(アークサイド)
「初めまして皆さん。私が今日からこの会社を取り仕切る新社長、緑谷出久です。どうぞ宜しくお願いします」
社員達の前で、頭を下げる出久。周囲の社員・・・つい先日違法労働の暴露と共に
「え、えっと、社長?貴方が?」
「はい。これでも歴とした社長です。少しばかり、若いですがね」
少しじゃねェだろ、と言うツッコミは、今更なので仕舞っておく。その片棒を担いだのは私だしな。
「少しじゃなくね?」
おっと仕舞っておけなかった社員が居たようだ。
「まぁ、そうですね。ですが、運営手腕はそこらの社長にも負けません。さて、早速ですが・・・此処に居る皆さん全員に、社長権限で最重要業務を課します」
「「「「ッ!」」」」
出久の言葉に、全員の空気がピリピリと張り詰める。中には、明らかに落ち込んだり涙目になる者も居た。
まぁ、今までは上司からの命令で無茶な事しか言われて来なかったのだろう。そうなるのも当然と言える。
「ガヤガヤせず静かに聞いて貰えるのは有り難いですね。では・・・
休みなさい」
一瞬のフリーズ。次いで、先程とは別種の困惑。
丸くした目を互いに見合わせる社員達を見て、出久は深い悲しみを抱いたようだ。
「あなた方の労働環境は把握しています。有給も取れず、上司からの理不尽な雑言。毎日深夜まで残業しても、払われない残業代・・・皆、うんざりじゃあありませんか。
今日の午後から一週間、完全な休暇とします。家で寝て過ごすもよし、整体に行くもよし。各々の好きな事を、存分に満喫して来て下さい。
今まで使えなかった有給として、既に書類は私が承認を行うのみの段階です。
この期間中は、我が社の予備人員部署で労働を引き受けましょう。今日の作業は、その部隊への申し送りのみ・・・と、その前に」
パチンッ、と出久のフィンガースナップが響く。するとオフィスの扉が開き、ガラガラと台車が入って来た。
「まずはお腹を空かせて居るであろう皆さんに、私からの細やかなプレゼントです。召し上がって下さい」
台車に乗った、大皿と寸胴鍋。蓋が外され、その中身が露わになる。
それは、ラッピングされた大量のお握りと、味噌汁。何方もほかほかと暖かく、薄らと湯気を纏っている。
「『腹が減っては戦は出来ぬ』・・・私の好きな言葉です。
シャケお握り、ツナマヨホウレン草お握りに、ワカメと小松菜の味噌汁。疲労困憊の身体に必要な栄養を、出来る限りコンパクトに纏めた献立です。
さぁ、遠慮無く・・・召し上がれ」
給仕係と共に、出久は大きめの紙コップに味噌汁をよそった。差し出されたそれに、他の社員はどうして良いかまだ分からず、動けないでいるようだ。
「あ・・・あの!い、いただきます!」
そんな中、1人の青年が怖ず怖ずと此方に近付いてくる。それはあの夜、公園で怨嗟に押し潰されそうになっていた青年だった。
「はい、どうぞ。焦らずに、確りと食べて下さい」
味噌汁と、お握り2つ。渡された青年はラップを剥がし、口に運んだ。
「・・・う、うまい・・・!」
「そうでしょうとも。労い、いたわる善意・・・我が社は、これを忘れません」
柔らかな口調で、出久は語る。
勤労への感謝。それは、ザイアの社員に掛ける、出久の理念そのものだ。
「お、俺も!いただきます!」
「私も!」
「はい。ちゃんと全員分ありますので、慌てずに食べて下さいね」
オフィス中の社員達が、台車に殺到する。そしてそれぞれが出された物を受け取り、大口に頬張った。
(・・・美しくも、悲しい光景だね)
『そうだな。故に・・・この会社では、今回限りだ』
そんな姿に感傷を見出す出久に、私もそう答える。
こんな彼らを救う為に、この会社の上層部に滅亡をくれてやったのだから。
(出久サイド)
「お疲れ様でした」
「「「「「「「「「お疲れ様でした、社長」」」」」」」」」
無駄に切り分けられて山のように水増しされた仕事をマルチタスクで終わらせ、午前中でさっさとオフィスを出る。
それにしても、全く・・・反吐が出そうになるな、この会社の労働状況は。
「まさか、態々部下に仕事を分割させ、更にそれを他の社員に回していたとは・・・」
『理解不能だ。効率が悪いなんてレベルでは無い。何故無駄でしか無い工程を挟むのだ』
「多分、部下に仕事の増量を悟られない為の偽造工作だよ。元々から水増しした仕事をさせて、後から少しずつ自分の熟すべきタスクをその中に流し込む。水増し分を調節すれば、部下目線からは仕事量は大して変わっていないように感じるからね。
でも、流された仕事の中には新人には手の下しようの無い物もある。そこでミスを誘発し、精神面で追い詰めて正常な判断力を更に削ぐ・・・全く、よく出来た洗脳カリキュラムな事だよ」
『成る程、そう言う意図が・・・』
ウムム、と唸るアーク。アークは論理的な予測には滅法強くて、もはや未来予知レベルの高次予測能力がある。その反面、こう言う回りくどくて感情的な事態に対しての判断が若干弱い。悪意を力に変える癖して、本質は善人っぽいからかな・・・
「あ、あの!」
「ん、貴方は・・・」
後ろから声を掛けられ、振り返る。そこに居たのは、先程の青年だった。
「もしかして、あの夜の公園の・・・あれ、社長ですか?」
「・・・さぁ、どうでしょうねぇ・・・?」
「・・・あ、ありがとう御座いましたっ!」
「良いって事ですよ。働いてくれる社員は、確りケアする。それも社長の役目です。休暇を楽しんで下さい。
それでは、私はこれで」
深々と頭を下げる彼に手を振り、僕達はエレベーターに乗った。エレベーターの中にいるのは、僕1人。15階から地下1階まで降りるから、そこそこ時間が掛かる。
『出久、
「そっか、分かった。今夜もお願いね、アーク」
アークの報告に答えていると、地下駐車場でエレベーターが止まった。そこで降り、僕の愛車を目指す。
いやはや、国際免許を取っておいて良かった。これが有るか無いかでは、移動の手間も雲泥の差だ。
「さて、帰ろうアーク」
『ああ』
駐車場の隅に駐められた
「安全運転で行きますか」
『それを強く推奨する』
フルフェイスのヘルメットに頭を納めてエクステンダーに跨がり、バックにギアチェンジ。駐車スペースから離脱し、一気に走り出す。
(やっぱり、バイクは楽しいなぁ・・・!)
『お前のストレス発散に、大きく貢献しているのは確かだな・・・む』
「あっ」
ザイアスペックに入電。どうやら進行方向で銀行強盗が発生したそうだ。
『どうする?』
「当然」
【THOUSAN DRIVER!】
「狩るさ」
【ゼツメツ!EVOLUTION!】【BREAK HORN!】
ドライバーを装着し、アウェイキングアルシノを装填。アメイジングコーカサスを起動し、両手を広げるルーティンを取る。
「変身!」
【PERFECT RIZE!】
【When the five horns cross!The golden soldier THOUSER is born!】
全身を金銀の装甲が覆い、5本角が頭部に装着。仮面ライダーサウザーへの変身が完了した。
【Presented by ZAIA】
【THOUSAND JACKER!】
ジャッカーを構えて、バイザーの望遠カメラ機能を起動。遥か前方に人だかりを見付け、それが野次馬であると判断した。
『ライジングホッパーだ』
「言われずとも!」
【JUMP!】
起動したホッパーキーを、エクステンダーのタンクボディに設けられたユニバーサルスロットに押し込む。閉じられたシャッターを左右に押し開き、内部に接続した。
【Progrisekey confirmed. Ready to Boost!】
【Grasshopper's Ability!】
すると、エクステンダーのリアカウルにホッパーキーのデータが伝導。ライダモデルの飛蝗の後脚が現れ、ギリギリと関節を引き絞る。
「行きますよッ!」
─ヴァオウッ─
一気にアクセルを吹かし、ギアを3速にチェンジ。エクステンダーの前輪が嘶くように跳ね上がり、そのウィリーに合わせて圧縮された飛蝗脚が解放。道路を踏み砕かん勢いで蹴り飛ばし、バイク本体ごと大きく跳躍する。
そのまま野次馬を軽く飛び越え、逃走寸前強の盗敵の頭上に躍り出た。
「なっ!?」
「ハッ!」
【JACKRIZE!】
トラックの荷台に乗っていた、ミヤマクワガタ型の異形敵の脳天をジャックライズ。そのままアスファルトを切り付けるようにサイドスライディングブレーキを掛け、すぐさま敵へと突貫する。
「何だコイツは!?」
「只の社長だ」
「ごへぇっ!?」
ミヤマの胸元を強打して気絶させ、残りは2人。どうやらパンダとワニ、恐らくクロコダイルらしい。異形型3人組の強盗か、良くある事だ。
「お縄に着きなさい」
「ほざけェ!」
パンダが腕力任せに爪を振り下ろしてくるが、所詮は力任せの大振り。前方にステップする事で容易く潜り抜け、脇腹に肘を突き込んだ。
「うげっ!?」
「浅いな。毛皮の防御力か。ならば!」
【JACKING BREAK!】
チャージ状態だったジャッカーで、ジャッキングブレイクを発動。クワガタの大顎を模したエネルギーが発生し、パンダの胴体をホールドする。
ミヤマクワガタをジャックしたが、顎の形はヒラタクワガタだな。ならば・・・
「ジャッカー・ドルカシスクラッチ!」
「あいぼグヘェ!?」
挟み込んだパンダを持ち上げ、そのままクロコダイルの頭上に叩き落とす。その体重で押し潰され、クロコダイルは伸びてしまったようだ。
「フッ、瞬く間に制圧。周囲にも被害は無し。これがザイアクオリティ。我が社の強さは1000%」
自動走行でエクステンダーを呼び寄せ、トランクケースからアイテムを取り出す。銃のグリップのようなそれは、先端を敵の身体に押し付けてトリガーを引けば、たちまち細長いワイヤーが伸びる。それをグルグルと巻き付け、3人仲良く捕縛した。
「ふむ。このスレッドバインダー、上出来ですね」
このアイテムはスレッドバインダー。内部の圧縮カートリッジに詰められた薬液を混ぜ合わせ、瞬時に人工蜘蛛糸を精製する画期的な装置だ。一度のリロードで、およそ800mの糸が出せる。これがあれば、捕縛手錠等を持つよりも軽量で嵩張らず、利便性が上がる事は間違い無いだろう。
これも特許を申請中の新商品だ。因みに、蜘蛛糸の方は特許が取れた。
「さて、これで一件落着ですかね」
『出久、ジャックしておけ。パンダとスタッグはライダモデルだ』
「おっと、了解」
【JACKRIZE!】
【Progrisekey confirmed.Ready to Learn.】
【INJECT RIZE】
【
「エキサイティングスタッグ・・・有用ですね」
【JACKRIZE!】
【Progrisekey confirmed.Ready to Learn.】
【INJECT RIZE】
【
「スカウティングパンダ。特性は・・・何でパンダでコレ?」
『デザインだ』
「あぁそう・・・」
ちょっとモデルからは想像出来ない能力だったから困惑したが、まあ良い。何より、この能力は
「序でに、クロコダイルのデータも取っておきますか」
『あぁ。後々キーに出来そうならしておこう』
「お願いね、アーク」
【JACKRIZE!】
「と、まぁ片付いた処で、さっさと帰りますか」
もう変身解除するのも面倒なので、そのままエクステンダーに跨がる。と、ボディに刺したホッパーキーの回収は忘れない。挿入口横のアンロックボタンを押し、空薬莢のように排出され跳ね上がったキーをキャッチ。そのままアクセルを回し、風を切って発進した。
(NOサイド)
「ハァッ、ハァッ・・・ッかハァッ、ハァッ!クソッ、何だってんだよ!?」
逃げる。逃げる。逃げる。
走る。走る。走る。
碌に舗装もされていない林道を、喧しく暴れ回る心臓を抑え付けて、千切れそうな肺から無理矢理酸素を取り込んで、男は走る。
全ては、
『この逃走経路は、予測済みだ』
「ひっ・・・!?」
しかし、どうやらそう簡単には逃げられないようだ。
男が逃げようと向かっていた先。その木の陰から、
漆黒のボディに、突き破るように剥き出されたパイプや配線。頭部のアシンメトリーなアンテナに、血濡れの歯車にも見える真っ赤な左眼。言うまでも無く、1度人類を滅亡させた最悪の悪魔・・・仮面ライダーアークゼロである。
「ひ、ひぃぃぃ!?」
『貴様は消す。逃がしはしない』
「い、嫌だぁぁぁぁ!!」
情け無い悲鳴を上げて、尚も逃走を試みる男。対するアークゼロは、逃す事無くジリジリと追い詰める。そして、遂に男は立ち止まった。
『もう終わりか。詰まらんチェイスゲームだ』
「ハァ、ハァ、ハァ・・・ハァァ・・・クッ、ククククッ・・・」
落胆する様子を見せるアークゼロに対し、万事休すと言った状況にしか見えない男が何故か笑い始める。
『ほう。何か可笑しいか?』
「ハハハ!気付きもせず油断して、ノコノコ着いて来てくれてよォ!」
男が背後に手を翳すと、その先にあった真っ黒な盛り上がりがガラガラと音を起てて浮遊し始めた。
男の個性、《磁力》──自身を中心に磁界を発生させ、意のままに操る能力──を発動させ、不法投棄された金属屑を寄せ集めたのだ。
「ブッ潰れろォ!」
『愚かだな』
轟音と共に降り注ぐ金属屑を見ても、アークゼロは揺るがない。そして鉄の滝に打たれて塵が舞い上がり、周囲を煙のように包み込む。
「きひっ、ヒャハハハ!どうだ俺の個性は!金属さえ沢山あれば!テメェなんざ1発なんだよ!」
数トンはあろうかと言う金属屑の山に埋もれたアークゼロを、男は嘲う。致命的な間違いにも気付かずに。
『全く・・・哀れなものだな』
「・・・は?」
小高く積もった屑鉄の山が、ガラガラと音を起てて崩れ始めた。その中から現れたのは、無傷のアークゼロ。その周囲は、まるでバリアにでも遮られたかのように金属が除けられていた。
『ふむ、確かこう言う時には・・・「哀れだな~ァ。本気で言ってるとしたら抱き締めたくなっちまうぐらい哀れだわァ」・・・と、言えば良いか』
とあるアニメの悪党語録を使いつつ、アークゼロはゴキッと首を鳴らす。そして絶望に飲まれ腰を抜かし、失禁すらしてしまっている男に再び詰め寄った。
「な、何で!何で俺が消されるんだよ!?そりゃ敵と組んで八百長とかしたけど、それだって、たかが知れてるじゃねぇか!」
『たかが知れている、だと・・・?あぁ、哀れを通り越して呆れが出る。もう動くな。アークジャック』
ヤレヤレ、と言った雰囲気で頭を振るアークゼロ。心底不快そうにしながら首を掴み揚げつつデータをジャックし、再び口を開いた。
『貴様がやった八百長で倒壊した家屋には、高校生の少女が取り残されていた。当然倒壊に巻き込まれ、救助はされたが・・・病院搬送後に容態が急変、心臓麻痺で死亡が確認された』
「は?きゅ、救助はされたんじゃねェか!それにあの時、死亡者はいねぇって・・・」
『死亡したのは、倒壊の翌日だ。そして死因は、高カリウム血症による急性心不全・・・所謂、クラッシュ症候群だ。
少女は瓦礫により脚を強く圧迫されていた。それにより筋肉が壊死し、カリウムやミオグロビンと言った、体内組織に対する毒性の強い物質が蓄積・・・それが救助の際の圧迫解放によって全身に回り、中毒症状を起こした。
分かるか?これは、貴様が少女を殺したも同然だ』
クラッシュ症候群・・・大規模な地震災害において併発しやすい、重篤化すれば死に至る自家中毒性ショック症状だ。
『何より、何故貴様程度が思い付くヒーロー汚職が、一切世間に認知されないか・・・考えた事は無かったか?それは・・・
そう言った現代のヒーロー社会の基盤を揺るがすゴミを存在ごと処理する、専門の掃除屋が居るからだ』
【ALL EXTINCTION!】
ドライバー天面のアークローダーを叩くように押し込み、アークゼロは必殺技を発動。無慈悲な死刑宣告とも言える低い電子音声と共に、斥力操作で空中に浮上。ドス黒いエネルギーを纏い、右脚を突き出した。
「ひっ、ヒィィィ!?止めろ!く、来るなァァァァ!!!?」
磁力で金属を掻き集め盾にするが、しかしそれはアークゼロの
「嫌だッ!死にたくない!嫌だ嫌だッ!嫌だァァァッ!!!?」
黒く悍ましいエネルギーを纏ったライダーキックは、男の肉体を容易く貫き、原子レベルまで分解した。其所にはもはや、その男が存在した証拠は、何一つとして残っていない。
「うひゃ~、やっぱえげつないッスねぇアークさんは」
『・・・事後処理は終わったか、
上空から舞い降りた影・・・
「ハイハイ、綺麗サッパリと」
「しかし、時間を掛けすぎじゃあ無いか?」
と、其所に腰のベルトと青いカラーリングが特徴の、女性と思しきシルエットの戦士・・・シューティングウルフ
「来たか、
「まぁ、誰かさんのお陰で随分と暇だったんでな。追いかけっこしてる頃には、もう撤収を始めてたんだ」
「いやいや先輩、それ任務の放棄になるんじゃ・・・?」
「別に良いだろ。どの道、誰が監視したとて止められやしねぇ」
「いやいや、だとしても流石に報告義務とかがあるでしょうよ」
「・・・メンドクセ」
「あー!遂に本性現しましたね!」
『・・・ふっ』
そんな2人の気の抜ける遣り取りに、アークゼロは小さく笑った。ほんの少し、嬉しそうに。
「・・・へぇ、アークさんも笑うんスね。ヒーロー協会にあんなえげつない
『心外だな。私とてこれでも人間だ。喜怒哀楽は持ち合わせている』
「ふぅ~ん・・・そう言えば、何であんな執拗に恐怖を演出するんスか?先輩も言ってましたけど、時間掛け過ぎじゃありません?」
『・・・そうか。態々付き合わされる其方の気持ちを考えていなかったな。謝罪しよう』
「ああいや、別に其所は気にしてないって言うか、仕事なんで良いんですケド・・・」
ペコリと頭を下げるアークゼロに、あたふたとテンパる迅。傲慢そうな見た目に反し、アークは謝罪する事に躊躇が無い。
「なんつーか、回りくどいなーって思っちゃって・・・」
『・・・無知とは、時に大罪になる』
「・・・へぇ?」
『さっきの奴・・・磁界ヒーローマグネスは、自らの愚行で命を落とした犠牲者を認知すらしていなかった。
それでは余りにも・・・犠牲者の魂が浮かばれないだろう』
「魂、ねぇ・・・」
考え込むように顎を擦る迅。その様は興味深げで、仮面の下の顔は少し笑っているようだ。
「全面的に同意ッスけど、何か意外ですね。そんなゴテゴテとメカメカしい人の口から、魂なんてオカルトチックなワードが出るなんて。てっきり、神だの何だの下らない~とか、そう言う主義だと勝手に思ってました」
『神に関しては、居るかも知れないとは思っている。自分の次元とは切り離しているがな。
だが・・・魂は、存在する。確実にな』
「へぇ?それも、何時もの論理的結論ってヤツですか?」
『いや・・・実体験だ』
黄昏れるように、呟くように、アークはそう答えた。
to be continued・・・
~キャラクター紹介~
・緑谷出久
ハイスペック1000%ホワイト企業若年社長。
常時ザイアスペック着用。
ブラック企業を完全買収し、心が磨り減り切った社員達に温かい食事を提供して強制休暇に放り込む等、取り敢えず《ぼくのかんがえたりそうのしゃちょう》を遂行している。因みにブラック上層部は無能者共を全員解雇し、スキルのある人員は休暇間の謹慎、その後減給及び平社員への降格で特権等を全て取り払い、北極並みの周囲の視線に晒しながら労働させている。辞めたいなら辞表を出せば良いし受け取りもするが、既にブラック労働加担者として名が上がっているのに真面に転職なんぞ出来るとでも?と言う無言の重圧スタンス。
海外で国際運転免許を取得しており、日本でもバイクの運転が可能。
常にブランクキーを最低5本は持っており、敵を発見しようものならすっ飛んで行く。
今回はエキサイティングスタッグとスカウティングパンダのキーを取得。何やら《主任》なる人物も身内に抱えているようだが・・・?
・アーク
出久の相棒。
ライダーシステムやサポートアイテムを統括管理しており、状況判断から的確な助言を行う。
反面、最短効率よりも長期的且つ感情的な手法に対する理解が及ばず、その点は出久に任せている。謂わば翔太郎とフィリップの関係。
またアークゼロとして、所謂
今回の獲物から《磁力》のアビリティを取得している。
・《魔弾の人狼》
体型から女性と判別出来るが、性格や口調は大雑把且つ男勝り。
離れたビルの上からアークゼロを監視、及び逃亡者を始末する事が任務だったが、標的は漏れ無くアークゼロが消したので、暇を持て余して職務放棄し早々に合流して来た。
・《鷹の目》
《掃除屋》の1人。アークに提供された新装備、ザイアスペックとフォースライザーを用いて、仮面ライダー迅・フライングファルコンに変身している。曰く、「コレを使えば
任務は、高高度からの索敵警戒。魔弾の人狼と組むとツッコミ役にも回りがちである。
気になった事は率直に聞きたいタイプであり、アークゼロに対して割とズバズバ質問している。
・違反者ヒーロー《マグネス》
八百長によってレッドリストに載った元ヒーロー。
自身の八百長で発生した被害者を認知もせず、開き直っていた救えないヤツである。
因みにクラッシュ症候群は実在するショック症状であり、某大震災で多く発生した。
~アイテム紹介~
・ザイアエクステンダー1000
全長280cm、全幅86cm、全高99cm、機体重量298kg、最高時速(地上走行)360km。
緑谷出久=仮面ライダーサウザーの専用バイク。
形はAKIRAの金田バイクや、ドンブラザーズのエンヤライドン等のそれ。メインカラーはサウザーと同じくゴールドシルバー、差し色にブラックとパープルが入っている。
超高性能発電機で車輪のコイルに通電して回す前後二駆動タイプであり、正に近未来バイクの王道。バックも出来る。
更に振動や圧力が掛かる各所には高性能圧電素子が組み込まれており、騒音軽減とコンデンサへの蓄電を同時に熟すハイブリッド仕様。この為、ある程度の速度を出せば一気に燃費が良くなる。
タンクボディにはプログライズキーを装填するユニバーサルスロットが設けられており、普段は鍵穴のようにシャッターが閉じられている。これによりライダモデルの能力を引き出し、一時的にライジングホッパーの跳躍能力等、特殊機動力を得る事が出来る。
・ライズフォン
ゼロワン世界で普及している、プログライズキー型のホログラフィックスマホ。
出久のそれは特別仕様であり、ザイアエクステンダー1000のシステム起動キーを兼ねる。謂わばトライチェイサーのトライアクセラーを近未来化した形である。
・スレッドバインダー
正式名称:圧縮ボンベカートリッジ式人工蜘蛛糸即席捕縛具
ザイアの新商品。銃のグリップのような形をしており、グリップ内部にマガジンのようにカートリッジを装填すると蜘蛛糸を出せるサポートアイテム。簡単に言えばウェブシューター。
1度のリロードで800mの糸を出せる上に、ポケットサイズで嵩張らないと言う画期的なアイテム。
○ジャッカー・ドルカシスクラッチ
クワガタ個性のジャッキングブレイク。
サウザンドジャッカーからクワガタの大顎を模したエネルギーを発生させ、敵や障害物を挟んで拘束・圧断する。ダブルのメタルスタッグブレイカーをジャッカーでやる感じ。
技名はヒラタクワガタの学名、