TOUGH DEVIL HAZARD   作:ポジョンボ

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ハハハハ 本当アホですねぇ俺はっ
旧作とREの要素を雑に混ぜたからだいぶ前から設定がどっちの原作とも違っちゃってるのに

アホな投稿者は知るわけないか


第47話

 

 

 

機械室の鉄の床を踏み鳴らして首を折られた死兵の軍団が人海となって殺到する。正常な状態と引き換えに得たタガの外れた肉体で襲い掛かる。

 

ただのガナードが寄せ集まっても今の装備も気力も戦闘経験も充実したレオン達の相手にはならない。

 

だがガナードの群れは一体一体がクラウザーの仕込んだ“調整”で強化されていた。

 

 

 〈オチンチンミセタイノカオマエハ!〉  〈ウオオオキーボウトヤルノハオレダアッ〉

 

 

 「来るぞ!」

 

 

ハンドガン等の速度や取り回しを優先した銃器ではその勢いは止められぬと判断したレオンが散弾銃を撃ち放つ。

 

広範囲に広がる弾丸が最初に駆け寄った数体を吹き飛ばす、だが血を吹き出して宙を舞う仲間の横を通り抜け次のガナードが駆け寄ってくる。 

 

 

 〈イイイイッ〉  〈シャノーン!〉

 

 

そこに撃ち込まれるエイダの火薬クロスボウでの援護、矢の突き刺さったガナードを黒煙と共に血煙へと変える、爆風で側にいた数体を吹き飛ばした。

 

 

 「…駄目ね」

 

 

だがガナード・デスヌカドの軍団は止まらない、疾走する体に任せて駆け寄り倒れ伏した仲間も押し退けてひたすらに進んで行く。

 

 

 「完全に激昂した獣は心臓を撃ち抜いてもすぐには止められない、コイツらも同じ状態だ」

 

 「つまり単純な破壊力でぶち壊すのが正解」

 

 

次に鬼龍が動いた、剛脚による胴体への裏回し蹴り。平均60キロの肉の塊が軽々と背後に押し飛ばされる、蹴りが命中した胸部は陥没し内側の骨も内臓も破壊され、背後にいた味方を巻き込んで倒していく。

 

 

 「もっとも…これだけの数では容易にはいかんか」

 

 

迫りくるガナード・デスヌカドを数体倒してもその群れが後退することは無い、入れ替わるようにすぐ次の暴走する死兵が脇をすり抜けて向かって来る。

 

 

 「レオンよ、手榴弾を使え」

 

 「爆発で物理的に活動不能になる程の損傷を与えろ」

 

 「あぁ、手札を温存してる場合じゃ無いな」

 

 「援護するわ」

 

 

レオンが手榴弾を取り出してピンを抜く、鬼龍とエイダが前へと踏み出し、迫るガナードの勢いを利用した蹴り技で押し退けて隙を作り出す。

 

一連の動作は即席の連携とは思えない程よく速く正確だった、そして投擲された手榴弾が群れの中央で赤い花を咲かして炸裂した。

 

 

 〈アーッ〉 〈ボウ…ッ〉

 

 

大気を震わす衝撃の余波が殺傷範囲の外にいたガナード達の体も蹌踉めかせる、それでも止まらぬ前を走る者達はエイダの火薬クロスボウの餌食となる。

 

 

 「決着ね」

 

 

そしてそれすら超えようとも、待っているのは鬼龍の素手による屠殺劇、名の付いた技でも無い、だが超人の放つ殴打や蹴撃は強化された肉体を破壊するのに余りある。

 

もう一度、レオンの投げた手榴弾が血肉の花火を上げてようやくガナード・デスヌカドの特攻は勢いを失う、残った数体も的確な銃撃で処理された。

 

 

 「正面から纏めて来てくれて幸運だった、あの性質と数で待ち伏せでもされていたら厄介だったでしょう」

 

 「ゾッとする…だがこれで終わりのようだな」

 

 「確かに終わりだ、“第一陣”はな」

 

 「なにっ」

 

 

鬼龍がそう言うや否や、機械室の先の扉をまたもや荒々しく開け放ちガナード・デスヌカドの群れが機械室へと雪崩込む、第二陣たる増援だ。

 

 

 〈〈〈ホギャギャアアアッッ〉〉〉

 

 

 「まだこんなにも控えていたか…クラウザーめ、まさか島の兵隊を殆どアレに変えたのか…?」

 

 「決して組み付かれるな、一気に押し切られて殺されるぞ、奴等の間合いに入るより先に殺せ」

 

 「成る程、ここが防衛ラインって訳」

 

 

第二陣が散らばる屍を踏みのけて突撃、レオン達もまたそれぞれの武器を手にして迎撃する、手榴弾と火薬クロスボウの爆発がまた巻き起こった。

 

 

 〈ライオンハデスネェッ〉

 

 〈オマエノハハオヤハインバイノクソオンナ!〉

 

 

 「さぁ来い、叩きのめしてやるよ」

 

 

爆発を越えて来たガナード達にレオンとエイダがショットガンを取り出して発砲、胴体へ集中する弾丸が命を奪い取り、後ろの味方を巻き込ませて吹き飛ばす。

 

 

 「前から来る奴等の対処はお前達で充分だな」

 

 

鬼龍が龍腿に力込めて人間の跳躍力を遥かに超えて高く飛び上がる、その高度は天井にまですぐさま到達、張り巡らされたパイプの一つを掴んで腕で押し出す力を加えて落下の位置を前へと伸ばしていく。

 

そのまま床を踏み鳴らす大群と戦場を何と飛び越して通過した、暴走と共に視野も狭まり、感知能力も低下したガナード・デスヌカド達は鬼龍の跳躍と移動に気が付かない。

 

 

 「…奥からの殺気は無し、第三軍は来ない様だな」

 

 「正面から迎え撃つばかりでは芸が無い、即席チームらしく連携の一つでも取ってみるか」

 

 

前からは広範囲の爆発する矢と手榴弾、背後には回り込んだ鬼龍、余りにも危険な状況にも暴走するガナードは気付かない、もはや既に挽回の余地は存在しない事に。

 

 

 「こうなっては何処までが致命傷となるかも定かで無い、一体一体、確実に破壊する」

 

 

宣言通り、鬼龍が神の肉体とさえ形容されるそのスペックを総動員した一撃で背後から仕留めていく。

 

その拳は胸や腹部の上から内臓を潰し、その蹴りは脊椎を両断するように圧し折った、たった一撃でガナード一体を屍に変えていく。

 

前方にだけ殺意を向けていたガナードが鬼龍の存在に気付いてももう遅い、爆発と悪魔的拳撃に挟み込まれ、暴走ガナードの群れは数を減らしていく。

 

 

 「今度こそ終わりだ」

 

 

レオンの散弾銃が走り寄るガナード・デスヌカド最後の一体を粉砕する。

 

戦闘開始から数分後、機械室に現れたガナードの集団は全滅した、機械室には焼け焦げた肉片と決定的な損傷を受けて倒れ伏す死体が積み重なる。

 

 

 「全員倒したの?凄い…」

 

 「あぁ、邪魔なクソ虫共は排除した」

 

 「エイダの言う通りだな、今、正面から向かって来てくれて助かった、一人の時だとヤバかったぞ」

 

 「だけどこの結果はクラウザーも解っていた筈よ、わざわざ私達が揃っている時にぶつけて来たのはまだ何か手札を温存しているのか、それとも…」

 

 「奴はこの先に来れたらと言っていた、まるでここを切り抜けるのが解っていた様に」

 

 「何方にせよ気に入らんな、それに“プラーガの本当の可能性”と言う発言も気掛かりだ」

 

 「言葉通りに受け取るのなら、まだ私達の知らないプラーガの特性や能力か…あるいはサンプルとは別の何かがあるのかしら」

 

 「それらしい話はルイスからも聞いてないな、ただ今更だが教団もこの島も普通じゃない、ルイスですら知らない秘密があってもおかしくは無い」

 

 「まぁ良いだろう、奴が言うには教えてくれるらしい、ハッキリ言って信じられるか疑問だがな」 

 

 

機械室を抜けた先には幾つかの殺風景な部屋が続く、やがてセンサーで開く両開きの扉があった。

 

開いたその扉の先には今までの埃と錆びとコンクリートの冷たい質感ばかりの空間とは打って変わり、光沢を持つ艷やかな金属が通路を覆っていた。

 

天井からは鮮やかな青い光が通路に降り注ぐ。

 

 

 「……これは何かあるな」

 

 「そう、じゃあ気を付けてね、レオン」

 

 「罠と解っているんだ、全員で入ることはあるまい、それに生贄は一人だと相場が決まっている」

 

 「え〜っと、その…油断しないで頑張って!」

 

 「……泣けるぜ」

 

 

先頭を行くレオンが、その光沢と反射する光の通路へと足を踏み入れた次の瞬間、入り口の扉は閉まり、何かが作動する音が聞こえた。

 

通路の壁と壁の間に、赤熱する光の線が出現した。

 

 

 

 

 「本当に笑えないぜ」

 

 「えぇそうね、確かにアレはやり過ぎよ」

 

 「必死で避けて回るお前の姿は愉快だったぞ」

 

 「思い出した!昔見た映画に出て来たヤツだわ!」

 

 「コイツら…」

 

 

罠のある通路を通り抜けたレオン、予想を超えた凶悪な仕掛けに驚愕する暇も無く迫る無数の光線の網目、その合間を縫って回避する、出口横にある操作ボタンを押せば仕掛けの解除と共に入り口の扉が開いた。

 

 

 「それで?次は何だ」

 

 「この部屋は…」

 

 

レーザー・トラップ通路を超えた先の部屋もまたコンクリートの床と壁、天井にはパイプが走っている。

 

赤い証明で照らされるその部屋は不気味な雰囲気で包まれている、部屋の奥中央には両側に肘掛けの付いた、背もたれの大きい椅子が鎮座していた。

 

 

 「王座の間とでも言いたいのか、くだらん、サドラーのクズが王様気取りに浸るためだけの部屋だ」

 

 「あぁ……ん?」

 

 

鬼龍が垣間見えるサドラーの尊大さに侮蔑の言葉を溢したその時、レオンの持つ通信機がザザザと通信の入った音を鳴らし始める、取り出して通信を開始すると、聞き覚えのある低い男の声が聞こえてくる。

 

 

 「やはり切り抜けたか、そうでなくてはな」

 

 「クラウザー、まだ化物をぶつける気か?いい加減諦めろ、教団の後釜か何か知らないがお前に先は無い」

 

 「俺が死ぬか、お前が死ぬか、それはこれから解る事だ…教えてやろう、プラーガの真の秘密を」

 

 「サンプルを…支配種さえも超える“力”の存在を」

 

 

クラウザーのその言葉を受けてレオンのみならず、近くで聞いている他の三人にも少なからず疑問と驚愕が奔る。

 

 

 「支配種を超える力…!?」

 

 「ど、どういう事?皆、支配種っていうのが操ってるんじゃ無いの?教団もそれを使って…」

 

 「そうだ、それにそんな存在があるなら何故プラーガの研究に携わっていたルイスが知らない、何故俺達がその存在を聞かされていない」

 

 

 「ルイスか…確かに奴は教団の保有する生物兵器の実験と製作に関わっていた、だが教団…というよりもサドラーは殆どの研究員にさえその存在を秘していた」

 

 「城の発掘場から採掘された地層の中に眠っていたプラーガ…その中に素晴らしい力を持つ欠片が存在した」

 

 「琥珀の中で眠る力の根源…“アンバー”だ」

 

 

 「アンバー…だと?」

 

 「………」

 

 

 「そうだ、当初は誰もその異常性に気付かなかったのだろうな、だが支配種を宿すサドラーは違った」

 

 「琥珀の中で既に死したソレが自らに宿る支配種と同等以上の力を秘める事にプラーガを通じて気付いた」

 

 「慎重なサドラーの事だ…その力は自らの絶対的地位を脅かしかねないと理解した、それと同時に利用すればさらなる力を得られる事もな」

 

 

 「だからごく一部の研究員にだけ存在を伝え、その“アンバー”の研究を命じた…?」

 

 

 「理解が速いな、アンバーには驚くべき能力があった、それは接触したプラーガ寄生体の力を向上させるという能力だ」

 

 「サドラーはこの様な事を言って無かったか?自分は他の上位種とは違う、より優れた存在だと」

 

 

────────────────────────

 

 

 「私をメンデスやサラザールの様な出来損ないと一緒にするな、不出来なゴミクズとは性能が違う」

 

 「格が違う、能力が違う、存在そのものが違う、及びもつかぬ程に何もかもが違うのだ」

 

 

────────────────────────

 

 

 「何故サドラーが他の上位種と比べてあれ程圧倒的なスペックを持っていたかもう解るだろう」

 

 

 「まさか…支配種すらも強化できるのか!?」

 

 

 「ルイスの奴はそれがサンプルの齎す力だと思っていた様だがな、そしてそのアンバーは今…」

 

 「この俺の手の中にある」

 

 

 「クラウザー…貴方はまさか初めからその存在を知っていたの?だから教団の中枢に潜り込んだ?」

 

 「いいや、俺とお前がサンプル奪取の任務に付く際に与えられた情報に代わりは無い…ただ…」

 

 「今にして思えばクライアントはソレを想定していたのかもな、教団の秘密がサンプルだけでは無いと」

             

 「狡猾で冷徹な、悪魔のようなあの男の事だからな」

 

 

 「…言いたいことはそれだけか」

 

 「結局、お前が追い詰められている事に変わりは無い、お前はただの力に溺れたクズでしか無い」

 

 

 「ククク、己は違うとでも?鬼龍よ…」

 

 「俺は見てみたいのだ、俺が手に入れたプラーガという力の到達点を、そして人間であるお前達がどれ程それに抗えるのかを」

 

 「さぁ、先に進め、待っているぞ、素敵なパーティはまだまだ終わらない、これからなのさ」

 

 

その言葉を最後に通信機からの声は途絶えた、それを確認したレオンも通信を切り、クラウザーとの会話は終わる。

 

明かされた事実の前に全員が張り詰めた面持ちを見せる、やがてレオンが口を開く。

 

 

 「“アンバー”…サンプルとは別の特別なプラーガか、しかも他の化物を強くするだと?また厄介な隠し玉を持っていたな」

 

 「流石にこれは私にとっても予想外ね」

 

 「だがルイスですら知らなかった存在だ、クラウザーが手にしたのもサドラーが死んだ後の筈」

 

 「そうだな、本格的にアンバーの力を使われる前にクラウザーの下まで辿り着き、奴を倒す」

 

 

 「あぁ…」

 

 「えぇ…」

 

 「そうね…」

 

 

 「ウム…」

 

 

 「……レオン?」

 

 「……何やってるの?」

 

 

アンバーの情報を知ったレオン達はこの先に待つより激しい死闘を予感し、緊張を張り巡らす。

 

そしてレオンは意志の籠もった言葉と眼差しで、玉座の間の王座に座っていた。片足をもう片方の足の上で組み、片肘は肘掛けに持たれかけその手は顎に添えられる、少しの間をおいて静かに呟いた。

 

 

 「今はこんな事をしている場合じゃ無いな」

 

 

 「ほう、マトモな思考能力を失ったと思ったが違うようだ、突然ふざけてないで早く立て」

 

 

王座の背後には先へと進むドアが隠すように取り付けられていた、四人は更に進む、クラウザーの言う“アンバー”の脅威に備えながら。

 

 

扉の先に広がっていたのは先程の部屋とは打って変わって、無骨な岩肌がむき出しとなった広い地下洞窟だった、だがそこは通路として利用するために手を加えられた形跡があった。

 

洞窟の道は奥へと続いており、底の見えない奈落とそこに吊るされたコンテナユニットが奥へと続く道から見下ろせた。

 

 

 「奥に見えるのはゴンドラかな」

 

 「資材を運搬する為の物だろう、使えそうだ」

 

 「……何かいる」

 

 

静寂の只中から空気が走り詰め、臓腑を焼くプレッシャーが漂い始めるのを鬼龍は見逃さなかった。

 

忠告よりも先にまたレオンの無線から音が鳴る。

 

 

 「何だ?また通信が…」

 

 「ふむ、俺としたことが伝え忘れていた」

 

 「クラウザー、随分早くまた声が聞けたな、サドラーの後釜ってのはそんなに暇なのか」

 

 「今、お前達がいる資材運搬用の地底洞窟に面白い奴が住み着いている事を思い出してな」

 

 「なに?」

 

 「レオンよ、お喋りは後にしろ、何か来るぞ」

 

 「ずっと不可解だった、何故そんな不出来で凶暴な怪物が野放しにされたままなのか」

 

 「今なら解る、ソレはアンバーの影響を受けていた」

 

 

 「! 後ろか!」

 

 

レオン達の背後、地下洞窟の岩壁が強い力で打ち砕かれた、轟音、そして飛び散った破片と石煙の中から巨大な人型の影が姿を表す。

 

 

 「な、なに!?」

 

 「アシュリー、下がってろ!」

 

 

 「お前達の良い遊び相手になるだろうと思ってな」

 

 「紹介しよう、“マルティニコ”だ」

 

 

それは確かに大まかなシルエットは人型だ、だが正確なその姿はもはや人の範疇から大きく逸脱したものだった。

 

前頭姿勢の体躯は四メートルにもなる、ボロ布と化した衣服の残骸を纏うは変異した肉体、巨躯に見合った大型肉食獣を大きく凌駕した筋肉量、丸太よりも太い手足、毛の無い体。

 

もはや意味を成さない壊れた拘束具は歪な腕輪とネックレスの様で、手足の爪は一つ一つが人間の握り拳程に大きい、何よりもその顔面が異常だった。

 

 

 「また化物か…!」

 

 

充血した眼光と人の胴体よりも巨大な顔面の面積の殆どを占める口内、赤黒い大穴には手足の爪と同じ大きさの牙が幾重にも生え揃っている。

 

 

 〈キュアアアアアッッ〉

 

 

甲高い鳴き声を放つ、それはのたうつ寄生体の発する音に似ていた、怪物、マルティニコが剛腕を振り下ろして目の前にいた鬼龍とレオンを掴みに掛かった。

 

 

 「ぬうっ…!」

 

 「クソッ」

 

 

突然の奇襲にも対応して飛び引き回避する二人、だが不運にもその先には地面ではなく奈落の崖が広がっていた。

 

 

 「レオン!鬼龍!」

 

 「落ち着いて、二人は無事よ」

 

 

だが地下洞窟通路の横にはコンテナユニットが吊り下げられている、コンテナの内部は広くないながらもシャッター付きの通路となっている。

 

レオンと鬼龍はそこに着地した、衝撃を受け身で無効化してコンテナユニットに降り立つ。

 

 

 「マズい…怪物と離れてしまった、アシュリーが…」

 

 「その心配は無い、その心配は、な」

 

 

怪物マルティニコは岩の地面を叩き砕いた自身の両腕の中に獲物の姿が無いことに気付くと、すぐさま怒りの雄叫びを上げてレオン達の降り立ったコンテナユニット目掛けて飛び込んだ。

 

 

 〈アアアアア!!〉

 

 

激しい衝突音と振動でコンテナが揺れ動く、マルティニコが両手足でコンテナにしがみつき、中のレオンと鬼龍にまた咆哮を浴びせた。

 

 

 「化物に食われるのが先か、コンテナが破壊され奈落へ真っ逆さまになるのが先か、面白くなってきたな」

 

 「スリルを求めるにしたって限度があるぜ…」

 

 「エイダ!アシュリーを頼んだ!コッチはコッチで何とかする、ゴンドラの先で落ち合おう!」

 

 

コンテナユニットの中から遥か頭上の洞窟通路にいるエイダに向けて声を張り上げた、その声が届いたエイダも動き出す。

 

 

 「仕方ないわね…この状況じゃ」

 

 「解ったわ、さぁ行きましょう」

 

 「う、うん、レオン達なら大丈夫だよね…」

 

 「えぇ、彼に心配は無用よ」

 

 

エイダがマルティニコの奇襲を避ける際、投げ落とされたレオンの通信機を拾い上げる、そしてすぐさまゴンドラの方へ向かおうとしたその時、まだ繋がっていた通信機からクラウザーが語り掛ける。

 

 

 「心配は無用か、ならば自身の心配はどうだ?」

 

 「クラウザー…」

 

 「マルティニコは残念ながら知能に問題があってな、こうして縄張りに獲物を誘導するやり方でしか敵と上手く戦わせることができん」

 

 「形だけとは言え同じ任務を受けた縁だ、お前にはもう少しスマートな奴を割り当ててやろう」

 

 

 「うっ…な、何これ、青い…炎?」

 

 「アシュリー?…!」

 

 

頭痛の様に頭を押さえるアシュリー、不審に思ったエイダの視界に黒い影が音もなく侵入する、洞窟通路の奥から現れたのは金具の付いた黒いローブでシルエットを隠す何か。

 

だが袖口から覗く昆虫の脚の様な指、フードの奥で不自然なほどの妖光を放つ両目、見覚えがあった。

 

 

 「アレは…ヴェルデューゴ…?」

 

 

 「その派生系と言った所だ、お前が戦ったU−3のデータを新たに加えた新戦力、間の良い事に最後の調整が先程完了した」

 

 「“ペサンタ”…お前の相手に相応しい」

 

 

姿を見せた不気味なローブの怪物、ペサンタがゆっくりとエイダとアシュリーににじり寄る、組まれていた腕が降ろされ袖口から伸びる指が醜悪な隆起を起こし、やがて一つの形に纏まっていく。

 

 

 〈…………〉

 

 

その手から肉の塊は分離し、何と醜悪な肉の槍に変貌した、寄生体の鉤爪に似たその切っ先を地面へと向けてペサンタが構える。

 

 

 「そう…簡単には行かないって訳ね」

 

 

エイダもハンドガンを抜き放ち、戦闘に備える。洞窟通路とコンテナユニット、分断された両者と新たなる怪物達との戦いが始まった。

 




◇新しい怪物…!?
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