臆病な『赤龍帝』が冒険都市にいるのは間違っているだろうか? 作:黒牙雷真
どうも、黒牙馬雷真です。
前回の投稿から早くも5ヶ月が経過しようとしていますが、何とか今章の半分までは書くことできました。
マジで書いて行くうちに新しい内容やらキャラクターの口調やら調べるに手間がかかったり、息抜きで他の作品を書いていたらそっちに熱が入ってしまったりと優柔不断な行動が多くて自分でも困ってしまいます。
とまぁ、私事の愚痴はここまでにして、読者の皆さんに謝罪が二点あります。
まず一つ目、主人公のスキルである『勝利の祝福』の内容を一部変更します。変更点は、『魔防』から『魔抗』という魔法効果に抗う系の物に変更します。
二点目は、後半の主人公の鍛練内容で【ロキ・ファミリア】の幹部以外からも数人出そうと思っているので、そのキャラクターの口調等の勉強及び研究で次稿は来年辺りになりますので、またしても長らくお待たせてしまうことに謝罪をさせていただきます。
本当に申し訳ありません!!( ノ;_ _)ノ
追伸、主人公が半覚醒させた『希望の赤龍帝』のネーミングとドライグの音声に良いのがあれば下記のURLから専有の活動ボックスにお願いします。できれば、音声にはHopeは入れて欲しいです。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=320456&uid=239336
第百○二話
〈Sideケンマ〉
「よし、これで終わりだな」
三日間の休息日が開けた今日、日課である早朝鍛練後の野菜の皮剥きを一通り終えた俺は手持ち無沙汰になってしまったのでベルが迎えに来るまでの短い間も鍛練に使おうと、今の俺が創造できる最も重い魔剣を創造して素振りを行うことにした。
見た目はただの片手直剣なのだが、その実体はずっしりと滅茶重い魔剣。そのため、素振りすると片手直剣には似合わないようなブオンッ!ブオンッ!という重たく風を切る音が鳴る。
数分素振りを続けているとオラリオ周辺地域が梅雨入りしたこともあって、額から汗が滲み出て、それがポタポタと顎から地面へと落ちていく。
「ケンマー、冒険者くんが迎えに来たよ!」
「分かりました!」
何分素振りしていたのは分からないけど、足元に僅かに汗の水溜まりが出来上がるくらいには素振りをしていたようで、ルノアさんのベルが来たことを知らせる声で剣を振るう手を止める。
左腕で額の汗を拭い、魔剣を消してから『魔力操作』で劣等生の魔法師のように魔力で身体中の汗を渇かし、火照った身体の熱を一気に冷ましてから《竜吉VerⅡ》を身に着けてからベルが待っているホールの方へと向かう。
準備が整い、いつも通りベルに声をかけようとするとそこには見慣れない人物がベルと共に居た。
「待たせたな、ベル。って、お前は確か……」
「おはよう、ケンマ」
「お、おはようございます、石黒殿」
ベルと共にいた人物は以前『中層』で俺たちに『怪物進呈』を押し付けた【タケミカヅチ・ファミリア】の団員の一人である【絶†影】ことヤマト・命であった。
そんな彼女が何故ベルと共にいるかは大体察しはついているが、『ダンまち』の第二期の記憶はかなり薄れてきてしまっているので第二期の冒頭からヤマトが居たかは最早朧気である。
「ベル、言っておくが今回はヴェルフの時と違って俺は何もフォローしてやれないからな。そこんとこ気を付けろよ」
「大丈夫。昨日、神様と一緒にリリには話してあるから」
「ならいいけどな。だとなると、あとはヴェルフの方だな」
ベルに今回は何の助け船を出してやれないと釘を刺すとリリには昨日、報告してあると述べるので彼女の方は大丈夫だろう。あとはヴェルフの方が問題だ。
いくら18階層で土下座で謝ったといえど、ヴェルフの反応によってはパーティー内での空気が悪くなり、戦闘中に喧嘩でもされた時には目も当てられないだろう。そのことを危惧しながら俺たちは噴水広場で待っているリリとヴェルフの下に足を向ける。
○●○
「本日より皆さんのパーティーに同行させていただきます。【タケミカヅチ・ファミリア】のヤマト・命です。よろしくお願いします!」
ヴェルフとリリの二人と合流して、ヤマトが俺たちのパーティーに加わることになった事情を説明してから改めて命には自己紹介をしてもらっている。
「それとその……改めて、自分たちの所為で皆さんに多大なるご迷惑を御掛けしたことを謝罪をさせてください。申し訳ありませんでした!」
責任感が強いヤマトは自己紹介を終えるとそのままの勢いで『中層』でのことを改めて土下座して俺たちに謝罪してきた。土下座での謝罪を周りの冒険者やサポーターも何事だと物珍しそうに見てくるので土下座の意味を知っている俺とベルが慌てて、彼女を立ち上がらせようとする。
「待て待て、こんな人目の付く場所で土下座なんてするな!」
「そうですよ!それにそのことなら18階層で話は済んだじゃないですか!?」
「しかし………」
「しかしも、お菓子もねぇ!このままだと、一人の女性冒険者に土下座させている糞野郎な三人組だと悪い噂が流れかねん!そっちの方が俺たちにとっては迷惑なんだよ!?」
極東出身か極一部の者を除いた人々なら土下座の意味を知らないが、もしも土下座の意味を知っている者が今の俺たちの光景を目の当たりにしたら俺が今述べた通りの展開になりかねないので早々にヤマトを立ち上がらせる。
そうして何とか土下座を止めてもらったあと、俺とベルは大きくため息を吐く。なんで、ダンジョンに行く前からこんな気苦労をしなければならないのかと思いながらヤマトのパーティー同行についてヴェルフの意見を尋ねることにした。
「さて、俺とベル、リリはヤマトのパーティー同行を認める方向でいるけど、ヴェルフはどう思う?」
「そうだな………あの時のことをもう思うところがないかと言われれば嘘になるが。まぁ、そのなんだ、あの大男と比べたらヤマトの方はしっかりと俺たちに謝罪してくれてるから今更何か文句を言うつもりはねぇよ」
「………桜花殿もあの時はパーティーメンバーである千草殿を助けるために必死の覚悟で決断なされていました。皆さんに多大なるご迷惑を御掛けしたことは変わりありませんが、どうか、どうかそのことだけは心に留めていただくよう平にご容赦くださいますよう!」
「ああ、分かってる」
当時の桜花の思いをヤマトから聞いて、ヴェルフはふてくされ気味ではあるが理解していると返答する。
さて、ヤマトがパーティーメンバーとして加わることにはヴェルフも反対は無いようなのでここからはヤマトを除いたパーティーメンバーにあることを打ち明ける必要があるので、少しだけ命には離れていてもらうことにしよう。
「んじゃ、ヤマトのパーティーメンバー加入は異論はなしということで。あとはベル、リリ、ヴェルフ、お前たちにちょっとだけ伝えておくことがあるから来てくれ」
「なんだ、伝えておくことって?」
「悪いけど、ヤマトはここでちょっとだけ待っていてくれ」
「いえ、お構いなく。新参者である自分にはお話出来ない内容だというのは察しておりますから」
「すまない。助かる」
ヤマトに一言掛けたあと、俺たちのいた噴水の隣にある噴水まで移動して肩を組み合って円を描きながら更に周りの冒険者やサポーターに聞こえないくらいの声で説明する。
「えー、突然だが、ちょっとした諸事情でブーステッド・ギアがしばらく出せなくなりました」
「「「は?」」」
「「「はああああああああ!!?」」」
ブーステッド・ギアがしばらく出せなくなったと三人に打ち明けると、肩を組んでいたこともあって絶叫という音爆弾が至近距離で俺の耳に炸裂する。
「ちょっと待て、お前!ブーステッド・ギアが出せなくなったってことは何か? あの鎧もしばらくは出せなくなったってことか!?」
「その通り」
「このパーティーの最高戦力であるケンマ様が弱・体・化? なぁぁあにやってるんですか、ケンマ様ァァアア!!」
「仕方ないだろう? 昨日、寝る前に色々と準備をしてたら出なくなってたんだから………」
「も、もしかして、アルテミス様の冒険者依頼のリバウンド?」
「だろうな。アンタレスを倒すのと例の穴を開けるのにすっっげぇ無茶苦茶なことをしてからその跳ね返りだろう。ま、何となくだけどしばらくすれば使えるような気がするから大丈夫、大丈夫」
三人にはドライグのことはまだ打ち明けていないので、多少なりとも嘘を交えながらブーステッド・ギアが使えないことを周知。それを聞いたあと、恐る恐るリリがブーステッド・ギア以外のチートである『魔剣創造』と『聖剣創造』の現状を尋ねてくる。
「ち、因みにですけれど、ソード・バースとブレード・ブラックスミスの方は………?」
「ああ、そっちは問題ない。全力全開で使える」
「そ、そうですか………はぁ、よかった」
俺の口から『魔剣創造』と『聖剣創造』が問題なく使えることを聞けたリリは心底安心したように深い安堵の息を吐くが、それはベルとヴェルフも同じだった。
「まったく、ケンマ様はやることなすことが破天荒過ぎて、これではリリたちの心臓が持ちません」
「確かにな。今回ばかり……いや今回『も』だな。ケンマには良い意味でも悪い意味でも驚かされる」
「やっぱり、慣れないようね。こういうのは………」
「マジで悪かったよ。今回は俺も反省はしてるさ。まさか、ブーステッド・ギアがしばらく使えなくなるとは思ってなかったし………」
アルテミスをアンタレスから救い出すには、あの時、ヴィクトリアの【神血】を食らうしかなかったと今でも思う。だからこそ、三人には負担をかけることについてしっかりと謝罪する。
「んでどうする? ケンマの弱体化とヤマトのパーティー加入、二つを比較しても明らかにデメリットの方が強いぞ」
「そうだよね。ケンマがあの鎧を身に付けている間、僕たちが大抵の無茶をしてもケンマがフォローしてくれていた場面が多かったし………」
「今更あれこれ言っても仕方ありません。現状を把握しつつ、今まで以上に慎重にダンジョンへ挑む他はありません」
「だな」
「だね」
総合的に見ても俺の戦力低下はこのパーティーにはとても痛手である。けれど、幸いにもヤマトがパーティーに加わることでマイナス要素だけではなくプラス要素が生まれたのは助かる。
四人での秘密の話を終えたあと、待っていてくれていたヤマトと合流して俺たちは全員でダンジョンの入り口があるバベルへと歩を進めることにした。
バベルの下にあるダンジョンの入り口に繋がる螺旋階段を下っている最中、ヴェルフが今日はどこの階層まで探索をするのかパーティーリーダーであるベルに問いかける。
「なぁベル、今日はどこまで潜るんだ?」
「そうだなぁ………」
「神月祭以来のダンジョン探索ですし、ケンマ様やヤマト様のことを考えて14階層辺りまでで如何ですかベル様?」
「そうだね。ヤマトさんが僕たちのパーティーに正式に加わって初のダンジョンだから連携も上手くいかないかもしれないからそれで良いと思うよ。三人はどうかな?」
「俺は良いと思うぞ」
「ヴェルフと同じく」
「自分も構いません。それから自分のことは気軽に、命と呼んでください」
「だったら、僕のこともベルで構いませんよ」
「俺はヴェルフで頼む。家名で呼ばれるのは好きじゃないんだ」
「俺もケンマでいいぞ」
「リリのことは、リリとお呼びください」
「分かりました。ベル殿、ヴェルフ殿、ケンマ殿、リリ殿」
こうして、俺たちのパーティーに新しいメンバーが加わった冒険が始まるのであった。
オリ主たちの新本拠地候補
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第六区画 『竈火の館』の近く
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第七区画 元ヘスティア廃教会
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西地区 豊穣の女主人の近く
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北地区 適当に