「わふぅ!」
「にゃふぅ。」
「はふぅ...」
やぁ、上我だ。
拾った犬のQ太郎と猫のJ倫を洗ってやった。
J倫が水嫌いじゃなくてよかった、で、だ。
風呂から上がり、QJコンビを洗ったのだが。
「俺はどこにつれてかれるんだ...。」
「そこまで悲観しなくてもいいと思うな...。」
すずかと一緒に高級感溢れる車に乗り込んでいた。
ちなみに言うとすずかはスタンドが「見えている」し「知っている。」
スタンド使いは人類がとあるウイルスと共生し、能力を得て
人間より「一歩先を歩く」存在だ。
人間から一歩進んだ存在なら見えるらしいが、すずかは多分違う。
すずかは「精神が大きく成長」しているのだ。
下手すればスタンド使いになれる。
人間を超越した身体能力に人間のそれと全く同質の精神。
すずかはいわば「卵」なのだろう。
それ以前にこの体の前任者が喋ったのかも、だが。
「これが世界...」
「ワタシガザ・ワールドデス」
「素質もあるからなぁ...。」
「...で?口封じの為に彼女と強制結婚しなきゃならん、と。」
「えぇ。」
えぇ、じゃねーよコンチクショウ。
いとも簡単に自分の妹の将来を他人に売る。
やめぃ世界、猫を抱っこしても逃げられる..ってあの猫世界が見えてる。
月村家の猫のスペックに驚きながらもとりあえず返した。
「いや、俺も半分吸血鬼ですもん。」
「そうよ、人間のあなたに...え?」
「いや、だから半分吸血鬼ですもん。」
「...嘘はつかないほうがいいわ。」
「じゃあなんか血液のあるものないっすか?」
血液パックを渡される。
うん、まぁいいや。
血液パックに指を刺して手から飲み込む。
筋肉が伸縮を繰り返して胃袋に血液を運んでいく。
すっごい普通な味、うん、形容できない普通な味。
スープにしか使ったことないけど...いや、悲しいからやめよう。
「ふぅ、ご馳走様でした。」
「...本当のようね...。」
「これでお互いに秘密を握ったことになりますね、
あ、妹さんの将来をこの程度のことで売らないでください。
家族であるすずかは一人しかいませんからね?」
「...はぁ、簡単に言ってくれるわね。」
簡単に言ってやんよ。
それに体張ったんだからんだからもうちょっと
なんか言われてもいいはずなんだけどまぁ体の前任者
のせいだな。
「じゃぁ俺帰ります、邪魔っぽいっすからね。」
窓から飛び降りて気づく。
あ、ここ他人の家だ。
「よいしょ、と。」
「ジョジョくん...。」
「うぉ!?ってすずかか...」
振り返るって近い近い。
思わずビクッとした。
世界はそこでコーラ振ってる。
あ、投げた、ポーズした、掴んだ。
「昔と呼び方違うよね、我が嫁~だとかいってたけどなにがあったの?」
「ファ!?いや、まぁ人間ってのは変わる生き物で...」
「なーんてね。」
「!?」
ペロッと舌を出して笑うすずか。
鎌を掛けられたっぽいな。
けっこう鋭い、これは速い内にスタンド使いになる気がする。
「ジョジョくん、やっぱり変わったね。」
「そりゃどうもだ。」
「世界の顔も、優しくなってるね。」
「厳ついの間違いだろ。」
「ううん、優しいよ。」
「...そうかい。」
欠伸をしてから歩き始める。
後ろから声を掛けられる。
「また来てね!」
「...機会があったらな。」
それを最後に歩きだした。
暗い一室。
その部屋の灯りの殆どがコンピューターの照明だ。
そこに数人の人間が話している。
顔までは見えないが、殆どが男だ。
「で、どうだ、獲物は...」
「まだだ、まだ青い、青すぎる。」
「...計画の変更が必要か?」
「いや、彼をぶつけよう、変化が起きる筈だ。」
金髪の男が提案する。
その男を見れば、まわりは霞んで見えるだろう。
煌めく金の髪、男とは思えない色気、人を屈服させるような重圧。
彼は頷く。
「彼なら変化をくれる筈だ、welt(ウェルト)、頼むぞ。」
「いいのか、DIO。」
DIO、と呼ばれた男はふん、と鼻をならす。
そして呟いた。
「それでいい、あいつは私の息子だからな。
空助 上我、いや、ディユー・ブランドーだからな。」