臆病な『赤龍帝』が冒険都市にいるのは間違っているだろうか? 作:黒牙雷真
祝・百話達成!ドンドンパフパフー!!
どうも、黒牙雷真です。
いやー、二次元小説を書き初めてから早くも七年が経過しましたが、一つのシリーズで百話を迎えるのは初めてです。百話もあっという間でした、けれど原作はまだ五巻+αしか終わってない。アニメの方は第五期の放送が今年の秋に決定、原作は十九巻もある。つまり、書く内容が増えるのと対象にネタに悩むことになる。ネタ探しで脳が震えるゥゥゥウゥゥゥウ!!?
ネタ探しで情緒不安定なのでこれにて。
〈sideケンマ〉
「紹介するぜ、ケンマ。こっちの赤い髪に右目に眼帯を付けている方が俺たちの【ファミリア】の主神であるヘファイストス様だ。んでその隣に居るのが、前に話したうちの団長である椿だ」
「【ヴィクトリア・ファミリア】の団長、石黒ケンマです。因みに石黒が名字で、ケンマが名前です」
『アンタレス』を倒して囚われていたアルテミスを救い、その後、奴が残した残りっ屁の『矢』を次元の狭間へと何とか放り込んで、これまた何とか無事にオラリオへと帰ってきた俺たちは、長旅の疲れを癒すために三日間の休息日をパーティー内で設けることにしたのだ。
そして休息日の中日である二日目の今日、前々からヴェルフから話があった【ヘファイストス・ファミリア】の団長である椿・コルブランドとの顔合わせのため、ヴェルフに【ヘファイストス・ファミリア】の応接室で主神と団長を紹介してもらっているのだ。
「主神のヘファイストスよ。貴方のことはうちのヴェルフから色々と聞いているわ。魔剣を打てるこの子に魔剣を求めるのではなく、防具だけを求める珍しい子だって」
「珍しいというよりもただの臆病者なだけですよ。使い捨ての武器よりも長く自分の命を守ってくれる防具の方がいいと思っただけですし、なによりパーティーメンバーである【リトル・ルーキー】を強化種のミノタウロスの攻撃から命を守る防具を作る腕の方が俺には魅力的に見えただけです」
「だそうよ、ヴェルフ」
「あー、ケンマにそう言ってもらえるのは嬉しいんだが………本人の前で言われると恥ずかし過ぎるだろう」
普通にヴェルフが作る防具について思っていたことを話すと、褒められたヴェルフは照れ臭いのか片手を後ろ首に回して、そっぽを向いていた。
「さて、主神様の次は手前だな。生憎、手前は堅苦しいのは苦手でな。気軽に椿と呼んでくれ、手前もケンマと呼ばせてもらう」
「じゃ、じゃあ、椿さんで………」
椿さんの声を聞いているとやっぱりあのキャラクターの顔がチラ付いて仕方がない。それが表情に出ていたのかヘファイストスに尋ねられてしまう。
「うちの椿に何かあるのかしら、ケンマ」
「えっ!?」
「あからさまに顔に出てたぜ、お前」
「ヴェルフまで…………はぁぁ」
ヴェルフにまで指摘されるということは相当顔に出ていたみたいだな。椿さんの声で俺の脳裏にチラ付いていたのは、『ハイスクールD×D』のキャラクターの一人である堕天使のレイナーレ。
奴と椿さんの声優さんは同じなので、どうしても奴の顔がチラついて仕方がない。正直、あの作品で俺が嫌いなキャラクターランキングで一桁台にはランキング入りしている。
「椿さん本人は何も悪くないんだけど、椿さんの声にめちゃめちゃ似た女が胸糞の悪い奴でその女の顔が頭にチラ付いていたんです。すみません、椿さん」
「いや、ケンマは何も悪くなかろう。ところでケンマよ。18階層でヴェル吉がお主から借りたというあの剣、手前にも見せて欲しいのだが今は手元にないのか?」
「へぇ、貴女が気になるほどの剣なら私も見てみたいわね。いいかしら?」
「別に構いませんが、代わりにお願いが一つあって…………」
「お願いねぇ…………わかったわ。ただし、一つだけよ?」
「ありがとうございます」
ヘファイストスからお願いを一つ聞いて貰える言質を取れたので、迷わず三人の目の前で異空間から《エクス・デュランダル》を引き抜く。その光景を見たことの無いヘファイストスと椿さんは眼を点にしながら見ており、ヴェルフは「俺も最初の頃は同じ反応をしたな……」と呟きながら苦笑いを浮かべている。
まぁ、そんな二人を置いておいて《エクス・デュランダル》を《デュランダル》と《真のエクスカリバー》の二振りに分離させると今度はポカ~ンと口を開いたまま固まってしまった。更に《真のエクスカリバー》を各種の《エクスカリバー》に分離させてテーブルに乗せると流石のヴェルフも一本の剣が七本に分離するだなんて思っていなかったようでヘファイストスや椿さんと一緒にあんぐりとしてしまった。
「お願いというのは、この聖剣たちを全て研いで欲しくて…………できそうですか?」
「ちょ、ちょっと待って……聖剣って……まさか、これ全部が本物の聖剣なの!?」
「そうですよ」
「『嘘』じゃあ、ないみたいね。まさか、本物の聖剣を下界で目にするとは思っても見なかったわ」
テーブルに載せている八本の剣が全て聖剣であることを理解したヘファイストスは、あまりのことに蟀谷に手を当てる。そんな主神を他所に伝説の聖剣が八本も目の前に並んでいることもあってか、鍛冶師である椿さんと七本に分離した《エクスカリバー》のことを知らないヴェルフは、まるで少年のように瞳をキラキラとさせながら身体をウズウズとさせているのか両手をワキワキとしていた。まるで変態のおじさんみたいだ。
まぁ、二人がウズウズするのは分からんでもない。俺もこの世界に転生して数日が経った際には『魔剣創造』と『聖剣創造』でアニメや漫画に出てくるキャラクターの武器やゲームの武器なんかも外見や能力を似せた物を創造して楽しんでいた時があった。
あれは、アニオタやゲーヲタ、ラノベヲタならば心踊らせながら中二病心が満たされる至福の一時であったことは間違いない。まさにあの魔王のように………最高に「ハイ」ってやつだった。そのため、ヴィクトリアにドン引きされたのは苦い思い出でもある。
「それと聖剣を取り出す際の穴みたいな物は魔法………?」
「魔法ではないと思います。スロットにはそれらしいものは発現してないですし、俺も原理はよくわかってないので。わかっているのは、一番最初に出した聖剣はこの世の全てを切り裂く暴れ馬のような聖剣なので、それを入れておくための異空間とだけ」
「この世の全てを切り裂く聖剣………とんでもない物を出してくれたわね。それだけ凄い剣ならば名前もあるのでしょう?」
「ありますよ。元々はデュランダルって名前だったんですけど、こっちの七本に分離した聖剣たちを鞘として被せることによって、エクス・デュランダルと名付けられたのがこの聖剣です」
「デュランダル………椿たちが打つ特殊武装に付与される不懐属性と同じ名前ね」
「何とも因果な物よ。手前たちが打つ特殊武装の不懐属性は切れ味が落ちるが、得物が折れることを防ぐことができる。しかし、お主のデュランダルは聞く限りだと、あまりにも切れすぎるが故に扱いが困るという難点がある。それにざっと見た感じではこのデュランダルは、研ぐ必要はないように見えるが?」
「まぁ、そう見えるのは仕方がないかもしれないですけど、いつまでも放っておかないでちゃんとした腕の立つ鍛冶師に一度研いでもらう方がこいつも喜ぶと思うので………」
テーブルの上に載っている《デュランダル》の刀身を一撫ですると、椿さんから今の俺の発言について尋ねられる。
「ケンマよ、まるでこのデュランダルには意思があるように聞こえるのだが?」
「ありますよ。デュランダルに限らず、テーブルに載っている八本の聖剣全てに意思がありますけど………あっ!ヴェルフには言いましたけど、二人にはまだでしたね」
「はぁ………ヴェルフ、貴方が専属契約した子は、またとんでもないことを言うわね」
「あははは………俺も最初のうちは何度もケンマに驚かされましたよ。まぁ、今もなんですけどね………本当にこいつがやらかすことで話題性は尽きないと思いますよ」
「貴方も苦労してるのね」
その後も《デュランダル》と各種《エクスカリバー》たちの研磨の料金について話し合うことになったが、俺を除いたこの場にいる三人は全員が鍛冶師のため、本物の聖剣を研磨といえど手に握る滅多にない機会を逃したくないのと伝説の聖剣を剣に選ばれていない者あるいは『神の力』を封じたヘファイストスでも研磨できるか分からないということで研磨料は今回だけ無料という話になった。
ただし、もし次も聖剣たちを研磨して欲しい時は特別料金で請け負うとも言質を取れたあとは、今日の用事はこれで終わりなので、約二週間ぶりに【ステイタス】を更新するためにヴィクトリアが待っているホームへと戻ることにした。
○●○
「それじゃあ、詳しく聞かせてもらえるかしら、お二人さん」
「なんで、俺まで………」
「すまない、オリオン」
聖剣たちの研磨をしてもらうために行っていた【ヘファイストス・ファミリア】から帰ってきた俺とオラリオに住む場所がなくてヘスティアとベルの住んでいるボロ教会に住まわせる訳にはいかないため一時的に俺たちのホームで寝泊まりをすることになったアルテミスは、額に青筋を浮かべ怒りで我を失わないように抑えながら片手に俺の更新されたばかりの【ステイタス】が写っている羊皮紙をくしゃくしゃに握りしめて、仁王立ちしているヴィクトリアの前で正座をしている。
何故、こんなことになっているのか簡単に説明すると【ステイタス】の更新で新しい『スキル』が発現したのだが、そのスキルの名前と能力がいけなかったのだ。
なぜなら────────
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石黒ケンマ
Lv.2
《基本アビリティ》
力 :B702 → SS1099
耐久 :SSS1238 →SSS 1569
器用 :S909 →SSS1169
敏捷 :B736 →S998
魔力 :SSS1358 →SSS1863
超回復 :H
《魔法》
【プロモーション】
・『騎士』、『戦車』、『僧侶』、『女王』に昇格できる。
・昇格した物によって、一定時間アビリティ能力超高強化補正。
詠唱:《プロモーション・────!!》
【】
【】
《スキル》
【赤龍帝を宿し者】
・早熟、進化する。
・想いの丈によって効果向上。
・想いの丈によって効果持続。
【魔力操作】
・イメージによって対象魔法の行使が可能。
・対象魔法分の体力、魔力、精神力のいずれかを消費。
・効果、威力はイメージに依存。
・任意発動。
【
・勝利の加護。
・洗脳、隷属、汚染の無力化。
・戦闘続行時、発展アビリティ『耐呪』の一時発現。
・戦闘続行時、発展アビリティ『魔抗』の一時発現。
・戦闘続行時、発展アビリティ『勝利』の一時発現。
・戦闘続行時、修得発展アビリティの全強化。
・戦闘続行条件は、戦意が続く限り続行。
【
・処女神の加護。
・魅了の無力化。
・月下条件達成時、発展アビリティ『必中』の一時発現。
・射撃武器を装備時、発展アビリティ『狙撃手』の一時発現。
・射撃武器を装備時、発展アビリティ『千里眼』の一時発現
・戦闘続行時、修得発展アビリティの全強化。
・戦闘続行条件は、戦意が続く限り続行。
・昆虫系の怪物に対して、超絶特攻。
【言語和訳】
・全ての言語を和訳。
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─────とまぁ、こんな感じで新しく発現したスキルである【月光の傾慕】という名前と『処女神の加護』という内容からして明らかにアルテミスが関係しているスキルで間違いないと俺とヴィクトリア、アルテミスも見て思った。
しかし、【勝利の祝福】のようにスキルが発現する要因に俺はこれといって心当たりがない。あるとするならば、野営地近くにあった水辺で月光に照らされながらアルテミスと踊ったくらいだろうか。
他にあるとすれば、次元の狭間の引力から逃げ切り、空中で禁手状態が解けて、遺跡の近くにある湖に落ちて意識を失い、五日間も眠り続けていた間にアルテミスが俺に何かをしたかだ。
「なぁ、アルテミス。単刀直入に聞くが、俺の記憶にない五日間の間に俺の身体に何かしたか?」
そう尋ねるとアルテミスはあからさまに身体をビクッと跳ね上げさせたので完全にギルティだ。普段であれば、ここで相棒のドライグに俺が眠っている間、アルテミスが何をしたのか尋ねるところなのだが、『アンタレス』の戦いで目覚めた新しい赤龍帝になるために使ったヴィクトリアの【神血】がブーステッド・ギアに何かしらの影響を及ぼしているようで、それを調整するためにしばらく神器に潜ると残してから声をかけても全く返答がないのだ。
ついで調整中はブーステッド・ギアも能力や禁手も使えなくなるから気をつけるように念を押されてしまったので、内心ちょっと不安である。
「おい、アルテミス。お前、俺の身体に何をしやがった?正直に答えろ」
「そうね。正直に答えてくれれば、わたしの『約束された勝──「言わせねぇからな、おい!」………」
「い、いいい言える訳なかろう!バカ者………」
ドライグの助力が得られないので正直に白状しろと促すが、アルテミスは言えないと言って顔を俺から明後日の方向へと向けた。その際、彼女の髪の隙間から僅かに覗けた耳は真っ赤に染まっていたのを俺は見逃さなかった。
つまりこれは、アルテミスが眠り続けていた俺に何かしたと明かしているようなもの。それを明確に白状させるのは、今の彼女相手には無理だろう。であれば、アルテミスが俺にしたであろう何かを知っていそうな人物または神物に聞けばいいだけの話である。
「【プロモーション・ナイト】」
「オリオン? それは身体強化魔法の詠唱文だったはずだが………何故、ここで魔法を?」
「そんなの決まってるだろう。アルテミスが答えないなら………知っていそうな奴に聞けばいいだけの話だからだ!」
「ちょっ!待ちなさい、オリオン!待て、ケンマ!」
「行かせないわよ、アルテミス!」
「なっ……は、離せ、ヴィクトリア!今はお前の相手を……クソッ、待つんだケンマー!!」
「いや、待たん!!」
背後からかかるアルテミスの静止の叫びを無視して、『騎士』へと昇格した補正能力に加えて【瞬歩】で、まずはアルテミスの大神友であるヘスティアがいるであろう【ヘスティア・ファミリア】のホームである廃教会へと疾走する。
オリ主たちの新本拠地候補
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第六区画 『竈火の館』の近く
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第七区画 元ヘスティア廃教会
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西地区 豊穣の女主人の近く
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北地区 適当に