臆病な『赤龍帝』が冒険都市にいるのは間違っているだろうか?   作:黒牙雷真

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どうも、黒牙雷真です。


長らく「臆病な『赤龍帝』が冒険都市にいるのは間違っているだろうか?」をお待たせてしまい申し訳ないありません。

私後ではありますが、仕事の配置変えなどで業務がゼロからのスタートとなりまして、その業務に慣れるまでにかなりかかってしまったり、新しく買ったゲームにドはまりしてしまったりと日常生活が忙しくて中々に執筆に手が着いていませんでした。

ぶっちゃけると今回の投稿も中途半端の投稿なんですよねぇ。ダイレクトメールで読者さんから催促のメールが二桁を越えたので感謝と御詫びを兼ねた投稿になります。

さてさて、最近熱くなってくる季節になって来ましたが「臆病な『赤龍帝』が冒険都市にいるのは間違っているだろうか?」はこれからも頑張って執筆して行きますので、どうかよろしくお願いいたします。

それでは、終盤の話をどうぞ!


第八十九話  ※【ステイタス更新】

  

 

 

 

 

〈sideヘスティア〉

 

 

 

 

「それじゃあ、ケンマくん。始めるよ」

 

「頼みます、神ヘスティア」

 

 

上半身裸で背中を見せるケンマくんは、ボクの眷属ではない為、一言言ってから彼に渡された試験管の蓋を開けて、なかに入っている赤い液体───彼の主神であるヴィクトリアの【神血】を彼女の眷属の背中へと垂らす。

 

すると【神血】に【恩恵】が反応して、普段は見えないはずの【恩恵】の碑文が明るみになっていく。そして、そのまま人差し指でケンマくんの背中に円を描くと明るみになった【恩恵】の文字群が浮かび上がり、それをボクはベルくんで慣れた手つきで操作していく。

 

そうすることで、ケンマくんが以前の【ステイタス】の更新から今まで蓄積してきた【経験値】を【ステイタス】として反映させることができる。

 

 

「は?」

 

「どうかしましたか?」

 

「い、いや……なんでもないよ」

 

 

ボクは思い上がっていたのかもしれない。ボクは、ボクのベルくんだけが特別だと、どこかで思っていた。しかし、彼───ケンマくんの【ステイタス】を目の当たりにして、それは大きな間違いだと理解させられた。

 

なんだよ、この【ステイタス】は!?『耐久』と『魔力』の評価がSSSって………ベルくん以外で初めてだぞ、S以上の評価を見たのは!? それにギルドから公表されているケンマくんがLV.2 に【ランクアップ】したの約二週間前。なのに、この【ステイタス】は異常過ぎる。

 

この異常過ぎる【ステイタス】を叩き出しているのは間違いなく、この『レアスキル』────【赤龍帝を宿し者】。その効果はベルくんと同じ()()。しかし、ケンマくんはそれ以上の()()が存在する。つまりはベルくんの【情景一途】の上位互換。

 

てか、『赤龍帝』ってことはケンマくんの身体の中にはドラゴンが宿ってるってことなのかい!? 人間の中にドラゴンが居るだなんて聞いたこともないぞ!?『未知』の更に『未知』を越えて『混沌』としかボクには思えないよ。

 

 

「はぁ、よくヴィクトリアはこんな子を眷属に出来たな………」

 

「ヴィクトリアがなんですか?」

 

「ううん、なんでもないよ!そ、それよりさ………このレア……いや、やっぱり聞かなかったことにしてくれ」

 

 

下手に藪を突いて、本当にドラゴンが出てきてしまって、その牙と爪がボクたちに向けられた日には、今回のことを後悔しても後悔しきれない。ならば、今回見たことは誰にも伝えずにボクの中だけに仕舞っておこう。

 

それとちょっとだけヴィクトリアが羨ましいと思った。【勝利の祝福】だなんて、ヴィクトリアに纏わる『スキル』が発現しているのが羨まし過ぎる!ベルくんにもいつかはボクに纏わる『スキル』を発現してくれないかなって、滅茶苦茶期待している。だから頑張ってくれ、ベルくん!

 

あと、ベルくんのことで胃が辛くなったら同じ境遇を持つヴィクトリアに愚痴ろうとボクは、この時決意した。

 

 

「さて、ケンマくんの【ステイタス】だけど、今は写せるような羊皮紙がないし、あったとしてもヘルメスやその子どもたちに見られてしまう可能性があるから口頭で伝えるよ。いいかい?」

 

「大丈夫です」

 

「それじゃあ───

 

 

 

──────────────────────

 

石黒ケンマ

 

 

Lv.2

 

 

《基本アビリティ》

 

 

力  :D581 → B702

 

耐久 :C633 → SSS1238

 

器用 :B798 → S909

 

敏捷 :D519 → B736

 

魔力 :B853 → SSS1358

 

超回復 :H

 

 

 

 

 

《魔法》

 

 

【プロモーション】

 

・『騎士』、『戦車』、『僧侶』、『女王』に昇格できる。

・昇格した物によって、一定時間アビリティ能力超高強化補正。

 

 

詠唱:【プロモーション・────!!】

 

 

【】

 

【】

 

 

 

《スキル》

 

 

【赤龍帝を宿し者】

 

・早熟、進化する。

・想いの丈によって効果向上。

・想いの丈によって効果持続。

 

 

【魔力操作】

 

・イメージによって対象魔法の行使が可能。

・対象魔法分の体力、魔力、精神力のいずれかを消費。

・効果、威力はイメージに依存。

・任意発動。

 

 

勝利の祝福(ヴィクトリー・ユーロギア)

 

・勝利の加護。

・洗脳、隷属、汚染の無力化。

・戦闘続行時、発展アビリティ『耐呪』の一時発現。

・戦闘続行時、発展アビリティ『魔抗』の一時発現。

・戦闘続行時、発展アビリティ『勝利』の一時発現。

・戦闘続行時、修得発展アビリティの全強化。

・戦闘続行条件は、戦意が続く限り続行。

 

 

【言語和訳】

 

・全ての言語を和訳。

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

────って感じだよ。この短期間で滅茶苦茶伸びてるね」

 

「そうですね。まぁ、ベルと同じ成長促進の『レアスキル』のお陰ですけどね」

 

「そ、そうなんだ………」

 

 

そっちから顔を覗かせて来るのはズルいんじゃないか?! 滅茶苦茶焦るじゃないか!それにベルくんも成長促進の『レアスキル』を持っていることがバレてるぅぅううう!!?

 

 

「否定しないんですね。ベルが成長促進の『レアスキル』を持っていることを」

 

「んぐっ!」

 

「別に口外するつもりはありませんよ。一応、俺たちは同盟関係にありますから」

 

 

それを聞いたボクは、何故あの時ケンマくんがボクら【ヘスティア・ファミリア】だけに同盟関係の話を持ち込んだのかについて腑に落ちた。どういう訳か、ケンマくんは最初からベルくんの『レアスキル』について知っていたから自分と同じ成長促進の『レアスキル』を持っているボクらに同盟関係の話を持ち出した。

 

そして、その同盟は最初から結べることを確信していた。まったく、神であるボクですら子どものキミの掌で踊らされていたなんて笑えない冗談だよ。神が道化になるとは、大いにしてやれたもんだ。

 

 

「キミは以外と策士だね、ケンマくん」

 

「俺が策士? そんな訳ないじゃないですか。俺はただの臆病者です」

 

「そんな臆病者がこんなに『耐久』の数値を驚異的に伸ばすだなんて、ボクには考えられないんだけどなぁ………」

 

「それは認識の違いですね。神ヘスティアの言う臆病者は痛いことを避けるために『敏捷』が高い。俺の言う臆病者はどんなに痛いことでも耐えられるために『耐久』が高い」

 

「なるほどね。やっぱりキミは臆病者なんかじゃないよ。だって、キミは臆病者と言いながら真正面から辛いことに耐えられることを意識している。それの何処を臆病者と呼べるんだい?」

 

「…………」

 

「さて、無駄話もここまでにして、ケンマくんも決戦の準備をしておいで。それとベルくんを呼んで来てくれるかい? 念のため、ベルくんの【ステイタス】も更新しておきたいからね」

 

「分かりました」

 

 

【ステイタス】の更新を終えて、インナーと戦闘衣の順に着込んだケンマくんはまだ残りがあるヴィクトリアの【神血】が入った試験管をボクから受け取ると、慎重にベルトポーチにしまって天幕から出て行った。

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

〈sideケンマ〉

 

 

 

 

ヘスティアによって【ステイタス】の更新を済ませた俺は、口頭で聞いた今の【ステイタス】に少しばかり思うところがあった。それは『耐久』の爆発的な伸び方だ。その伸び方に思い当たる物といえば、ドライグとの取引しかなかった。

 

確かにあれは血反吐を吐いて、のたうち回るほどの激痛をこの十日間で何度も繰り返した。それが反映されているのであれば納得がいく。他には『魔力』の上がり方だが、こちらは案外簡単に答えが出た。昨日、『赤龍帝の鎧』を顕現させて初めて倍加を最大まで高めた撃龍拳をアレンジ版を含めて二度も使用すれば、あの伸び方はとても納得がいく。

 

なので、今度からは思う存分に倍加を高めた魔法を使って、『魔力』の数値を伸ばすのが良いだろうと個人的には思う。何せ『魔力』が伸びればそれだけ鎧を維持する時間も増える訳だし、良いことだろう。

 

 

「そういえば、ヴァーリは禁手を一ヶ月は維持できるんだったよな。イッセーの場合はどうだったかな?」

 

『イッセーの場合、鎧を維持してるだけなら長時間出来ていたが、戦闘となれば極端にその時間は短くなる。まあ、どちらにせよ今の相棒よりかは長かったな』

 

「そういえば、そんなだった気が…………てか、あのなぁドライグ、 禁手に至ってまだ二週間前後の奴と数ヶ月過ぎてる奴を比べるなよ!明らかに期間の短い俺が負けるに決まってるだろうが!?」

 

 

ヴァーリの禁手を維持できる時間は原作とアニメのお陰でなんとなく覚えていたが、イッセーの方は明確な時間などはあまり描かれていなかったので頭を悩ましていると、ドライグがイッセーが鎧を維持できる時間を簡単ではあるが教えてくれた。

 

それと、わかってはいたことだけど、オーフィスの力とグレートレッドの肉体を手に入れる前のただの転生悪魔だった頃のイッセーに負けてると聞いて、今回の冒険者依頼が終わったら鍛練の難易度を上げて貰うことを決意する。冒険者依頼が終わった後のことを決めたあと、ヘスティアに言われた通りにベルを見つけて、彼女が待っているテントに行くように伝えた。

 

それからしばらくして、決戦の時間が差し迫って来たのか【ヘルメス・ファミリア】の冒険者たちがヘスティアとアルテミスが寝泊まりしていたテントの前に集結し始めたので俺も準備を整えてからそこへ集まる。

 

 

「皆も承知の通り、遺跡周辺はモンスターの巣窟と化している。アンタレスは今、この時も、その力を蓄えている。疑うべくもなく、我々の前には困難が待ち受けているだろう。しかし臆するな!恐れるな!敗北は許されない!」

 

 

今回の冒険者依頼の依頼主であるアルテミスが、全員が準備を整えて決戦に挑める状態だと判断してから今回の作戦について説明を始める前に皆を鼓舞する。

 

 

「それでは作戦を伝える!【ヘルメス・ファミリア】は敵の陽動!引き付けるだけでいい。決して無理はするな」

 

「「「「はい!」」」」

 

「ファルガー」

 

「はい」

 

 

ファルガーと呼ばれた虎を彷彿とさせる顔をした獣人族の【ヘルメス・ファミリア】所属の冒険者が、アルテミスに呼ばれて一歩前に出る。

 

 

「指揮は貴方に任せる」

 

「分かりました」

 

「そして陽動部隊が敵を引き付けている間に我々は内部に突入!アンタレスを討つ!」

 

「我々?」

 

 

アルテミスの「我々」という部分に違和感を感じたアスフィさんが目を点にしながら聞き返すが、直ぐに答えが返ってきた。

 

 

「あの門は私の神威でなければ開かない。私も行く」

 

「アルテミス様……!」

 

 

モンスターの巣窟となっている遺跡に神であるアルテミスも同行すると聞いて、思わずベルが声を上げるがそれを俺が肩を掴んで止める。

 

 

「大丈夫だ、ベル」

 

「でも、ケンマ!」

 

「アルテミスは俺が守る。昨日もそう言ったろう? だから、お前は自分の女神を命賭けで守れ」

 

「えっ?」

 

「ボクも行くよ」

 

「神様まで!?」

 

キミ(アルテミス)を一人にさせるわけにはいかないからね」

 

「なら、当然オレもついていこう」

 

 

ヘスティアに便乗してヘルメスまでもが遺跡に同行すると言い出すと、団長であるアスフィさんがお約束とばかりに慌て始める。

 

しかし、それをまたもやお約束とばかりにヘルメスはアスフィさんの頭をポンポンと叩いて、笑う。

 

 

「ちょっとヘルメス様!また、そんな……!」

 

「ハハハ、こうなることは分かってたくせに!」

 

「……もうやだぁ~」

 

 

端から見れば、出来る部下(アスフィさん)と駄目な上司(ヘルメス)にしか見えなくて、マジでアスフィさんが不憫過ぎる。またそれが毎度恒例なのか【ヘルメス・ファミリア】の皆さんは笑っていた。

 

そして、ひとしきり笑うとファルガーさんが意気込みを口にする。

 

 

「いっちょ、やってやりましょう!」

 

「特別報酬、期待してるぜ」

 

「我々は金にはうるさいですよ」

 

「もちろん、リリたちもです!」

 

「リリスケ、お前なぁ……」

 

「正当な権利です!」

 

「そうそう」

 

 

やはり商業系の【ファミリア】を兼任しているからなのか、【ヘルメス・ファミリア】の皆は商人根性が逞しいようだ。

 

 

「ありがとう、子どもたち。苦しい戦いになるだろう。犠牲者も出るかもしれない。しかし、成し遂げほしい。私たちの愛する下界のために!」

 

「「「おおおおおおお!!」」」

 

 

アルテミスの言葉に、この場にいる冒険者たちは雄叫びを上げる。皆の士気が高まったのも束の間、ドライグから敵襲の知らせが入る。

 

 

『来きたぞ、相棒!最後尾の奴の後ろだ!』

 

「ッッ………身体は剣で出来ている!ブレード・ブラックスミス!!」

 

 

疑似詠唱を唱えながら地面を強く踏みつけて、森に背中を向けている【ヘルメス・ファミリア】の冒険者たちの背後に聖剣で出来た壁を形成。聖剣壁が形成されると秒もせずに金属が衝突する音が響き渡る。

 

それをこの場にいる者たちが聞き逃すはずもなく、一同全員が金属音のした方を振り向けば、『アンタレス』のクローンの群れが差し迫っていた。

 

 

「「「「!!」」」」

 

「そんなバカな!モンスターが奇襲!?」

 

「かまうか、予定通りだ」

 

「確かに!ちょっと早くなっただけってな」

 

「道を開けぇぇー!」

 

 

モンスターが奇襲を仕掛けて来たことにアスフィさんは驚きを隠せないが、ファルガーさんは早いか遅いかの違いだと述べながら武器を手にクローンたちへと肉薄する。

 

クローンたちとの距離がお互いの間合いまで迫り、ファルガーが大剣を上段から振り下ろして、一番先頭の一匹を倒すと俺たちに先へ進むよう促してくる。

 

 

「ウオォォォォォッッ!!アスフィ、行け!お前の役目はここじゃない!」

 

「…………」

 

 

ファルガーさんの言葉を聞いた俺たちは、【ヘルメス・ファミリア】の皆が開いてくれた活路を振り返ることなく一直線に駆け抜ける。

 

『アンタレス』が待ち構えている『エルソスの遺跡』に向かって、紫に変色してしまった森の中を駆け抜けているとアスフィさんとヘルメスから感謝の言葉をかけられた。

 

 

「ケンマ、先ほどはうちの団員を助けていただき、ありがとうございます」

 

「オレからも感謝するよ、ケンマくん。ありがとう」

 

「なら、無事に帰ったらお礼に魔道具の一つでも作ってくれ」

 

「分かった、その願いは主神であるオレが承ろう」

 

「ヘルメス様!また、勝手なことを………!」

 

「悪いな、アスフィ。だけど、子どもたちの命を守れるなら魔道具の一つや二つなんて安い物だろう」

 

「はぁ、その魔道具を作るのは私だということを忘れていませんか?」

 

「ハハハ、そんなことはないよ。それで、ケンマくんはどんな魔道具を御好みだい?」

 

「まだ考えてないから決まったら頼む」

 

「オーケー! 決まったら教えてくれ」

 

「もちろんだ」






ドラゴンズドグマ・ダークアリズンが面白く過ぎるうううう!!!

オリ主たちの新本拠地候補

  • 第六区画 『竈火の館』の近く
  • 第七区画 元ヘスティア廃教会
  • 西地区 豊穣の女主人の近く
  • 北地区 適当に
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