はじめに、この後書きは本編のネタバレを多分に含んでいますので「まだ本編読んでないよ」という方はブラウザバックを強く推奨します。
では、どうぞ。
<追記>
別サイトのpixivにも本作品を掲載しました。
あとがき
羊羹です。
恐らくこの文章を読んでいる方は本編を最後まで読んでくださった方だと思います。
この作品は自身の初投稿作品ですので正直拙い部分も随所に見られたかと思います。にもかかわらず最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
さて、この後書きは本編での設定、及び本編で織り交ぜた小ネタの解説を旨として書かれています。本編のifルートや後日談とは異なりますのでご注意下さい。
では、改めてどうぞ。
<設定>
・登場人物
名前 紫月晶(しづきあきら)
誕生日 2月15日
モチーフ アメジスト(別名 紫水晶)
トキノミノルの元トレーナー。彼女の脚を壊して以来、トレーナーではなく教官としてトレセン学園に勤務している。難しいはずの更新試験を一発でクリアしていたり、トレーナー育成の専門学校(四年制大学や短期大学など)を経由せずに高校卒業後直ぐにトレーナーバッジを獲得したりと、そこそこ優秀だったりする。因みに更新試験の倫理領域の点数はかなり低め(相当極端なことを書いていたため。なお秋川理事長には好評だった模様)、その分筆記と実技で点を稼いだ。
名前 駿川たづな(トキノミノル)
誕生日 5月2日
モチーフ エメラルド
東京優駿で足を壊しても走り切ったやべーやつ。なお現在は当時の七割程度の実力しか出せません(それでも色々やばいです)。
職権乱用をした回数で彼女の右に出る者はいない。なお全部バレていないor理事長から許可を貰った模様。
名前 トキノメグル
誕生日 6月20日
モチーフ アレキサンドライト
紫月以外トレーナーとして認めないやべーやつ。ポテンシャルはかなり高め、紫月曰く「トキノミノルと同じ衝撃を受けた」とのこと。
生徒会役員の一人。実は裏で紫月に関する情報を漁ってたり。
瞳の色は紫色と緑色、本人の意思とは関係なく変化。心情に応じて変化する。オッドアイになっている時を見れたらラッキーです。
・時系列
(左の数字は紫月の年齢)
18 高校卒業、ライセンス取得から丸ゼロ年(通常ライセンス所得の為の短期大学に通うのがセオリー)サブトレーナーとして勤務
19 丸一年 始めてのスカウト。トキノミノルは高等部一年(つまり十五歳)
20 丸二年 トキノミノル、高等部二年。デビュー戦をこなす
21 丸三年 トキノミノル、高等部三年。東京優駿を取る。足を故障。告白を断る
22 丸四年 駿川さんがトレセン学園に職員としてやってくる。シンボリルドルフが中等部一年で入学、紫月は教官となる
23 丸五年
24 丸六年 トキノメグルが中等部一年で入学
25 丸七年 トキノメグルが生徒会加入
26 丸八年
27 丸九年 トキノメグルが高等部一年になる
~本編開始~
4月1日 第一話
4月8日 第二話
4月15日 第三話
4月16日 第五話
5月2日 第六話、第七話
6月20日 第七話
<小ネタ>
・『トキ』と『時間』
この物語は『トキ』と『時間』をかけています。トキノミノルは『時の実り』を、トキノメグルは『時の廻り』を意味しています。具体的に言うと『時の実り』は長年募らせた恋の成就、『時の廻り』は新たな『トキ』の誕生です。
この話はどちらかと言えば時の実り……つまりは終わりを重視しているので、第一話は何としても6月20日に投稿したかった訳ですね。
6月20日は競走馬としてのトキノミノルが没した日。この物語はトキノミノルが終わる日にこそ始まるべきだと思ったからです。
(実はその日にはまだ最終話は出来てませんでした。ので、最終話の投稿が遅れたのは作者本人の試験対策期間が被って執筆及び校閲が遅れたからです。ごめんね)
また、メグルの誕生日を6月20日にしたのは『トキ』の引き継ぎを暗示していたりもします。が、もう一つ6月に誕生日を設定する必要が有りまして。それは後述の『宝石との関連』にて詳しく。
だから最後の最後に「駆け抜ける『 』」という様に空欄にしたのは、駿川さん自身が『トキ』である事に固執しなくなったこと、並びにメグルにその名前が引き継がれた事を表しています。
・宝石との関連
本編にてやたらと宝石の事が出てきたと思います。具体的には、
→トレーナーの仕事はウマ娘の中から原石を探し出し、それを磨いて宝石へと仕立て上げる事、と例える
→駿川さんの瞳をやたらとエメラルドに例える
→紫月晶という名前
→トキノメグルの誕生日が6月と予め言った事
→トキノメグルの瞳の色の変化
などなど、今挙げた以外にも数多くヒントを散りばめています。勘のいい方なら紫月の名前で違和感を覚えたかもしれませんね。
実は設定に記してある登場人物一人一人にはモチーフとなる宝石が有ります。そして各々のモチーフとなった宝石には『石言葉』と呼ばれる宝石に込められた言葉や想いが有り、登場人物にはその石言葉を体現してもらいました。
では、具体的に一人ずつ見ていきましょう。
紫月晶のモチーフはアメジスト(別名 紫水晶)です。アメジストの担当する誕生月は2月(紫月の誕生日も2月)、石言葉は『誠実』です。他にも幾つかありますが、この話ではこれを採択しました。
誠実さとは駿川さんとトキノメグル、二人に対して正直になる事です。最終話になってやっと、正直になれましたね。
次に駿川さんについて。彼女のモチーフはエメラルドです。エメラルドの担当する誕生月は5月(史実のトキノミノル、ウマ娘の公式設定による駿川さん、両者ともに誕生日は5月2日です。何かきな臭いですね)、石言葉は『愛の成就』です。
元々駿川さんの服装が緑だったことも含めて、エメラルドはピッタリだな、と思いました。石言葉も『愛の成就』で、しっかりとこの話の主軸を担っていますね。
(実は最初から石言葉になぞらえようと考えてこの話を書いた訳ではないんです。石言葉について知った時、既に物語の構想はある程度固まっておりまして……偶然エメラルドの石言葉とこの話の本筋が合致してるもんでしたから、当時の僕は相当に驚いてました)
最後にトキノメグル。彼女のモチーフはアレキサンドライトです。アレキサンドライトの担当する誕生月は6月(メグルの誕生日は6月20日)、石言葉は『秘めた思い』です。
アレキサンドライトと聞くと「なにそれ?」と思う方もいると思いますので、軽くこの宝石の特徴から。
アレキサンドライトの代表的な特徴は『色が変わる』という点です。宝石に当てる光の波長の違いで目に映る宝石の色が変わり、ものによって多少の誤差はありますが、アレキサンドライトは赤紫~緑と色が変化します。
ここまで来ればもう分かりますね。トキノメグルの瞳の色の変化、あれは彼女のモチーフとなる宝石を表しています。なお『色変化が何を意味するのか』等の詳細は後述の『トキノメグルの目の色変化について』にて。
さて、メグルもほかの二人同様に石言葉を体現していますね。『秘めた思い』……彼女にピッタリだと思います。小さい頃に見たダービーでの紫月の様子を見てから高等部一年になるまで、紫月からスカウトしてもらうためにずっと気持ちを抑えていましたからね。
(しつこいですが、本当に誕生石を決めてから物語の構想を書いたわけではないんです。僕からしたら偶然たまたま、六月の誕生石の色が緑と紫で、その上石言葉が秘めた想いだったんですよ。当時はびっくりして、逆に笑ってましたね。)
以上の様に、誕生石はこの話の中でも「『トキ』と『時間』」の次くらいにこの話の根幹に関わっています。それは次の『トキノメグルの目の色変化について』を見ても明らかだと思います。
・トキノメグルの目の色変化について
十二色相環、ってご存じでしょうか?そうです、学校で美術の時間に習いましたよね。
あれを思い浮かべた僕は「駿川さんって緑色やし、じゃあ主人公はその補色関係にある紫が似合ってるんちゃう?」と安直に考え、その結果主人公の名前に紫を入れる事が確定しました。
そうやって生まれた緑と紫の関係ですが、メグルの作中での瞳の色は紫月の『紫』と駿川さんの『緑』、この二色を行ったり来たりしている訳です。だから何の意味もなく「目の色変わるの、かっこよくね?」と僕が思ってこの設定をつけた訳では有りません。(かっこいいとは思うけど)
さて、メグルのモチーフはアレキサンドライトですが、勿論メグルの目の色は本物の宝石の様に当てる光の波長で虹彩に映る色が変わる訳ではなく、あくまで色変化は彼女の心情にのみ依存しています。具体的には、彼女の瞳は本人の意識がウマ娘である方に傾けば紫色、人間の方に傾けば緑色となります。
当たり前ですが、彼女はウマ娘なので普段は紫色の瞳をしていますし、滅多なことでは緑にはなりません。
ですが、彼女が紫月と居る時、且つ彼女が紫月に強い感情を向ける時……『紫月が欲しい』という、ウマ娘としてより、一人の雌として、その想いに本人の意識が傾いた時……彼女の目は緑に変わります。
実を言うと、物語の中でメグルは紫月に対しての恋愛感情を自覚していません。あくまで紫月にトレーナーになって欲しかっただけで、彼の誠実さには惹かれたが恋愛感情は無い……と、無意識的に彼女は捉えております。まぁだからこそ修羅場BADENDは回避出来たんだけどね。
だから最後の最後にメグルが「その場所も奪ってやる」と言った時、彼女の目は深い紫色でしたよね。それに本編で『好き』とか『愛してる』という言葉、一度としてメグルは発していません。恋愛感情を自覚していないことを表していたりします。(若干こじつけ感があるのは認めます。)
逆に言えば、彼女の目が濃い紫になる時は基本的にウマ娘としての『速く走る、一着を取る』という思いが強いときですね。選抜レースの時や、本編最後などです。
(ハイライトの有無は目の色に関係ありませんのでご注意を。彼女がただ重馬場してるだけです)
因みに彼女の目がオッドアイになる時、それは彼女が酷く動揺している時となってます。六話でオッドアイになったのは『紫月は欲しいけど、そのためにはもっと速くならないといけない』と言う、よく分からない状況になったからですね。
・『あなた』と『貴方』
実は同じ第二人称である「you」を意味する言葉ですが、漢字とひらがなで使い分けてたりします。
あなた……紫月が駿川さんを呼ぶとき
貴方……駿川さんが紫月を呼ぶとき
こんな感じです。(なお駿川さんが動揺したり感情が高ぶったりした時は例外的に紫月をひらがなで『あなた』と呼んでいます。その方が表現の起伏が有って面白かったので。)
第一話冒頭の告白のシチュエーション、有りましたよね?あれ、駿川さんが紫月に告白したのか、紫月が駿川さんに告白したのか、わざと分かりにくいように暈したんですよ。
おまけに第一話で紫月が『駿川さんの告白を断った』と言いましたよね。あれで僕は「しめしめ、これで数人は最初の冒頭の告白を駿川さんがやったのかと勘違いするんちゃうか?」と一人ニチャニチャしてました。本当に性根が悪い。
さて、何でこんな話をしたのかというと、実はこの二人称の呼び方の違いで冒頭の告白は誰から誰にしたのか、はっきりと分かるようにしたんです。(元から紫月が告白したと解釈した方なら、逆に気付かないかもしれないですね)
なお他の登場人物の第二人称は深く考えてないのでご注意を。
・各話の題名
小ネタと態々言うほどのものでは有りませんが、各話の題名は競馬のトラック、その各所の名前です。
ホームストレッチという題名の話が二つ出てきましたよね?そうです、第一話と最終話です。同じ冒頭で始まっているんですが、あれで紆余曲折ありながらもトラックを一周してきた事を再現しよう……と意図しています。(単に伏線を敷いていただけとも言える)
またバックストレッチが題名となっている話が過去編だったので、最終話で紫月がメグルに駆け寄るシーンにおいてはメグルをバックストレッチに配置しました。過去のトラウマにけじめをつける、或いは過去をやり直す、というシーンでしたので。
・缶コーヒー
ちょくちょく話の中に缶コーヒーが出てきたと思います。実は缶コーヒーは紫月自身を表していたりします。
微糖の缶コーヒーは変わる前の紫月、ブラックの缶コーヒーは変わった後の紫月、という感じですね。
第一話で紫月はブラックを飲もうとして、それでも間違って微糖を買っていましたね。止まった時間の中に居る自分を鑑みて頭の中では変わろうとしていても、結局変わる事の出来ない紫月自身を象徴しています。また、駿川さんが微糖の缶コーヒーを奪い取ったのは変わろうとする紫月を牽制する、或いは変わる前の紫月を欲している事を表してます。
次に第五話でメグルが紫月の忘れていった微糖の缶コーヒーを目の前で握り潰すシーンが有りましたね。あれは過去の紫月の一方的な破壊、要は紫月だけの時間をメグルが無理矢理動かした事を表してます。
最終話でブラックを飲むシーンはそのまんまです。過去にけじめをつけ、紫月の内面が変わった事を表していますね。この辺りで気付いた方もいるのではないでしょうか。
<まとめ>
設定のほとんどは本編で書いたので、ここに書いてあるものは相当少ないです。トレーナーライセンスの設定は自分で書いているにもかかわらず、相当難解だと感じました。許してください。
小ネタについても、ここで取り扱っているのは本編での説明がなかったり、本編内の描写だけでは読み取りにくいものに絞っています。話の本筋を解説したものでは無い事に注意してください。
さて、あとがきだけでかなり長くなってしまいましたね。ここまで読んで下さり本当にありがとうございました。
実を言うと、この話は初投稿作品ではあるんですが別に書いてる長編の息抜きで書いたものなんです。なので、もしかしたらまた僕の作品を手に取って下さる機会があるかもしれません。その時は「ああ、なんかまたやってるな、こいつ」みたいな温かい目で見てくれると有難いです。
では。