臆病な『赤龍帝』が冒険都市にいるのは間違っているだろうか? 作:黒牙雷真
〈Sideケンマ〉
「ひゃん♡」
レフィーヤの口から放たれた短い喘ぎ声に、俺のキャパシティーがオーバーフローを起こしてブバッ!という音と共に生まれて初めて興奮で鼻血が出た。
「ちょっ、なに鼻血出してるですか!?」
「ご、ごめん。レフィーヤの口からエロい声が出たから思わず、キャパオーバーで鼻血が………」
「え、エロいって言わないでください、この変態!おっぱい魔人!」
鼻血が出ていることをレフィーヤに指摘されて、直ぐに鼻の付け根を指で抑える。
『ハイスクールD×D』のアニメや原作では、度々イッセーがリアスたちヒロインの胸を見たり、突ついたりする時に興奮のあまり鼻血が出てしまうことが書かれていて、現実ではそんなのはあり得ないと思っていたが、いざ自分が同じ立場になってみるとこれは鼻血が出てしまっても仕方がないと思うほどに刺激的だった。
だって、ぼく童貞だもの。
そう思っていると、突如として胸の奥が脈動するとブーステッド・ギアの宝玉から紅の輝きを放つ玉が出現する。
「これは、もしかして…………」
『ああ、そうだ。お前がレフィーヤちゃんの胸を突ついたことで俺の力の波動とケンマの力の波動が繋がりを持つことが出来た』
「俺とイッセーの力の波動の繋がり………」
『さぁ、「紅の可能性」に手を伸ばせ石黒ケンマ!そして今日からお前が二代目おっぱいドラゴンだ!!』
「二代目おっぱいドラゴンはどうでも良いが、紅の可能性は喜んで受け取らせてもらうぜ、イッセー」
目の前に浮いている紅の輝きを放つ玉を受け取る決意を固めながら、紅の力を継承できるきっかけをくれたレフィーヤに感謝の言葉を伝えようとするがその前に足元の魔法陣が徐々に彼女の足元へと収束を始めていた。
そのことから魔法陣はレフィーヤを元の場所へと転移させる準備を始めているのだと、なんとなく俺は察することが出来た。
「レフィーヤ、色々恥ずかしい思いをさせて悪かった。だけど、お陰で先代赤龍帝の力を継承することができる。詳しいことは全部終わってから話すから待っててくれ」
「待っててくれって、もしかして………私をここに残して行くつもりですか!?」
「そのことなら心配はいらない。足元の魔法陣がレフィーヤを元の場所へと転移───瞬間移動をさせてくれるから」
「瞬間移動!? ちょっと待ってください!そんな魔法、聞いたこともありま────」
レフィーヤが最後まで言い終わる前に、魔法陣が再び強く輝きを放つと魔法陣は下から上へと上がると彼女を元にいた場所へと転移させてしまった。転移先は、多分『黄昏の館』なので心配はしていないが、その後がちょっと怖く感じているが今は春姫を救うことだけに集中しよう。
意識を切り替えてからイッセーから継承する『紅の可能性』を受けるためにドライグへ声を掛ける。
「いくぞ、ドライグ!」
『…………』
「ドライグ?」
『うおおおおんっ!うわぁぁぁぁあんっ!相棒の裏切り者!イッセーみたくおっぱいで強くならないって、乳龍帝にはならないって言ってたのに!?うわぁぁぁぁあんっ!』
「ごめん、ドライグ。今回だけは許して欲しい」
今回ばかりは俺が悪い。でも、イッセーから『紅の可能性』を継承するにはどうしてもレフィーヤのおっぱいが必要だった。次、パワーアップする時はおっぱいを使わない方法で強くなれるように努力はする。
さてさて、そろそろマジで時間がなくなりそうなので今度こそ俺は紅の輝きを放つ玉に手を伸ばして、しっかりと左手で掴み取ると、紅の玉はスーッとブーステッド・ギアの中に戻って行った。
それに伴い、内側から力が溢れ出てくるような感覚が襲ってるが今はまだ解放する時じゃない。溢れ出そうになる力の波にもう少しだけ蓋をして、俺は屋上から見晴らしの良い場所へと移動しながら頭上の満月の位置を確認する。
「もう満月が出てる!?マジで急がないと、【プロモーション・クイーン】!!」
いつでも『真紅の赫龍帝』を使えるようにするために【プロモーション】で『女王』へ昇格。そして見晴らしの位置に着いたら、ずっと某指輪の魔法使いの変身ベルトに擬態させていた《真のエクスリバー》を《擬態の聖剣》で、今度は某皆の笑顔の為に戦う金の緑の戦士が使っていた《ライジングペカザスボウガン》へと擬態させる。
再び射撃武器を装備したことで【月光の傾慕】の『スキル』が発動。その効果で『千里眼』の発展アビリティが一時的に発現して、これにより某緑の戦士のように遠いものが良く見えるようになり、更に月の光をその身に受けることで【月光の傾慕】の真価が発揮される。それは、月下条件達成時のみ『必中』という遠距離攻撃持ちからしたらチート級の発展アビリティが一時的に発現するのだ。
以上の条件が揃いに揃ったことで今の俺の攻撃は、狙いを定めた標的に百発百中で命中するのである。そうして全ての準備が整ったら、俺は《ライジングペカザスボウガン》のトリガーレーバーを引いてから空中庭園を見下ろす。
「よし、良く見える」
『千里眼』の効果で視界は良好になっているので、ブーステッド・ギアを使って視力を強化しなくとも某金の緑の戦士の如く遠くのものが良く見える。空中庭園の状況を確認にすると命が単身で春姫を助けようと戦闘娼婦たちと戦っているのが見えた。
「殺生石は…………アレか!」
命から少し離れた所で鎖に繋がれた春姫の直ぐ側にいる灰色の髪をした戦闘娼婦が握っている柄尻に宝玉が付いた剣、アレが『殺生石』だと俺はアニメ知識から導き出した。
破壊目標を見つけた俺は、《ライジングペカザスボウガン》の狙いを定めて聖なるオーラをボウガンに流し込む。そして流し込んだ聖なるオーラを針のように細い形状に形態変化させてボウガンの引き金を引くと銃口から放たれる聖なるオーラの針たちは、正確に『殺生石』を破壊。続いて、春姫を繋ぎ止めている六本の鎖も断ち砕かれる。
計七発による超遠距離からの攻撃に空中庭園にいる戦闘娼婦たちは理解出来ないようで慌てふためくのを見て、それを俺はチャンスだと思い、再度トリガーレーバーを引いて、今度は命の周りにいる戦闘娼婦たちに狙いを定め直して《ライジングペカザスボウガン》の引き金を引く。聖なるオーラの針に撃ち抜かれた戦闘娼婦たちは、軽く吹き飛びながら次々と戦闘不能に陥っていく。
最早一方的な展開に残された命、春姫、アイシャ、フリュネの四人に加えて空中庭園の柱の物陰に隠れているベルまでもが驚くなか、俺は満を持して屋上から空中庭園の連絡橋に降り立ち、ゆっくりと空中庭園に向かって歩いて行く。
「なっ、お前は!?」
「【刀剣の支配者】!一体、どこから……!?」
「け、ケンマ殿!」
「悪い、少し遅れた。でも、クライマックスには間に合ったみたいだな」
突然、俺が現れたことに物陰に隠れているベル以外が声を漏らしながら驚愕する。すると、俺が姿を現したことで今までの攻撃が全て俺によるものだったことにフリュネがいち早く気付く。
「お前か、殺生石を壊したのはッ!?」
「だったら?」
「また振り出しに戻っちまったじゃないかァ!どう落とし前を付けてくれるんだいッ!?」
「どうこうも、お前たちをぶっ飛ばして春姫を連れていく。それだけだ!」
「ナマ言ってんじゃないよ。ダンジョンでアタイに負けたくせに!」
「あの時は、訳あって本気を出せない理由が二つあったから負けただけだ。その二つの理由が解消された今なら、お前程度に負けるつもりはねぇよ!」
「二つの理由ねぇ。なら、その理由とやらを教えてもらおうじゃないか、【刀剣の支配者】!」
ダンジョンで俺が本気を出せなかった理由について、アイシャは興味を持ったのか聞き返してくるのである程度は二つに答えてやることにした。
「一つ目は理由についてはギルドが口止めしてるから話せないが、二つ目なら答えてやるよ。二つ目の本気を出せなかった理由は、あの時はこいつが使えなかったからだ」
そう言って俺が見せるのは左腕に具現化させたブーステッド・ギアである。ついでに、このあとは《真のエクスリバー》は必要ないので《ライジングペカザスボウガン》に擬態させたまま異空間に収納する。
「ギルドが口止めに赤い籠手、それがアンタが本気を出せなかった理由かい?」
「ゲゲゲゲゲ、何が出てくるかと思えばただの籠手じゃないか!そんな物で本気でアタイに勝とうって、ちゃんちゃらおかしいねぇこりゃ!」
「舐めて居られるのも今のうちだぞ。それから……居るだろう、ベル!居るんだったらここはお互いにリベンジマッチと行こうぜ!俺はフリュネを相手する。【麗傑】はお前に任せるぞ」
「わかったよ、ケンマ」
お互いに相手はダンジョンで剣を交えたフリュネとアイシャ。丁度良くリベンジの機会が目の前にあるんだから見逃す手はないだろう。そんな俺の提案に、ベルは強く返答しながら柱の物陰から姿を現した。
そして残る命には、これから熾烈を極める戦いに春姫が巻き込まれてないよう保護しておくように指示を飛ばしながら、剣か何かで斬られたであろう肩口に触れて【魔力操作】で治癒魔法を掛ける。
「命は、春姫が俺たちの戦いに巻き込まれてないよう守ってやってくれ」
「か、肩の傷が………!」
「頼んだぞ、命」
「はい!」
「春姫、もう少しだけ待たせることになりそうだ」
「イシグロ様………」
「だけど、直ぐに終わらせるから待っていてくれ。俺が……いや、俺たちがお前の最後の希望だ!」
今回はアルテミスの時とは違って、春姫を助けられる希望は俺以外にもベルと命が居る。だから、俺たちが春姫の最後の希望だ。
「最後の希望?なに格好付けてんだい、この英雄気取りの青二才が!」
「英雄なんてものには俺は興味はないね。俺はこの身に力の象徴と称されしニ天龍の片割れである赤き龍の帝王を宿す赤龍帝だ」
「赤龍帝?」
「嘘………!?」
『赤龍帝』という言葉を聞いたことがないフリュネとアイシャは訳がわからないような顔をするが、二人の後ろにいる春姫は俺が『赤龍帝』だと知ると目を見開いて驚きの表情を作る。
既に『女王』には昇格済み。なので、最初から『真紅の赫龍帝』を使うつもりでドライグとイッセーに声を掛けることにした。
「最初からクライマックスで行くぞ!ドライグ、イッセー!」
『ああ、行くぞ相棒!』
『おうよ、行くぜ後輩!』
「禁手化ッッ!!」
『Welsh Dragon Balance Breaker!!!!』
ドライグとイッセーに声を掛けてからブーステッド・ギアの禁手である『赤龍帝の鎧』を顕現させる。なにもない場所から赤い龍を模したような全身鎧が俺に装備されたことにベル以外の命、春姫、フリュネ、アイシャの四人は驚愕のあまり声を失う。
しかし、今回の俺はこれで終わりではない。普通ならば、『赤龍帝の鎧』の次は『赤龍帝の三叉成駒』、『真紅の赫龍帝』という順にイッセーの力はパワーアップを果たすのだが、どういう訳か俺が継承した『紅の可能性』は【プロモーション】の魔法で『女王』に昇格した状態で詠唱を唱えれば直ぐにでも『真紅の赫龍帝』に変身できるようだ。
まぁ、『赤龍帝の三叉成駒』の方は使おうと思えば使える感覚があるので使えるだろうが、体力の消費効率や能力的なことを考えたら普通に『真紅の赫龍帝』を使った方が安定性が増す。そんな訳で続けて『真紅の赫龍帝』の詠唱へと入る。
「『我、目覚めるは王の真理を天に掲げし、赤龍帝なり!』」
『汝らは、王の真理を天に掲げし者なり!』
「『無限の希望と不滅の夢を抱いて、王道を往く!』」
『無限の希望と不滅の夢こそ、汝らが刻む王道なり!』
「『我、紅き龍の帝王と成りて────』」
『汝らは赤を超越せし、真紅の帝王なり!』
「『汝を真紅に光り輝く天道へ導こう───ッ!』」
『汝らは、我らを真紅の天道に導く龍帝なり!』
イッセーと共に『真紅の赫龍帝』の詠唱を唱えていると、居なくなっていたと思っていた【アルテミス・ファミリア】の皆がアンタレスと戦った時と同じように、俺たち二人の詠唱に合わせるように独自の詠唱を唱えてくれた。
そして詠唱が唱え終わるとブーステッド・ギアからアニメでは聞くことのなかった音声が流れ、俺の身体を紅いのオーラが包み込み、鎧の形状を変化させながらその色を真紅へと変色させる。
『Cardinal Crimson Full Drive‼‼』
ようやく出せました、『真紅の赫龍帝』。
それとクウガ展に行きたいなぁ。
そして、少しネタにお付き合いください。
エルフがエッチぃ姿で恥ずかしがってるとかけまして、その心は──────。
皆さまご唱和ください。
エロフ!エロフ!エロフ!エロフ!エロフ!エロフ!
ウサギは~? やっぱり許せなーい!!
自分でやっておいて、テンションがおかしいやぁ…………。
オリ主たちの新本拠地候補
-
第六区画 『竈火の館』の近く
-
第七区画 元ヘスティア廃教会
-
西地区 豊穣の女主人の近く
-
北地区 適当に