剣の世界と臆病少女   作:亜白

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3. 私のはじまり

 

店を出ると、辺りは暗くなりはじめていた。

ここでも夜はくるし朝日も昇る。それは限りなく本物なのに、どこまでいっても偽物なのだ。

アルンが言っていた、もう一つの現実ということ、理解はできてもやっぱり納得出来ないな。

だって私は、此処に何かをしにきた訳じゃないんだもん。

 

でももう進むしかない。

怖いからこそ闘って、闘って進んでいかないと此処から出られないんだもの。

 

「淘汰されたくないから、私は闘う…アルン、一緒に戦ってくれますか?」

 

アルンに手を引かれて、一歩目を手伝ってもらった。

そして今、私自身で二歩目を踏み込むんだ。

 

0を1にする事は誰にでも出来ることじゃない。私は1から2も怖かった。

でも、アルンが1を…始まりをくれたから。

 

「始まりの一歩はアルンがくれた、私は今二歩目を歩いた、だから……」

 

そこまで言って自分の右手を前に、お臍の少し上辺りに、向き合って立っている私とアルンの真ん中にもっていく。

 

「だから……」

 

ここから。

ずっと考えていた。

沢山貰ったあの時、アルンが助けてくれたあの時から。

助けて貰ってばかりじゃダメ、もう大丈夫だと言いたい。

アルンにも、私自身にも。

 

「だから、ここから先を、一緒に歩いてください」

「喜んで!…シャルロット、今凄くいい顔してるね!」

 

アルンはしっかりと私の右手を握り返してくれた。

漸く言えたと思った瞬間、力が抜けた。

崩れかけた私を、咄嗟に支えてくれるのは流石。

こんな事で一々緊張してしまう、まだまだ泣き虫の私。だけどきっと大丈夫。

私は漸く始まった。

 

目標は変わらないよ。

此処から出ること……それと出来れば記憶と泣き虫を直したい。

その為に、アルンの後を着いて歩くのではなくて、一緒に、二人で一緒に歩いていきたい。

そしていつか、アルンが崩れそうになった時、今度は私が支えてあげられるように。

 

「ありがとうアルン、一緒に頑張っていこうね」

「うん、これから先もずっとよろしくね、シャルロット」

 

 

 

その後は夜の街を歩いて、アルンと今までのことやこれからのことを話し合った。

それと、いつの間にか呼び方がシャルロットに戻っていたけれど、でもアルンがコッチの方がいいと……。

ロットだった期間はかなり短かったね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し前の私は泣いているはず

怖くて、苦しくて、どうしたらいいか分からなかったから

怖くて、苦しくて、泣きそうなのは変わらない

でも進みたいと思う方向は見えたよ

だから大丈夫

どうか差し出されたその手を、振り払わないで、離さないで

そして次は、私の番だよ

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