおおおっ!」
〈アギ…ギギーッ〉
その一撃はノビスタドールの顔面にある傷跡を滑り込むように抉り突き刺す。そして再び頭蓋を超えて奥にある脳髄に食い込んだ。
ノビスタドールの体が一瞬、ピクリと痙攣し、次に数瞬停止した後、少しずつ力が抜け落ちてズルズルと床に崩れ落ちた。
灰緑色の血溜まりを作って倒れ伏したノビスタドールの目の光は完全に消え失せて、もう起き上がる事は無かった。
「勝った…?……そう、終わったのね」
「危な…かった、けど…なんとか……」
息も絶え絶えに床にへたり込むアシュリー、その負傷も流した血の量も無視できるものではない。
だが何処かも知れぬ古城の回廊で、孤立無援の死闘を確かに制したのだった。
◇辛勝…!