臆病な『赤龍帝』が冒険都市にいるのは間違っているだろうか?   作:黒牙雷真

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第百四十一話 ※【ステイタス更新】

 

 

 

 

 

〈Sideケンマ〉

 

 

 

 

 

「はい、ケンマ。これが今のあなたの【ステイタス】よ」

 

「どれどれ?」

 

 

 

──────────────────────

 

 

 

石黒ケンマ

 

 

Lv.3

 

 

《基本アビリティ》

 

 

力  :I0 →E498

 

耐久 :I0 →D511

 

器用 :I0 →D599

 

敏捷 :I0 →C665

 

魔力 :I0 →B782

 

超回復 :G

 

可能性:I

 

 

 

 

 

《魔法》

 

 

【プロモーション】

 

・『騎士』、『戦車』、『僧侶』、『女王』に昇格できる。

・昇格した物によって、一定時間アビリティ能力超高強化補正。

 

 

詠唱:【プロモーション・────!!】

 

 

【】

 

【】

 

 

 

《スキル》

 

 

【赤龍帝を宿し者】

 

・早熟、進化する。

・想いの丈によって効果向上。

・想いの丈によって効果持続。

 

 

【魔力操作】

 

・イメージによって対象魔法の行使が可能。

・対象魔法分の体力、魔力、精神力のいずれかを消費。

・効果、威力はイメージに依存。

・任意発動。

 

 

勝利の祝福(ヴィクトリー・ユーロギア)

 

・勝利の加護。

・洗脳、隷属、汚染の無力化。

・戦闘続行時、発展アビリティ『耐呪』の一時発現。

・戦闘続行時、発展アビリティ『魔抗』の一時発現。

・戦闘続行時、発展アビリティ『勝利』の一時発現。

・戦闘続行時、修得発展アビリティの全強化。

・戦闘続行条件は、戦意が続く限り続行。

 

 

月光の傾慕(フェガロフォト・フィーリア)

 

・処女神の加護。

・魅了の無力化。

・月下条件達成時、発展アビリティ『必中』の一時発現。

・射撃武器を装備時、発展アビリティ『狙撃手』の一時発現。

・射撃武器を装備時、発展アビリティ『千里眼』の一時発現

・戦闘続行時、修得発展アビリティの全強化。

・戦闘続行条件は、戦意が続く限り続行。

・昆虫系の怪物に対して、超絶特攻。

 

 

【剣乱武闘】

 

・戦闘続行時、発展アビリティ『剣士』の一時発現。

・戦闘続行時、発展アビリティ『業物』の一時発現。

・戦闘続行時、発展アビリティ『破砕』の一時発展。

・戦闘続行時、発展アビリティ『覇撃』の一時発現

・戦闘続行時、発展アビリティの全強化。

・戦闘続行条件は戦意が続く限り続行。

 

 

【言語和訳】

 

・全ての言語を和訳。

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

 

「前もそうだったが十日くらい開けてると基本アビリティの上がり値がバグってるな」

 

「『偉業』さえこなせれば、いつでも【ランクアップ】が可能性な値だな」

 

 

俺と一緒になって【ステイタス】の写しを見てるアルテミスがそう言ってくるが、俺の場合はそう易々とは『偉業』をこなせる訳ではない。『赤龍帝』としての力がそうさせるのかまたは【赤龍帝を宿し者】の裏効果がそうさせるのかは分からないが普通の冒険者とは『偉業』の難易度が変わってくるはずだ。

 

どうせ、【イシュタル・ファミリア】の第一級冒険者であるフリュネを一対一で倒したとて、【ランクアップ】に必要な『偉業』としては認めてもらえないだろう。

 

 

「そういえばヴィクトリア、ダフネとカサンドラの【ステイタス】の写しはあるのか?」

 

「あるわよ」

 

「ちょい見せて」

 

「はい」

 

「サンキュー」

 

 

ふむ……ダフネは普通に前衛も出来るから『魔力』以外の基本アビリティが高い。けれど、カサンドラは後衛回復役だから『魔力』以外は低い。どちらも短所と長所がはっきりしているな。いや、俺が変にオールラウンドなだけか。

 

それからダフネの『魔法』である【ラウミュール】という魔法、これは俺の記憶が正しければ彼女はこの魔法をアポロンを彷彿とさせるから嫌っていたような覚えがある。魔法の効果は、『耐久』に微強化補正、『敏捷』に高強化補正。詠唱文や効果を見るに、アポロンから逃げるために発現したような魔法だな。そりゃ本人もこの魔法を嫌う訳だ。けれど、一団長としては魔力も上げてもらう必要がある。

 

 

「となれば、新しいあの魔剣でも持たせてみるか」

 

「ケンマ、何か思い付いたのか?」

 

「ああ。二人が如何に元主神であるアポロンを嫌っていたのが分かったから色々とな」

 

 

アルテミスの問いに『嘘』は使わずに誤魔化してからカサンドラの【ステイタス】を見る。彼女の第二の魔法である【キュア・エフィアルティス】、これはアニメでは出てこなかった魔法なのでちょっと驚いている。

 

そして効果だが『解害魔法』。文字からしてら害悪のある効果、つまりデバフを解く魔法ということだろう。しかし、それがどこまでの効果を発揮するのかは未知数だ。

 

普通に無難な物ならば、毒、麻痺、睡眠、火傷、凍結といったスタンダードな状態異常なんかが該当するだろう。だが、この世界には『呪詛』や『魅了』なんていう普通では取り除くことの出来ない状態異常が存在するため、『解害』といってもスタンダードな物だけとは限らないこともある。

 

 

「最悪、カサンドラの方はそっちの専門家であるアミッドさんに預けてみた方が良いかもしれないな。それか俺が呪詛を………いや、駄目だな。俺の場合、【勝利の祝福】のスキルで生半可な呪詛は無効化される」

 

 

自分で『呪詛』を試せないことに頭を悩ましながら、カサンドラの第二の魔法である解害魔法とは、どこまでを意味しているのかの検証で頭を悩ませる。

 

取り敢えず、今はカサンドラの【キュア・エフィアルティス】の検証の件は後にしよう。あと数分もしないうちにカサンドラとダフネがやってくるので装備を身に着けて、準備をしないといけない。

 

 

「よし、ブーツはまだ使えるな」

 

「ケンマ、ダフネとカサンドラが来たわよ」

 

「了解。ヴィクトリアの方は準備出来てるのか?」

 

「ええ、問題ないわ」

 

「それじゃあアルテミス、留守番頼むな。もしも暇なら神ヘスティアの所に行ってもいいからな」

 

「その時はそうさせてもらうとしよう」

 

 

バイトが休みであるアルテミスにホームを任せて、眷属である俺たちはダンジョンへと向かうが主神であるヴィクトリアは『豊饒の女主人』で分かれて、そのついでに俺は店で魔法を使って野菜の皮剥きをするのがいつもの一人だった時のルーティン。

 

けれど、今日はダフネとカサンドラもいるので彼女たちには店で一息ついていてもらうことにしようと考えた。

 

 

「おはよう、ダフネ、カサンドラ」

 

「おはよう、二人とも」

 

「おはようございます、ヴィクトリア様。それに団長も」

 

「おはようございます、ヴィクトリア様、ケンマさん」

 

 

二人と挨拶を交わしてから早速、『魔剣創造』が禁手に至ったことで創造できるようになった新しい魔剣を二人に渡すことにした。

 

 

「二人ともダンジョンに潜っている間、これを持っていて欲しい」

 

「この短剣、もしかしてだけど例の能力で生み出した魔剣?」

 

「そうだ。二人の【ステイタス】を確認させてもらって、二人とも魔法を持っているから日常的に魔力の基本アビリティを上げてもらうためにこの魔剣を持っていてもらいたい」

 

「その話をするってことは、もしかしてこの魔剣って………持ってるだけでウチたちの精神力を消費する能力が込められてたりする?」

 

「当たりだ」

 

 

余程の馬鹿でない限りは今の説明で、ダフネのように俺が差し出した二振りの短剣の魔剣の効果は持っているだけで所有者の精神力を微量に消費させて行くの物だと察するだろう。

 

 

「それからこれが今さっき、ヴィクトリアに更新してもらった俺の【ステイタス】だ。確認してくれ」

 

「ちょっ、こんな道のど真ん中で渡さないでよ!?」

 

「そうですよ!?」

 

「大丈夫だよ。二人は信用してるし、一応警戒はしてるから」

 

 

二人は感じていないだろうが、今も微量に精神力を垂れ流しにして周囲に網を張っているので不自然な動きを見せれば、その網に水平に波紋を作るように引っ掛かるのだ。

 

そして、そんな俺が張った網の中で俺の【ステイタス】を確認しているダフネとカサンドラはというと渡された羊皮紙をこれでもかと握り締めながら舐めるようにして凝視している。

 

 

「は?早熟?進化?加護?」

 

「これって、本当にケンマさんの【ステイタス】なんですか?」

 

「間違ないぞ、なぁヴィクトリア?」

 

「ええ、間違ないわよ」

 

 

俺とヴィクトリアが二人の見ている【ステイタス】に間違いないと言うと、二人は深い溜め息を吐いた。

 

 

「団長が前に言ってた、スキルがデタラメ過ぎて団員を増やせない理由がよく分かったわ」

 

「だねぇ。流石にこの【ステイタス】を見ちゃうと……」

 

「自分でも、どれだけデタラメなのかは自負しているつもりではいる。その所為でスキル内容を話せていないリリたちからヤキというか苦情というかそういうのが飛んでくる」

 

「まぁ、懇意にしているとはいえ他派閥だしね。話せることと話せないことがあっても仕方ないよ」

 

 

流石は副団長、団長の悩みを察してくれて有り難いよ。と思いながらダフネたちから【ステイタス】の映しを回収、そのまま【魔力操作】で雨の日には部下から無能と呼ばれてしまう某大佐のようにフィンガースナップをポケットの中で鳴らして、羊皮紙を燃やす。

 

その一部始終を見ていたダフネたちや街行く人たちには、俺が持っていた羊皮紙が独りでに燃えたように見えるだろうが、俺の【ステイタス】を確認したばかりのダフネたちは俺が何をやったのか遅れて理解したようだ。

 

 

「こんな道端で堂々とやっていいの、それ?」

 

「バレなきゃ大丈夫だよ。最悪、バレた所で予防策なんて殆どないし」

 

「確かにそうなんだけど………はぁ、入る派閥間違えたかな」

 

 

 

 

○●○

 

 

 

 

「今日の夕飯は豊饒の女主人にしようかな?」

 

 

昨日に続いてカサンドラたちと14階層の食料庫でバックパックに魔石とドロップアイテムが入り切らないくらいパンパンにしてギルドで換金したので、今日の夕飯は豪華にいこうかと悩んでいると俺たちのホームの前にベルが何かの羊皮紙を持って待ち構えていた。

 

態々、このタイミングでベルが俺たちのホームで待ち構えているということは何か春姫関連の出来事が起きたということだろうと当たりを付けるが、記憶に残っているアニメ知識にはそんな場面はあっただろうか?

 

アニメではベルが歓楽街に行ったあと、ヘスティアに怒られて街の奉仕活動をすることになって、ヘルメスから『殺生石』の話を聞いて、それからダンジョンで─────ああ、なるほど。これがその場面に繋がる訳か、納得。

 

 

「おーい、ベルー!」

 

「あっ、ケンマ!」

 

 

ベルに声を掛けてやると、声を掛けられた本人は嬉しそうに俺の下へと駆け寄ってくる。うん、帰って来た兄に駆け寄る弟か或いは飼い主を見つけた兎の如しだ。これが俗に言うアニマルセラピーという癒しか。

 

 

「ヨスヨス」

 

「あれ?なんで、僕、ケンマに頭を撫でられてるの?」

 

「大丈夫だ、気にするな。それで俺に何か用か?」

 

「うん。まずは、これを見て!」

 

「ん?」

 

 

ベルから差し出された羊皮紙を一瞬、受け取るか否かを迷ったが団長であるベルが差し出してきた時点で他派閥である俺も確認しても問題ないものなのだろうと判断して、確認することにした。

 

羊皮紙に書かれていたのは、『アルベラ商会』という商会からの冒険者依頼で14階層の食料庫で石英を採掘して来て欲しいというものだった。なにより気になるのがその報酬額だ。報酬は何と一◯◯万ヴァリス。

 

これは明らかな罠だと分かる報酬金額だ。しかし、目の前にいる『英雄』志望の兎くんは目をキラキラと輝かせながらこう言ってくる。

 

 

「ヘルメス様から聞いたんだけど、仮に春姫さんが【イシュタル・ファミリア】に所属していても末端の構成員なら三◯◯万ヴァリスくらいで身請けらしくて、これなら僕らでも身請け金も集められなくはないよね!」

 

「………あ、ああ。うん、多分」

 

 

駄目だ……ベルの奴、これが罠だと分かっていない。そして、やっぱりヘルメスの野郎が関わってるじゃねぇか!?間違いなく、この冒険者依頼で俺たちはアイシャとフリュネと戦いになる展開じゃんか!!

 

そして、こんなにも健気に春姫を身請けするために頑張ろうとするベルには悪いが、既にそれなりの資金が出来ていることと間違いなくイシュタルは春姫を身請けさせるつもりはないことをどう伝えようかと悩んでいるとホームの目の前で話し込んでいる俺たちの声を聞き付けたのか、ホームの中からアルテミスが出てきた。

 

 

「やっぱり、ケンマにベルか。なかに入らずに何を話し込んでいるのだ?」

 

「おう、アルテミスか。ただいま」

 

「こんばんは、アルテミス様」

 

「うむ。それとケンマ、お前というよりもお前たち【ヴィクトリア・ファミリア】宛に商会からの冒険者依頼が届いているぞ」

 

 

アルテミスから告げられたその一言に俺とベルは顔を見合わせてから一度ホームの中に入ってから、彼女の言っている商会からの冒険者依頼の手紙を確認する。

 

すると案の定、アルベラ商会からの冒険者依頼で依頼内容はベルと同じで14階層の食料庫で英石の採掘、報酬金額は一◯◯万ヴァリスだった。

 

はい、罠確定のお知らせです。

 

 

「ケンマにも僕たちと同じ冒険者依頼が届いていただなんて……これなら、一緒に冒険者依頼を受ければ春姫さんを身請けするためのお金が二◯◯万ヴァリスも一気に稼げるね!」

 

「身請けするためのお金?どういうことなのだ、二人とも?」

 

「あ…………」

 

「馬鹿たれ」

 

 

またやらかしやがったよ、このお喋り兎は。

 

春姫の身請けについて知られてはいけない神物、トップスリーに入るであろう三大処女神の一柱がいる前で春姫の身請けの話をするベルには、驚きを通り越して呆れてしまう。

 

取り敢えず、アルテミスには春姫のことを伝えることにした。事後報告なんてしたら面倒なことになりかねないというか絶対になる。

 

 

「ということで、俺たちはその春姫を身請けしようとしている訳だ」

 

「なるほど。タケミカヅチと関わりのある子供か………」

 

「それにイシュタル様は黒い噂が流れてるって、ケンマが……」

 

「噂では、神イシュタルは神フレイヤに嫉妬心を燃やしているそうだ。だから、獣人の中でも魔法種である狐人の春姫が、美の女神同士の戦いに巻き込まれる可能性が高いと俺は見ている」

 

「確かに、イシュタルは天界に居た時から何かしら理由を付けてフレイヤを目の敵にしていたからなぁ……強ち、ケンマの考えはハズレではないだろう」

 

「だから、ケンマは春姫さんを身請けしようとしてるんだ」

 

「まぁな。それに俺がただ気に入ったってのもある」

 

「ムッ、またケンマは他の雌を気に入ったのか」

 

 

美の女神ほどではないにしろ、処女神であるアルテミスはまたしても俺が気に入ったまたは勧誘する女性冒険者に嫉妬心を燃やしている。

 

 

「他の雌って、お前な………確かに、俺は春姫を気に入っているが他にも理由があるんだよ」

 

「なら、その理由とはなんだ?」

 

「んー、なら耳貸せ」

 

 

ここでベルに春姫の魔法を教える訳にはいかないので、敢えてアルテミスに耳打ちで春姫の魔法について説明することにした。

 

 

ギルドから【イシュタル・ファミリア】は、過去にLV. の詐偽をしているではないかと調査されたことがある。結果は白だったが、それが未登録冒険者の魔法ならギルドに知られなくても無理はないはずだ

 

「それは、つまり?」

 

春姫は一時的に【ランクアップ】させることのできる魔法を持っているはずだ

オリ主たちの新本拠地候補

  • 第六区画 『竈火の館』の近く
  • 第七区画 元ヘスティア廃教会
  • 西地区 豊穣の女主人の近く
  • 北地区 適当に
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