元帝王はありふれた世界で暴れまくる   作:紙の子

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第26話

海底迷宮を攻略したハジメ達はレミアの家でゆっくりしている。

 

 

そんな時、王牙は部屋から出てきたと思えばシアの元に歩いて行く。

ミュウと遊んでいたシアは何事と疑問に思っていると

 

「ハジメ、シアを借りてくから〜」

 

シアの首輪を掴み外に出て行った。

ハジメ達は何事かと思いながらも、また何か悪巧みでもするんだろうと思って気にしなかった。

 

 

 

 

 

「ちょ、ちょっと王牙さん!何をするんですか?!」

 

「今から俺様と一緒に帝国に向かうぞ!」

 

「えっ?!」

 

「お前の家族は下手したら今日殺されるぞ」

 

王牙はだいぶ歩いた所でシアの首輪から手を離す。

シアは深刻な顔をしながら王牙を見つめていた。

 

「それでしたら皆で向かった方が」

 

「馬鹿言うな。大人数で向かえば俺様の負担が大きい」

 

「ですが……」

 

「それに帝国の奴らが全員敵だとは限らない。まぁ、十中八九敵だがな」

 

王牙の言葉を聞いてもなお納得しない様子だった。

 

「帝国の奴らは俺様が相手をする。

シアは捕まった奴らを救出。その後俺様が帝国の外に転移させる。

万が一お前の所に兵士が来たら…コイツを使え」

 

王牙はシアに赤黒い機械を渡す。

渋々とシアは納得して受け取る。

 

 

「分かりました……。それで王牙さんは大丈夫なんですか?」

 

「あ?舐めんなよ。俺様に勝てる奴なんてこの世にいねぇんだよ」

 

そう言って王牙は転移魔法を発動する。

シアも慌てて王牙の近くに向い転移される。

 

 

 

 

 

 

転移された先は帝国軍の上空だった。

突然地上にいたのに空の上に居ることにシアは大慌てしている。

 

「お、おお王牙さん?!何で空の上なんですか?!」

 

「うるせぇ!静かにしろ!もうすぐ帝国に着くぞ!」

 

落下すると凄まじい衝突音と共に王牙はシアを下ろす。

案の定帝国兵士はこの衝突音に気付き武器を構えながら臨戦態勢を取る。

 

「…シア、作戦通り向かえよ」

 

「はい!」

 

シアは兵器達の頭上を軽々と飛び越え城の中に侵入して行った。

兵士達はシアを追いかけようとするも出入り口を王牙が塞ぐ。

 

「後を追い掛けたいなら俺様を倒して向かう事だな…まぁ無理だろうがなぁ!!」

 

王牙はベリアルの姿に変身して戦闘態勢に入った。

 

 

 

 

 

 

「ハァ…ハァ…」

 

シアはひたすら走り近くの階段を降りていく。

途中兵士に見つかるもドリュッケンで吹き飛ばし先に先にと向かって行く。

そしてシアは鉄の扉を見つけ破壊して中に入る。

そこには見覚えのあるシアと同じうさ耳をした亜人族が首輪を付けられて牢獄に入れられていた。

 

「…お父様…皆…」

 

「?!シア…」

 

牢屋越しであるが

久しぶりに家族の顔を見てシアの目には涙が流れる。

シアは涙を拭き取るとすぐに行動に移った。

 

「今助けますね!」

 

シアは牢屋を破壊して鎖を引きちぎり解放した。

その光景を見た人々は歓喜の声を上げる。

しかし喜びもつつかの間、シアの元に帝国兵士がやって来る。

 

「まずいです…!」

 

その時シアは王牙から受け取った機械を手にして前にかざす。

すると機械から四角い光が飛び出す。

 

そして目の前には禍々しい色の角が頭や背中に生え、胸には紫の玉が埋め込まれている魔物が現れる。

 

「な、ななななんですか?!」

 

シアは何が起きたのか理解出来ず大慌てになっている。

魔物は雄叫びを上げながら帝国兵士に向かって攻撃を始める。

 

 

「おっ、スカルゴモラは無事に召喚出来たみたいだな?」

 

聞き覚えのある声にシアは何処からかと辺りを見るといつの間にか隣に並んでいた王牙に問う。

 

「王牙さん!あの魔物は何ですか?!」

 

「アイツはスカルゴモラ。

俺様の因子とゴモラ、レッドキングが合体した融合獣だ」

 

「な、成程…」

 

「後はアイツに任せるとしてお前ら全員1度フェアベルゲンに転移する」

 

王牙は捕まっていたハウリア族を転移魔法でフェアベルゲンに転移させ、その後シアと共にエリセンに転移した。

その間スカルゴモラは帝国兵士達を蹂躙していた。

 

皇帝と呼ばれたガハルドも先陣にてスカルゴモラを相手するも瞬殺され帝国城は壊滅。その後も街の破壊を続けていた。

焼け野原となった後スカルゴモラは姿を消しこの一件は魔人族による仕業と各国に伝えられ、同時に帝国は崩壊した。

 

 

 

 

「さ〜て!ゴミの処理も終わった事だ。テメェらもこれで自由の身だ」

 

フェアベルゲンに転移した王牙はハウリア族の首輪を破壊して自由の身と告げる。

 

そしてシアの父親が王牙にお礼を言う。

 

「ありがとうございます。貴方のお陰で我々は救われました」

 

「あ?別に良い。今後は自分の身は自分で守れよ」

 

王牙はその場にしゃがみながらシアに視線を向ける。

 

「どうするんだシア?」

 

「どうするとは?」

 

「今後の事だ。お前とは元は家族解放のために旅をしていた。

その目的も終えた。

それでお前はどうする?」

 

シアは悩む。

元々の目的は果たされた。

でも……

シアの中で答えは既に決まっていた。

シアは立ち上がり王牙に宣言する。

 

「私はこれからも皆さんの元で旅を続けます!」

 

「そうかよ!」

 

王牙は転移魔法を発動する。

 

「お父様!私はもう少し旅をしてまいります!」

 

最初から知っていたかのように父親は微笑みながらシアを見送る。

そしてシアはフェアベルゲンから姿を消した。

 

 

 

 

 

「それで王牙とシアはヘルシャー帝国に行ってハウリア族を助けに行ってたと?」

 

「そういう事だ」

 

レミアの家に戻ったその日の夜、王牙とハジメは屋根の上に乗り夜空を見ながらシアを連れて行った理由を聞いた。

 

「シアの家族は?」

 

「フェアベルゲンに送ってやった。後はお前達で何とかしろと言ってな」

 

「そっか」

 

「明日は大迷宮攻略だ。早く寝ろよ」

 

王牙はそう言い部屋に戻って行った。

ハジメも屋根を降りて家の中に入って行った。

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