東方時空伝〜The Girl Who Leapt Through Time we〜 作:めるりあ
「え...?」
私は今、なにが起こったのかわからなかった。
目の前の村紗に爪が襲いかかっていた。
確かに村紗はそこに倒れていたのだ。
ならば、なぜ?
なぜ村紗は、奴らの真後ろにいるんだ?
「何だと⁉︎」
手応えのなさに、ロームルスは戸惑う。
どこへ消えた?
どうやって消えた?
その隙を村紗は見逃さない。
素早く近づくと、渾身の一撃をロームルスの首筋に叩き込む。
その一撃は今までの何倍も早く、何倍も重い。
呆気に取られた精神的ダメージ、そして物理的な痛み。
ゆっくりと膝をつき、ロームルスは気を失った。
「何をした...」
レムスが初めて口を開いた。
小さく消え入りそうな声だったが、低く、重く、圧倒する声だ。
「じゃ、教えてあげよう。私は屠自古に撃たれてしまったんじゃあない。」
村紗が口を開く。
背中の傷はまだ癒えていない。いくら妖怪や幽霊の回復が早いとはいえ、かなり無茶だ。
にもかかわらず、余裕の表情をしている。
「自ら、『撃たれにいった』のさ。」
「なんだと?」
「体には、『ツボ』っていうものがある。その部分を刺激することにより、様々な効果が得られるポイントだ。肩こりや便秘、ストレスとか、色々あるんだ。本来は指圧したり、針を使ったりするんだが...」
そこまで話して、私は理解した。
「身体能力を上げるツボに、電気を帯びた矢を使ったらどうなると思う?」
「...なるほどな。だがそんな荒治療をして、体が持つのか?」
「...どうだろうね。」
村紗は飛びかかっていく。
形勢逆転とはこのことだ。今までとは比べものにならないスピードで襲いかかる。レムスは対応することに必死だ。
正直、私のでる幕は無いかもしれない。いったとしても、邪魔になるだけだ。
まいった。
レムスが倒しきれない。
効果が切れた後は激痛が襲う、と聖に言われた。いわば、自分の隠し球の一つだった。これで勝負がつかないのは予想外だった。
始めはわたしが優勢だったが、次第にレムスも攻撃をしてきた。
だめだ、どうしようもない。
私に何ができる?
レムスは村紗の投げる錨を、すべて小さくしている。その小さい錨を、レムスはよけることなく体に当てている。あのサイズなら、全く痛くないのだろう。それを、上手く利用出来ないだろうか?
「村紗、特大の錨を‼︎」
「え⁉︎」
屠自古が私の前入ってきた。いきなり特大の錨だと?言っている意味はわからなかったが、やるべきことはわかった。
「少しの間、耐えてくれ‼︎」
屠自古は身代わりに近い形で、私を守ってくれる。私にできることは、錨を投げること!
今までに創ったことのないサイズを構成する。信じられないくらい重い。
「いくぞ、オラァァッ!」
屠自古は錨を避けると、真横から大量の雷矢を錨に投げつけた。
電気を帯びた錨が、レムスに襲いかかる。
「無駄よ。」
足痛い。