───目を開ける。
近未来的な機動鎧を纏った兵士。
【連合宇宙軍 フルアーマー装甲兵】。
玩具のようなバズーカを持つ、銀髪のダンディ。
【ゲームバズーカ】。
火炎放射器を抱え、ガスマスクを被った偉丈夫。
【放火魔 スコーピオン】。
この3名が、月夜叉の保有する主戦力なのだそうだ。
「どうも。フルアーマー装甲兵です。よろしくお願いします。」
「ロングレンジライフルの時は、自分が盾となって脱出を手助けさせていただきました。」
フルアーマー装甲兵は6秒間限りであるが、とてつもない防御効果を持っている。
「ゲームバズーカだ!よろしくな!」
ゲームバズーカは敵を吹っ飛ばせるらしい。
「俺の名はスコーピオン…。ドス(刀)持ちだろうが、殺るときゃ容赦しねぇぞ。」
放火魔スコーピオン…。周辺一帯を炎まみれにすることが得意な戦闘員だ。
その気になれば前方の短い範囲に限るが、ロングレンジライフルを超える破壊力を叩き出せるらしい。(本人談)
「色物ばかりではないか。」
忠臣は困惑した。
「総統閣下も色物じゃないですか。」
月夜叉は言う。
「フルアーマー装甲兵で突っ込み、スコーピオンが内部を荒らして、ゲームバズーカが両者の支援。バランスは取れています。」
「貴様がそう言うのであれば、見立ては確かなのであろうな。」
忠臣はそろそろ彼ら3名に対して自己紹介に入ることにした。
「我の名は桜華忠臣。金枠持ちだ。」
「貴様らの指揮官を担当することになった。不安なことがあれば好きに申せ。」
忠臣は自身のカードを三名の前に見せる。
「特にありません。金枠持ちの協力はとてもありがたいです。」
「ふむ、つまり俺のバズーカが打ち放題になったってわけだな?よぉし大将!派手に行こうか!」
「…俺からは特に無い。馴れ合いは嫌いだ。」
三者三名、金枠持ちが味方になることに納得してくれたようだ。
「では、副指揮官である私…月夜叉から作戦の説明をさせていただきます。」
「今回の敵である【蒼王宮】についてです。」
作戦目標は、【蒼王宮】が保有するカードの奪取。
聞けば、【蒼王宮】はかつて抗争をしていた組織の、カード化した人員をすべからく保管しているらしい。
これらのカードを奪取し、実体化を行えば、月夜叉達は今より高い戦力を手に入れられるということだ。
「【蒼王宮】は【fromテスラ:連合宇宙軍 強襲制圧型 装甲多脚戦車】を代表とした多数の兵器を保有していて、それらは常に、【蒼王宮】の基地の周囲を巡回しています。」
「真正面から突っ込んで、警備隊と戦闘を行うのは得策ではありません。」
「そこで今回は、【fromテスラ: 連合宇宙軍 ステルス迷彩】をテスラ工房から入手しています。」
「これを使用すれば、【蒼王宮】がカードを保管している土地までの警備を、容易くくぐり抜けることが可能です。」
なるほど。
「作戦の直前まで隠密に徹し、電撃的に突入。カードを手に入れてから撤退というわけか。」
「その通りです。総統閣下。」
「総統閣下の持つ金枠のカードによるエナジー供給があればこその作戦です。カードを使用しての長距離移動というものは、本来なら不可能に近いものですから。」
「いざと言うときでも総統閣下さえ残っていれば、我々を再度実体化してゲリラのように立ち回ることもできます。」
「それでは総統閣下、エナジーラインを繋いでください。」
知らない単語が出てきたので、忠臣は眉を顰める。
「何をやれば良い。言え。」
「私たちのカードを、総統閣下の持つ金枠のカードと接触させてください。」
「わかった。」
早速やってみると、忠臣のカードが、赤、青、緑の順に光った。
「…これはなんだ。」
「エナジーラインを繋げた証です。」
「付け加えますと、エナジーラインは原則として4枚のカードにしか繋げないので注意してください。」
「初耳だ。説明しろ。」
「さぁ…そういうものとしか。原理は不明です。」
(…4枚のカード…何か引っかかるな。)
(以前は、4枚のカードを使って戦っていたような…。)
忠臣は逡巡するも、具体的な答えは出ない。
疑問を残したまま、舞台は鳩羽から【蒼王宮】へと移るのであった。