サンディエゴ鎮守府で起きるロクでもないKAN-SENと騒ぎを収めることの出来ない指揮官の無能とホモビと偶に愛憎噴き出す日々を綴った日誌 作:ゼフィガルド
ここはサンディエゴ鎮守府。御神体であるサンディエゴちゃんを崇め奉ったり、そうでなかったりしながらも。多国籍のKAN-SENが帰属する場所である。
昨日は想像以上に楽しく話が書けたので、今日も今日とてアズレン編である。秘書艦である蒼龍は、本日のスケジュールを確認していた。
「今日は、フィリップ議員から食事に誘われていますね」
「よし。分かっ……」
「うん? 今、食事に行くって言いましたよね?」
どうやら先日の話を覚えて居たらしく、ヘレナが誘って欲しそうに目をキラキラさせていた。
「あぁ。行って来るよ。私が居ない間の鎮守府を頼んだぞ」
「何サラッと置いて行こうとしてんだお前ェっ!!!!」
どうしても食事会に行きたいらしい。というのも、この鎮守府において、食の偏差値は高くないから、高級店に憧れているとでも言うのか。
他所の鎮守府の様に美食を振舞うKAN-SENも居なければ、食堂はお袋の味であるなんて幻想も無く。ユニオンらしい効率と利益優先の為にジャンクフードめいたモノしか提供されていない。
「ホモビとFPSの話題しかしない奴を連れて行けるか!」
「アレから芸能人や俳優のゴシップ記事やバッシング記事をキッチリ覚えて来ました!」
「ボケェっ!!!!」
うっかりゴシップ記事の内容を話したりすれば、何と思われるか分かった物ではない。
「蒼龍さん。偶には、誰かにこういった仕事を覚えさせた方が良いんじゃないんですか? もしも、蒼龍さんの身に何かがあったら、指揮官1人で社交場に行かなくちゃいけないんですよ? そうしたら、こんなペンギン。嘗められるか攫われちゃいますよ」
「忘れがちだけれど。私、メンタルキューブ埋め込まれた強化兵士だからな? ただの人間相手なら、ぶっ飛ばせるからな?」
「ですが、私に何かあった時用に社交場を経験している者が増えることは悪いことではありませんね」
メンタルキューブも未知の技術で、何時不具合が出るか分かった物ではない。
もしかすれば、明日には誰かが消えていることもあるかもしれない手前、ヘレナの提案は一蹴できる物でも無かった。
「ふむ、蒼龍君が言うなら。一理あるのだろう」
「流石秘書艦さん、見事な慧眼ですね。戦うだけがKAN-SENの役目じゃないんですよ」
「なので、美女揃いで、品も良くて常識もあって社交性もある鉄血の方の中から選抜しましょうか」
「何言ってんだお前ェっ!!!!」
背後に『ドン!』という文字が浮かび上がりそうな覇気を放ちながら、ヘレナは蒼龍の肩を掴んでいた。どうしても、食事に行きたいらしい。
「言っておきますが。ただ、食えば良いってだけじゃないですからね。マナーとかも大事ですからね?」
「それを言ったら鉄血の皆さんだって、あるかどうか分からないじゃないですか。ちゃんと試験をするべきですよ。BBQ部門と高級料理店部門で」
「お前、参加賞だけ貰って帰るつもりだろ」
「経費では落ちませんよ」
だとすれば、出来そうなものはBBQ部門位だった。こうなるとヘレナも開催される物と踏んだのか、ジュースタに書き込みまくっていた。即座に反応が付いた手前、もう開催しないという選択は無かった。
「えらいこっちゃ……」
「毒を食らわばなんとかです。本当に鉄血の人らも、パリピ場に適応するかを見るいいチャンスですし」
かくして、突発的にではあるがBBQ大会が開かれることになり、併せて社交界用のスキルを確認するという名目も付けて参加者を募集した。
~~
んで、当日。ヘレナ以外もKAN-SEN達が集まっていた。だが、一つ問題が発生していた。
「指揮官! 肉! 肉食えるんだろ!」
「偶には脂っこい物を食べたいと思っていたのよね~~!」
「beef or beef!」
「マシュマロも持って来たよ~~」
「ビスケットも持って来たぞ!」
「えらいこっちゃ……」
社交界に連れて行くメンバーを集めたいのに、やって来た者達の殆どが駆逐級と女王陛下ことクイーン・エリザベスの様なお茶目な心を忘れない者達だった。勿論、ロリを社交界に連れて行ける訳がない。
「指揮官。どうするの?」
業務命令とあれば付き合いの良いビスマルクも一緒に来ていた。既に、オイゲン達が樽生ビールを始めとした、炭酸ガスボンベや氷冷式ビアサーバーなどをセットしていた。
「オイ! そこ! 試験も兼ねているっつっただろ!」
「うるさいわね。BBQでビールも酒も無いなんてありえないでしょ」
「言われてみれば」
「そう言う、直ぐに納得する所が駄目だと思う」
グラスに並々と黄金色の液体が注がれていく。泡も盛られて行くが、悲しきかなペンギンの体では酔えない。でも、飲んだら美味そうだな。と、喉が鳴った。
「よぅし! 肉を焼き始めるか!」
「指揮官最高ー!」
「かんぱーい!」
カチンとグラスが打ち鳴らされ、鉄板の上で分厚いステーキが焼かれて行く。肉の焼ける匂いが拡がり、集まったKAN-SEN達に誘われる様にしてスタッフ達も参加しては、食材を持って来る。
「いやぁ、開催して良かったですね」
「全くだ」
「指揮官ー! 早く、肉切ってくれよー!」
「任せろ!」
今の自分は、鎮守府で最も頼りになる存在。心躍らせながら、肉を切り分けマシュマロを焼いてたりなどして充実した時間を楽しんでいた。
「試験は?」