臆病な『赤龍帝』が冒険都市にいるのは間違っているだろうか?   作:黒牙雷真

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第百四十六話

 

 

 

 

〈Sideケンマ〉

 

 

 

 

ベルに春姫の居場所を教えたあと、俺はベルには悪いが《透明の聖剣》で姿を消しながら安全な場所を探していた。その理由は、カサンドラの予知夢に出てきた内容の『紅き龍の力を継承する』という文からもしかしたら、居ないと思っていたはずのイッセーの残留思念はブーステッド・ギアの中に残っているのではないかと思うようになったのだ。

 

そのためブーステッド・ギアが使える今、意識だけを神器の中に入れ込んでイッセーを探し出して、『真紅の赫龍帝』を継承させてもらおうという算段なのである。

 

 

「ここなら大丈夫かな」

 

 

【イシュタル・ファミリア】の本拠地に存在する無数の部屋の一つに入り込んで、薄暗い中でも一時的に身を隠せそうな場所を探してそこに隠れてから一度『天鎖斬月』を解除してから今度は深く深呼吸をしてドライグに頼んで、意識だけを神器の奥へと連れて行ってもらう。部屋の外から聞こえる俺とベルを探す戦闘娼婦たちの声が次第に遠退いて行く。

 

 

 

 

○●○

 

 

 

 

外の音が遠退いて気付いた時には周りは暗くなっており、自分と相棒であるドライグを信じて真っ直ぐに歩いて行くとその先には以前にもやってきた真っ白な空間が広がっていた。

 

 

「二ヶ月ぶりに来たな……って、あれ?【アルテミス・ファミリア】の皆がいない?」

 

 

以前、ここに来た時には【アルテミス・ファミリア】の残留思念たちが居たが今はその姿が何処にも見当たらない。もしかして、俺が知らない内に皆成仏してしまったのだろうか?

 

もしもそうであったのならば、せめて成仏する前に主神であるアルテミスと別れの挨拶くらいはして逝けば良いのにと思った矢先、背後から気配を感じたので振り返らずに声をかける。

 

 

「最初こそ、アンタが誰なのか全然分からなかった。でも、今なら分かる。あの時、この空間で初めてアンタと出会った時にドライグは酷く驚いていた。そして、カサンドラの予知夢で確信に変わった」

 

 

そう言いながら俺は後ろを振り向き、『赤龍帝の鎧』で一体誰で男なのか女なのか判別がつかない歴代赤龍帝の一人を見詰めながらこう呼んだ。

 

 

「アンタがそうなんだろう、歴代龍帝────いや、おっぱいドラゴンこと兵藤一誠!」

 

 

俺の呼び声と共に目の前にいる歴代赤龍帝は、その身体に纏っている鎧を解除するとそこにはアニメやラノベと同じで、明るい茶髪に茶色の瞳を持ちながら駒王学園の冬服に身を包んだおっぱいドラゴンこと兵藤一誠が立っていた。

 

 

「御名答。俺は、おっぱい大好きおっぱいドラゴンこと兵藤一誠だ。よく俺だと分かったな、後輩」

 

「まぁな。決め手となったのは、やっぱりカサンドラの予知夢にあった『深紅の龍は、妖精の果実を糧に紅き力を継承する』という文の紅き力という部分だな。あれがなければ、俺はブーステッド・ギアに唯一残っている歴代赤龍帝がイッセーだとは分からなかったはずだ」

 

「なるほどな。それにしてもケンマが知ってる俺はリアスだけじゃなくて朱乃さんを始めとしたアーシア、小猫ちゃん、ゼノヴィア、イリナ、ロスヴァイセさん、黒歌と婚約するとはなぁ………」

 

「サブストーリーだと、三十年後のイッセーはレイヴェルやルフェイ、エルメンヒルデといったキャラとの間にも子供がいるけどな」

 

「かぁー、俺がまだ生きていられたらそれだけ色々なおっぱいを好きに出来たってことかよ!?」

 

「サマエルの毒で死んで、残留思念となってもおっぱいを追い求めるって、馬鹿は死ななきゃ治らないと言うがアレは間違っていたみたいだな」

 

 

俺の記憶から本来であれば、自分は生きていて十人の美人または美少女の胸を好きに出来ていたとイッセーが両手をワシワシと何かを揉むジェスチャーをしながら嘆いてるのを見て、思わず呆れてしまった。

 

普通ならば、憧れの存在が目の前にいれば目をキラキラと輝かせながら興奮や感動で言葉がでないものなのだろうが、イッセーの場合はそうではなかった。

 

ヒーローショーみたいな時間もそこそこにしながら俺は、予知夢の内容についてイッセーに尋ねたいことがあったのでそれを尋ねることにした。

 

 

「あー、イッセー。一人嘆いているところ悪いが予知夢にあった『妖精の果実』、アレはそういう意味なのか?」

 

「おうよ!果実イコールおっぱい!よく言うだろう、おっぱいには男の夢と希望が詰まってるって」

 

「まぁ、アニメとかでは割かし………」

 

「それにお前は俺に憧れてんだろう?なら、俺がおっぱいにどれだけの想いを込めてるのか言わなくても分かるだろう」

 

「絶対にアレでないと真紅の赫龍帝を継承させてくれないのか?」

 

「ああ、駄目だ。サイラオーグさんとの戦いで俺は誓ったんだ。俺はどこまでもおっぱいを追い求めて、最強の兵士になるってな。まぁ、最強の兵士はなれず仕舞いで死んじまったんだけどな」

 

 

未練ありありでありながら苦笑いを浮かべながら頭を搔くイッセーを見ながら、俺が憧れた兵藤一誠がそういうのならば仕方がないと、おっぱい以外で『真紅の赫龍帝』を継承させてくれるように説得するのを諦めた。

 

なにより、おっぱいを突つくだけで春姫を救えるのならば、例え変態だ、二代目おっぱいドラゴンだ、なんて罵倒されようがそれくらい安いもんだろう。

 

 

『俺的には、全く安くないことなんだが!?』

 

「悪いな、ドライグ。俺にも譲れないもんがある」

 

「ケンマの譲れないもの。それはなんだ?」

 

「そんなの決まってる。本来ならば、誰かを犠牲することで終わるトゥルーエンドを受け入れるんじゃなくて、誰も犠牲にしないで皆が笑って終わりを迎えられるハッピーエンドを目指す。それが俺、希望の赤龍帝だ!」

 

「なら、行け。お前の助けを求めている少女の下に!」

 

「ああ!」

 

 

その会話を最後に俺の意識は現実世界へと戻っていた。

 

 

 

 

○●○

 

 

 

 

 

「戻ってきたか」

 

 

外が騒がしいことで意識がはっきりしてきて、目を開けると意識を神器に入り込ませる前に隠れた部屋だと分かったので、まずは周囲に戦闘娼婦がいないかを確認する。

 

戦闘娼婦たちが誰一人としていないことを確認できたら、身を物陰に隠すのを止めてから《透明の聖剣》で再び身体を透明にしてから部屋を出て、春姫を救うためにも『真紅の赫龍帝』を継承しなくてはいけないので比較的発見されなさそうな屋上を目指すことにした。

 

ベルには春姫の居場所を伝えてあるし、命もアニメ通りならば空中庭園を目指しているはずだ。一番の懸念点であるフリュネとアイシャは、先ほど俺が三階から一階に吹き飛ばしたので、俺がいなくとも時間稼ぎくらいはできるはずだ。

 

そうして、俺は誰にも見つかることなく一人で【イシュタル・ファミリア】の本拠地の屋上にたどり着いた。屋上ということもあって、殺風景なものだと思っていたがそうではなかった。

 

 

「まるで、リゾートホテルみたいだな」

 

 

本拠地の屋上には植物が植えられており、プールのような人工の泉も備わっていた。それに夏祭りなどで使われる櫓のような物まで建てられていた。

 

 

「取り敢えず始めるか………って、どうやるんだ?」

 

『そこは俺に任せろ、後輩!』

 

 

ブーステッド・ギアを具現化させて、どうやって『真紅の赫龍帝』を継承するためのあの儀式をやろうかと悩むとブーステッド・ギアの中にいる残留思念のイッセーが任せろと自信満々に述べてきた。

 

すると、ブーステッド・ギアの宝玉が紅く輝きを放ちながら突如として俺の目の前に紅色の魔法陣が描かれる。

 

 

『さぁ、叫べ後輩!おっぱいを……お前だけのおっぱいを呼ぶんだ!』

 

「腹を括れ、石黒ケンマ。これを乗り越えれば、真紅の赫龍帝の力を継承できるんだ」

 

 

今までにない程、本気で覚悟を決めながら深呼吸をして、俺は天に叫ぶ。

 

 

「────召喚ッ!おっぱいぃぃぃぃぃッ!!」

 

 

腹のそこから出した俺の呼び声に呼応して、魔法陣が輝き出し始めて、魔法陣には日本語で「おっぱい」と描かれており、更には魔法陣の象形すらおっぱいの形を象り始めた。

 

そして全ての準備が整ったのか魔法陣の中心から天に向かって紅の閃光が打ち上がり、その後、天から紅の輝きに照らされながら山吹色の髪を夜風と降りてくる際の風で靡かせながら着替え途中だったのか下着姿のレフィーヤが降りて来た。

 

 

「え?なに?これ?どこですか、ここ!?」

 

 

ゆっくりと降りる中で状況が理解できないレフィーヤは滅茶苦茶慌てるが、俺はカサンドラの予知夢にあった「妖精の果実」という文で妖精=レフィーヤの構図が出来上がったことに何処か納得しながら現実逃避をしていた。

 

まぁ、そうだよねぇ。妖精=エルフ=レフィーヤ+果実=おっぱい、でレフィーヤのおっぱいという公式がなりたつ訳ですね。だって、事故とはいえど18階層で彼女の胸を一度鷲掴みにしている訳ですしねぇ。

 

 

「えっ、ケンマ!?きゃあああああ!? 見ないで、こんなあれもない格好の私を見ないでください!!」

 

 

現実逃避を続けていると、レフィーヤは俺の存在を認識して自分がどんな格好なのかを思い出したのか、顔を真っ赤に染めて、両手で身体を隠しながら俺へ背中を向けてくるが服もタオルもないので全く隠せていない。

 

とても眼福ではあるが、ここは早々に目的を果たしてしまう。それがレフィーヤの為だし、俺の為でもある。

 

 

「あー、レフィーヤ? 悪いけど、ちょっと頼みを聞いてくれないか?」

 

「こんな状況でどんな頼みですか!? そんなことよりも早く何か着るものをください!エルフとしても、乙女としても色々と限界ですから!!」

 

「ちょっ、ちょっと待っててくれ!」

 

 

ガチ泣き寸前のレフィーヤからのお願いを聞いて、俺は慌てて周囲から使えそうな服かタオルを探して、彼女に渡す。

 

 

「見られた……下着まで見られた……もう、お嫁に行けない……」

 

「あのー、レフィーヤ? 色々と申し訳ないんだが、俺の頼みを聞いて欲しいんだけど」

 

「こんなあられもない、エルフとしての誇りを失った私に一体どんな頼みことですか?それからここは何処なんですか?」

 

「ここは【イシュタル・ファミリア】の本拠地の屋上だ。色々と詳しいことは省くが【イシュタル・ファミリア】は、とある狐人を生け贄にして禁断の魔道具を作って【フレイヤ・ファミリア】と戦争をしようとしている。それの阻止と生け贄にされそうになっている狐人を助けるためにレフィーヤの力を借りたい」

 

「【イシュタル・ファミリア】が【フレイヤ・ファミリア】と戦争? ケンマには悪いですけど、【ロキ・ファミリア】の一員である私はケンマと一緒に戦うことは……それに武器もないですし……」

 

「いや、レフィーヤは戦う必要はない。レフィーヤの力を借りたいのは、18階層で目覚めた赤い鎧を覚醒させる時みたいなことだ」

 

 

『赤龍帝の鎧』を覚醒させた時の話を持ち出すと、あの時の記憶を思い出したのか落ち着き始めていた頬の赤みが再び赤みを取り戻してしまう。

 

 

「ま、またあの時みたく……ケンマのおでこにキ、キスをするんですか?!」

 

「今回はその更に上の新しい力を覚醒させるのに……その……れ、レフィーヤの胸を突つく必要があるんだ」

 

「む、胸を突つく!? な、何考えてるんですか、この変態!信じられません、ケンマがそんな変態だったなんて!?」

 

「俺だって、やりたくて言ってる訳じゃないんだよ!先代の力を継承するために俺だけのおっぱいを突つかなくちゃいけなくて、魔法陣で召喚された以上レフィーヤにしか頼めないし……嗚呼、これも全てイッセーの所為だからな!!」

 

 

俺の頼みの内容を聞いて、レフィーヤは即座に両手で胸元を抱き締めて、後退りながら涙目で睨み付けて俺を変態と罵倒してくる。

 

まぁ、当然の反応ですよね。

 

推しであるレフィーヤに変態と罵倒されて、そうなった元凶である残留思念のイッセーに文句を言うが、当のイッセーは下着姿のレフィーヤをブーステッド・ギアの中から見ているのか眼福そうな声が聞こえてくる。

 

 

『ぐふ、ぐふふふふ! 美少女エルフの下着姿、あざまーす!しっかりと脳内メモリーに保存させていただきました!』

 

「この野郎!レフィーヤの下着姿を記憶に保存するな!すぐに消しやがれ、この腐れおっぱいドラゴンが!!」

 

「お、おっぱいドラゴン……?それにまた籠手が喋ってる!?」

 

 

ブーステッド・ギアからイッセーの声が聞こえてくることにレフィーヤは驚いているが、俺としては時間が迫っているのでここは最終手段を切ることにした。

 

 

「レフィーヤ、今回も人の命がかかってる。春姫を助けるためなら、俺ができることなら何でも言うことを一つだけ聞くから頼む!」

 

「…………その人は、ケンマにとってどういう関係ですか?」

 

「どういう関係って言われても、まだ知り合って間もないから知り合いの関係としか。でも、あいつは自分が生け贄になることを望んでいない、胸の内じゃあ死にたくないって必死に助けを求めているはずなんだ。だから、俺はあいつを────春姫を助けたい!」

 

 

これは本心だ。最初こそ、推しキャラの一人だからと春姫を助けたいと思った。でも、今は短い間とはいえ彼女との会話は楽しかった。

 

それに俺はアルテミスを助ける時に決めたんだ。誰かを犠牲にするトゥルーエンドじゃなくて、誰も犠牲にならない皆が笑顔で終われるハッピーエンドを目指すって……。

 

春姫を助けたい一心でレフィーヤに頭を下げてお願いしていると、深い溜め息を吐いたあとレフィーヤは声を出した。

 

 

「…………はぁ、わかりました。それから最後に一つだけ聞かせてください。さっき、ケンマは新しい力を得るために俺だけのおっぱいを、と言ってましたが何で私なんですか?」

 

「それは……あまり覚えてないけど母親以外で女子の胸を触ったのはレフィーヤが始めてで……それが俺の中で滅茶苦茶印象的に残ってるからとしか……」

 

「………そうですか。ンンッ、ケンマも知っていると思いますが、エルフは心を許した相手にしか肌を触れさせません。それが女性のエルフとなれば尚更です。な・の・で、私があなたにこんなことを許す意味をしっかり考えてくださいね」

 

 

そう言いながらもレフィーヤはこれでもかと顔を真っ赤にしながら、胸に巻いていたタオルとブラジャーを取り除いて、羞恥心に苛まれながらも生の胸を差し出してくる。

 

その艶かしいプルりとした肉感、色、ほのかに香るフローラルのような花の香りが俺の五感を刺激してきて、鼻血が出そうになるが鼻を抑えて何とか耐える。

 

 

「は、恥ずかしくて死にそうなので早めに終わらせてください」

 

「お、おう。ありがとう、レフィーヤ」

 

 

羞恥心からプルプル震えるレフィーヤの果実に、童貞故生唾をゴクリと飲み込みながら凝視して、恐る恐る両手の人差し指を二つの果実へと近づける。

 

そして─────ぽちっとぽちっと、ずむずむ~。

 

 

「ひゃん♡」

オリ主たちの新本拠地候補

  • 第六区画 『竈火の館』の近く
  • 第七区画 元ヘスティア廃教会
  • 西地区 豊穣の女主人の近く
  • 北地区 適当に
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