#コンパス 桜華忠臣の受難   作:K+#ガソ林

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異世界珍道中-4

 

 

 

 ───目を開ける。

 

 近未来的な機動鎧を纏った兵士。

 【連合宇宙軍 フルアーマー装甲兵】。

 玩具のようなバズーカを持つ、銀髪のダンディ。

 【ゲームバズーカ】。

 火炎放射器を抱え、ガスマスクを被った偉丈夫。

 【放火魔 スコーピオン】。

 

 この3名が、月夜叉の保有する主戦力なのだそうだ。

 

「どうも。フルアーマー装甲兵です。よろしくお願いします。」

「ロングレンジライフルの時は、自分が盾となって脱出を手助けさせていただきました。」

 

 フルアーマー装甲兵は6秒間限りであるが、とてつもない防御効果を持っている。

 

「ゲームバズーカだ!よろしくな!」

 

 ゲームバズーカは敵を吹っ飛ばせるらしい。

 

「俺の名はスコーピオン…。ドス(刀)持ちだろうが、殺るときゃ容赦しねぇぞ。」

 

 放火魔スコーピオン…。周辺一帯を炎まみれにすることが得意な戦闘員だ。

 その気になれば前方の短い範囲に限るが、ロングレンジライフルを超える破壊力を叩き出せるらしい。(本人談)

 

「色物ばかりではないか。」

 

 忠臣は困惑した。

 

「総統閣下も色物じゃないですか。」

 

 月夜叉は言う。

 

「フルアーマー装甲兵で突っ込み、スコーピオンが内部を荒らして、ゲームバズーカが両者の支援。バランスは取れています。」

 

「貴様がそう言うのであれば、見立ては確かなのであろうな。」

 

 忠臣はそろそろ彼ら3名に対して自己紹介に入ることにした。

 

「我の名は桜華忠臣。金枠持ちだ。」

「貴様らの指揮官を担当することになった。不安なことがあれば好きに申せ。」

 

 忠臣は自身のカードを三名の前に見せる。

 

「特にありません。金枠持ちの協力はとてもありがたいです。」

 

「ふむ、つまり俺のバズーカが打ち放題になったってわけだな?よぉし大将!派手に行こうか!」

 

「…俺からは特に無い。馴れ合いは嫌いだ。」

 

 三者三名、金枠持ちが味方になることに納得してくれたようだ。

 

「では、副指揮官である私…月夜叉から作戦の説明をさせていただきます。」

 

「今回の敵である【蒼王宮】についてです。」

 

 作戦目標は、【蒼王宮】が保有するカードの奪取。

 

 聞けば、【蒼王宮】はかつて抗争をしていた組織の、カード化した人員をすべからく保管しているらしい。

 

 これらのカードを奪取し、実体化を行えば、月夜叉達は今より高い戦力を手に入れられるということだ。

 

「【蒼王宮】は【fromテスラ:連合宇宙軍 強襲制圧型 装甲多脚戦車】を代表とした多数の兵器を保有していて、それらは常に、【蒼王宮】の基地の周囲を巡回しています。」

 

「真正面から突っ込んで、警備隊と戦闘を行うのは得策ではありません。」

 

「そこで今回は、【fromテスラ: 連合宇宙軍 ステルス迷彩】をテスラ工房から入手しています。」

 

「これを使用すれば、【蒼王宮】がカードを保管している土地までの警備を、容易くくぐり抜けることが可能です。」

 

 なるほど。

「作戦の直前まで隠密に徹し、電撃的に突入。カードを手に入れてから撤退というわけか。」

 

「その通りです。総統閣下。」

 

「総統閣下の持つ金枠のカードによるエナジー供給があればこその作戦です。カードを使用しての長距離移動というものは、本来なら不可能に近いものですから。」

 

「いざと言うときでも総統閣下さえ残っていれば、我々を再度実体化してゲリラのように立ち回ることもできます。」

 

「それでは総統閣下、エナジーラインを繋いでください。」

 

 知らない単語が出てきたので、忠臣は眉を顰める。

 

「何をやれば良い。言え。」

 

「私たちのカードを、総統閣下の持つ金枠のカードと接触させてください。」

 

「わかった。」

 

 早速やってみると、忠臣のカードが、赤、青、緑の順に光った。

 

「…これはなんだ。」

 

「エナジーラインを繋げた証です。」

「付け加えますと、エナジーラインは原則として4枚のカードにしか繋げないので注意してください。」

 

「初耳だ。説明しろ。」

 

「さぁ…そういうものとしか。原理は不明です。」

 

(…4枚のカード…何か引っかかるな。)

(以前は、4枚のカードを使って戦っていたような…。)

 

 忠臣は逡巡するも、具体的な答えは出ない。

 疑問を残したまま、舞台は鳩羽から【蒼王宮】へと移るのであった。

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