#コンパス 桜華忠臣の受難   作:K+#ガソ林

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謎の組織 レジスタンス-2

 

 

 ───目を開ける。

 

 自慢の拳で全てを吹き飛ばしたブラストアッパー。

 ジェニトは強大な力を前にして、本気を出す。

 

「良かろう。」

「俺が相手をしてやる。」

 

 ジェニトは【きょうせんしの大剣】を蹴り、飛翔。

 一瞬で忠臣達の目の前に移動する。

 

 そして、忠臣達へと自身の長剣を投げつけつつ、【レーザー特注忍具 -双天小鳥丸-】を起動した。

 

 忠臣はブラストアッパーを庇い、投げつけられたジェニトの剣を弾く。

 

「サンキュー!忠臣!」

 

「我を援護せよ。」

 

 双剣、双天小鳥丸は刀身に沿って展開されるレーザーで敵を断つ、羽根のような軽さの近未来白兵兵装。

 

 当然ながら、【千血妖刀 牛鬼村正】もレーザーで断ち切ることができる。

 

「相手が悪かったな、刀使い!」

 

 ジェニトの剣が1秒もかからずに、忠臣の剣を溶解させ、容易く断ち切る。

 

「これで一つ───。」

 

 忠臣の首先まで刃が届こうとしたその時だった。

 

(村正───起動。)

 

 【千血妖刀 牛鬼村正】の刀身が、雷へと変わる。

 ときに、双天小鳥丸はレーザー刀であるが故に、電池と───電気回路を内蔵する。

 

「ぬッ。」

 

 電気と化した村正の刀身が、双天小鳥丸の電気回路へつながり、過電流(想定以上の電流が流れて、電気回路に負荷がかかること)を起こす。

 

 結果として、双天小鳥丸は過剰なほどの負荷から熱暴走を起こし、爆発。

 忠臣はなんとか凶刃から逃れることに成功した。

 

「ブラスト───。」

 

(ぐっ、まずいッ。)

 

 武器を破壊され無手のジェニトの背中に、ブラストアッパーの拳が迫る。

 

 また、忠臣は村正の刀身を雷から鉄へと戻していた。

 このままでは、2方向からの攻撃に対処しきれず、ジェニトは負ける。

 

(【アバカン】と、【ワキンヤン】以外の雷の使い手がいるとは───目測を誤ったな。)

("次"は負けん。)

 

 ジェニトは忠臣の刀を、右腕を犠牲に防いだ。命が奪われなければ、それで十分であるから。

 

「…!後ろを見ろ、拳使い!」

 

「どうした忠臣!」

 

「フルークが落ちてきておるわ!」

 

「んだとォ!?」

 

 ここでジェニトが取った作戦とは、フルーク・クォイツを突撃させ、自分もろとも忠臣とブラストアッパーを爆破させるものだった。

 

 フルークの推進力は凄まじく、500mの距離も10秒あれば通過できる。

 

「チッ───アッパーッ!!!」

 

 ブラストアッパーは溜めていた拳をフルークに向けて解放。その推進力と拮抗する。

 

 ジェニトはこれを好機に双天小鳥丸を再度実体化、左腕のみで忠臣へと襲い掛かる。

 

「馬鹿め!遠慮なく死ぬが良いッ!」

 

 忠臣はすかさず村正を起動し、雷の効果を使用した。

 当然ながら過電流による過負荷で双天小鳥丸は爆発しようとする。

 

「俺たちは、"それ"を油断と呼ぶのだ。」

 

 ジェニトは爆発寸前の小鳥丸を忠臣へと投げつける。

 

「なっ───。」

 

 ちょうど忠臣の手元で小鳥丸は爆発し、持っていた村正が遠くへと弾き飛ばされる。

 

「今回は逃げさせてもらう。」

 

(俺達【蒼王宮】に、俺を含め、一人たりとも損害があってはならん。)

 

(───【ソーン・ユーリエフ】の時のような事は、二度と繰り返すわけにはいかない。)

 

「───次会う時は、必ず殺す。」

 

 ジェニトは【きょうせんしの大剣】の柄につかまり、あっという間に遠くへと姿を消した。

 

 

 

「ぬおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!」

 

 フルークとブラストアッパーの戦いは、フルークが圧倒的優勢を得ていた。

 

 元より兵器と人間の戦いなのだから、かろうじて均衡が保たれているのが、むしろ異常ではあるのだが。

 

「が…ぁ…!!あああああああああ!!!!!」

 

 声を裏返す程の気力はあれど、体は既に答えてはくれない。

 大気中のプラズマを起こすほどの力も、それを超える質量で上から叩かれては、無力。

 徐々に拳は後ろへ。

 

(あ───負ける。)

 

 肘が曲がる。

 

(───負ける…?)

 

 膝が折れる。

 

(負けるのか…?オレ…。)

 

 拳が、ほどける。

 

(オレの、全力───。)

 

 力が、抜ける。

 

 ここで、一つ、皮肉な事ではあるが。

 ブラストアッパーが負けを認めたその時に、Tele-Passによる忠臣達の転送は、終了したのであった。

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