臆病な『赤龍帝』が冒険都市にいるのは間違っているだろうか? 作:黒牙雷真
どうも、黒牙雷真です。
今回も何とか約二ヶ月のペースで投稿できました。いやー、本当にマジで投稿できてよかった。スマホを新しく機種換えしたら前機種で使っていた下書き用アプリがアプリストアから消えていて、下書きした話が全部消えているなんてアクシデントに見回れて書き直すのがかなり萎えました。
更には、新しい下書き用のアプリをダウンロードしたはいいけど、前使っていたアプリよりも使い勝手悪すぎて慣れるのに丸々一週間もかかるなんていう時間を無駄にするアクシデントや一週間前くらいに人生初めてのコロナウイルスに掛かるなんたアクシデントもありました。
さてさて、私事の愚痴はここまでにして今章の『因縁』の部をどうぞお楽しみください。
エイナさんエピソードのアンケートどうしよう。個人的にエイナさんはベルのヒロインにしたいんだよねぇ。他作品では夫婦役だし。
それと希望の赤龍帝の名前もまだ決まってないや…………どうしよう。
〈Sideケンマ〉
「それでは今日と明日は前回話していた通り、後に来るであろう『遠征』の強制任務を見越した派閥連合によるダンジョンでの野営を目的とした、二日間に渡るダンジョン探索を行います」
「派閥連合の派閥は、僕たち【ヘスティア・ファミリア】、ケンマたち【ヴィクトリア・ファミリア】、桜花さんたち【タケミカヅチ・ファミリア】の三派閥合同で行います」
ヴィレッタ・グレーデの一件から二週間、あの時フィンさんたちに『覇龍』を使おうとした負い目は俺の中で痼となって未だに残り続けている。けど、今はいずれ来るであろう『下層』での『遠征』に備えた野営訓練に集中しなければならない。
そのためにもベルと相談してから、リリやヴェルフ、命、ダフネ、カサンドラ、春姫にも相談した。そのあと、アニメ知識から派閥連合を組むことを提案して【タケミカヅチ・ファミリア】から桜花と千草を巻き込んで、出発前の最終調整を【ヘスティア・ファミリア】の『竈の館』の中庭で行っている。
「普段やらないダンジョンでの野営、それも安全地帯ではない場所での野営だ。色々と分からないことが多いと思うが、そういう時は仲間に意見を求めたりと声掛けをしっかりしてくれ」
「それから………えっと、これは僕とケンマが相談して考えたことですが、今回の探索の帰りでは僕とケンマは極力戦闘には参加しません」
「「「なに!?」」」
ダンジョンで野営した帰りでの戦闘を俺とベルは極力参加しないことを仲間たちに打ち明けると、案の定声を上げたり、目を見開いて驚く者で分かれた。
「突然のことで驚くのも無理はないと思う。けれど、よく考えて欲しい。いずれ俺たちが行く遠征先は何度も行ったことのある中層なんかじゃない、全てが未知で、未経験な下層だ。そんな未知、未経験が詰まった場所なら俺かベル、または二人同時にイレギュラーに巻き込まれることもある」
「僕もそのことをケンマに言われて否定出来なかった。だから、今回の野営訓練を通して派閥連合で最高戦力である僕とケンマが抜けた状態で皆が最低限地上に戻ってこれるようになって欲しいんだ」
「極東にも『備えあれば憂いなしという』諺がある。最悪の状態を想定した訓練を何回か経験しておけば、いざその時になっても慌てることは少なくなるはずだ」
そこまで先の事を見据えての最高戦力の欠けた状態で地上帰還訓練を行うことを皆に話せば、誰一人として地上帰還訓練について反論するものはいなかった。
けれど、念のためにもう一つ後押しをして地上帰還訓練を行わせるように仕向ける。それはベル以外の全員に俺の【赤龍帝からの贈り物】のスキルを施すという後押しだ。
「最後に、地上帰還訓練を行うに当たって全員に全ての基本アビリティに中補程度の補正が掛かる俺の新しいレアスキルを使う」
「団長、そのスキルって例のアレ、だよね?」
「そうだ。派閥連合を組む関係上、皆にも強くなってもらうために【赤龍帝からの贈り物】のスキルを使う」
同じ【ファミリア】以外の奴にレアスキルの【赤龍帝からの贈り物】を使うことを俺に選ばせたのは間違いなくヴィレッタ・グレーデの一件からだ。あの一件で、俺だけが強くなっても守りたい奴らが弱くては死んでしまうと理解させられた。
だからこそ、俺の手で守りたい奴らを強くすることを決めた。それが例え悪目立ちすることになろうとも死なないでくれるのなら目立つだけで済む方がマシだ。
ダフネの質問に答えながら俺は、まずはダフネ、カサンドラ、春姫の三人の手に触れて【赤龍帝からの贈り物】を行使すると彼女たちの身体が一瞬だけ僅かに赤く発光する。
「ケンマ、もしかして今のが………」
「その通り。どうも、このスキルを使うとそれが分かるように対象者の身体が僅かに赤く光るみたいなんだ。んで、効果が切れる時は赤い光が砕けるようにボロボロと剥がれ落ちる演出までされるっていうこだわりようだ」
「それは、こだわりなのか?」
三人の身体が発光したことがスキル発動の証明だと理解したベルが尋ねてきたので、普通に答えやると今度は桜花から要らぬ指摘を受けた。
「さぁな?俺も自分にじゃなくて他者にアビリティ補正を掛けるスキルは初めてだし、譲渡の力には似たような演出があったからそういうもんなんだと思ってる。それに、こういうのは俺的に分かりやすくて助かる」
「ですが、それはケンマ様だけではなく他の冒険者たちにもスキルの効力発動が筒抜けになるのでは?」
「そん時はそん時だ。今考えてもその答えは出ないし、出した所で脳筋思考の殺られる前に殺るってのが精一杯の答えだから、そん時になったら今よりも強くなってる自分や仲間たちに任せるさ!」
それから全員に【赤龍帝からの贈り物】を施して、全ての基本アビリティに中規模の補正を掛けていく。そして、それによって『良成長』の効果も付与される。
これで普通よりも速く皆の基本アビリティが成長する。それこそアニメ以上に強くなって、下層での遠征も楽になるし、リューさんの冤罪の時にカサンドラが見ることになるだろう予知夢だって、アニメよりも良い方向に変わるはずだ。
今から対策しても何も問題はない。何事も備えあれば憂いなしだ。
○●○
「ん?なんか、戦ってんな?」
【赤龍帝からの贈り物】の効果もあって15階層と16階層を危なげなく踏破して目的地である17階層の入り口の坂を降りた所で、先にある『嘆きの大壁』の方からモンスターの雄叫びとそれを撃退しようとしていている冒険者たちの声や武器が衝突する音が聞こえてくる。
そして挙げ句には────────
『ウオオオオオオオオオ!!』
約一ヶ月半ぶりに聞く17階層の階層ごと震わせるような階層主である『ゴライアス』の咆哮が俺たちの耳が捉えた。
「な、なぁ……リリスケ。 なんか前にも似たようなことがなかったか?」
「は、はい………約一ヶ月半ほど前に………」
ゴライアスの咆哮を耳にして一ヶ月半前にあった【タケミカヅチ・ファミリア】からの『怪物進呈』によって13階層から15階層へと遭難して、それから未知の18階層まで決死の強行軍の記憶をヴェルフとリリは走馬灯のように呼び起こしているのだろう。
あの時は、ブーステッド・ギアと『魔剣創造』のどちらも禁手を使うことが出来なかったが今は違う。今では二つともしっかりと禁手を使うことができるし、ブーステッド・ギアに至ってはイッセーから継承した真「女王」にだってなろうと思えばなれる。
故に前回のようなギリギリの辛勝ではなく、間違いなく楽勝なはずだ。多分、メイビー。
「さて、ベル。現状俺たちには、このままリヴィラの冒険者たちに加勢するか、それとも引き返してギルドに援軍要請するかの二択があるけど、どうする?」
「いきなり言われてもなぁ………」
パーティーリーダーはあくまでもベルだ。なので、リーダーであるベルに選びやすいよう二択の選択肢を出してやるも、ベルは前回と違ってイレギュラーではなくそれなりに準備をした上での初めて階層主攻略に自分たちのパーティーで挑むかに頭を悩ませている。
大方、俺がいるから大丈夫だけど、俺に頼り切りでは駄目だと自問自答を繰り返しているのだろう。しかし、状況はベルにゆっくりと選択肢を選ばせる余裕を与えてくれないようで『嘆きの大壁』から冒険者たちの悲鳴が飛んでくる。
「「「「うわああああああ!?」」」」
「ッ!!」
「あ、おい、ベル!!」
「ベル様!!」
ヴェルフとリリの呼び掛けに答えず、まさに考えるよりも先に身体が動いてしまったを体現するかのようにベルは脱兎の如く速さで単身一人で、『嘆きの大壁』へと走り出してしまった。
「あんっっのお人好しが!」
「団長も人のこと言えないから」
「うっせ!ヴェルフ、桜花は俺と一緒に前衛へ出て、ベルと共に取り巻きの雑魚をやるぞ。ダフネ、カサンドラはリリと春姫の護衛、命はスキルでモンスターの種類と数を割り出しながらダフネたちと同様に春姫を守ってくれ!」
「「おう!」」
「了解!」
「分かりました!」
「承知!」
「リリは余裕があればバリスタで牽制。春姫は死なないことだけに集中しろ」
「了解です!」
「畏まりました!」
ベルが単身で飛び出してしまった所為で、パーティーのリーダー権が自然と俺へと移ってしまったので即座に考えられる作戦と陣形を考案しながら全員へと指示出しをする。
「それじゃあ、階層主攻略に行くぞ!」
◇◆◇
〈Sideベル〉
「はあああああ!!」
『ヴゥモッ!?』
『ガウッ!?』
「【ファイアボルト】!!」
「お、お前は………【リトル・ルーキー】!?」
「今の内に体勢を立て直してください!」
「お、おう!悪い、助かった!」
『嘆き大壁』から聞こえて来た悲鳴に思わず皆を置いて飛び出してしまった僕は、『ミノタウロス』や『ライガーファング』などのモンスターに殺られそうになっている同業者をできる限り助けていく。
それを幾度となく繰り返していると、新たに産まれた四体のライガーファングが冒険者たちの間を掻い潜りながら僕に向かって飛び掛かってくる。対して、流石に一人で同時にそれも混戦状態の中で相手するのは厳しいと判断した僕は魔法で迎撃しようするけど、背後から何かが風を切るような音と共に飛び掛かって来ていたライガーファングたちが突如とした灰となって絶命した。
そしてその後に残ったのは、銀色に輝く四本のテーブルナイフだった。そのナイフを見て、誰がライガーファングたちを仕止めたのか直ぐに分かり、振り返ると─────
「こんっっのお人好しウザギが!勝手に一人で飛び出すんじゃねぇえ!!」
「あだっ!? ご、ごめん!!」
僕の後を追いかけて来てくれたケンマが、一人で飛び出した僕を叱りながら軽く頭を叩いてくる。同じLV.3 同士で尚且つそこまで力は込められていないはずなのに何故かケンマのはたきはヒリヒリするくらい痛かった。
「にしても、矢鱈と混戦状態になってやがるな。連携もクソもないぞ」
「うん、そうみたい。普段の階層主討伐もこうなのかな?」
「いや、今日はモンスターの出が激しい!階層主に戦力を割けてねぇんだ!」
僕たちの疑問を偶然近くに戻ってきた名前も知らない冒険者が状況を教えてくれた。
「取り敢えず、ヴェルフと桜花には俺たちと一緒に取り巻きの排除を指示しておいた!他は春姫とリリの護衛を任せてあるッ!」
「ありがとう、ケンマ!それとごめんッ!」
「気にするな!これでも一応団長からなッ!」
戦況を少しだけ聞いた僕らは、ケンマと共に一匹ずつモンスターを蹴散らしながら僕が飛び出したあとで皆がケンマの指示で動いているのを聞いて、皆も一緒に戦ってくれていることに嬉しくなった。
それと共に、僕が飛び出した後に出したケンマの指示は相変わらず的確な指示だと舌を巻いていると、ゴライアスの猛攻が激しくなったのか何人もの冒険者たちがその豪腕に吹き飛ばされた。
そんな吹き飛ばされた中の一人が僕たちの前に落ちてきたので、直ぐに安否の確認をするとその人は18階層で『リヴィラの街』を仕切っているボールスさんだった。
「痛ちちぃ……くそったれめ!」
「ボールスさん、大丈夫ですか!?」
「おっさん、大丈夫か!?」
「お、おう………【リトル・ルーキー】に【刀剣の支配者】か。頼んでもねぇのに加勢してくれて助かる。今回の階層主はどうも『当たり』みたいで中々にやりやがる!」
「そいつはつまり、ドロップアイテムも前に俺たちが倒した黒いゴライアスに匹敵する可能性があるのか?」
「多分な。ま、なんにせよ野郎を倒さないことには始まらねぇ!」
ボールスさんから今回のゴライアスは当たり個体だと知らされて、その後にケンマが今回のゴライアスのドロップアイテムは以前僕らが討伐した『黒いゴライアス』に匹敵するのかを尋ねて、ボールスさんがもしかしたらと答えた途端にケンマの目の鋭さが変わった。
これは完全にゴライアスのドロップアイテムを狙いにいっている目だ。
「なぁ、ボールスのおっさん。あのゴライアスを俺一人で倒せたら、あいつのドロップアイテムと魔石を俺に譲ってくんね?」
「は?階層主を一人で倒すだ?ガハハハ、寝言は寝て言えよ【刀剣の支配者】!いくらLV.3 に上がったテメェでもLV.4 に相当する階層主を一人で倒すなんて、あの【剣姫】くらい強くねぇと無理だ!」
「なら、賭けをしようぜ」
オリ主たちの新本拠地候補
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第六区画 『竈火の館』の近く
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第七区画 元ヘスティア廃教会
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西地区 豊穣の女主人の近く
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北地区 適当に