臆病な『赤龍帝』が冒険都市にいるのは間違っているだろうか?   作:黒牙雷真

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第百二十四話 ※【ステイタス更新】

 

 

 

 

 

〈Sideケンマ〉

 

 

 

 

 

 

「な、なななな何よこれ……トータル上昇値………七九◯◯オーバー……!?」

 

「すごいな、ケンマ。こんなに基本アビリティを上げるとは、どんな鍛練をしていたのだ?」

 

「色々な第二級以上の人たちと鍛練をして、最終的にフィンさん、ガレスさん、リヴェリアさんの三人掛かりで昨日、一昨日とボコボコにされたからだろうな。魔剣創造が禁手に至っても全然通用しなかった……」

 

 

毎度のことながらヴィクトリアに【ステイタス】を更新してもらうとバカみたいな上昇値になっているようだが、今回もその理由は分かっている。二日に渡って【ロキ・ファミリア】の三巨頭のサンドバッグになっていたのだからそれぐらい上がっていなければ割に合わない。

 

三人とも手加減してるのは分かる。けれど、フィンさんは二槍流で攻めてくるは、リヴェリアさんは平行詠唱で魔法を放ってくるは、ガレスさんは二枚の大楯で挽き殺そうとしてくるはで何度死にかけたか。

 

俺が自分に施した【リジェネガ】と【リベホイム】に鍛練場に設置した【ライフ・マテリア】ですらダメージ回復が追い付かず、リーネさんやレフィーヤに回復魔法を使ってもらうはめになった時はもう駄目だと思ったね。

 

あれは完全なパワハラです、パワハラ。

 

 

「はい。これがケンマのLV.2 での最終【ステイタス】よ」

 

「ん」

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

石黒ケンマ

 

 

Lv.2

 

 

《基本アビリティ》

 

 

力  :SS1099 → SSS 2532

 

耐久 :SSS 1569 → SSS3336

 

器用 :SSS1169 → SSS2612

 

敏捷 :S998 → SSS2499

 

魔力 :SSS1863 → SSS 3625

 

超回復 :H → G

 

 

 

 

 

《魔法》

 

 

【プロモーション】

 

・『騎士』、『戦車』、『僧侶』、『女王』に昇格できる。

・昇格した物によって、一定時間アビリティ能力超高強化補正。

 

 

詠唱:【プロモーション・────!!】

 

 

【】

 

【】

 

 

 

《スキル》

 

 

【赤龍帝を宿し者】

 

・早熟、進化する。

・想いの丈によって効果向上。

・想いの丈によって効果持続。

 

 

【魔力操作】

 

・イメージによって対象魔法の行使が可能。

・対象魔法分の体力、魔力、精神力のいずれかを消費。

・効果、威力はイメージに依存。

・任意発動。

 

 

勝利の祝福(ヴィクトリー・ユーロギア)

 

・勝利の加護。

・洗脳、隷属、汚染の無力化。

・戦闘続行時、発展アビリティ『耐呪』の一時発現。

・戦闘続行時、発展アビリティ『魔抗』の一時発現。

・戦闘続行時、発展アビリティ『勝利』の一時発現。

・戦闘続行時、修得発展アビリティの全強化。

・戦闘続行条件は、戦意が続く限り続行。

 

 

月光の傾慕(フェガロフォト・フィーリア)

 

・処女神の加護。

・魅了の無力化。

・月下条件達成時、発展アビリティ『必中』の一時発現。

・射撃武器を装備時、発展アビリティ『狙撃手』の一時発現。

・射撃武器を装備時、発展アビリティ『千里眼』の一時発現

・戦闘続行時、修得発展アビリティの全強化。

・戦闘続行条件は、戦意が続く限り続行。

・昆虫系の怪物に対して、超絶特攻。

 

 

【言語和訳】

 

・全ての言語を和訳。

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

 

 

ヴィクトリアから差し出される【ステイタス】の写しを俺は、ベッドにうつ伏せになったままで確認する。

 

うん、やっぱりサンドバッグになっていた所為か『耐久』の基本アビリティがおかしな数値になってるし、『魔力』も常に禁手状態で三巨頭を相手していたから同じおかしな数値になってる。他の基本アビリティも軒並みおかしな数値だ。

 

 

「そこまで上げたなら【ランクアップ】しても良いんじゃないかしら?」

 

「俺もそう思う。頼むわ」

 

「わかったわ」

 

 

【ランクアップ】をするための『偉業』自体は『アンタレス』を討伐した時に獲得していたので、元々【ロキ・ファミリア】での鍛練を終えたら【ランクアップ】することは決めていたのだ。

 

 

「発展アビリティは『耐異常』と『可能性』の二つがあるわね。どれにする?」

 

「『耐異常』、『可能性』の二つか………」

 

 

ヴィクトリアから告げられた新しく発現できる発展アビリティの候補を聞いて、『耐異常』は字の如くなので説明不要だ。残る『可能性』という発展アビリティは間違いなくレアアビリティだと俺は思う。

 

この『可能性』、こいつ関しては未知数過ぎる。発現原因は、おそらく『魔剣創造』が禁手に至ったことが原因だと思う。そして『可能性』という発展アビリティを発現させて『ハイスクールD×D』の原作に登場する神崎光也のような人工神器であるものの二種類の神器を二つ同時に禁手を使える、そんなことを俺もできるようになるのだろうか?

 

または、一つの神器で派生のような複数の禁手を任意で使い分けるなんていう前代未聞の至り方も出来るのだろうか?そうであれば 『可能性』という発展アビリティを発現させるのは有りだと思う。

 

更に言えば発展アビリティによる組み合わせ、これに関してちょっと思う所があるのだ。【勝利の祝福】の『スキル』にある『勝利』の発展アビリティ、これが『可能性』と組み合わさることで『勝利』の『可能性』とやらを引き寄せやすくなるのではと俺は考えた。

 

 

「んー、『耐異常』は今じゃないな。うん、『可能性』で頼むわ、ヴィクトリア」

 

「わかったわ、発現させるのは『可能性』ね」

 

 

しばらく悩んだ末、俺は『勝利』の『可能性』を手繰り寄せられることを願って、新しく発展アビリティの『可能性』を発現させてもらうことにした。

 

 

─────────────

 

 

 

石黒ケンマ

 

 

Lv.3

 

 

《基本アビリティ》

 

 

力  :SSS 2532 → I0

 

耐久 :SSS3336 →I0

 

器用 : SSS2612 →I0

 

敏捷 :SSS2499 →I0

 

魔力 :SSS 3625 →I0

 

超回復 :G

 

可能性:I

 

 

 

 

 

《魔法》

 

 

【プロモーション】

 

・『騎士』、『戦車』、『僧侶』、『女王』に昇格できる。

・昇格した物によって、一定時間アビリティ能力超高強化補正。

 

 

詠唱:《プロモーション・────!!》

 

 

【】

 

【】

 

 

 

《スキル》

 

 

【赤龍帝を宿し者】

 

・早熟、進化する。

・想いの丈によって効果向上。

・想いの丈によって効果持続。

 

 

【魔力操作】

 

・イメージによって対象魔法の行使が可能。

・対象魔法分の体力、魔力、精神力のいずれかを消費。

・効果、威力はイメージに依存。

・任意発動。

 

 

勝利の祝福(ヴィクトリー・ユーロギア)

 

・勝利の加護。

・洗脳、隷属、汚染の無力化。

・戦闘続行時、発展アビリティ『耐呪』の一時発現。

・戦闘続行時、発展アビリティ『魔抗』の一時発現。

・戦闘続行時、発展アビリティ『勝利』の一時発現。

・戦闘続行時、修得発展アビリティの全強化。

・戦闘続行条件は、戦意が続く限り続行。

 

 

月光の傾慕(フェガロフォト・フィーリア)

 

・処女神の加護。

・魅了の無力化。

・月下条件達成時、発展アビリティ『必中』の一時発現。

・射撃武器を装備時、発展アビリティ『狙撃手』の一時発現。

・射撃武器を装備時、発展アビリティ『千里眼』の一時発現。

・戦闘続行時、修得発展アビリティの全強化。

・戦闘続行条件は、戦意が続く限り続行。

・昆虫系の怪物に対して、超絶特攻。

 

 

【剣乱武闘】

 

・戦闘続行時、発展アビリティ『剣士』の一時発現。

・戦闘続行時、発展アビリティ『業物』の一時発現。

・戦闘続行時、発展アビリティ『破砕』の一時発現。

・戦闘続行時、発展アビリティ『覇撃』の一時発現

・戦闘続行時、発展アビリティの全強化。

・戦闘続行条件は戦意が続く限り続行。

 

 

【言語和訳】

 

・全ての言語を和訳。

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

 

 

 

「おめでとう、ケンマ。これであなたも晴れてLV.3 よ」

 

「おめでとう、ケンマ」

 

「ありがとう、ヴィクトリア、アルテミス」

 

 

二人に褒めてもらいながらLV.3 へと【ランクアップ】した自分の【ステイタス】が写された羊皮紙を確認する。

 

それと、昨日、一昨日とあんなにフィンさんたち三人の第一級冒険者にボコボコにされたのにLV.4 へと【ランクアップ】するための『偉業』としては認められていないみたいだ。

 

となると、アイズみたく階層主のソロアタックをする必要があるのかねぇ?ゴライアス程度であれば『天鎖斬月(仮)』の【月牙天衝】による首チョンパで討伐できるはずだからそこまでは焦らない。

 

 

「新しいスキルも発現してるな。剣乱武闘………絢爛舞踏を適当に漢字を当て嵌めた感が否めないスキル名で、上二つと似たような効果と来たもんだ」

 

 

【勝利の祝福】、【月光の傾慕】、【剣乱武闘】のこの三つは共通して戦闘時に【ランクアップ】以外での発展アビリティが一時的に発現して、それらを含めた全ての発展アビリティが最大三段階強化されるという結構チートなスキルだ。

 

さて、取り敢えず【ランクアップ】は済んだ事だし、そろそろ準備をして馬車に乗らないと『戦争遊戯』の会場である『シューリム古城跡地』に行くことが難しくなる。何故、行けないではなく、難しくなると述べたかというと普通に走ればええやん、空飛べばええやんと脳筋思考である。

 

あと、ついでに【ヘファイストス・ファミリア】に寄って、椿さんに預けてある《エクス・デュランダル》と各種《エクスカリバー》たちを受け取りに行かないといけないと思う。椿さんに預けてから約半月が経過するが、ヴェルフ経由でも経過報告が来ていないので少し気になっているのだ。

 

 

「それじゃあ、行ってくる。それとギルドに【ランクアップ】の報告をするのは、戦争遊戯の当日で頼むな」

 

「わかったわ。それとケンマ、忘れ物よ」

 

「忘れ物?」

 

「わたしの前で跪きなさい」

 

「まさか、あれをまたやるのか?」

 

「あれ?あれ、とはなんだケンマ?」

 

 

ヴィクトリアの指示を聞いて、以前『中層』へと挑む時に『豊饒の女主人』で行われた時のことを思い出していると、それを知らないアルテミスがそれをヴィクトリアに尋ねる。

 

アルテミスの問いを聞いたヴィクトリアも何を考えたのか、アルテミスまでも巻き込もうとする。

 

 

「丁度良いわ。アルテミス、あなたもわたしの後にケンマへ同じことをしなさい。そうすれば、ケンマも喜ぶはずよ」

 

「おい、アルテミスまでやらせるのか!?」

 

「あら、良いじゃない。こんな美人二人に祝福を授けてもらえるんだもの」

 

「まぁ、悪い気はしないが………はぁ、わかったよ。時間が惜しいから手短に頼むな」

 

「ええ」

 

 

照れ隠しで手短に頼むようヴィクトリアに伝えてから俺は彼女の前で跪く。

 

 

「あなたに勝利の女神の祝福を」

 

「!!」

 

 

そう言ってヴィクトリアが俺の額にキスを落とす光景に、アルテミスは今ごろ顔を真っ赤にしていることだろう。

 

 

「さぁ、次はあなたよ、アルテミス」

 

「あ、あああアレを私もするのか!?」

 

「そうよ。早くなさい。それとも止める?」

 

「………………………………やる」

 

 

やるんかい!!それにしては長い葛藤があったな。

 

 

「あ、あなたに、勝利の祝福を!」

 

 

勇気を心の底から出したアルテミスは、耳まで真っ赤にしながらヴィクトリアが落とした場所より少しズレた所へキスを落とす。

 

ニ柱の女神からの祝福だ。これは何が何でも勝たなければならないな。そう、決意を固めながら俺は立ち上がる。

 

 

「ありがとう、ヴィクトリア、アルテミス。それじゃあ、行ってくる」

 

「ええ、行ってらっしゃい」

 

「勝利の凱旋を待っているぞ、ケンマ」

 

 

 

 

○●○

 

 

 

 

ヴィクトリアとアルテミスのニ柱から勝利の祝福を受けたあと、バベルの中にある【ヘファイストス・ファミリア】のテナントに来た。

 

 

「けれど、どうやって椿さんと会おう」

 

 

頼みの綱であるヴェルフは既に【ヘスティア・ファミリア】へと移籍している。なので頼るに頼れない。これは、探し回って偶然出会うしかないのか?

 

完全に行き当たりばったりな展開に頭を悩ましていると、聞き覚えのある男性の声が聞こえて来たので顔を上げる。

 

 

「おや、イシグロさんではありませんか」

 

「えっ、スメラギさん?」

 

「おはようございます。しかし、何故あなたがこんな所に?戦争遊戯の会場であるシューリム古城はオラリオから二日はかかるはずですが」

 

 

何という幸運。防具をヴェルフの物に変えてから全く会っていなかった俺の初代戦闘衣を作成してくれたスメラギさんとこのタイミングで再会できるとは。

 

このチャンスは逃してはならないと思い、バッとスメラギさんに詰め寄って、椿さんの居場所を尋ねる。

 

 

「良いタイミングです、スメラギさん!急で申し訳ないんですけど、団長の椿さんの居場所を知りませんか?」

 

「椿さんですか?」

 

「はい。彼女に武器を三週間ほど預けてるんですけど、全く経過報告が来ないので使える物だけでも受け取ろうと思って」

 

「なるほど。そういうことでしたら、椿さんの工房へとご案内しますよ」

 

「ありがとうございます!」

 

 

幸運にもスメラギさんと出会うことで、彼に椿さんの工房へと案内してもらえることになった。

 

スメラギさんの案内で、一度バベルの中にある【ヘファイストス・ファミリア】のテナントから出て、メインストリートから第二区へと移動して、とある平屋造りの工房にたどり着くと中からシャキン!シャキン!という如何にも刃物を研いでいるような音が聞こえるのだが。

 

次の瞬間────パキンッ!と何かがへし折れる音が聞こえてくると、その次は椿さんの絶叫が聞こえて来た。

 

 

「んがぁあああああ!! またか、またなのか!これで何百個目だと思っとるんだぁああ!!」

 

「「……………」」

 

 

あまりの絶叫に俺たちは工房へと入ることを躊躇ってしまうが、俺が頷くとスメラギさんは扉にノックをして椿さんを呼び出す。

 

 

「団長、スメラギです。お客様をお連れしました」

 

 

スメラギさんが扉越しにそう伝えるも返事がない。代わりにまたシャキン!シャキン!という音が一定のリズムで聞こえて来る。

 

返事が返ってこないと分かるや否やスメラギさんは問答無用で扉を開けて、中に入っていく。扉を越えた先は直ぐに広い空間へと繋がっており、工房のあちこちに武器や防具、鍛冶道具などが置いてある。

 

 

「団長!お客様をお連れしました!私は店の準備がありますので、失礼します!」

 

「おお?おー、ケンマではないか!」

 

「おはようございます、椿さん。エクスカリバーたちを受け取りに来ました。スメラギさんも案内、ありがとうございます」

 

「そうかそうか」

 

 

流石に至近距離で叫ばれれば、いくら集中してるといえど椿さんも声に反応した。そして《エクス・デュランダル》たちの受け取りに来たと説明しながらここまで案内をしてくれたスメラギさんに感謝の言葉を言う。

 

スメラギさんが工房から出て行くと椿さんは難色を示した。

 

 

「すまんな、ケンマ。まだエクス・デュランダルの研磨が終わっとらんのだ。七本のエクスカリバーたちは、手前と主神様で研磨が終わっておるんだがこの暴君だけはどうしてもなぁ………」

 

「仕方ないですよ。こいつはそういう剣ですから」

 

「都市最高の鍛冶師なんぞと謳われておいて、情けない限りだ」

 

 

《エクス・デュランダル》の研磨が終わっていないことに、一人の鍛冶師として椿さんは落ち込んでしまっていた。

 

そんな彼女を見て、俺は《エクスカリバー》たちの研磨の恩があるので、ここは《エクス・デュランダル》をもうしばらく椿さんに預けることにした。

 

 

「わかりました。エクス・デュランダルだけはもうしばらくお預けます。ただ、エクスカリバーたちは持っていきますね」

 

「本当か!?本当にこの暴君を手前にもうしばらく預けてくれるのか?!」

 

「これだけ綺麗にエクスカリバーを研磨してもらったので、それくらいは。それにエクスカリバーたちも研磨してもらって喜んでいるようにも見えますし」

 

 

聖剣の声、とまでは言えないが見た限りでは各種《エクスカリバー》たちの聖なるオーラが濃くなっているように感じるのは気の所為ではないと思う。

 

そのことを「喜んでいる」という言葉で椿さんに伝えると落ち込んでいたのが打って代わり、満面の笑みで各種《エクスカリバー》たちを撫でる。

 

 

「そうか、そうか!お主らも喜んでおるのか!」

 

 

一人の鍛冶師として、伝説の聖剣に喜んでもらえているのが相当嬉しいようだ。それと、《エクス・デュランダル》の研ぎ方が凄いなぁ。《エクス・デュランダル》を大型の固定具で持ち上げて固定しながら研磨材で研磨しているのだろう。

 

やはり、聖剣に選ばれていない自分では持ち上げられないが為にこの対応なのだろう。そう思うとヴェルフはどうして《真のエクスカリバー》を持ち上げられたのだろうか?同じくアイズも何故持ち上げられたのだろうか?ヘファイストスは神だからそれで納得がいくが、二人はどうしてだ?共通点として『精霊の血』があるけど、それが関係しているのだろうか?

 

二人が聖剣を握れる理由をあれこれと思考してみるが情報が足らないため、途中で思考を放棄して綺麗に磨かれて立て掛けれている各種《エクスカリバー》を一本に統合させて、《真のエクスカリバー》に戻す。

 

 

「二度目になるが、どういった仕組みで七本の聖剣を一本に纏めておるのだ?手前には、全く検討がつかん」

 

「実は、エクスカリバーは元々一本だったんです。けれど、とある大戦で七本に分割されてしまって、それぞれに特殊な能力に特化させて復元することで七本のエクスカリバーが生まれたんですよ。なので、七本が一本に纏まるのは自然的なのかも知れません」

 

「はぁ、そのような経緯があったのか……。とても興味深い話だ」

 

 

《エクスカリバー》が七本に分かたれてしまった経緯を椿さんに説明していると工房の入り口から【ヘファイストス・ファミリア】の主神であるヘファイストスの声が聞こえてきた。

 

 

『椿、私よ。入るわよ』

 

「ああ、構わんよ」

 

 

そう返事をすると間髪入れずにヘファイストスが工房の中へと入ってくる。そして、なぜか俺を見るや否や慌てた様子で声をかけてくる。

 

 

「ケンマ、あなたこんなところで何してるのよ!?」

 

「主神様よ、こんな所とは流石に酷くはないか?」

 

「そうじゃなくて!戦争遊戯の会場になるシューリム古城行きの馬車がもう出て行ったのよ!!」

 

 

ヘファイストスの話を聞いた俺と椿さんは、お互いに顔を見合わせて、何度か瞬きをして事のヤバさをジワジワと実感し始める。

 

 

「ヤベぇエエエ、乗り遅れた!?」

 

「だから、そう言ってるのよ!!」

 

 

馬車に乗り遅れたということは、自分の足で最寄り駅───もとい最寄りの町に行く必要がある。どうしようと、焦るが握っている《真のエクスカリバー》が強く脈動するのを感じて、ハッとする。

 

 

「神ヘファイストス、シューリム古城遺跡までの地図はありますか?」

 

「有るにはあるけど、まさか!あなた、走って行くつもりなの!?」

 

「大丈夫です。七本の内のエクスカリバーである天閃の聖剣ならば行けるはずです。それに、今の俺はLV.3 ですから」

 

「【ランクアップ】!?」

 

 

その後、ヘファイストスに『シューリム古城遺跡』までの経路を地図に書いてもらって、《天閃の聖剣》とLV. 3 に【ランクアップ】した身体能力、【プロモーション】の魔法の三つを合わせて、俺は全力で最寄り町の『アグリス』を目指すのだった。

 

 

「何者よりも、疾く走れ!天閃の聖剣!!」

オリ主たちの新本拠地候補

  • 第六区画 『竈火の館』の近く
  • 第七区画 元ヘスティア廃教会
  • 西地区 豊穣の女主人の近く
  • 北地区 適当に
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