元帝王はありふれた世界で暴れまくる   作:紙の子

14 / 34
第14話

一夜を過ごした翌日、宿から出ると肌がツヤツヤのユエの疲れ気味のハジメが出てきた。

周りからは「あの野郎……」とか「爆発しろ!」という声が聞こえてくる。

そんなことを気にせずにハジメは俺様に話しかけてきた。

 

「ねぇ…王牙」

 

「ん?何だ?」

 

「ユエのあれ…王牙が作って本当?」

 

「そうだが?何だ気に入らなかったか?」

 

「…ハジメ大興奮」

 

そう言って頬を赤く染めて恥ずかしそうにしているユエ。

 

「あぁーなるほどね」

 

それを見た俺様は納得したようにうなずいた。

 

「ユエは余計なこと言わないで!」

 

「ユエ。またして欲しいなら俺様の所に来な。ハジメの好み衣装をまた作ってやるから」

 

「…ん!」

 

 

嬉しそうな表情を浮かべるユエを見て、ハジメも苦笑いするしかなかった。

そして、4人は宿を出る。

 

 

 

 

俺様はハジメ達を買い物に任せギルドに向かう。

中に入ると早々に婆ちゃんの元に向かう。

 

 

「あら昨日の赤毛の子じゃない?」

 

 

「今日中に旅に出るから挨拶しにな」

 

「それは寂しくなるわね……。それでどんな用件かしら?」

 

「いいんや。あんたにだけ秘密を教えておこうと思ってな…」

 

そう言い俺様はステータスプレートを見せる。

すると婆ちゃんは目を見開き驚いている。

 

「これは……あなたまさか!?」

 

「そのまさかだよ。俺様は今世間を騒がせている異端者だよ」

 

そう言うと婆ちゃんはさらに驚いた顔になる。

 

「平然としてるけどあんたは何を目的に旅をしてんの?」

 

何のためにか?

 

「自由気ままに旅をするだけだ」

 

そう言うと婆ちゃんに高笑いされた。

 

「くっくっ……面白い子ね。なら、これを持っていきなさい」

 

そう言われ婆ちゃんから手紙を受け取った。

困った時にその国の偉いさんに渡せと言われたので有難く受け取り俺様はギルドを出る。

 

そして外では何故かハジメ達の周りに人集りが出来ていたが面倒なので先に街の外に向かった。

 

 

 

 

「一撃必殺ですぅ!」

 

ズガンッ!!

 

「……邪魔」

 

ゴバッ!!

 

「どけぇ」

 

ドパンッ!!

 

 

ハジメ、ユエ、シアの三人はライセン大峡谷を通り大迷宮を探索する。

俺様?俺様はなぁ……

 

 

「ちょいと用事あるからお前らでライセンの攻略頼むわ!

そもそも俺様神代魔法全部持ってたし」

 

と言い転移魔法で姿を消す。

 

 

 

 

王牙が姿を消したのでハジメは仕方ないとライセン大迷宮の入口を見つけた。

 

「それにしてもここが本当に"解放者"達が残した大迷宮ですかぁ?」

 

シアが見つけたにも関わらず疑問を持つ。

その理由は

 

〝おいでませ! ミレディ・ライセンのドキワク大迷宮へ♪〟

 

〝!〟や〝♪〟のマークが妙に凝っている所が何とも腹立たしい。

 

「ムカつくけど多分ここだよ」

 

「…うん」

 

ハジメ、ユエ、シアは大迷宮の攻略が始まった。

 

 

 

 

王牙が異端者認定されてからリリアーナはため息する事が多くなった。

これはメイドであるヘリーナが身近に見ているので1番わかっている。

 

「王女。またため息が出てますよ」

 

「分かっていますが…この現実に付いてこられないのです」

 

「まぁ気持ちは分かりますが……」

 

すると突然周囲に異変が起きる。

赤黒い霧が部屋内を囲う。

 

「王女、お下がり下さい!」

 

ヘリーナの背後に隠れるリリアーナ。

すると正面の空間にヒビが入り中から黒い人型の何かが現れる。

ヘリーナは更に警戒する。

黒い人型は姿を変えて人間の姿に変わる。

その姿にリリアーナは驚きの顔をする。

 

「お、王牙さん?!」

 

「ようリリィ。2.3ヶ月振りだな」

 

現れたのは王牙だった。

 

「王牙さん……どうしてここに?」

 

「ちょっと用事があってな」

 

「それより……ここは一体?」

 

「ちょいと人避けと防音をさせてもらった。…これから話すことは国王や教会の奴らには特に問題になるからな」

 

「わ、わかりました!」

 

王牙はオルクスの奥で見つけた大迷宮、更に過去に起きた解放者達の話をリリアーナに話した。

 

「それは即ち…教祖が話している事や、書物にある伝説は」

 

「大半は嘘の混ざりもんだ」

 

そう言い王牙は亜空間からオスカーの日記を取り出しリリアーナに投げ渡す。

 

「これは?」

 

「そこに書いてある通りだ……過去反逆者と言われた解放者の1人が残した日記だ」

 

「え?!」

 

リリアーナは急いでページを開きオスカーの日記を読む。そこにはエヒトについて書かれていた。

 

「つまりエヒトの本性は……」

 

「ああ。俺様の予想だとアイツは人を超えた存在」

 

「そんな……まさか!?」

 

「そう。魔人族を倒した所で俺様達は元の世界に帰ることは出来ず、エヒトは新しい盤上を用意して空から見ているだけだ」

 

王牙の言葉にリリアーナは何も言えなかった。

 

「まぁ…その神はもう存在しないがな」

 

 

「いない?」

 

「あぁ。俺様はエヒトを殺したからな」

 

「はぁっ!!?」

 

衝撃的な言葉に驚くリリアーナ。

 

「人の昼時を邪魔した挙句、駒扱いしようとしたからな。光の球体だったから軽く握り潰してやったぜ!」

 

王牙は笑みを浮かべるが目が笑ってない。

 

「これで俺様の目的は達成された。後は……」

 

「後は?」

 

「元の世界に帰る旅をするだけだ」

 

「そう……ですか……」

 

「そういう事だ。後、香織と雫はどんな感じだ?」

 

王牙の質問に少し困った顔をしながら答える。

 

「雫さんはメルド団長に厳しく訓練されています。

香織さんは笑顔が消えましたが今も戦ってます」

 

「そうか。アイツら無茶するなよ」

 

王牙は苦笑いしながら頭を掻く。

 

「なら俺様は先に行く…あっ、そうだ!」

 

王牙はリリアーナの頭を優しく撫でる。

 

「あんまり無茶するなよ!」

 

 

「はいっ!!」

 

王牙は満足そうな顔をし再び赤黒い霧に包まれ消えた。

 

 

 

 

 

そして王牙は再びハジメ達の前に現れた。

 

「待たせたな!」

 

「お帰り…無事に大迷宮はクリアしたよ…」

 

「おう! そいつは良かった!」

 

王牙は満足して次の街に向かうために魔力駆動二輪を出して乗り込む。

 

「それじゃ行くぞ!」

 

王牙はアクセルを踏み次の街へと走り出した。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。