臆病な『赤龍帝』が冒険都市にいるのは間違っているだろうか?   作:黒牙雷真

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それでは、新章開幕です!!


闘います、ミノタウロス!! 
第二十七話 ※【ステイタス更新】


 

 

 

 

〈sideケンマ〉

 

 

 

 

「じゃあ、もう【ファミリア】の方はもういいの?」

 

「はい。リリは時期に亡くなったことにされるでしょうから」

 

 

リリと再度正式にサポート契約をしてパーティーを結成した翌日、俺、ベル、リリの三人は北のメインストリートにあるオープンカフェにて【ヴィクトリア・ファミリア】と【ヘスティア・ファミリア】の主神であるヴィクトリアとヘスティアが来るまで談笑している。

 

そんな中、俺は今のリリの発言を聞いてサンドイッチをパクパクですわ!しながら頭の中であれこれ思考を巡らせていく。

 

 

「死人という扱いになれば【ソーマ・ファミリア】に関わる必要はないですし、あちらからも付け狙われることないでしょう。何せ、もういないことになっているのですから」

 

 

リリの言葉は、半分合っていて残りの半分は間違っている。確かに、あの時にいた【ソーマ・ファミリア】の冒険者たちからしたらリリはキラーアントの群れに食い殺されたと判断するだろう。

 

しかし、執念深い輩や頭の良い輩はそれだけではリリが死んだとは判断しない。そう判断するにはリリの背中に刻まれている【恩恵】、それを刻んだ張本人に聞いてから判断するだろう。

 

それをここで二人に教えてしまうとまた今後の展開に支障が出てしまう。それだけ避けなければならないので、助言してやれるのにそれが出来ないことに心苦しく思うがそれをサンドイッチと共に飲み込む。

 

 

「ご馳走さまでした」

 

 

俺がサンドイッチを食べ終わると、あらかたリリの話も終わりを迎えて来たところでメインストリートからベルの名前を呼ぶ声が聞こえてきた。

 

 

「おーい、ベルくん!」

 

「あっ、神様!」

 

 

その声の主は、ベルの主神のヘスティアである。その隣には、俺の主神であるヴィクトリアもいる。

 

 

「お待たせ。すまない、待たせたかい?」

 

「そんなことないです。それよりもすみません、バイトに都合をつけてもらって………」

 

「ヴィクトリアも悪いな」

 

「唯一の眷属であるケンマが関係することならば、無理の一つや二つ何でもないわよ。それで、そこの彼女があなた達が雇っている例のサポーターかしら?」

 

 

二柱の女神の眼差しに射ぬかれたリリは、慌てて椅子から立ち上がり自己紹介をする。

 

 

「り、リリルカ・アーデです。は、初めましてっ」

 

 

滅茶苦茶緊張しているリリ。毎度ことながら、そんな彼女を他所に俺はジュースの御代わりとヘスティアとヴィクトリア、二人の飲み物も注文するべく何を飲むのか訪ねる。

 

 

「すみません、注文お願いしまーす!あっ、神ヘスティアとヴィクトリアも何か飲むか?」

 

「そうだね。ボクはコーヒーを貰うかな」

 

「わたしは紅茶を貰おうかしら」

 

「分かった。それとベル、悪いが二人の椅子を取ってきてくれないか? 俺は注文をして置くからさ」

 

「うん、分かったよ」

 

 

役割りを分担して、ベルに主神たちの椅子を取りに行かせるとヘスティアが小さく咳払いをしてから再びリリに視線を向ける。それはヴィクトリアも同じであった。二人の眼差しはまるで、これから始まる神々の審判を思わせるほど真剣な眼差しだった。

 

そのため俺は直感的にこれ以上、女性陣の話に口を挟んだり、空気を読まないような行動は控えようと思った。

 

 

「早速だけど、ボクたちの話に付き合ってもらうよ。ベルくんも直ぐに帰ってくるだろうしね。それとボクたちの自己紹介なんかはいらないだろう? キミもベルくんやケンマくんからボクたちのことを聞いているだろうし」

 

「は、はい!」

 

「率直に聞こう。サポーターくん、キミは二度と同じ過ちを繰り返さないと誓えるかい?」

 

「───っ!」

 

 

ヘスティアの真っ直ぐに切り出された問い掛けにリリは動揺する。が少し間をおいてからリリは瞼を閉じながら自問自答しているように見えた。次の瞬間、瞼を開いたリリの瞳に決意の色が映し出されているように感じた。

 

 

「はい、誓います。ベル様とケンマ様にも、そしてお二人の主神であるヘスティア様とヴィクトリア様にも、なによりリリ自身に。リリは、ベル様とケンマ様に助けられました。もう決して裏切りません。お二人を裏切る真似なんかしたくありません」

 

 

リリのその言葉を聞いていた俺は、ヘスティアとリリのこの会話はアニメにもあった話でないだろうかと思い始めた。しかし、こんなお洒落なカフェテリアだっただろうか?

 

前世で見ていた『ダンまち』のアニメの風景を頭を傾げながら思いだそうと必死こいていると、いつの間にか会話の中にヘスティアの私情が混じり出した。

 

 

「………サポーターくん、はっきり言うよ。ボクはキミが嫌いだ。ベルくんに付き纏ってほしくないと思っている」

 

「!!」

 

 

まさかの主神の方からそんなことを言われるとは露と思っていなかったリリは目を見開くが、ヘスティアはそんなことは知ったことではないと言葉を続ける。

 

 

「当たり前だろう。話を聞いた時のキミに対するボクの心証は最悪さ。ケンマくんはどうだか知らないけど、ベルくんの人の良さに付けこんで好き放題誑かして、あまつさえ手の平を返したように今では取り入ろうする。何が目的だ、この泥棒猫っ」

 

「ちょっと、ヘスティア?」

 

 

ヘスティアの私情が混じ出したことにヴィクトリアもようやく気づいたようで、止めに入ろうとするがヘスティアは止まらない。

 

 

「大体さっきから何だい?会った時からずっとしょぼくれたような顔をして。見ているこっちがほとほと憂鬱になってくる。大方、ベルくんのことを考えていたんだろう?」

 

「っ!」

 

 

考えを見抜かれたリリは反射的に息を呑み込んだ。

 

 

「何故わかったかって?ふんっ、いつも鏡の前で類は違えど似たような顔を見ているからさっ。あー、やっぱり嫌いだっ、キミをベルくんの側に置きたくないっ!」

 

 

話に熱が入って行くに連れてヘスティアの身体から今までに感じたことのないようなプレッシャーを感じて、思わずブーステッド・ギアを具現化させようとするが直ぐにそのプレッシャーは霧散する。

 

何故なら、さすがに『神威』を無意識にといえ放っているヘスティアを見過ごせなくなったヴィクトリアが何処から取り出したハリセンで彼女の頭を勢いよく叩く。

 

それと、ヴィクトリアが持っているハリセンから聖なる波動を感じるのは俺の勘違いだろうか?

 

 

「いい加減にしなさい、ヘスティア」

 

 

─────パンッ!!

 

 

「ヘブゥゥっ!?」

 

 

滅茶苦茶良い叩き音が鳴ると、ヘスティアはギャグ漫画のように頭が前のめり押し出された。さすがに目玉が飛び出すような現象は見受けられなかった。

 

いきなり後頭部から強打を浴びたヘスティアは、涙目で強打を浴びせた張本人であるヴィクトリアに食い掛かる。

 

 

「何をするんだヴィクトリア!痛いじゃないか!!」

 

「それはこっちの台詞よ。大好きな子供を取られそうになって怒る気持ちは、わたしも少なからず理解できる。けれどね、それでも神威を放って脅すのはやりすぎでしょう!」

 

「そ、それは………無意識で………ところで、そのハリセンはなんだい? なんか、滅茶苦茶痛かったんだけど!?」

 

「これ? このハリセンの名前は、《勝利を約束され────「言わせねぇからな!!」───あら、そう。残念」

 

 

ヴィクトリアが持っているハリセンの名前をあろうことか、俺の持っている聖剣とは別の読み方の剣の名前を口走ろうとしたので慌てて止める。さすがにそれは駄目だ。

 

てか、ヘスティアの神威の所為で周りの客どころか店員までもが店の中から遠巻きに俺たちのことを伺っている。これでは、注文した飲み物はしばらく待たないとやって来ないだろう。

 

そう思っていると、ハリセンで叩かれたことで少しだけ冷静になれたヘスティアは話を再開した。

 

 

「はぁ、まずは無意識とはいえ神威を出したことは謝るよ。悪かったね、サポーターくん」

 

「い、いえ………」

 

「でだ、優しいベルくんたちに助けられて、心を入れ替えたなんて言ってるキミのことだ、どうせ今度はベルくんが優し過ぎて困り果てているんじゃないか? そうなんだろう?」

 

「あら? うちのケンマは優しくないと?」

 

「ヴィクトリア、話の腰を折るな」

 

「はーい」

 

 

今度は、ヴィクトリアが悪乗りというか変に話へ乗ろうしたので止める。また、ヘスティアはともかくして、ヴィクトリアまで眷属への親バカが発動するとは思っていなかったので、少なからず今の俺は驚いていた。

 

 

「ボクから言わせれば、それはただの甘えだね」

 

 

ヘスティアの言葉に、リリは何も返すことが出来ずに無言を貫く。

 

 

「……いいだろう。ボクからベルくんの代わりにキミを裁いてやる。言って置くけど拒否権とかはないぜ。疑似『神の審判』だ、光栄に思うといいさ」

 

 

そう言って鼻を鳴らしながらふんぞり返るヘスティア。対して、リリは裁きを受けることが確定すると、顔を俯かせながら『魔法』で変身して付いている獣人の耳も力無くペタンと萎れる。

 

けれど、俺は知っている。ヘスティアという女神は、どの神々よりも慈愛に溢れる女神なのだと。なんせ、この先の未来でモンスターでありながら言葉を話せる『異端児』のウィーネを守ろうとするのだから。

 

それを知っている俺は、ここから先は聞く必要はないのでカウンター席の方へ飲み物を再注文と取りに行くことにした。

 

 

「すみません。オレンジジュースを三つとコーヒーを一つ、それから紅茶を一つ、お願いします」

 

「か、畏まりました!」

 

 

注文を受けた店員は、俺たちの一部始終を見ていたようで慌てて飲み物を注ぎに店の奥へと消えて行くが五分も掛からずに店員は、注文通りの飲み物をお盆に乗せて返ってきた。

 

 

「お、お待たせしました」

 

「ありがとうございます。それと、このお盆借りて行きますね。さすがに店員さんもあそこへ行く勇気はないでしょう」

 

「も、申し訳ありません」

 

「いえいえ、こちらこそお店に迷惑をかけてすみません」

 

 

店員さんに女神たちが迷惑をかけたことを一言謝ってから飲み物が乗ったお盆を持って席に戻ると、ちょうどベルもヘスティアとヴィクトリアの椅子を持って戻ってきていた。

 

しかし、ただ戻って来ていただけではなかった。何故なら、右腕にロリ巨乳のヘスティア、左腕にもそれなりにあるロリ体型のリリ。二人の合法ロリによる修羅場が出来上がっていた。

 

 

「推しではないが、男として羨ましい光景だ」

 

 

一人のオタクとして、二次元創作でハーレム物の書いていた者としてはとてもネタになりながら羨まけしからん光景が目の前で繰り広げられている。

 

イッセーではないがその光景を脳内保存しながらオレンジジュースを飲み干して行くと、二人のロリ美少女に揉みくちゃにされたベルが我慢の限界に達したのか勢いよく席から立ち上がった。

 

 

「ぼ、ぼぼぼ僕、エイナさんに合う約束があるのでギルドに行ってきます!」

 

「なら、俺も行くとするか」

 

 

俺の記憶が正しければ、このあとギルドでベルとアイズが鉢合って一週間だけ鍛練を付けてもらう流れになる。つまりは、今日から一週間後には強化種のミノタウロスと死闘することになる。

 

その事を考えながら昨晩、ヴィクトリアに更新してもらった【ステイタス】を思い出す。

 

 

「もっと強くならないとな」

 

 

 

 

 

─────────────────────

 

 

 

石黒ケンマ

 

 

 

Lv.1

 

 

《基本アビリティ》

 

 

力  : G256 → C624

 

耐久 : D595 → A796

 

器用 : G204 → C606

 

敏捷 : G246 → D569

 

魔力 : E403 → A799

 

 

 

《魔法》

 

 

【プロモーション】

 

・『騎士』、『戦車』、『僧侶』、『女王』に昇格できる。

・昇格した物によって、一定時間アビリティ能力超高強化補正。

 

 

詠唱:【プロモーション・────!!】

 

 

【】

 

【】

 

 

《スキル》

 

 

【赤龍帝を宿し者】

 

・早熟、進化する。

・想いの丈によって効果向上。

・想いの丈によって効果持続。

 

 

【魔力操作】

 

・イメージによって対象魔法の行使が可能。

・対象魔法分の体力、魔力、精神力のいずれかを消費。

・効果、威力はイメージに依存。

・任意発動。

 

 

【言語和訳】

 

・全ての言語を和訳。

 

 

───────────────────────

オリ主たちの新本拠地候補

  • 第六区画 『竈火の館』の近く
  • 第七区画 元ヘスティア廃教会
  • 西地区 豊穣の女主人の近く
  • 北地区 適当に
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