東方時空伝〜The Girl Who Leapt Through Time we〜 作:めるりあ
UA数1000人突破!
合計20話目!
となりました。
こんなに続くとは思ってもみませんでした。
これからもよろしくお願いします。
「城があっただと⁉︎」
霊夢と村紗の話を聞いてからかなり経ってから、二人は帰ってきた。
気のせいかもしれないが、ひどく疲れているようだ。私達5人は二人の話を真剣にきいた。
「密林...ねえ。魔理沙、あなたが住んでるのは密林だったかしら?」
「ひどいことを言うなぁ。魔法の森に決まっているだろうが。」
だが、霊夢の言っていることも一理ある。
いま私達の真下にあるのは霧の湖。ここからあいつらが向かった方向に行けば、元の世界には魔法の森がある。それを言っているのだろう。
「分かっていると思うが、魔法の森に城なんてないぜ。」
あったらその場所が新しい霧雨魔法店になるところだ。
「しかし...確かに城のようなものがありましたが...。」
「なら、その城ごと、あるいはその密林ごと転移してきたのかもしれないわね。紅魔館のように。」
咲夜の言うことは最もだ。
いつもなら即刻飛び出すところだが、今回は勝手がちがう。
霊夢と村紗はどうするのだろうか。私は顔色を伺うように、霊夢に聞いてみた。
「さて、どうするか。霊夢はどう思う?」
少し残酷かもしれないが、踏ん切りをつけるなら今しかない。そのチャンスを私は与えたのだ。
「もちろん。行くわよ。」
まあ、こう来ると思っていた。予想通りだったので、逆に安心した。
「行くわよ!」
私は、霊夢が「行くわよ!」と言ったとき、心配した。
私と霊夢は今、飛ぶことができないからだ。
密林とはいえ、飛んで行くだろう。そのとき、私達2人だけ取り残されてしまう。
何を考えているのだろうか。だが、その答えはすぐに分かった。
いま、私達がいるのは霧の湖の上空ではない。
目的地、すなわち例の城の真上である。
さすが霊夢、その発想はなかった。
私は2人の事を聞いた時、正直心配した。
自分がもし時を止められなくなったら。そう思うとゾッとする。
思えば私は、この能力に頼りきっていたかもしれない。そういう意味では霊夢の潔さ、大胆さは尊敬していた。
城の上空にくるまでは。
「魔理沙、どうしよう...。」
耳元に誰かやってきた。どうやら秘密の話らしい。
「なんだ、村紗か。どうした、まさかもう飛べるようになっちまったか?」
「実は、そのまさかなんだ...」
話を聞いてわかった。
どうやら、一時的なものらしい。霊夢に伝えようと、姿を探した。
船の先端にいる霊夢は、ぴょん、ぴょんと跳ねている。
「まだ飛べないのか...。」
その姿が哀れだったので、私は静かにその場を去った。
「あれ、霊夢さん。なにやってるんですか?」
「うわっ、早苗⁉︎ い、いや、なんでもないわよ。」
(怪しい...)
空を飛ぶってどんな感じなのかな。