臆病な『赤龍帝』が冒険都市にいるのは間違っているだろうか? 作:黒牙雷真
〈Sideケンマ〉
春姫を助けてから早くも二日。世間では【イシュタル・ファミリア】が壊滅したのは、俺たちが原因ではなく【フレイヤ・ファミリア】との抗争による壊滅として広まっている。
そして、あの日の夜にイッセーから『真紅の赫龍帝』を継承したことで何かしらのスキルが発現しているのではとヴィクトリアに【ステイタス】を更新してもらったらとんでもないスキルが二つも発現していた。
「基本アビリティ以上にスキルがバグってら………」
───────────
石黒ケンマ
Lv.3
《基本アビリティ》
力 :E498→C601
耐久 :D511→A813
器用 :D599→B731
敏捷 :C665→B790
魔力 :B782→S999
超回復 :G
可能性:I
《魔法》
【プロモーション】
・『騎士』、『戦車』、『僧侶』、『女王』に昇格できる。
・昇格した物によって、一定時間アビリティ能力超高強化補正。
詠唱:【プロモーション・────!!】
【】
【】
《スキル》
【赤龍帝を宿し者】
・早熟、進化する。
・想いの丈によって効果向上。
・想いの丈によって効果持続。
【魔力操作】
・イメージによって対象魔法の行使が可能。
・対象魔法分の体力、魔力、精神力のいずれかを消費。
・効果、威力はイメージに依存。
・任意発動。
【
・勝利の加護。
・洗脳、隷属、汚染の無力化。
・戦闘続行時、発展アビリティ『耐呪』の一時発現。
・戦闘続行時、発展アビリティ『魔抗』の一時発現。
・戦闘続行時、発展アビリティ『勝利』の一時発現。
・戦闘続行時、修得発展アビリティの全強化。
・戦闘続行条件は、戦意が続く限り続行。
【
・処女神の加護。
・魅了の無力化。
・月下条件達成時、発展アビリティ『必中』の一時発現。
・射撃武器を装備時、発展アビリティ『狙撃手』の一時発現。
・射撃武器を装備時、発展アビリティ『千里眼』の一時発現
・戦闘続行時、修得発展アビリティの全強化。
・戦闘続行条件は、戦意が続く限り続行。
・昆虫系の怪物に対して、超絶特攻。
【剣乱武闘】
・戦闘続行時、発展アビリティ『剣士』の一時発現。
・戦闘続行時、発展アビリティ『業物』の一時発現。
・戦闘続行時、発展アビリティ『破砕』の一時発展。
・戦闘続行時、発展アビリティ『覇撃』の一時発現
・戦闘続行時、発展アビリティの全強化。
・戦闘続行条件は戦意が続く限り続行。
【
・任意発動。
・スキル発動中、発展アビリティ『悪魔』の一時発現。
・スキル発動中、発動者に『悪魔の駒』と同じ効果を一時的に付与。
・スキル発動中、任意で各駒へ昇格が可能。
・スキル発動中、周囲環境の暗闇が深いほど全アビリティに超高補正。
・スキル発動中、聖属性への耐性が超高弱体化。
・戦闘続行時、修得発展アビリティ全強化。
・戦闘続行条件は戦意が続く限り続行。
【
・任意発動。
・『スキル』の効果を意識して触れた対象に以下の効果を発動付与。
・対象者に『良成長』を一時的に付与。
・対象者に【経験値】の効率化を一時的に付与。
・対象者に修得発展アビリティの全成長率増加を一時的に付与
・全アビリティに中補正を付与。
【言語和訳】
・全ての言語を和訳。
────────────────────────
新しく発現した【
スキル内容の『良成長』と【経験値】の効率化、修得発展アビリティの全成長率増加の三つのスキル効果はエグい。あまりにもエグ過ぎて流石の俺も顔が引き吊ってしまう。あと、やっぱりフリュネを一人で倒しても『偉業』には成り得ませんでした。あのヒキガエル、経験値が不味過ぎるようだ。
「今回は上がり値の代わりにスキルがとんでもないことになったわね。上がり値が少しは落ち着いたと思ったらまさかスキルの方に代わるなんて思っても見なかったわ」
「ヘスティアたちがケンマのことを規格外が人の皮を被ったなにかだと言っているが、一昨日の私の子供たちの残留思念といい、流石に私も彼女たちと同じように感じてきたぞ」
「流石に俺も自分が如何に規格外なのか改めて認識したわ………」
ここでちょっとした補足で、一昨日の夜にブーステッド・ギアの中に【アルテミス・ファミリア】の皆さんが残留思念として宿っていることがアルテミスに分かると彼女はその日の夜、今夜は子供たちと久しぶりに寝たいとお願いされて、アルテミスと一緒にベッドで寝ながら彼女の意識をブーステッド・ギアの中に招き入れて久しぶりの交流を堪能させた。
しかし、ヘタレなチキン・オブ・ハートの持ち主である俺は母親以外に異性と同じベッドを共にしたことなく、美女のアルテミスが隣に寝転がることで彼女の美しい蒼い髪から香る女性特有の甘い香りに心臓がバックンバックンと高速で脈動して、まともに寝ることが出来なかったことをここに記しておこう。
「新しいスキルのお陰で色々とやれそうだし、そろそろ春姫を迎えに行きますか」
「やはり、あの女狐をお前たちの【ファミリア】に迎え入れるのか、ケンマ?」
「女狐って………確かに女子の狐人だからある意味では女狐で間違いはないけど、アルテミスの口から出たのは少なからず別の意味と悪意を感じるのは俺だけか?」
「別に気のせいだと思うぞ」
「まぁ、元々身請けするつもりだったし、俺たちの【ファミリア】に移籍する意思を示したのは他ならない春姫だ。断る理由がないなら普通に歓迎するさ」
俺たちの【ファミリア】に春姫を迎えたらアニメ通りサポーターとして起用していこうかと思ったが、新しく発現した【
あとは、春姫が俺たちの【ファミリア】に移籍するに当たって早急に部屋数のある新居を探さなくてはならない問題が浮上している。元々、ダフネとカサンドラが移籍した時点でこの問題は浮上していたが、春姫は身銭がないのだ。なので、フリーの間は【ヘスティア・ファミリア】の命の所で寝泊まりをさせてもらっているが、俺たちの所に移籍してしまえばそれもできなくなる。
「なぁ、ヴィクトリア。新居はどこにしたらいいと思う?」
「こればかりはよく考えないといけないと思うわ。焦って良くない場所を新居にしたら、今後の【ファミリア】としての士気にも影響が出るだろうし」
「【ファミリア】として資金はそれなりにあるから多少借金を背負うことになっても部屋数があって、尚且つ男女別の少し広めの風呂は欲しいよなぁ」
その気になれば、風呂だけは『中層』にある未開拓領域の温泉に行けばなんとかなる。しかし、毎回あそこまで潜って、モンスターを倒しながら地上に戻ってくるのは正直に言って面倒くさいのだ。
こういう時に【魔力操作】のスキルで転移魔法が使えればよかったのだが、そう簡単にはいかなかった。どうやら、イメージにも限界または原則があるのか目視で確認できるくらいの近い距離でならば転移はできるが、ダンジョンや遮蔽物があると出来なかった。
これでは俺がイメージしている転移魔法とは程遠い。こうなったら誰かしら転移魔法を覚えている冒険者に転移魔法を経験させてもらわないと難しいのではないだろうか。
『おーい、後輩。今のお前なら悪魔式の転移魔法ならできるんじゃないか?』
「え?」
「どうかしたの?」
「いやー、イッセーからとある情報が聞かされて思わず声が出ちまった。アハハハ」
突然イッセーから告げられた悪魔式の転移魔法ならできるのではないかという話に興味が引かれたので、詳しく聞くことにした。
(イッセー、今の話をもっと詳しく)
『後輩が新しい発現させたスキル【
(それでも可能性はあるわけだし、近いうちに何処かで試してみるのもありだな。そうなれば、魔石の換金とかが楽になるだろうし。他にも上位の【経験値】を稼ぐために階層主のボス部屋前に転移が可能となれば、それこそ超楽になるからな)
近いうちに新しいスキルの確認と悪魔式の転移魔法の検証を頭の中のスケジュールに組み込みながら新しい本拠地の外観のイメージを考える。
そうしているあっという間に【ヘスティア・ファミリア】の本拠地の『竈火の館』に到着した。『竈火の館』には既にダフネとカサンドラ、それからタケミカヅチと桜花、千草が来ており、アイシャや他の戦闘娼婦二人もアニメ通りにいた。
「悪い、待たせたか?」
「いえ、予定より五分早いです」
「なら、よかった」
最初は俺たち三人が最後だったので遅刻したのではないかと焦ったが、リリが懐中時計を取り出してまだ五分前だと教えてくれたので安心した。
「春姫、再三の確認になるが本当にいいんだな?お前が望むなら、極東に送り届けてやることも………」
「いいのです。私はここに………オラリオにいとうございます」
「そうか。なら、これからまたご近所関係だ。いつでも遊びに来いよ」
「絶対に来てね、春姫ちゃん」
「はい!」
タケミカヅチ、千草と和気あいあいと会話をしている春姫を眺めながら、俺はタケミカヅチにとあることについて確認をすることにした。それは春姫を冒険者として育てるに当たって大事なことだと勝手に思ったからだ。
「あの、神タケミカヅチ。神タケミカヅチは神楽舞は踊れますか?」
「神楽舞か………どうして、それを俺に聞く?」
「実は、春姫が望むのならば春姫を冒険者として育てようと思ってまして。けれど、彼女は今まで完全後衛だったので、下手に一からやるよりも日常生活でも使えそうなことで戦い方を確立してしまった方が早いのではないかと」
「なるほど、それで神楽舞か……」
「なにより、春姫の魔法が戦争遊戯などで知れ渡れば間違いなく狙われます。俺たちが近くにいる時は守ってやれますけど、そうでない時のために最低限の自衛手段として神楽舞を使った剣舞を春姫に教えてやって欲しいんです。もちろん、これは俺からの【タケミカヅチ・ファミリア】への冒険者依頼になるので報酬はしっかりと払います」
「態々、冒険者依頼にしなくとも俺たちは………」
「これは俺個人としての冒険者依頼であり、【ファミリア】の団長としての冒険者依頼です。ですからしっかりと報酬は払います」
「分かった。その冒険者依頼、春姫が冒険者になることを望んだらタケミカヅチの名に誓って受けさせてもらう」
「ありがとうございます」
春姫に何の確認もせずにタケミカヅチと二人でトントン拍子で話を進めていたが、本人が今後冒険者として生きていくことを望まなければこの話は白紙になる。
なので、春姫に確認を取ることにした。
「春姫、話を聞いていたと思うがお前はどうしたい?これは強制じゃない。お前が望むなら、これまで通り非戦闘員として俺たちがいない間、本拠地の留守番を任せることもできる。その上で、春姫の答えを聞きたい」
「私は……もう誰かのお荷物にはなりたくありません。ケンマ様が望まれるならばあなた様と共に戦いたい、あなた様が私に聞かせてくれた物語のアーシア・アルジェント様のように赤龍帝であるあなた様の背中を御守りしたいです!」
「分かった。なら、これからよろしく頼む春姫」
「はい」
春姫の確認が取れたことで俺の【タケミカヅチ・ファミリア】への冒険者依頼は成立することになった。次はアイシャだ。彼女にもやってもらいたいことがある。
「【麗傑】……いや、アイシャ。あんたにも頼みたいことがある」
「なんだい、頼みってのは?」
「一応確認だが、あんたはまだフリーか?」
「そうだと言ったら?」
「あんたには悪いが何とかして【ヘルメス・ファミリア】に移籍してもらいたい。理由は第二第三の殺生石、そう言えば分かるだろう?」
「対価は?」
「んー、それは追々」
「チッ、しょうがないねぇ。対価は、お前の全てを賭けて春姫を守れ。お前は春姫を自分の女だと言ったんだ。その責任くらいは果たしな」
「ああ……ん?今、なんて?」
「だから、春姫はお前の女なんだ。雄なら自分の雌くらい守ってみせろって、そう言ってんだよ」
嗚呼、やっぱり聞き間違いじゃなかった!!
もしかして、また推しだと思って口にした言葉が違う言葉に変換されてるのか!? これじゃあ、レフィーヤの時の二の舞じゃないか!!
一応、確認の為にあの時、アイシャと春姫以外に聞いていたであろうベルと命に顔を向けると二人とも苦笑いを浮かべていた。
やっぱり、夢や幻でも白昼夢でもなかった!!
「で、どうなんだい? 春姫を守るのか守らないのか」
「そりゃ守るさ。何せ、俺は赤龍帝で春姫の最後の希望だ」
「フッ、それが聞ければ十分だよ」
俺の答えに満足したアイシャはもう用はないといった感じで、ここから去ろうとするがそれを春姫が呼び止める。
「アイシャさん、もう行ってしまわれるのですか……」
「お前の所の団長さんに第二第三の殺生石のことを頼まれからね」
「そう……ですか」
「全くしょぼくれた顔してんじゃないよ」
「あうっ」
「何かあったらおいで、相談くらいは乗ってあげるよ」
「はい!」
春姫とアイシャの繋がりはここで終わりじゃない。二人がお互いに思いあっている間は、その繋がりは繋がったままだ。
「アイシャさん、今まで本当に……本当にありがとうございました」
「私は私のやりたいようにやっていただけさ。お前に感謝される筋合いはないよ。ほら、シャンとしな。ほら、さっさとお前の新しい家族の所へ行きな」
「はっ、はい!」
アイシャに背中を押された春姫は俺たち【ヴィクトリア・ファミリア】のメンバーと正面から向かい合う。
「あ、改めてまして、【ヴィクトリア・ファミリア】の皆様。サンジョウノ・春姫と申します。これからどうぞよろしくお願い致します」
「ああ、こちらこそよろしく頼む、春姫。そしてようこそ、【ヴィクトリア・ファミリア】へ」
「はい!」
─────────────────
サンジョウノ・春姫
Lv.1
《基本アビリティ》
力 :I8
耐久 :I32
器用 :I15
敏捷 :I23
魔力 :E403
《魔法》
【ウチデノコヅチ】
・階位昇華。
・発動対象は一人限定。
・発動後、一定時間の要間隔。
・術者本人には使用不可。
詠唱式【──大きくなれ。其の力にその器。数多の財に数多の願い。鐘の音が告げるその時まで、どうか栄華と幻想を。──大きくなれ。神饌を食らいしこの体。神に賜いしこの金光。槌へと至り土へと還り、どうか貴方へ祝福を。──大きくなぁれ】
【】
【】
《スキル》
【
・任意発動。
・赤龍帝への想いの丈によって効果向上。
・赤龍帝への想いの丈によって効果範囲向上。
・赤龍帝への想いに丈によって聖域展開。
・聖域内にいる者に高治癒効果付与。
・聖域内にいる者へ『耐久』のアビリティに高補正。
────────────────────────
春姫にもチートスキルが生えた!?
オリ主たちの新本拠地候補
-
第六区画 『竈火の館』の近く
-
第七区画 元ヘスティア廃教会
-
西地区 豊穣の女主人の近く
-
北地区 適当に