転生ヒスイ人のガラル紀行   作:はっぱ

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第二話 ねばりだま=マスターボール

 

 

 

 

 ヒスイの地で旅をしていけば確実にオヤブン個体と出会うことになる。

 普通であれば彼らを捕まえるだなんて不可能だ。なんせ通常のポケモンより強くて早くてタフネス。

 

 戦って弱らせる前に自分のポケモンが倒れてしまうし、一般的な野生より狂暴だからか、ボールにも抵抗を見せてなかなか入らない。伝説並みかと思うことがある。たぶん伝説はこれ以上なのだと思うけど。

 

 俺が出会って捕まえることの出来た個体はミミロップ、ゾロアーク、レントラー。そしてガブリアスである。

 彼ら以外にもオヤブン個体はいたけれど無理だった。火山地帯など環境が野生オヤブンに味方していたり、周囲にオヤブンの群れがいて逃げなければ死ぬと思えたり。

 

 俺の手持ちであるダイケンキは食いしん坊で野生のポケモンは食べ物を奪う敵と認識しているけれど、仲間達のエースでもある。

 特に『ひけん・ちえなみ』で様々な敵をぶった切っては気絶させ、捕まえるのに貢献してくれた優秀な相棒だ。

 それでもダイケンキはオヤブン個体を相手にして苦戦することがある。

 なんせこの世界は現実。ゲームのようにシステムがあるわけじゃないし、いちいち技選択するまで敵が待ってくれるわけじゃない。

 

 野生のポケモンが攻撃してくる前に状況を見極めて仲間のポケモンに指示を出し、必要であればボールを出す。

 とてもカロリーの使う作業に頭が痛くなったこと数回。腹が減り過ぎてダイケンキと食べ物をめぐって争い喧嘩すること数回。手持ちポケモン達に『食い意地はってんな』と呆れられたこともある。

 

 とにかく、この世界は現実だということ。ちゃんと周りを見なければ死ぬと言うことだ。

 

 だからオヤブン個体と対峙する場合、一番いいのは『ねばりだま』を大量生成することである。

 特に顔面を狙うことが大事だ。

 

 パイ投げのごとく目が見えなくなるしパニックに陥る。

 だからボールを投げても抵抗は少なくなる。だって何も見えないし、抵抗するより先に身体中にまとわりつくねばりだまを取り払うのが一番いいから。

 

 まあデメリットとしてボールに捕まってしばらくは懐かず反抗的なのがあるけどな。なんせオヤブンとして胸はって歩いてたら急に目が開けられなくなるネバネバした物体を投げてきた人間に捕まったとか、死にたくなる黒歴史になっちまうから。

 

 でも捕まらないよりはマシ。だから今回もいつものように草むらの中で隠れていると何かがやってくるのが見えたので警戒しつつ投げれる準備をしていたのだ。

 場合によっては草むらから飛び出してダイケンキ達と戦えるように。俺の背後にアヤシシを座らせ隠して逃げやすくもしておいたけど。

 

 そうすると、ちょっと大人の人間ぐらいのサイズを持った影が見えたので、その時点で俺がまだ捕まえていないポケモンと思い込み、ガラルにオヤブン個体がいるのかと興奮して投げた。投げてしまった。

 

 

「なによこれぇ……!!」

 

「ひぇ」

 

 

 なんだか「いぬぬわん!」と面白い鳴き声を上げるワンパチを連れた女性がねばりだまに当たって身体中にネバネバがくっついたひどい状況になったんだけど、これって俺捕まった方がいいのか?

 

 逃げた方がいいかな────と思ったけどアヤシシが「うわっ、ここで逃げるのかご主人」とドン引きした目で見てきたので止めた。

 

 でも背後からマスターボールを持った俺に似たチャンピオンがリザードンを連れてギラギラの怖い顔で近づいてきたので逃げることにした。

 たぶんヤバイことになったと思うからさ。そんな顔すんなよアヤシシ。俺のせいじゃねえから。

 

 いや、ねばりだまの件は俺のせいか……。

 まあとにかく、これからは人間にも気をつけて草むらに入って隠れようと思う。

 

 

 

 

 

 

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